2025/04/22

企業の経営環境には、大規模災害やサイバー攻撃といった想定できない非常事態に直面するリスクが存在します。こうした事態が発生した際に自社の被害を最小限にとどめ、早期復旧して業務継続するために重視されているのが「BCP(事業継続計画)」です。BCP対策とは、事業継続計画によって有事に備えて対策することを指します。

近年はコールセンター(コンタクトセンター)運営においてもBCP対策が重視されています。本記事では、コールセンターのBCP対策の方法や具体的な策定のステップを解説するため、リスク管理のご担当者様はぜひ参考にお読みください。

目次

コールセンターでBCP対策が求められる理由

コールセンター業務を中断しないための主なBCP対策

 ・複数拠点化や外部委託によるバックアップ体制の構築

 ・在宅勤務(リモートコールセンター)の導入

 ・PBXダウン時のリスク管理

 ・0120・0570番号の着信先切り替え

 ・チャットボットやIVR(自動音声応答)による「あふれ呼」対策

コールセンターBCP策定のステップ

 ・Step1.重要業務の優先順位を決める

 ・Step2.非常時の運営体制やルールを策定する

 ・Step3.必要なシステムやサービスを導入する

コールセンターのBCP対策にはボイスボットやIVRの活用がおすすめ!

コールセンターでBCP対策が求められる理由

コールセンターは、企業や自治体のカスタマーサポートの窓口であり、災害時や緊急時に重要な役割を果たします。そのため、非常事態に直面した際もコールセンター業務を継続することが大切です。こうした理由から、コールセンターでは数ある業種の中でも特にBCP対策が求められています。例えば近年は、2020年以降の新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対応するために各自治体の相談窓口が開設され、コールセンターが重要な役割を担いました。

このような非常事態が発生した場合は、顧客からの問い合わせが急増する可能性があるため、コールセンターでは迅速かつ柔軟に対応できる体制を整備する必要があります。また、災害時には外国語での問い合わせも増加すると予想されます。多様なニーズに対応するためにも、多言語対応のボイスボットやIVR(自動音声応答システム)を導入するのが望ましいでしょう。

コールセンター業務を中断しないための主なBCP対策

万が一、非常事態でコールセンターの稼働が困難になったケースに備えて、以下のように現状のコールセンターの運用体制を見直してみましょう。ここでは、コールセンター業務を中断しないための主なBCP対策をご紹介します。

複数拠点化や外部委託によるバックアップ体制の構築

コールセンター業務の継続性を高めるには、運営するコールセンターの複数拠点化や、アウトソーシングによるバックアップ体制の構築が効果的です。たとえ特定地域の拠点が被災しても、他の拠点で業務を継続できればサービス中断による影響を最小限に抑えられます。こうした複数拠点化を実現するには、拠点間での運用ルールの標準化が求められます。

在宅勤務(リモートコールセンター)の導入

近年は、オペレーターが在宅勤務(リモートワーク・テレワーク)で業務を行う「リモートコールセンター(在宅コールセンター)」が注目されています。オフィスへの出社が不要な働き方なら、パンデミックや自然災害が発生した際も業務の継続が可能です。その際、従業員が自宅で働くにはリモートワーク用の設備機器や通信環境を整備する必要があります。このほかにも、勤務環境のセキュリティ対策の強化、リモート体制に適した人材育成・人材管理体制の確保などが求められます。

PBXダウン時のリスク管理

災害時にPBX(電話交換機)がダウンすると、PBX転送経由でのIVRサービスの提供が不可能となるリスクがあります。そのため、PBX以外にバックアップの通信手段を用意するのが望ましいでしょう。例えば、PBXがダウンした場合、キャリアサービス側での着信先切り替え(例:クラウドIVRや別拠点への転送)を事前に設定しておけば、迅速な設定変更で着信先を切り替える運用が可能です。なお、キャリアサービスの設定可否やクラウドIVRの導入準備については、事前に確認・整備し、緊急時の運用手順を明確化しておくことが重要です。

0120・0570番号の着信先切り替え

非常事態が発生した時点で着信先をボイスボットやIVRに切り替える運用を行うと、自動対応によって顧客が必要とする情報を迅速に提供できるようになります。また、重要なコール内容に限定して有人対応を行うことで、優先度の高い問い合わせへ適切に対応しやすくなり、混雑時の業務効率化を実現可能です。

チャットボットやIVR(自動音声応答)による「あふれ呼」対策

チャットボットやIVR(自動音声応答)の導入により、コールセンターにおける24時間365日体制での対応が可能となります。カスタマーサービスに自動対応を導入すると、問い合わせが急増する場面でも迅速な対応を実現できます。特に、災害時に電話が殺到しやすい自治体やライフライン事業者は、「あふれ呼」の発生が懸念されるため自動対応を検討すると良いでしょう。

一例として、電気・ガス・水道などインフラ業界の災害時対応の自動化が挙げられます。災害時はライフラインの復帰を求める顧客からの電話の殺到が懸念されます。災害は予測が不可能なため、オペレーターが出勤できない深夜・早朝・休日に発生する可能性もあるでしょう。こうしたケースで電話業務を自動化すれば、早期に顧客の自己解決を促すことが可能です。

