2024/06/27

コールセンターのテレワーク化|在宅で電話を受ける仕組みと課題・対策、導入の流れ

働き方改革の一環や、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅勤務(テレワーク)を導入する企業が多くなっています。従来は出勤が必須であったコールセンター業界でもオンライン化が進み、オフィス勤務から在宅ワークへと勤務体系が見直されている状況です。

ここでは、企業のコールセンター部門のご担当者様へ向けて、在宅のオペレーターに電話を届ける4つの仕組みを最初に表で比べ、そのうえでテレワーク化のメリット、在宅に向く業務の分け方、課題と対策、導入の流れを解説します。出社しなくても電話を受けられるようにした事例と、よくある質問もまとめています。

目次

・在宅のオペレーターに電話を届ける仕組みは?

 ・電話番号を変えずに在宅で受けられますか?

 ・用件ごとに担当の在宅オペレーターへ振り分けるには?

 ・誰も出られない時間の電話はどう受けますか?

・コールセンターをテレワーク化するメリット

 ・BCP対策

 ・人材不足の解消

 ・コストの削減

・コールセンターのテレワーク化における主な課題と対策

 ・個人情報が漏えいするリスクが高まる

 ・社員の業務状況がわからなくなる

 ・電話環境を再構築する必要がある

・コールセンターにテレワークを導入する流れ

 ・テレワーク導入の目的を明確化する

 ・テレワーク導入までの計画を立てる

 ・想定される課題を洗い出し対処法を考える

 ・必要な設備・サービスを導入する

 ・テレワークを導入する

・テレワークを取り入れながらコールセンターの運営を成功させるポイント

 ・出社とテレワークを組み合わせる

 ・メンタルヘルスケアを実施する

・コールセンターのテレワーク化にはIVRの導入がおすすめです

在宅のオペレーターに電話を届ける仕組みは?

在宅のオペレーターに電話を届ける方法は、主に「電話転送サービス」「クラウドPBX・クラウド型コールセンターシステム」「IVRで一次受付してから転送」「録音で受けて折り返す」の4つです。どの方法でも、お客様に案内している電話番号はそのままにして、着信の行き先だけを自宅のオペレーターへ切り替えるのが基本です。テレワーク化の計画を立てる前に、まず「電話がどこで鳴るか」を決めておくと、必要な設備や社内ルールも決めやすくなります。

方法 電話の流れ 向いている窓口 注意したい点
電話転送
サービス
会社の番号にかかった電話を、オペレーターの携帯電話などへそのまま転送する 席数が少なく、用件の種類も少ない窓口 同時に何本も受けにくく、転送の通話料がかかります。誰が受けたかの記録も残りにくくなります
クラウドPBX・
クラウド型コール
センターシステム
インターネット経由で、自宅のパソコンやスマートフォンを会社の内線にする 複数のオペレーターで受け、通話録音や待ち呼の管理も必要な窓口 自宅の回線によって通話品質が変わります。システムの切り替えには準備期間が必要です
IVRで一次受付
してから転送
自動音声で用件を聞き取り、担当の部署やオペレーターへ振り分ける 用件の種類が多く、用件ごとに受ける人が違う窓口 ガイダンスの設計が必要です。選択肢が多すぎると、お客様が迷ってしまいます
録音で受けて
折り返す
出られない電話は用件を録音し、テキストや通知でオペレーターに届ける 営業時間外や、少人数で受けている時間帯 その場では解決しないため、折り返すまでの時間を決めておく必要があります

お客様からの電話を自動音声で用件ごとに振り分け、在宅のオペレーターへつなぐ流れの図

1つに絞る必要はなく、組み合わせて使うこともできます。たとえば、クラウドPBXで在宅のオペレーターを内線にし、その手前にIVRを置いて用件ごとに振り分け、営業時間外は録音で受ける、という形です。クラウド型のシステムそのものの選び方は「クラウドコールセンターとは?従来型のコールセンターとの違い」、PBXの種類は「PBXとは?機能や種類、ビジネスフォンとの違い」で解説しています。

電話番号を変えずに在宅で受けられますか?

受けられます。今の番号にかかった電話を、クラウドPBXやIVRサービスの番号へ転送する設定にすれば、お客様に案内している番号を変えずに在宅での受付を始められます。0120や0570で始まる番号も、着信先を切り替えるという考え方は同じです。

番号を変えずに始められると、ホームページやパンフレット、請求書に載せている番号を刷り直す必要がありません。まず一部の用件だけを在宅のオペレーターに回し、問題がなければ範囲を広げる、という段階的な進め方もしやすくなります。転送の設定方法は「会社の電話転送のやり方」、クラウドPBXの比べ方は「クラウドPBX比較の決定版」が参考になります。

用件ごとに担当の在宅オペレーターへ振り分けるには?

