2022/08/26

日々、多数の電話業務が発生するオフィスやコールセンターでは、効率化のために専用のシステムが必要です。そこで、ビジネスシーンに適した運用を実現する仕組みとして「PBX」が挙げられます。PBXとはどのような装置なのでしょうか。また、よく似た「ビジネスフォン」とはどのような違いがあるのでしょうか。

こちらの記事では、PBXの基礎知識を確認した上で、ビジネスフォンとの違いを解説します。また、PBXに搭載されているIVR機能に対して、「クラウドIVR」という選択肢についてもご紹介します。オフィスやコールセンターにおける電話業務の責任者様は、ぜひ参考にお読みください。

目次

PBXの基礎知識

 ・PBXとは

 ・PBXの主な機能

PBXとビジネスフォンの違い

 ・ビジネスフォンとは

 ・ビジネスフォンの主な機能

 ・PBXとビジネスフォンの違い

PBXの種類と特徴

 ・IP‐PBX

 ・クラウドPBX

 ・レガシーPBX

PBXに搭載されているIVR機能について

 ・IVR機能とは

IVRに特化したサービスの特徴

 ・豊富な機能が搭載されている

 ・ベンダーから提案を受けられる

 ・初期費用を抑えやすい

 ・導入までのスピードが速い

ノーコードのクラウドIVR「DHK CANVAS」の特徴

 ・コールフローをノーコードで編集できる

 ・IVRに必要な機能が標準実装されている

 ・ベンダーによるサポートが充実している

IVRはPBX以外に専門サービスでクラウド化する選択肢もある!

PBXの基礎知識

PBXを上手く使えば、受電業務を効率化できます

ビジネスシーンでは、自社内にある多数の電話機の運用を効率化するために、「PBX」を利用するケースが多くなっています。PBXを導入すると具体的にどのような業務で役立つのでしょうか。初めに、PBXの特徴や主な機能などをご紹介します。

PBXとは

PBXとは、「電話交換機(構内交換機)」のことを指します。名称は「Private Branch Exchange」の頭文字を取った略語です。オフィスやコールセンターなどに設置された電話機を効率的に使用するための装置で、拡張性があります。PBXには、電話応対業務で役立つさまざまな機能が搭載されています。

PBXの主な機能

・内線通話機能
外線を使わずに、内線同士で通話する機能です。PBXを用いた内線通話は無料で利用できるため、会社内の通話料のコスト削減が期待できます。さらには、複数の電話回線をPBXに集約することで、外線の発着信や内線通話が可能となります。地方支店や海外拠点など、物理的に離れた拠点間でも内線通話を実現できるのがメリットです。

・着信制御機能
PBXに搭載される着信制御機能は、「ダイヤルイン機能」とも呼ばれます。1つの電話回線で複数の電話番号を利用できるのが特徴です。電話回線を契約している電話番号を親番号とし、紐づけた子番号ごとに着信させる仕組みとなっています。着信制御機能を利用すれば、親番号の契約のみで運用できるので、電話回線の契約数を抑えてコスト削減が期待できます。

・電話振分機能
代表番号への外線着信を、事前に設定した通りに振り分ける機能です。振り分け方法はさまざまで、特定のグループの電話機へ振り分ける設定や、優先順位の高い電話機から順に振り分ける設定などが例として挙げられます。また、自動で音声ガイダンスを流し、顧客のプッシュ操作に応じて電話を振り分ける機能もあります。オペレーターを特定のジャンルに特化させて、業務効率や応対品質を高めることも可能です。

・電話転送機能
設定に応じて電話を転送する機能です。転送が行われるケースとしては、担当者の不在時や通話中の取り次ぎ、保留中の取り次ぎ、社用スマホが圏外の場合(圏外転送)などが挙げられます。さらに、PBXを導入して社用スマホを内線化すれば、社外のスマートフォンへの内線転送も可能です。外出先にいる社員やテレワーク(在宅勤務)の社員とも、場所を問わずに内線通話ができるようになります。

・パーク保留機能
一旦保留にした電話を、別の内線電話機で受ける機能です。パーク保留機能を活用すれば、保留を行った電話機から電話を転送する手間がなく、スムーズに取り次ぎができるようになります。例えば、電話を保留にした状態で「○番に××株式会社様からのお電話です」と取り次ぎ先に伝えれば、担当者が電話機のボタンを押すだけで簡単に繋がります。

PBXとビジネスフォンの違い

PBXとビジネスフォン違いを説明できますか?