例えばガス事業者の場合、地震の発生時に一定以上の震度で安全装置が作動して、自動でガスメーターが停止する可能性があります。その際、揺れが収まって以降にガスの復帰を求める顧客から電話が殺到するケースが少なくありません。そこで以下のような運用でIVRを活用すれば、多数の顧客の自己解決を促せるようになります。

IVRを活用した災害時対応の例(ガスの場合)

災害発生

多数の顧客のガスメーターが停止しコールセンターに電話が殺到

IVRによる自動対応で顧客にSMSを送信して案内
例:災害対応の特設サイトやFAQページへ誘導する
例:ガスメーターの復帰方法の動画リンクを共有する

顧客がサイトや動画を見ながら自身でガスメーターを復帰し問題解決

【参考】※外部サイト 防災防犯ダイレクト
例:ガスメーターの復帰方法の動画

BCP対策の一環としてカスタマーサポートのセルフサービス化を検討されているご担当者様は、電話放送局の自動音声応答サービス「あふれ呼SMS IVR」をご検討ください。

あふれ呼SMS IVR

コールセンターBCP策定のステップ

コールセンターのBCPを策定する手順を3つのステップで解説します。有事にスムーズに対応するためにも、平時からリスク対策のための施策をしっかりと検討しましょう。

Step1.重要業務の優先順位を決める

まずは、コールセンターへ寄せられる問い合わせの中でも「緊急性が高い業務」や「顧客への影響が大きい業務」を特定します。各業務の重要度を評価し、優先順位づけを行いましょう。

Step2.非常時の運営体制やルールを策定する

続いて、非常時に「誰が・どこで・何をする」のか、仕事の進め方を明確にして運用体制を定めます。拠点間の役割分担や、管理者・担当者の連絡体制、対応フローやマニュアルの整備などを進めましょう。事前準備でルールを策定しておくとともに、定期的に内容の見直しを行うことが重要です。

Step3.必要なシステムやサービスを導入する

自社の課題を把握した上で、解決へ向けてBCP対策に必要なシステムやサービスを導入しましょう。例えば、前述したチャットボット・ボイスボット・IVRなどを導入すると顧客対応の自動化を図れます。その際は、多言語対応やSMS送信の機能を備えたクラウド型のサービスを選定すると、多様な顧客ニーズに合わせた柔軟な運用が期待できます。導入時はデータバックアップの実施やセキュリティ強化に取り組み、安全性の高い運用を実現することが大切です。また、既存システムとの統合の可否や互換性も確認しておくと良いでしょう。

IVRの特徴やコールセンターに導入するメリットについて、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

◆関連記事
 IVRとは?特徴やコールセンターに導入するメリット、サービスの選び方

ボイスボットをコールセンターに導入するメリットや活用方法について、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

◆関連記事
 ボイスボットとは?メリット・デメリットや活用方法、選定ポイント

コールセンターのBCP対策にはボイスボットやIVRの活用がおすすめ!

ここまで、コールセンターのBCP対策についてお伝えしました。緊急事態が発生すると、特定の拠点が被災したり、スタッフが出勤できない状況に陥ったりして、事業の継続が困難になるおそれがあります。こうしたケースに備えてBCPを策定し、柔軟性の高いコールセンター運営体制の構築を目指しましょう。

コールセンターのBCP対策には、ボイスボットやIVRの活用をおすすめします。電話放送局では、BCP対策に有効なクラウドベースのソリューションをご用意しています。ノーコード ボイスボットの「DHK CANVAS」を導入すれば、コールフローの柔軟な組み立てが可能となります。また、「オートコールIVR」では、コールフローに応じて顧客を案内するSMSを自動送信することが可能です。BCP対策で現状のコールセンターを見直して対応力の向上を目指すなら、どうぞお気軽にサービスの資料請求や無料のデモ体験をご利用ください。

DHK CANVAS

オートコールIVR

お役立ち資料 無料ダウンロード

本資料では、ボイスボット・IVRを活用した電話業務を自動化する手法や、ボイスボット・IVR提供会社を選ぶポイントを知ることができます。

【本資料は、下記の関心をお持ちの方におすすめです】
・コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい
・自動化に適したコール内容を知りたい
・ボイスボット、IVR導入により、自動化に成功した事例を知りたい

関連コラム

おすすめコラム

簡単・便利なIVRを体験

IVRで電話業務を自動化する手法や、IVRサービス提供会社を選ぶポイントを知ることができる資料を無料提供

下記の関心をお持ちの方におすすめです!

  • コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい

  • 自動化に適したコール内容を知りたい

  • IVRやボイスボット導入により、自動化に成功した事例を知りたい

IVRを活用してコールセンターを自動化する手法と成功事例

IVRで課題解決

こんな課題ありませんか?

  • 電話対応を自動化したい
  • あふれ呼や営業時間外の機会損失を減らしたい
  • 災害時のBCP(事業継続計画)やテレワークに活用したい

お問い合わせ・資料請求はこちら

お電話からのお問い合わせ