着信の入口にIVR(自動音声応答)を置き、用件を聞き取ってから担当のオペレーターへ転送します。たとえば通販のコールセンターなら、着信するとIVRが「ご注文の方は1を、お届けについてのお問い合わせは2を、返品・交換は3を押してください」と案内し、選ばれた用件の担当者へ電話をつなぎます。話した言葉で振り分ける音声認識型のIVRなら、お客様が「返品したい」と話すだけで返品の担当につながります。

オフィスでは、出られない電話を隣の席の人が代わりに取ってくれました。在宅ではそれができないため、最初の担当者が出られないときは次のオペレーターへ回す設定にしておくことが大切です。こうしておけば、自宅で一時的に席を外す人がいても、電話が鳴りっぱなしになることを防げます。IVRの基本は「IVRとは?特徴やコールセンターに導入するメリット」、振り分けで取り次ぎが減る理由は「電話の取り次ぎが難しいのはなぜ?」で詳しく解説しています。

誰も出られない時間の電話はどう受けますか?

自動音声で用件と連絡先を録音しておき、手の空いたオペレーターから折り返す形にします。録音した音声をテキストにして、メールやチャットに通知できるサービスを選べば、在宅のオペレーターも自宅の画面で用件を確かめてから折り返せます。

弊社が50〜70代の男女241名に実施した調査では、ボイスボット(AIの自動音声)のほうが人より話しやすい場面として、解約(35.3%)に次いで深夜・早朝(24.9%)が挙がりました(出典:コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査)。営業時間外の電話を自動音声で受けておくことは、少人数の在宅体制を守るだけでなく、お客様にとっても受け入れられやすい使い方です。折り返しの進め方は「電話を折り返すコールバックとは?」で紹介しています。

コールセンターをテレワーク化するメリット

まずは、コールセンターをテレワーク化するメリットをご紹介します。テレワークの導入によって期待できるメリットを押さえて、自社に適しているか判断の参考にしてみましょう。

BCP対策

「BCP(Business Continuity Plan)」は、日本語で「事業継続計画」を意味します。昨今注目されているBCP対策とは、自然災害やテロなどの緊急事態が発生した場合でも、事業を継続するための計画のことです。通勤が不要なテレワークを導入すると、こうした理由で社員が出社できない状況になっても、柔軟にコールセンター業務を行えるようになります。災害時に窓口を止めないための備え全体は「コールセンターにおけるBCP対策とは?」で解説しています。

人材不足の解消

テレワークを導入すると、社員には働く場所の制限がなくなります。会社の拠点にかかわらず、自宅をはじめとした社外でも仕事ができることから、全国からオペレーターを採用し人材確保できるようになるのがメリットです。また、育児や介護といった事情で出社の負担が大きい社員にとっても、ワークライフバランスの取れた働きやすい環境を作れます。働き方の多様化や効率化で従業員満足度が向上し、かつ離職率を低下させれば、結果として人手不足の解消が期待できるでしょう。

コストの削減

テレワークを導入すると、オフィスの管理・維持にかかるコストを最低限に抑えられます。たとえば、オフィスの家賃や備品の購入費用を削減できるのが大きなメリットです。通勤が不要となれば、社員へ支払う交通費も削減できるでしょう。組織の人数が増えたとしても、リモートワークが前提であれば、オフィスの増床を検討する必要はありません。コストを抑えながら事業拡大が可能です。

コールセンターのテレワーク化における主な課題と対策

前述のように、さまざまな観点でメリットが期待できるテレワークですが、コールセンター業務へ導入するには少なからずハードルがあります。在宅コールセンターを実現するうえでの課題と、具体的な解決策について解説します。

在宅コールセンターはハードルが高い?