PBXと同様に、「ビジネスフォン」もオフィスやコールセンターなどで利用されています。どちらもビジネスシーンの電話応対で用いられますが、具体的にどんな違いがあるのでしょうか。ここではPBXとビジネスフォンの違いについて解説します。

ビジネスフォンとは

ビジネスフォン(ビジネスホン)とは、業務で用いられる専用の電話機です。家庭用の電話機とは異なり、ビジネスシーンに特化した機能が搭載されています。ビジネスフォンは、電話機と主装置を組み合わせて、1つの電話回線を複数の電話機で共有する構成となっています。主装置とは小型の電話交換機で、ケーブルで繋ぐことで各電話機を制御する仕組みです。

ビジネスフォンの主な機能

・同時通話機能
一対一で通話する通常の電話に対して、1つの電話回線で複数の電話機が同時に通話する機能です。同時通話は内線のみで通話するパターンのほか、内線と外線の双方で通話するパターンにも対応しています。複数拠点間の会議などにも活用されています。同時に通話できる人数はサービスによって異なるため、前もって確認しておきましょう。

・内線通話機能
ビジネスフォンの主装置に接続された電話機同士で、内線通話を行う機能です。各電話機に割り振られた内線番号をダイヤルするだけで電話をかけられます。PBXの内線通話機能と同様に、内線の通話料金は無料です。

・電話転送機能
電話を手動または自動で転送する機能です。自動転送では、あらかじめ設定した通りに主装置が電話を転送します。担当者の外出中や通話中など、場面ごとに適した設定が可能です。PBXの電話転送機能と同様に、内線転送・外線転送に対応できます。

・電話帳機能
登録した電話番号へ速やかに発信できる機能です。主装置に接続された全ての電話機から利用できる共通の電話帳や、電話機ごとに個別に利用できる端末別の電話帳があります。業務で頻繁に発信する番号を登録しておくと便利です。

・通話録音機能
通話内容を録音する機能です。ビジネスフォンのオプション機能として追加する方法や、初めから機能を搭載したビジネスフォンを選択する方法があります。録音データは通話品質の向上に役立てられるほか、トラブル発生時のリスク対策にも有効です。

PBXとビジネスフォンの違い

一般的にPBXは大規模なビジネス、ビジネスフォンは中小規模のビジネスで用いられる傾向にあります。両者には共通する機能が多いので、導入の際は複数のポイントから詳細に比較するのが望ましいでしょう。例えばPBXとビジネスフォンに共通する機能として、内線通話機能・発信制御機能・着信制御機能・電話転送機能などが挙げられます。以下の比較表では、PBXとビジネスフォンの違いを徹底比較しました。ビジネスの規模や現状の課題に合わせてご検討ください。

PBX ビジネスフォン
ビジネスの規模 大規模なビジネスや複数拠点のビジネスに適している 中小規模のビジネスに適している
接続可能な台数 数百~数千台規模の接続が可能 数十~数百台規模の接続が可能
コスト 一般的に初期コストや導入コストが高い 初期コストや導入コストは高いが、PBXよりも抑えやすい
接続可能な回線の種類(内線) 家庭用電話機、受付用電話機、多機能電話機、IP回線、ISDN回線、PHS 家庭用電話機、受付用電話機、多機能電話機、IP回線、PHS
接続可能な回線の種類(外線) アナログ回線、ISDN回線、LAN直接収容のIP回線 アナログ回線、ISDN回線、LAN直接収容のIP回線
機器やシステムとの連携 PCなどの端末や外部システムと連携可能 連携できない

PBXの種類と特徴

貴社に合ったPBXを選択しましょう

PBXは、主に「IP‐PBX」「クラウドPBX」「レガシーPBX」の3つのタイプに分けられます。それぞれのPBXは仕組みが異なるだけでなく、導入費用やランニングコストなどのコスト面でも差が出る場合があります。選び方に迷ったら、特徴や注意点をチェックしてみましょう。

