コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査
2026/05/26
コールセンター運営において、応答率の低下や24時間対応ニーズへの対応策として、ボイスボット(AI音声自動応答)の導入を検討する企業が増えています。一方で、これまでのボイスボット関連の情報発信は事業者目線のメリットが中心であり、利用者である消費者の視点から定量化されたデータはあまり多くありません。
本記事では、コールセンター利用率の高い50〜70代の男女241名を対象に実施した一次調査をもとに、消費者がボイスボットをどのような場面で受容し、どのような場面では人間対応を望むのかを整理します。
目次
・調査背景
・ 調査概要
・調査結果
・コールセンター利用時のストレス:84.6%が「嫌な経験」あり、最大は「電話がつながらない」
・問い合わせ先に求めること:「即時性」「人間対応」「一回完結」が上位
・ボイスボットの利用意向:3割強が前向き、消極派39.0%とやや拮抗
・ボイスボットへの期待:「待たずに対応」「たらい回し回避」が上位
・「ボイスボットの方が話しやすい」シーン:解約・深夜・クレームが上位
・ 人間オペレーターを求めるシーン:複雑な契約変更・判断・相談が上位
・総括
調査結果サマリー
• コールセンター利用者の84.6%が「嫌な経験」あり、最大ストレスは「電話がつながらない」(経験率50.2%/最も大きいストレス36.9%)
• ボイスボット利用意向は31.5%、消極派は39.0%とやや拮抗
• ただし70.5%が「人より話しやすいシーンがある」と回答、シーン別では受容が広がる
• 「ボイスボット向き」TOP3:解約35.3%、深夜・早朝24.9%、クレーム18.7%
調査背景
コールセンターでは、人手不足、応答率の低下、24時間対応ニーズの高まりといった課題が長く指摘されており、その解決策の一つとしてボイスボット(AI音声自動応答)の市場が拡大しています。
一方で、これまでのボイスボット関連の情報発信は「効率化できる」「コストが下がる」といった事業者目線の主張が中心でした。実際の利用者である消費者がボイスボットをどう受け止めているのか、どの場面なら受容され、どの場面では人間対応を求めるのか、消費者起点の定量データはあまり多くありません。
そこで本調査では、コールセンター利用率の高い50〜70代を対象に、コールセンター利用の実態とボイスボットへの受容意識を明らかにすることを目的として実施しました。
調査概要
調査名称:コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査
調査期間:2026年4月20日 〜4月26日
調査対象:全国の50〜70代の男女
サンプル数:241名
調査方法:インターネットアンケート調査
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本調査の対象は50〜70代に限定されており、全年齢層の傾向を示すものではありません。
<調査結果の引用・転載時のお願い>
本記事の調査結果や画像を引用する場合は、「株式会社電話放送局」を明記のうえ、引用元として以下のリンク設置をお願いいたします。
https://www.dhk-net.co.jp/news/entry-585.html
調査結果
コールセンター利用時のストレス:84.6%が「嫌な経験」あり、最大は「電話がつながらない」
コールセンター利用者に直近の利用で経験した嫌な出来事を尋ねたところ、「特にネガティブな経験はなかった」と回答した人は15.4%にとどまり、84.6%が何らかの嫌な経験を挙げました。
経験率の上位は、「電話がなかなかつながらず、イライラした」50.2%、「自動音声のプッシュ番号操作が複雑で面倒だった」17.0%、「問い合わせること自体が億劫に感じた」14.5%、「担当部署をたらい回しにされて疲れた」13.7%、「営業時間外で電話できず困った」11.6%が続きました。
最も大きいストレスを単一回答で尋ねた質問でも、「電話がつながらない」が36.9%で1位となり、2位以下を引き離す結果となりました。経験率と最大ストレスの両軸で「待ち時間」の問題が他の不満要因を引き離して上位に位置しており、コールセンター利用における中核的な課題となっていることが分かります。