個人情報が漏えいするリスクが高まる

コールセンターでは、業務上多くの個人情報や重要なデータを取り扱う必要があります。一般的に、社員が自宅で使用しているのは個人向けのインターネット環境であるため、セキュリティ対策が不十分である点が懸念されています。社外でコールセンター業務を行うには、顧客情報の不正アクセスや情報漏えいなどのセキュリティリスクに注意が必要です。

こうしたセキュリティ面の不安を解決するには、VPNの活用やセキュリティソフトの導入といった対策が有効と考えられています。安全な運用へ向けて機器の導入や通信環境の改善などの準備に取り組み、環境整備を行いましょう。また、社外における個人情報の取り扱いルールを策定するのも重要です。オペレーター側には、事前にテレワークでの運営を前提としたセキュリティ研修を受けさせましょう。

社員の業務状況がわからなくなる

全社員がオフィスに集合する従来の勤務体系では、上司が部下の業務状況をその場で確認し、容易に労務管理ができました。

その反対に、テレワーク化すると管理者側から社員一人ひとりの働き方が見えにくくなり、稼働管理や勤怠管理が困難になるのが注意点です。就業時間中にきちんと作業に取り組んでいるか稼働状況が不明になるほか、顧客に対して適切に対応しているか把握できない可能性があります。また、現場の顧客対応で問題が生じたときなどの緊急時、上司が連携して即座にサポートへ入りにくい点も懸念されます。

コールセンターをテレワーク化する場合、顧客とのやり取りを特殊なインターネット回線で聞ける「リアルタイムモニタリング」を社員教育に導入すると、遠隔で対応品質や業務状況がわかりやすくなります。また、ビデオチャットでコミュニケーションや業務確認を行ったり、デイリーのKPIを設定して取り組ませて評価したり、情報共有を円滑にする工夫も大切です。

関連記事
コールセンターのKPI一覧│押さえておきたい13の指標と算出方法

電話環境を再構築する必要がある

テレワークでは、社員がオフィスに不在となるため、かかってきた電話をその場で直接に取れなくなります。そのため、社外で作業する社員へ電話を転送させる仕組みが不可欠です。テレワーク化にあたり電話環境を再構築して、業務を自動化する必要があります。

在宅コールセンターを実現するには、「IVR(自動音声応答システム)」による電話の自動振り分けが有効です。IVRを利用すると、問い合わせ内容に応じて自動的に電話が転送されるようになります。あらかじめ担当者を設定し、スムーズに電話を取れるよう環境を整えましょう。

関連サービス
とりつぎ君(用件振分)

在宅に向く業務とオフィスに残す業務はどう分ける?

扱う個人情報の重さ、マニュアルで完結するかどうか、その場で上司の判断が要るかどうか、の3つで分けます。窓口の業務を一度に全部移すより、自宅でも品質と情報の安全を保ちやすい業務から始めるほうが、トラブルを抑えながら進められます。業務ごとの目安を表にまとめました。

業務の例 在宅への向き 判断の理由
注文・予約・
資料請求の受付
在宅に向く 手順が決まっていて、マニュアルとFAQで完結しやすいためです
配送状況や
営業時間の問い合わせ
在宅に向く
(自動化も検討)
回答が決まっているため、IVRの自動音声だけで完結できる用件も多くあります
折り返しや
お知らせの電話
在宅に向く かける時間を調整しやすく、件数も管理しやすいためです
クレジットカード
番号を扱う受付
仕組みを整えてから オペレーターが番号を聞かずに済む方式にすれば、在宅でも扱いやすくなります
クレーム・
複雑な契約変更
当面はオフィスや
経験者で
上司がすぐ横で支えられないと、対応が長引きやすいためです
入社直後の
新人の受電
当面はオフィスで 隣で聞いてもらいながら覚える時期は、在宅だと質問しにくいためです

弊社の調査でも、人間のオペレーターに対応してほしい場面として、複雑な契約変更・判断・相談が上位に挙がっています(出典:コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査)。こうした用件は経験のあるオペレーターに残し、決まった手順で終わる用件から在宅や自動化に移していくと、応対品質を落とさずに在宅の範囲を広げられます。

カード番号を扱う受付は、お客様にプッシュ操作でIVRへ直接入力してもらう方式にすると、オペレーターが番号を聞かずに決済を終えられます。詳しくは「クレジットカードの非保持化とは?」をご覧ください。新人を在宅に移す時期の目安は、コールセンターの研修内容とあわせて決めておくと迷いません。

コールセンターにテレワークを導入する流れ

コールセンターにテレワークを導入する手順をステップごとに解説します。在宅でのコールセンター業務を可能とするために、ぜひ参考にしてみてください。

テレワーク導入の目的を明確化する

初めに、テレワーク化で期待できるメリットを踏まえて、導入の目的を明らかにしましょう。たとえば、「働き方の多様化」「業務効率化」「コスト削減」「生産性向上」「優秀な人材の確保」など、社内の状況に合わせてオペレーションをご検討ください。

