2026/10/10

電話自動応答とは?音声ガイダンス・IVR・ボイスボットの違いと選び方

「電話のたびに仕事が止まるので、自動で応答させたい」「でも音声ガイダンスとIVRとボイスボットは何が違うのか、うちにはどれが合うのか分からない」。電話の仕組みを見直そうとしている総務やカスタマーサポートの担当者から、こうした声は少なくありません。電話自動応答とは、かかってきた電話に人の代わりに機械が応対する仕組みの総称で、方式は大きく音声ガイダンス・IVR・ボイスボットの3つです。どれを選ぶかは、自動応答に「どの電話を任せたいか」で決まります。本記事では、3つの方式の違いと、留守番電話や電話代行との違いを整理したうえで、電話の困りごと別に向く方式、選ぶときに確かめるポイント、導入の手順を解説します。自社の困りごとに合う方式は、記事の中ほどにある「困りごと別」の表で確かめるのが早道です。

目次

・電話自動応答とは?

・電話自動応答の3つの種類と違い

・電話自動応答で解決できる電話の困りごと

・電話自動応答を導入するメリットは?

・電話自動応答のデメリットと、かける側の受け止め方は?

・電話自動応答の選び方:比べる6つのポイント

・電話自動応答を導入する5つのステップ

・よくある質問

・まとめ

電話自動応答とは?

電話自動応答とは、かかってきた電話に自動音声で応答し、案内・振り分け・受付までを人の手を介さずに行う仕組みです。電話機やPBX(構内交換機)の機能として使うものと、インターネット経由で使うクラウドサービスがあり、どちらを選ぶかで使える機能や費用の払い方が変わります。ここでは、自動応答でできることと、似た手段との違いを整理します。

電話自動応答で何ができる?

電話自動応答の役割は、オペレーターや社員が電話に出る前の「一次対応」を引き受けることです。具体的な働きは、次の5つです。

1つ目は案内で、営業時間や休業日、よくある質問の答えを音声で伝えます。2つ目は振り分けで、用件や担当者名を聞き、適切な部署や担当者の電話へ転送します。3つ目の受付は、注文や住所変更を番号の入力や発話で受け付け、内容をデータとして残す働きです。4つ目は預かりです。混雑時や時間外に用件と折り返し先を聞いておき、あとで人がかけ直せるようにします。5つ目の送信は、SMSでWebページのURLを送り、お客様に画面で手続きを進めてもらう使い方です。

どの働きをどこまで自動にするかで、選ぶべき方式も費用も変わります。まずは「自社の電話で、人が出なくても済む部分はどこか」を考えることが出発点です。

留守番電話・電話代行とは何が違う?

最大の違いは、電話を受けたあとに「用件が片づくかどうか」です。留守番電話は録音を残すだけで、聞き直して折り返すのは人の仕事です。電話代行は人が応対し、伝言を受けて社員に引き継ぐ形が基本で、費用は件数や時間に応じて増えていきます。電話自動応答は、案内や受付をその場で完結させたり、担当者へ直接つないだりできる点が異なります。

比べる点 留守番電話 電話代行 電話自動応答
電話に出るのは 録音の案内 代行会社の
オペレーター
自動音声
対応できる時間 いつでも録音のみ 契約した時間帯 24時間365日
電話を受けたあと 社員が録音を聞き、
折り返す
伝言を受け取り、
社員が折り返す
案内・受付をその場で終える、
または担当者へつなぐ
同時にかかってきた
ときの動き
回線の数まで オペレーターの
人数まで
契約した回線の数まで
同時に応答
費用の増え方 ほぼ増えない 件数や時間に
応じて増える
月額に加え、
件数や通話時間で増える

電話代行と自動応答は、どちらか一方を選ぶものではありません。定型の用件は自動応答で受け、込み入った相談だけを人が受けるという分担もよく行われています。

電話自動応答の3つの種類と違い

電話自動応答の方式は、お客様が何をするかで3つに分かれます。聞くだけなら音声ガイダンス、番号を押して選ぶならIVR、話して伝えるならボイスボットです。ここでは、それぞれの仕組みと向いている電話を紹介します。

音声ガイダンス・IVR・ボイスボットの3つの方式について、お客様の操作と自動でできることの違いを並べた比較図

①音声ガイダンス:決まった案内を流す

音声ガイダンスは、あらかじめ録音した案内を、電話をかけてきた人に一方的に流す方式です。「本日の営業は終了しました。営業時間は平日9時から18時です」といった時間外の案内や、混雑時の「ただいま電話が大変混み合っております」というアナウンスが代表例です。