問い合わせ先に求めること:「即時性」「人間対応」「一回完結」が上位
コールセンターへの問い合わせ先に求めることを複数回答で尋ねたところ、上位は「すぐにつながること(待ち時間が短い)」44.0%、「人間のオペレーターが対応してくれること」41.9%、「1回のやり取りで確実に解決すること」36.5%となりました。
「即時性」と「一回完結」はボイスボットが構造的に応えやすいニーズである一方、2位の「人間オペレーター対応」は逆方向のニーズでもあります。
同じ消費者の中に、機能的な価値を求める志向と、人間ならではの柔軟性・安心感を求める志向が併存していることが読み取れます。完全な自動化への支持は、本調査の結果からは確認できません。
ボイスボットの利用意向:3割強が前向き、消極派39.0%とやや拮抗
ボイスボットがコールセンターに導入されていた場合の利用意向を5段階で尋ねたところ、「ぜひ利用したい」7.5%と「やや利用したい」24.1%を合わせた31.5%が前向きと回答しました。一方、「あまり利用したくない」25.3%と「利用したくない」13.7%を合わせた39.0%が消極的と回答しており、現時点では消極派が積極派をやや上回る結果となりました。
ただし、後述する「ボイスボットの方が話しやすいシーン」を尋ねた質問では70.5%が肯定的に回答しており、ボイスボットへの態度は「全体への賛否」と「シーン別の受容」で大きく分かれることが本調査の特徴的な構造です。
ボイスボットへの期待:「待たずに対応」「たらい回し回避」が上位
ボイスボットの導入で期待する改善を単一回答で尋ねたところ、「待たずにすぐ対応が始まること」が29.9%で1位となり、次いで「たらい回しにされず、用件に応じた対応に直接つながること」17.8%、「24時間いつでも問い合わせできること」14.1%が続きました。
期待の上位3項目は、コールセンター利用時の代表的な不満(待ち時間・たらい回し・営業時間外)の裏返しに位置しています。消費者の不満構造が、そのままボイスボットへの期待構造に対応している点が読み取れます。
ボイスボットへの不安:「聞き取り精度」「二度手間」が拮抗
一方、ボイスボットの利用に際して感じる不安については、最も不安なものとして「自分の話した内容を正しく聞き取ってもらえるか不安」22.4%、「結局オペレーターにつながるなら二度手間ではないか」22.0%、「想定されたパターン以外の用件に対応できないのではないか」19.5%が上位となりました。
不安は「音声認識の精度」「想定外の用件への対応範囲」「ハンドオフ(人への引き継ぎ)の設計」の3点に分かれます。導入時には、これらをどう設計品質として担保するかが、消費者の受容度を左右する要因と考えられます。
「ボイスボットの方が話しやすい」シーン:解約・深夜・クレームが上位
「人よりボイスボットの方が話しやすいシーンはあるか」を複数回答で尋ねたところ、「特にそのようなシーンはない」と回答した人は29.5%にとどまり、70.5%が何らかのシーンを挙げました。
具体的には、「解約・退会の手続き」35.3%、「深夜・早朝など時間帯を気にしたくないとき」24.9%、「クレーム・苦情を伝えるとき」18.7%が上位となり、「料金の滞納・支払い遅延の相談」9.1%、「体の悩みや病気に関する問い合わせ」8.3%、「個人的な事情(離婚・相続等)を説明する必要があるとき」8.3%、「コンプレックスに関わる商品の問い合わせ」5.8%が続きました。
上位に並ぶのは、対人での感情的な負担を回避したい場面と、営業時間外の問い合わせが中心です。「ボイスボット全体への利用意向は3割強」という数字からは見えにくい受容領域が、シーン別の質問では70.5%まで広がっており、消費者自身が「ボイスボットの方が話しやすい場面」を明確に持っていることが分かります。
人間オペレーターを求めるシーン:複雑な契約変更・判断・相談が上位
逆に、人間のオペレーターに対応してほしいシーンを複数回答で尋ねたところ、「契約内容の複雑な変更があるとき」49.4%、「判断に迷っていて相談したいとき」36.1%、「商品の使い方を具体的に教えてほしいとき」29.0%が上位となりました。次いで「命や健康に直結する緊急の問い合わせ」21.2%、「初めて利用するサービスで不安があるとき」20.7%が続きます。
