コールリーズン分析とは?収集・分析方法|効果的に活用するポイント
2025/03/11

コールリーズンとは、顧客がコールセンター(コンタクトセンター)へ電話をかけた理由や、問い合わせ内容のことを意味します。自社のコールリーズンを分析して、業務効率化やサービス品質向上に取り組むと、顧客により良いサービスを提供できるようになります。
この記事では、そんな「コールリーズン分析」の基礎知識を解説します。コールリーズンの収集方法や分析方法、分析したコールリーズンを効果的に活用するポイントをご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
なお、コールリーズンに関する基礎知識は、以下の関連記事で詳しく解説しています。コールリーズンの基本を改めて確認したいご担当者様は、本記事と併せてこちらもお読みください。
【参考記事】
コールリーズンとは?分析の重要性と流れ、コールセンターでの活用法
目次
・コールリーズン分析でコールセンターの業務改善を実現しましょう!
コールリーズン分析とは
「コールリーズン分析」とは、顧客がコールセンターへ電話をかけた理由を分類して整理し、分析する取り組みのことです。企業がコールリーズン分析を実施する主な目的は、顧客ニーズを把握したり、商品・サービスの問題点を特定したりするためです。分析結果を活用することで、商品・サービスの最適化や、業務効率化などに役立てられます。具体的には、以下のようなさまざまな場面で活用されています。
【コールリーズン分析の活用方法】
・電話応対の優先順位付けを行う
・よくある質問と回答をFAQやチャットボットへ反映する
・オペレーターの研修内容を見直す
コールリーズン分析を活用するメリット
続いて、コールセンターでコールリーズン分析を活用するメリットを解説します。コールリーズン分析によって課題を解決し、コールセンターの業務改善を実現しましょう。
業務効率の向上
コールリーズン分析によって、頻繁に発生する問い合わせ内容を特定すると、業務効率化に役立てられます。例えば、よくある質問をオペレーターの研修に盛り込むことで、人材育成を効率化できます。また、コールリーズンの傾向に応じて特定の分野に詳しいオペレーターを配置するといったように、人員配置の最適化が可能です。さらには、電話応対の優先順位を設定し、優先度の高いコールリーズンから順番に対応する仕組みを整備することで、効率的な顧客対応を実現できます。
応対品質の向上
コールリーズン分析の結果をコールセンターのサービスに反映させることで、電話応対品質を向上できます。例えば、コールリーズンの傾向に応じてトークスクリプトやFAQページを適宜修正すると、顧客対応がスムーズになったり、問題の自己解決が促されたりして、顧客満足度向上が期待できます。さらには、大まかな問い合わせ内容を想定しやすくなることで、オペレーターの心理的な負担が軽減されるのもメリットです。
顧客ニーズの把握
コールリーズン分析を通じて、自社の顧客ニーズを把握できます。分析結果に基づいて、顧客の要望を反映させて、自社製品・サービスの改善や充実化が可能です。また、顧客ニーズをマーケティング戦略立案に役立てられるという大きなメリットもあります。分析を通じて取得したVOC(=顧客の意見)が、新たな市場機会や新規サービスの創出といったビジネスチャンスにつながる可能性もあるでしょう。
IVRの適切化
多くのコールセンターでは、「IVR(自動音声応答システム)」を運用することで一次対応の自動化が行われています。まずは自動音声ガイダンスで顧客を案内し、コールリーズンに応じて電話を振り分ける仕組みです。コールリーズン分析に基づいてIVRフローを最適化すると、顧客の課題解決にかかる時間を短縮できます。IVRの適切化によって、業務効率化や顧客満足度向上が期待できるでしょう。
コールリーズンの収集と分析方法
コールリーズン分析を実施するにあたり、まずはツールを利用してコールリーズンを収集する必要があります。ここでは、コールリーズンの収集方法や、分析方法について解説します。
コールリーズンの主な収集方法
・CMSを用いる
CMS(Call Management System)とは、コールセンター運営のデータを管理するためのシステムです。コールセンターの管理者やスーパーバイザーが運営状況を詳細に把握し、管理する目的で用いられます。「コール数」や「通話時間」などのさまざまな数値をリアルタイムで集計できるほか、コールリーズン別に件数を集計することも可能です。コールリーズン分析でも活用できます。
・CRMシステムを用いる