お客様は聞くだけで、操作は何もありません。そのため設定は簡単ですが、用件を聞き分けたり、何かを受け付けたりはできません。営業時間や休業日の案内、災害時の臨時のお知らせなど、全員に同じことを伝えれば済む場面に向いています。案内文の作り方や例文は、電話音声ガイダンス(IVR)の作り方で詳しく紹介しています。

②IVR:番号の操作で振り分ける・受け付ける

IVR(自動音声応答システム)は、音声の案内に合わせてお客様にプッシュボタンを押してもらい、その番号に応じて電話を振り分けたり、受付を進めたりする方式です。「ご注文は1を、配送のお問い合わせは2を押してください」という案内が、IVRの典型です。

IVRには、用途によって大きく2つの使い方があります。

振り分けに使う

用件ごとに担当部署やオペレーターのグループへ電話を回す使い方です。代表電話にかかってきた電話を営業・経理・サポートに分けるといった場面で使われ、電話の取り次ぎにかかる手間を減らせます。

受付まで終えるのに使う

会員番号や電話番号を入力してもらい、注文や申し込み、本人確認までを自動で終える使い方です。人が出ずに用件が完了するため、件数が多い定型業務ほど効果が大きくなります。

③ボイスボット:話した言葉を聞き取って応対する

ボイスボットは、お客様が話した言葉を音声認識で文字にし、内容に応じて音声で受け答えする方式です。番号を押す代わりに「住所を変更したい」と話せば、必要な項目を順に聞き取って受付を進めます。

ボイスボットにも、作り方によって2つの型があります。

シナリオに沿って聞き取る型

あらかじめ決めた質問の順番どおりに、名前・電話番号・用件などを聞き取る型です。受け答えの範囲が決まっているため、注文や予約、折り返しの受付のように聞く項目が決まった業務で安定して使えます。

生成AIで自由に答える型

生成AIを組み合わせたボイスボットは、決まった順番にとらわれず、お客様の質問に合わせて答えを組み立てます。FAQのような幅のある質問に対応しやすい一方、答えてよい範囲の設定や、人へ引き継ぐ条件の設計が欠かせません。AIを使った応対の仕組みは、AI電話対応とはでも解説しています。

3つの種類はどう使い分ける?

使い分けの基準は、自動応答に「伝えるだけ」を任せるのか、「分ける」のか、「聞き取る」のかです。伝えるだけなら音声ガイダンス、用件の数が限られていて番号で選べるならIVR、住所や氏名のように番号では入力しにくい内容を受け付けるならボイスボットが向きます。

比べる点 音声ガイダンス IVR ボイスボット
お客様の操作 聞くだけ 番号を押す 話す
自動でできること 決まった案内を流す 振り分け、
番号で入力できる受付
住所・氏名などの聞き取り、
質問への応答
向いている電話 時間外・休業日の案内、
臨時のお知らせ
代表電話の振り分け、
会員番号を使う手続き
注文・予約・変更の受付、
折り返しの受付
準備にかかる手間 案内文を録音するだけ メニューと分岐の設計 聞き取る項目と言い回しの
設計、聞き取りの調整

実際には、1つの電話番号の中で3つを組み合わせて使うこともよくあります。最初に音声ガイダンスで用件を確かめ、IVRで振り分け、受付が必要な用件だけボイスボットで聞き取る、という組み立てが一般的です。プッシュ操作とボイスボットの分担は、ボイスボットと相性が良い業務でも整理しています。

電話自動応答で解決できる電話の困りごと

電話自動応答の効果は、どの困りごとに当てるかで大きく変わります。ここでは、よくある困りごとごとに、現場で起きていることと、向く方式・使い方を表にまとめました。自社に当てはまる行を探してみてください。