人間対応が求められるのは「複雑性」「判断・相談」「緊急性」が軸となる場面で、前述のボイスボット向きシーン(解約・深夜・クレーム)とは性質が明確に分かれています。消費者自身が、用途別の使い分けを認識している構造が浮かび上がっています。
総括
本調査から、50〜70代の消費者におけるコールセンターとボイスボットの関係性について、次のような構造が明らかになりました。
第一に、コールセンター利用時のストレスは依然として大きく、84.6%が嫌な経験を持ち、その中核は「電話がつながらない」(経験率50.2%/最も大きいストレス36.9%)に集約されます。
第二に、ボイスボット全体への利用意向は31.5%にとどまる一方、70.5%が「人より話しやすいシーンがある」と回答しました。具体的な受容領域は「解約・退会」(35.3%)、「深夜・早朝」(24.9%)、「クレーム」(18.7%)など、対人での感情的負担を回避したい場面や営業時間外のニーズが中心です。逆に、契約内容の複雑な変更(49.4%)、判断・相談(36.1%)、緊急時(21.2%)は人間対応が求められており、消費者自身が用途別の使い分けを認識している構造が確認されました。
これらの結果は、ボイスボット導入を検討する事業者にとって、「全業務の置き換え」ではなく「シーン特化型での段階的導入」が、消費者の受容構造に合致した進め方であることを示しています。特に、対人での心理的負担を避けたい解約・クレーム一次受付や、営業時間外のニーズが強い深夜・早朝帯といった領域から導入を始めることが、消費者体験と業務効率の両面で合理的な選択肢になり得ます。
また、不安の上位を占める「聞き取り精度」(22.4%)、「二度手間」(22.0%)、「想定外の用件への対応範囲」(19.5%)への対応も導入成否を分ける要因です。音声認識の精度向上、シナリオの網羅的な設計、人間オペレーターへの引き継ぎ時に会話履歴・本人情報を受け渡す仕組みの整備が、利用者の安心感と導入後の継続利用につながると考えられます。
ボイスボット「DHK CANVAS」について
本調査が示した「シーン特化型での段階的導入」と整合するボイスボットサービスが、株式会社電話放送局のDHK CANVASです。コールセンター現場のニーズを反映して開発されており、簡易的な一次受付や用件振り分けから導入を開始し、段階的に自動化の対象範囲を拡大できます。設定はノーコードで、専任のカスタマーサクセスチームが構築や設定支援を行うため、スモールスタートでの導入検討に適しています。
詳細・お問い合わせは下記をご覧ください。
https://www.dhk-net.co.jp/service/canvas/
株式会社電話放送局について
会社名:株式会社電話放送局
所在地(大阪本社):〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-8-17 宇治電ビルディング 5F/TEL:06-6313-8000
所在地(東京支店):〒136-0075 東京都江東区新砂1-6-35 Nodex 東陽町 7F/TEL:03-3645-1711
代表者:代表取締役 森 正行
設立:1996年11月(創業:1978年5月)
資本金:7,900万円
事業内容:IVR(自動音声応答)システムを用いたクラウドサービス事業/IVRを中心としたCTI機器システム販売事業/ITコンサルタント事業/ソフトウェア、ソリューション開発事業/SMS(ショートメッセージ)送信サービス事業
URL:https://www.dhk-net.co.jp/
DHK CANVAS
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【本資料は、下記の関心をお持ちの方におすすめです】
・自社に合うボイスボットを選定する判断軸を整理したい
・導入後のよくある失敗と成功ポイントを確認したい
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