CRM(Customer Relationship Management)とは、コールセンターをはじめとしたカスタマーサポート業務で、顧客管理に用いられるシステムです。顧客の個人情報や購入履歴などの詳細なデータを登録し、社内で共有する際に役立てられます。電話応対の都度、オペレーターにコールリーズンを入力させる運用によって、CRMでもコールリーズンを集計することが可能です。
コールリーズンの分析方法
コールリーズン分析は、主に「パレート図(=棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた図)」を用いて行われます。パレート図を使って整理することで、現状のコールセンターの課題を視覚的に把握しやすくなります。ここでは、パレート図を利用したコールリーズン分析の手順を、4つのステップでご紹介します。
Step1. コールリーズンの集計と並び替え
初めに、前述したCMSやCRMなどのツールで収集したコールリーズンの件数を集計します。また、コールリーズンを件数の多い順に並び替えましょう。
Step2.累計件数と累計比率の計算
集計したコールリーズンから、それぞれの累計件数を算出します。また、コールリーズンの件数の多い順に、全体に対する割合を足していき、コールリーズン別の累計比率を算出します。
Step3.パレート図の作成
算出した数値からパレート図を作成します。棒グラフの横軸にはコールリーズンを件数の多い順に並べ、縦軸には累計件数を設定しましょう。また、折れ線グラフには累計比率を設定します。
Step4.分析と改善への活用
作成したパレート図からコールリーズンを分析して、現状の課題を特定します。例えば、「上位〇位までのコールリーズンが全体の〇割を占めている」といったケースでは、該当するコールリーズンへの対応を優先的に行うと良いでしょう。
コールリーズン分析を効果的に活用するポイント
コールリーズン分析による効果を最大化するためには、以下のポイントを押さえて取り組むと良いでしょう。最後に、コールリーズン分析を効果的に活用するポイントをお伝えします。
顧客視点で分析を行う
コールリーズン分析では、単にコールリーズン別の件数を確認するだけでなく、顧客の視点に立って悩みや課題に焦点を当てた分析を行うことが大切です。「なぜこの問い合わせが発生しているのか?」という根本的な原因を探り、顧客の悩みや課題を解決するための改善策を検討しましょう。
他部署との連携を強化する
コールリーズン分析の結果は、自社のコールセンター部門だけでなく、商品開発部門・マーケティング部門・営業部門といった他部署と共有すると良いでしょう。全社的に顧客ニーズを把握することで、商品・サービスの改善につながる改善策を多角的に検討しやすくなるためです。社内で協力する仕組みを構築し、連携強化に努めましょう。
定期的な見直しと更新を行う
自社のコールリーズンの傾向は、時間とともに変化する可能性があります。そのため、一度分析を実施した後も、定期的に分析を実施するのが望ましいといえます。定期的な分析とコールセンター業務の見直しに取り組み、トークスクリプトやIVRフローを改善することがポイントです。
コールリーズン分析でコールセンターの業務改善を実現しましょう!
ここまで、コールリーズン分析の基礎知識や、コールリーズンの収集方法や分析方法、分析したコールリーズンを効果的に活用するポイントを解説しました。
コールリーズン分析を活用すると、自社商品・サービスを改善したり、コールセンター業務を効率化したりすることが可能です。分析後は業務効率化やサービス品質向上などのメリットが期待できます。ただ、業務改善を実現するには単に分析を実施するだけでなく、コールリーズン分析を生かしてどのように電話対応業務の自動化につなげるかが重要です。分析結果に基づいて、「どの問い合わせ内容を削減するべきか」「どの業務を自動化するべきか」といった観点から、具体的な施策を検討しましょう。
電話放送局が提供するボイスボットやIVRなどのソリューションは、コールセンター業務の自動化に貢献します。例えば、対話型IVRによって定型的な問い合わせ対応を自動化すれば、顧客の問題を速やかに解決するとともに、オペレーターの業務負担を軽減することが可能です。ほかにも、SMS送信で顧客をFAQページへ誘導したり、IVRによる要件振分で一次対応を自動化したりする方法があります。ここまでご紹介したコールリーズン分析を実施した上で、実際にコールセンター業務の自動化を実現するなら、電話放送局のソリューションがおすすめです。
各種ソリューションを導入してコールセンター業務を自動化する具体的な手順について、詳しくは以下のページからダウンロードできる無料の資料でご案内しています。コールセンターの業務改善を実現するために、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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