代表電話の取り次ぎ、混雑でつながらない、時間外の取りこぼし、同じ質問の繰り返しという4つの困りごとと、それぞれに向く電話自動応答の使い方を結んだ図

困りごと 現場で起きていること 向く方式と使い方
代表電話の取り次ぎで
仕事が止まる
電話番の社員が毎回出て、
担当者を探して伝言している
IVRかボイスボットで担当者名や
用件を聞き、直接転送する
混雑する時間帯に
つながらない
待ちきれずに切るお客様がいて、
かけ直しがさらに混雑を生む
あふれた電話だけ自動で受け付ける、
または折り返しの予約を受ける
営業時間外の電話を
取りこぼしている
夜間や休日の電話が、
留守番電話か話し中で終わる
ボイスボットで用件と連絡先を
聞き、翌営業日に折り返す
同じ質問に
何度も答えている
手続き方法や必要書類の
問い合わせが一日中続く
音声ガイダンスで答えを伝え、
SMSでWebページを案内する
営業電話が多い 不要な電話に担当者が
呼び出されている
IVRで用件を選んでもらい、
営業の電話は録音で受ける

ここからは、表の上から4つの困りごとについて、実際に電話自動応答を使っている企業や自治体の例を紹介します。

代表電話の取り次ぎで仕事が止まる

代表電話の取り次ぎは、電話が鳴るたびに作業が中断され、担当者が不在なら伝言と折り返しの手間まで生まれる業務です。電話放送局でも自社の代表電話にボイスボットを使っており、かけてきた方が担当者名を伝えると、その担当者の携帯電話へ直接転送される設定にしています。会社の電話機が鳴るのは、総務部と代表電話宛ての用件だけです。

この運用で、月間の電話対応の工数は約17%削減されました。不要な営業電話はあらかじめ登録しておき、ガイダンスで用件を録音してもらうことで、折り返しが必要かを後から判断できるようにしています。(出典:導入事例 株式会社電話放送局)営業電話そのものへの応じ方は、営業・迷惑電話の断り方も参考になります。

混雑する時間帯につながらない

繁忙期や広告を出した直後は、席の数を超えて電話がかかってきます。株式会社ダスキンでは、エアコンクリーニングの繁忙期にあたる4〜6月の電話に対応するため、自動音声受付の専用番号を用意し、住所や名前などをボイスボットで聞き取る仕組みを作りました。オペレーターがすぐに出られない「待ち呼」が発生したときも、希望するお客様を自動音声受付へ回しています。

聞き取った内容はSMSで送るマイページでお客様自身が確認・修正でき、音声認識の聞き違いがそのまま残らないようにしています。2020年と2025年度の比較で、コンタクトセンターの応答率は7%、30秒以内に応答できた割合は22.4%向上し、エアコンクリーニングの注文の約10%を自動音声受付でまかなえるようになりました。(出典:導入事例 株式会社ダスキン)取りきれない電話の扱い方は、あふれ呼IVRのページでも紹介しています。

営業時間外の電話を取りこぼしている

夜間や休日の電話は、留守番電話にしていても録音を残さずに切られることが少なくありません。万田発酵株式会社では、深夜帯にかかってきた電話をボイスボットで受け、問い合わせ内容・名前・折り返し先の電話番号を聞き取ったうえで、翌営業日に人が折り返す運用をしています。

その結果、時間外にかかってくる電話の半数以上をボイスボットで一次受けできるようになりました。用件があらかじめ分かっているため、折り返しの電話で一から聞き直す必要がなくなり、連休明けに電話が集中する事態も防げています。(出典:導入事例 万田発酵株式会社)折り返しの仕組みはコールバックとはで詳しく解説しています。

同じ質問に何度も答えている

手続きの方法や必要書類など、答えが決まっている質問は、自動応答で完結させやすい電話です。前橋市の国民健康保険課では、年間約3万2千件、多い日には1日200件以上の電話をすべて職員が受けていました。そこで入電理由を分析し、「自動音声の案内で解決できる内容」と「職員が直接聞くべき内容」を分けたうえで、問い合わせの多い項目から音声ガイダンスを作っています。

当初は説明漏れを心配して案内が長くなりがちでしたが、あえて情報を絞り込む方針に切り替えたことで、迷いにくい流れに変わりました。導入後は年間約550時間の業務時間を削減し、自動音声の案内で完結した割合は約20%に達しています。心配されていたクレームやトラブルは、ほぼ0件です。(出典:導入事例 前橋市)

電話自動応答を導入するメリットは?