テレワーク導入までの計画を立てる

次に、テレワーク化を実現するまでの段取りを行います。プロジェクトの進捗状況を把握できるようにしておくと安心です。なお、テレワークの導入時期は、全部署一斉でなくても構いません。部署や業務単位で、段階的に進める方法が望ましいでしょう。スモールスタートにすることで、発生するトラブルを最小限に抑えつつ、事例を基に次の段階へ進める際のケーススタディができます。

想定される課題を洗い出し対処法を考える

テレワークへ移行するうえで発生し得る課題を洗い出しましょう。現状の社内規定や、業務フローを調査して、テレワーク下でも機能するかを判断します。問題が想定される部分には、対処法を立案しましょう。業務内容やフローを変えるなら、マニュアルの改修や資料の新規作成が必要です。

必要な設備・サービスを導入する

テレワーク導入にあたり必要な設備やサービスを提供します。社員に貸与する携帯電話やパソコンなどの端末、IVR(自動音声応答システム)などクラウド型のツール、VPN環境などを用意するのが一般的です。このほかに、社員が個人で契約しているネット環境などを業務で利用して、リモートワーク手当を支給する導入方法もあります。テレワーク化にともない社員に出費が生じたら、企業が経費として負担しましょう。

オペレーターの手元で用意するものと、会社側で整えるものを分けて確認しておくと、準備の漏れを防げます。

区分 用意するもの 確認しておくこと
オペレーターの
手元
業務用のパソコン、ヘッドセット 私物のパソコンを使わせるかどうか。周りの生活音を拾いにくいヘッドセットか
通信環境 自宅の回線、VPN 通話が途切れない速度が出るか。社外から業務システムに入る経路を限れるか
電話の仕組み クラウドPBXやクラウド型コールセンターシステム、IVR 今の電話番号のまま着信先を切り替えられるか。用件ごとの振り分けや録音ができるか
管理の仕組み 通話録音、モニタリング、稼働の記録、チャットツール 在宅で受けた通話を管理者が後から聞けるか。応答率などの数字を在宅分も含めて見られるか
社内ルール 在宅勤務の規程、個人情報の取り扱いルール、通信費の負担 紙のメモや画面の撮影を禁止するか。費用を会社がどこまで負担するか

テレワークを導入する

テレワークを導入する前に、まず対象となるメンバーへ向けて説明会を実施します。部署や業務単位でテレワークを導入したら、その後はメリットを得られそうか検証します。想定しない課題が発生したら、新たに対策を立てましょう。問題がなければ、徐々にテレワークへ移行する対象範囲を拡大させていきます。

テレワークを取り入れながらコールセンターの運営を成功させるポイント

コールセンター業務にテレワークを導入し、自社の課題を解決して運営を成功させるためには、以下のポイントを意識して取り組むと良いでしょう。出社日の組み合わせ方と、在宅のオペレーターの心のケアについて解説します。

出社とテレワークを組み合わせる

テレワークを導入する場合、ただちに全従業員を完全に在宅化する必要はありません。オペレーターをフォローする観点から、従業員が慣れるまで出社を取り入れながら徐々にテレワークを推進しても良いでしょう。また、近年では出社とテレワークを兼ね備えた「ハイブリッドワーク」という働き方も注目されています。

ハイブリッドワークとは、出社とテレワークを組み合わせた勤務制度のことです。基本的にはテレワークで働きながら「週に〇日は出社する」「〇月〇日は全従業員が出社する」といった形で決められた日数だけオフィス勤務を行います。適宜出社することによって、テレワークで懸念されるコミュニケーション不足が解消されるほか、生活リズムにメリハリがついてワークライフバランスを整えやすくなります。

メンタルヘルスケアを実施する

在宅勤務には、管理者がオペレーターのメンタルヘルスの状況を把握しにくいという難点があります。もしも同僚から見えないところでストレスや悩みを抱えている従業員がいたとしても、周囲の人が異変に気づけず、フォローが遅れるおそれがあるのが注意点です。マネジメント層はテレワーク中のメンタルケアへ積極的に取り組む必要があるでしょう。上司と気軽にコミュニケーションできる時間を確保したり、定期的なアンケート調査によって従業員のメンタルヘルスの現状を確認したりする工夫が求められます。場合によっては、外部の相談窓口や専門家によるサポート体制を整備することも大切です。