IP‐PBX

IP‐PBXは、IPネットワークを利用したPBXのことです。IP電話機を社内LANに接続することで、効率的にPBXの機能を利用できます。IP‐PBXを導入する際は、社内に専用機器を設置するか、または既存の機器にソフトウェアをインストールして運用する仕組みとなっています。電話回線工事が不要で、導入コストを抑えやすい点がメリットといえるでしょう。また、IP‐PBXならインターネット回線を用いて複数拠点の接続も可能となります。

クラウドPBX

クラウドPBXは、ベンダーが提供するクラウド型のPBXサービスです。クラウドサービスは、インターネット環境さえあれば利用できる気軽さがメリットといえます。クラウド上でサービスを利用する仕組みのため、導入にあたり専用機器の設置や各種工事は不要です。速やかに運用を開始できるという強みがあります。また、システムのメンテナンスはベンダー側が行うので、アップデートが自動で実施されるなど、セキュリティ面でも管理の手間を抑えられます。

レガシーPBX

レガシーPBXとは、オフィス内にハードウェアを設置するオンプレミス型PBXのことです。「従来型」とも呼ばれ、インターネット回線がなくても利用できます。レガシーPBXには安定性があり、通話品質が高いのがメリットです。ただし、導入時には専用機器の設置が必須で、その後は定期的なメンテナンスを行う必要があります。IP‐PBXやクラウドPBXと比較して、導入コストや運用コストが高い傾向にある点はデメリットといえるでしょう。

PBXに搭載されているIVR機能について

PBXのIVR機能はどこまで使えるか?

PBXに搭載されている機能の一つに「IVR」があります。IVRはPBXの機能として提供されるだけでなく、IVRに特化した専門的なサービスも存在します。両者の特徴を押さえて、自社に適したIVRをお選びください。まずは、PBXに搭載されているIVR機能について簡単に解説します。

IVR機能とは

IVR機能とは、入電に対して事前に設定された通りの対応を自動で行うシステムのことです。IVRという名称は「Interactive Voice Response」を略したもので、「自動音声応答システム」とも呼ばれます。主にオフィスやコールセンターなどの電話業務で活用されています。

IVR機能の代表例として挙げられるのは、「○○の方は1を、△△の方は2を……」のアナウンスです。自動音声ガイダンスを流して、顧客が音声案内に従ってプッシュ操作で番号を入力すると、内容に応じて対応が行われる仕組みとなっています。

PBXに搭載されているIVR機能では、IVRの基本的な機能を利用できます。例えば、自動音声ガイダンスによる案内、用件別の電話番号への振り分けなどです。ただし、具体的な業務に特化した機能を求めるなら、IVRに特化したサービスを検討するようおすすめします。

IVRに特化したサービスの特徴

PBXのIVR機能とIVRクラウドサービスのIVR機能を比較すると・・・

前述したPBXのIVR機能に対して、専業のベンダーが提供するIVRのサービスもあります。なかでも「クラウドIVR」はクラウド上で気軽に利用でき、専門的な機能が搭載されているのが魅力です。

IVR専業のベンダーが、幅広い電話業務で役立つ多彩なソリューションを開発しています。企業のニーズに応じて用途別のIVRサービスが用意されているので、ぜひご検討ください。

豊富な機能が搭載されている

IVRに特化したサービスでは、幅広い機能を利用できるのが魅力です。IVRの基本機能である自動案内や自動振り分けはもちろん、あふれ呼対策・CS調査・督促業務支援・電話認証・SMS送信・カード決済・ロボット自動受付まで対応できます。パッケージ提供型のIVRも豊富なため、用途別にリーズナブルにIVRを導入できるのがメリットです。

IVR専業の電話放送局では、多彩なクラウドIVRのサービスを提供しています。電話業務の問題解決のために、ぜひ豊富なラインナップからサービスをお選びください。

ベンダーから提案を受けられる

IVR専業のサービスを導入すると、IVRの運用に詳しいベンダーの担当者へ相談できるのがメリットです。顧客の電話業務を理解した担当者が、過去の導入事例などのデータや経験をもとに、的確なアドバイスを行います。

電話放送局では、IVRサービスの自社開発の強みを生かして、お客様への提案にも力を入れています。IVRに特化した専業だからこそ、業務でのIVR活用に関して多くのノウハウがございます。経験豊富な担当者へお気軽にご相談ください。