電話自動応答のメリットは、人が電話に出る回数そのものを減らせることにあります。ここでは、導入した現場で実感されやすい4つのメリットを紹介します。

一次対応の手間が減り、本来の仕事に戻れる

電話に出て、用件を聞き、担当者を探して伝える。この一次対応の繰り返しが、少人数の職場ほど大きな負担になります。自動応答が用件の確認と振り分けを引き受ければ、社員は自分宛ての電話だけに出ればよくなり、作業の中断が減ります。電話番のために出社する必要もなくなるため、テレワークとの相性も良好です。

夜間や休日も受け付けられる

自動応答は24時間365日、同じ品質で電話を受けられます。時間外の電話を受付や折り返しの予約につなげれば、翌朝に電話が集中するのを防ぐことも可能です。災害などで社員が出勤できないときも受付を止めずに済むため、BCP対策の一つとしても使われています。

混雑しても話し中になりにくい

人が出る電話は、出られる人数を超えると話し中や長い待ち時間になります。自動応答は契約した回線の数まで同時に応答できるため、テレビCMや広告の直後のように一度に電話が集まる場面でも、まず自動で受け止められます。

用件の記録が残り、改善に使える

自動応答を通った電話は、日時・選ばれたメニュー・切れた箇所などがデータとして残ります。どの時間帯にどんな用件が多いのかが数字で分かるため、人員配置や案内の見直しにそのまま使えるでしょう。こうした入電理由の集計はコールリーズン分析と呼ばれ、自動化する範囲を決める材料にもなります。

電話自動応答のデメリットと、かける側の受け止め方は?

デメリットは、作り方を誤るとお客様に手間をかけさせてしまう点です。注意点を2つと、電話をかける側が自動応答をどう受け止めているかを、調査の数字で紹介します。

案内が長いと、操作が面倒に感じられる

メニューの数が多かったり、案内が長かったりすると、お客様は目的の番号にたどり着く前に疲れてしまいます。電話放送局が50〜70代の男女241名に行った調査でも、コールセンターで経験した嫌なこととして「自動音声のプッシュ番号操作が複雑で面倒だった」が17.0%、「担当部署をたらい回しにされて疲れた」が13.7%挙がりました。(出典:コールセンター利用とAI自動応答に関する意識調査)

前橋市の例のように、伝える情報を絞り、1つの階層のメニューは覚えられる数に抑えることが対策になります。どの選択肢にも当てはまらない人のために「オペレーターにつなぐ」番号を残しておくことも欠かせません。

想定していない用件には答えられない

自動応答が対応できるのは、設計した範囲の用件だけです。ボイスボットでも、想定外の話し方や込み入った相談には正しく答えられないことがあります。そのため、聞き取れなかったときや、お客様が人との会話を望んだときに、オペレーターや担当者へ引き継ぐ道を必ず用意しておきます。

引き継ぐときに、自動応答で聞き取った内容を担当者に渡せるかどうかも大切です。お客様に同じことを二度話させないことが、自動応答への不満を減らす近道になります。

かける側は自動応答をどう受け止めている?

全体としては賛否が分かれますが、場面を絞れば受け入れられやすいというのが調査の結果です。先の調査では、ボイスボットを「利用したい」と答えた人は31.6%で、「利用したくない」側の39.0%をやや下回りました。一方で、「人よりボイスボットの方が話しやすい場面がある」と答えた人は70.5%にのぼります。

区分 上位の場面 回答の割合
ボイスボットの方が
話しやすい場面
解約・退会の手続き
深夜・早朝など時間帯を気にしたくないとき
クレーム・苦情を伝えるとき
35.3%
24.9%
18.7%
人に対応して
ほしい場面
契約内容の複雑な変更があるとき
判断に迷っていて相談したいとき
商品の使い方を具体的に教えてほしいとき
49.4%
36.1%
29.0%

出典:コールセンター利用とAI自動応答に関する意識調査(電話放送局、50〜70代の男女241名)

つまり、手続きが決まっている用件や時間外の受付は自動応答に任せ、相談や判断が必要な用件は人が受けるという分担が、かける側の感覚にも合っています。同じ調査では、ボイスボットへの不安として「話した内容を正しく聞き取ってもらえるか」が22.4%、「結局オペレーターにつながるなら二度手間ではないか」が22.0%で上位でした。聞き取った内容を確認できる仕組みと、人へのスムーズな引き継ぎが、この不安への答えになります。高齢のお客様が多い窓口での注意点は、コールセンターの高齢者対応もあわせてご覧ください。

電話自動応答の選び方:比べる6つのポイント

サービスを比べる前に、任せたい電話と、受け付けたあとの流れを決めておくと、比べる軸がはっきりします。ここでは、電話自動応答のサービスを選ぶときに確かめたい6つのポイントを紹介します。