出社しなくても電話を受けられるようにした事例

電話の受け方を変えて、出社しなくても電話を受けられるようにした事例を2つ紹介します。どちらも、電話番号はそのままに、着信の受け方だけを変えています。

担当者の携帯電話に直接つなぐようにした例

弊社(電話放送局)では、代表電話の対応について、電話のたびに業務が中断されること、電話番のために出社しなければならずリモートワークが進まないこと、電話の内容をメモして担当者に伝える作業に時間を取られることを課題としていました。

そこで「とりつぎ君」を使い、お客様が担当者名を伝えると、その担当者の携帯電話へ直接転送される設定にしました。会社の電話機で鳴るのは、総務部と代表電話宛ての用件だけです。一部でテレワークをしているシステム部員宛ての電話も、同じように携帯電話へ直接届きます。この運用で、月間の電話対応の工数は約17%削減されました(出典:電話放送局の導入事例)。

受付スタッフが出勤できない日も電話注文を受け続けた例

宅配水を扱う株式会社中京医薬品のアクアマジック事業部では、電話注文を自動音声で受け付ける「自動受付IVR」を導入し、電話注文の80%を自動化しました。台風やコロナ禍で受付スタッフが出勤できない状況でも、受付体制を維持できたといいます(出典:株式会社中京医薬品の導入事例)。

電話を受ける仕組みをオフィスの外に置いておくと、テレワークだけでなく、出勤できない日の備えにもなります。災害時に窓口を止めないための備え全体は「コールセンターにおけるBCP対策とは?」で解説しています。

よくある質問

Q. コールセンターのオペレーターを全員在宅にしても運営できますか?

運営はできますが、最初から全員を在宅にするより、決まった手順で終わる業務の担当から一部ずつ移すほうが安全です。新人を隣で支える日や、クレーム対応で応援が必要な日のために、出社できる席を残しておくと対応しやすくなります。電話の仕組みを在宅向けに整えておけば、出社と在宅の割合は後から変えられます。


Q. 在宅のオペレーターが自分の携帯電話で電話を受けてもよいですか?

おすすめしません。私物の携帯電話で受けると、お客様の電話番号や通話の記録が個人の端末に残り、退職後も手元に残るおそれがあるためです。会社から端末を貸与するか、パソコンで受ける形にすると、通話の記録を会社側で管理できます。


Q. 在宅でも通話の録音やモニタリングはできますか?

録音機能のあるクラウド型のシステムを使えば、自宅で受けた通話も会社のシステム側で録音され、オフィスと同じように後から聞き返せます。導入前に、管理者が通話をその場で聞けるモニタリング機能があるかも確認しておくと、在宅の新人を支えやすくなります。


Q. 在宅にすると応答率が下がりませんか?

着信の行き先と、出られなかった電話の受け方を先に決めておけば、下がるとは限りません。在宅では、席を外したオペレーターの電話を隣の人が代わりに取れないため、次のオペレーターへ回す設定や、混み合ったときに用件を録音して折り返す設定を用意しておくことが大切です。在宅分も含めた応答率を毎日同じ指標で見て、出社していた頃と比べてください。


Q. 代表電話のように少人数で受けている電話も、同じ仕組みで在宅にできますか?

できます。担当者名や用件を自動音声で聞き取り、担当者の携帯電話へ直接つなぐ形にすれば、席数の少ない窓口でも電話番のための出社をなくせます。電話放送局でも、代表電話宛ての電話を担当者の携帯電話へ直接届ける運用をしています。

コールセンターのテレワーク化にはIVRの導入がおすすめです

コールセンターをテレワーク化するメリットや、想定される課題と対策、導入の流れについてご紹介しました。今回お伝えしたように、在宅でコールセンター業務を行うには、電話環境の再構築が必須となります。オフィスにオペレーターが在籍していないため、リモート勤務する各オペレーターへ電話を転送しなければなりません。応対品質を保つには、従来とは異なる受付体制が求められます。

そこで役立つのが、自動音声応答によって電話の振り分けを行う「用件振分 IVR」のサービスです。オペレーターに代わり、システムが自動で用件ごとの振り分けを行い、電話を取り次ぎます。転送先(振分先)に電話を受ける環境がない場合や、受けることができない時間帯は、用件を自動で受付します。録音した音声は音声認識によってテキスト化し、受付した内容をSMSやメールで管理者に通知する機能もあります。お客様をお待たせすることなく、折り返し電話することが可能です。

コールセンターの効率向上や、人件費を抑えながら安定した運営体制を実現可能です。コールセンターのテレワーク化では、ぜひ「とりつぎ君(用件振分)」をご検討ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) 営業部 営業企画・推進チーム シニアリーダー 前田泰延

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