初期費用を抑えやすい

クラウドIVRは初期費用が低価格で、少ない負担で導入できるのが特徴です。社内への機器の設置や工事が不要なため、環境構築のコストが発生しません。パッケージ提供型のサービスなら、専門的なIVRをリーズナブルな価格でご利用いただけます。

導入までのスピードが速い

クラウドIVRは導入から運用スタートまでの期間が短い傾向にあります。パッケージ提供型のサービスは導入時の設定がスムーズで、お申し込み後すぐにお使いいただけます。電話業務へ速やかにIVRの機能を取り入れたいケースにもぴったりです。

ノーコードのクラウドIVR「DHK CANVAS」の特徴

今後はIVRもノーコードでいつでも、すぐに、簡単に設定できる時代へ

電話放送局は、導入後にユーザー様側でスムーズにIVRを構築できる製品「DHK CANVAS」を提供しています。使い方は簡単で、どなたにでもコールフローのカスタマイズが可能です。オフィスやコールセンターへのIVR導入をご検討の際は、ぜひ「DHK CANVAS」のサービスをご検討ください。

コールフローをノーコードで編集できる

「DHK CANVAS」では、IVRのコールフローを自由に構築したり、編集したりできます。「再生」や「読上」といったIVRの機能を1つのパーツとして扱い、ドラッグ&ドロップ操作で並べるだけで、自在にコールフローの設定が可能です。直感的に操作しやすいUIを採用しているためご安心ください。「DHK CANVAS」を導入すれば、社内でコールフローの見直しや調整に対応できるようになります。コールセンターやカスタマーサポート部門など、柔軟な電話対応が求められる業務におすすめです。

IVRに必要な機能が標準実装されている

「DHK CANVAS」では、IVRの基本的な機能をご利用いただけます。電話転送・音声認識・SMS送信なども標準実装。これらのIVRの機能を組み合わせることで、ビジネスシーンのさまざまなニーズに対応していただけます。柔軟かつ速やかに編集できるので、自然災害など予測困難な外的要因への対応や、緊急対応などにも役立てられます。

ベンダーによるサポートが充実している

「DHK CANVAS」の導入時は、電話放送局による手厚いサポートが用意されているためご安心ください。当社にはIVRを活用するための伴走サービスや、速やかに問い合わせできるサポートセンターなどの体制が整備されています。「DHK CANVAS」はお客様ご自身でのカスタマイズに加えて、必要に応じて当社による初期構築や設定変更の支援もご利用いただけます。

IVRはPBX以外に専門サービスでクラウド化する選択肢もある!

本記事では、PBXの機能や種類といった基礎知識に始まり、類似サービスであるビジネスフォンとの違いや、クラウドIVRとの比較までお伝えしました。PBXとビジネスフォンには共通点が多くありますが、ビジネスの規模に応じて使い分けられる傾向にあります。また、PBXにはIVR機能が搭載されているものの、専門サービスでクラウド化する方法もおすすめです。IVRに特化した「クラウドIVR」は機能が豊富で、低価格かつスピーディーな導入が期待できます。主にIVR機能を目的としたPBXの導入をご検討の際は、IVR専業のベンダーによるクラウドIVRも併せてご検討ください。

DHK CANVAS

お役立ち資料 無料ダウンロード

本資料では、IVR(自動音声応答)を活用した電話業務を自動化する手法や、IVRサービス提供会社を選ぶポイントを知ることができます。

【本資料は、下記の関心をお持ちの方におすすめです】
・コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい
・自動化に適したコール内容を知りたい
・IVRやボイスボット導入により、自動化に成功した事例を知りたい

関連コラム

おすすめコラム

簡単・便利なIVRを体験

IVRで電話業務を自動化する手法や、IVRサービス提供会社を選ぶポイントを知ることができる資料を無料提供

下記の関心をお持ちの方におすすめです!

  • コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい

  • 自動化に適したコール内容を知りたい

  • IVRやボイスボット導入により、自動化に成功した事例を知りたい

IVRを活用してコールセンターを自動化する手法と成功事例

IVRで課題解決

こんな課題ありませんか?

  • 電話対応を自動化したい
  • あふれ呼や営業時間外の機会損失を減らしたい
  • 災害時のBCP(事業継続計画)やテレワークに活用したい

お問い合わせ・資料請求はこちら

お電話からのお問い合わせ