①任せたい電話に合う方式か

最初に確かめるのは、任せたい電話に必要な方式がそろっているかです。代表電話の振り分けだけならIVRで足りますが、住所や氏名を受け付けたいならボイスボットが要ります。今は振り分けだけでも、将来は受付まで広げたいという場合は、同じサービスの中で方式を足していけるかも見ておきます。

②今の電話番号のまま使えるか

お客様や取引先に知らせている番号を変えずに使えるかは、導入の手間を大きく左右します。たとえばDHK CANVASは、サービス側で発行した番号へ今の番号から転送する形のほか、0120や0570の番号への着信を受ける形でも使えます。フリーダイヤルや0570番号で使えるか、転送のときに通話料がどうかかるかも確かめておきましょう。電話の転送の仕組みは、会社の電話転送のやり方で解説しています。

③受け付けた内容をどこに渡せるか

自動で受け付けても、その内容を人が別のシステムに打ち直しているのでは、手間が移っただけになります。受付内容をメールで届けるのか、管理画面からCSVで取り出すのか、顧客管理システムへAPIで渡すのか。受付後の流れに合わせて、連携の方法を確かめます。

④同時に受けられる本数と、混雑時の動き

自動応答が同時に受けられる電話の本数は、サービスや契約によって異なります。広告やテレビCMの直後に電話が集まる業種では、ピークの本数に足りるかが重要です。人が出る電話から自動応答へ回す条件(待ち時間が何秒を超えたら回すか等)を設定できるかも、あわせて確認します。

⑤料金はどう決まる?

料金は、初期費用、月額費用、件数や通話時間に応じた従量料金、通信会社の通話料の組み合わせで決まるのが一般的です。月の件数が少ないうちは月額の差が総額を左右しますが、件数が増えると従量部分の比重が大きくなります。

費用の種類 何に払うか 確かめること
初期費用 番号の用意、案内の流れの
設定、システムとの連携
設定を代行してもらう場合の費用、
連携の開発が別料金か
月額費用 サービスの基本料金 月額に含まれる件数や回線数
従量料金 着信件数や通話時間 1件あたりか1分あたりか、
含まれる件数を超えた分の単価
通話料など 通信会社の通話料、
転送の通話料
フリーダイヤルの通話料や、
転送したときの通話料の扱い

コールセンター向けの例として、電話放送局の自動受付IVRは、初期費用300,000円〜・月額費用150,000円〜で、月額に月4,000件までの着信を含み、4,001件目からは1件25円の従量課金という料金を公開しています(2026年10月時点。通信会社の工事費・通話料などは別途)。小規模な事業者向けに月額を低く抑えたクラウド型のサービスもあり、比べるときは「月に何件かかってくるか」を先に数えておくと試算がぶれません。ボイスボットの費用の考え方は、ボイスボットの費用相場で詳しく解説しています。

⑥自分たちで案内を変えられるか

案内の文言や分岐は、導入後に何度も直すことになります。営業時間の変更や臨時休業のたびに業者へ依頼していては、すぐに使いにくくなります。管理画面からノーコードで案内の流れを変えられるか、困ったときに設定を手伝ってもらえるサポートがあるかを確かめておくと安心です。

電話自動応答を導入する5つのステップ

電話自動応答の導入は、案内文を作るところからではなく、今の電話を数えるところから始めます。ここでは、失敗しにくい進め方を5つのステップで紹介します。

電話を用件別に数える、自動と人に分ける、案内の流れを作る、一部から始める、切れた箇所を見て直す、の5つのステップで電話自動応答を導入する手順図

ステップ1 1か月分の電話を用件別に数える

まず、1か月ほどの間にかかってきた電話を、用件と時間帯ごとに記録します。「注文」「配送の確認」「住所変更」「営業電話」のように分けて数えると、どの用件が多いのか、いつ集中しているのかが見えてくるはずです。この数字が、自動化する範囲と、選ぶサービスの規模を決める材料になります。

ステップ2 自動で終わる用件と、人が出る用件を分ける

次に、数えた用件を「自動の案内や受付で終わるもの」と「人が話を聞くべきもの」に分けます。答えが決まっている質問や、聞く項目が決まっている受付は自動向きです。相談や判断が必要な用件、緊急の連絡は人が受けます。前橋市でも、この仕分けを徹底したうえで、問い合わせの多い項目から順に自動化しています。

ステップ3 案内の流れを短く作る

自動に任せる用件が決まったら、電話を受けてから用件が終わるまでのコールフローを描きます。最初の案内は短くし、よく選ばれる用件ほど前に置くのが基本です。案内文の書き方や録音のコツは、電話音声ガイダンス(IVR)の作り方を参考にしてください。

ステップ4 一部の番号や時間帯から始める

最初からすべての電話を自動にする必要はありません。時間外だけ、混雑したときだけ、特定の用件の番号だけ、というように範囲を絞って始めると、お客様の反応を見ながら広げられます。万田発酵株式会社のように、繁忙期の受付から始めて、状況に合わせて時間外の一次受けへ使い方を移していく例もあります。

ステップ5 切れた箇所と完結した割合を見て直す

使い始めたら、どの案内で電話が切られているか、自動で用件が完結した割合はどれくらいかを定期的に確認します。特定の案内で切られる電話が多ければ、そこが長すぎるか分かりにくいという合図です。案内を直し、数字がどう変わったかを見る。この繰り返しで、自動応答は使うほど使いやすくなっていきます。

よくある質問

Q. 電話自動応答は、小さな会社でも導入できますか?

導入できます。少人数の職場ほど、電話番の負担や取り次ぎによる作業の中断が大きいため、代表電話の振り分けや時間外の案内だけでも効果を感じやすくなります。まずは月に何件の電話があり、そのうち何割が取り次ぎや定型の質問かを数えてから、規模に合うサービスを選ぶと無駄がありません。


Q. 電話自動応答を自作することはできますか?

ビジネスフォンやPBXに付いている音声ガイダンス機能を使えば、時間外の案内や簡単な振り分けは社内で設定できます。ただし、受付内容をデータで残したい場合や、混雑時に多くの電話を同時に受けたい場合は、クラウドの電話自動応答サービスを使う方が現実的です。管理画面で案内の流れを組み立てられるサービスなら、専門知識がなくても自社で作れます。


Q. スマートフォンにかかってきた電話も自動応答にできますか?

会社の番号を電話自動応答サービスにつなぎ、用件に応じて担当者のスマートフォンへ転送する形なら可能です。電話放送局でも、担当者名を聞き取って担当者の携帯電話へ直接転送する使い方をしています。個人のスマートフォンに付いている留守番電話の機能とは、用件を聞き分けて振り分けられる点が異なります。


Q. 導入までにどれくらいの期間がかかりますか?

案内と振り分けだけなら短期間で始められますが、受付内容をほかのシステムと連携させる場合は、その設計と確認の期間が加わります。たとえば電話放送局のDHK CANVASは、申し込みから最短約2週間で利用を始められます(要件により異なります)。時間外の案内など小さな範囲から始めると、準備の負担を抑えられます。


Q. 自動応答にすると、お客様に冷たい印象を与えませんか?

使う場面と案内の長さ次第です。手続きが決まっている用件や時間外の受付は、待たずに済むぶん歓迎されることもあり、前橋市の例では導入後のクレームやトラブルはほぼ0件でした。人と話したいお客様のために、オペレーターや担当者へつなぐ選択肢を残しておくことが大切です。


Q. 電話自動応答とIVRは同じものですか?

IVRは電話自動応答の方式の一つです。電話自動応答は、録音を流すだけの音声ガイダンス、番号の操作で振り分けるIVR、話した言葉を聞き取るボイスボットをまとめた呼び方として使われます。ただし、サービス名や説明でIVRと電話自動応答をほぼ同じ意味で使っている例も多いため、比べるときは「何ができるか」で確かめるのが確実です。

最後に、電話自動応答についてよくある質問に回答します。

まとめ

電話自動応答は、音声ガイダンス・IVR・ボイスボットのどれを選ぶかより先に、「どの電話を任せるか」を決めることが成否を分けます。代表電話の取り次ぎならIVRかボイスボットでの転送、混雑時や時間外の取りこぼしならボイスボットでの受付と折り返し、同じ質問の繰り返しなら音声ガイダンスとSMSでの案内が、それぞれの出発点です。

最初の一歩として、1か月分の電話を用件と時間帯で数え、自動で終わる用件と人が出る用件に分けてみてください。そのうえで、今の番号のまま使えるか、受付内容をどこに渡せるか、件数に対して料金がどう増えるかを比べれば、自社に合うサービスが絞り込めます。株式会社電話放送局は、創業40年以上にわたりIVRとボイスボットの運用を支えてきました。受付・一次対応の自動化は電話自動応答システム DHK CANVASで、具体的な使われ方は導入事例でご覧いただけます。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延

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