電話対応業務を可視化するコールフローとは?設計の流れやポイント
2023/03/09
コールセンターや企業の代表番号へ多種多様な問い合わせが寄せられ、取り次ぎの負担でお困りではないでしょうか。IVRを導入すると、自動の音声ガイダンスで顧客にメニューを提示して、用件別に適切な窓口へ案内することが可能です。そこで、電話を振り分ける流れを可視化するのが「コールフロー」です。
ここでは、コールフローの基礎知識から設計の流れ、作成するポイントまでお伝えします。コールフローの具体例もご紹介するため、ぜひ振り分けの参考にお読みください。
目次
コールフローに関する基礎知識
初めに、電話対応業務の「コールフロー」について基本から確認していきます。コールセンター運営に欠かせない大切な用語であるため、特徴や作成する効果についてチェックしておきましょう。
コールフローとは?
コールフローとは、顧客からの入電を振り分けて案内する一連の流れのことです。多くのコールセンターでは、初めに自動の音声ガイダンスでメニューを提示したうえで、顧客のプッシュ操作に応じて目的の窓口へと電話を振り分けています。こうした全体の流れを表したものがコールフローです。
なお、前述の音声ガイダンスとプッシュ操作による振り分けには、コールセンターのシステムである「IVR(自動音声応答)」の機能が用いられています。IVRは、顧客から入電があった際、事前に設定された通りの対応を自動で行う仕組みとなっています。
【参考】
IVRとは?特徴やコールセンターに導入するメリット、サービスの選び方
コールフローを作成する効果
コールフローを作成すると、コールセンターの業務効率化や、顧客満足度の向上が期待できます。その理由は、顧客の目的に応じて適切な担当者へスムーズに電話を繋げるようになるためです。IVRで用件別に顧客を振り分けるには、効率的なコールフローを作成する必要があります。
それに対して、1つの窓口のみでコールセンターへの全ての入電を受け付ける方法では、電話応対の効率が低下しやすいといえます。対応可能な担当者へ電話を繋ぐまでに、折り返しや転送などの業務が多く発生してしまうのが難点です。これによりコールセンター側にデメリットがあるだけでなく、顧客の利便性も損なわれてしまいます。現状、1つの窓口のみで対応している場合には、問題解決のためにコールフローの作成をご検討ください。
コールフローを設計する3ステップと具体例
コールフローを設計する際の流れを3つのステップでご紹介します。また、コールフローの具体例もご紹介するため、自社のコールフロー作成でぜひ参考にしてみてください。
コールフローを設計する流れ
STEP1.振り分け先の窓口を設置する
まずは電話の振り分け先となる複数の窓口を確保します。各窓口では、的確に顧客の要望を満たしたり、問題を解決したりできることが重要です。振り分け先には適切なスキルや知識を持つ担当者を配置しましょう。その際は、顧客がたらい回しにならないよう、配置の仕方にご注意ください。場合によっては、既存の窓口に加えて新規で窓口の設置も検討するようおすすめします。
STEP2.コールフローを作成する
次に、設置した窓口までの分岐や、音声ガイダンスで案内する内容などを決めていきます。コールフローの作成では、フローチャートや表を使ってフロー図にまとめると、全体像や流れがわかりやすくなります。たとえば、矢印を使って分岐と流れを表すと、視覚的にも理解しやすくなるでしょう。完成したフロー図には、コールセンターの営業時間帯や時間外の対応方法、転送の有無なども記載しておきます。
STEP3.コールフローの改善を繰り返す
作成したコールフローでの運用を開始したら、定期的に設定の見直しを行います。見直しでは「音声ガイダンスで窓口を案内する順序は適切か」「顧客を目的の窓口へと案内できているか」「各窓口の入電件数に偏りがないか」といったポイントを確認しましょう。コールフローの改善を繰り返すことが、コールセンターの利便性向上につながります。
コールフローの具体例
ここでは、コールフローの具体例を2つご紹介します。
・事例1.企業の代表番号への入電を各部署に振り分けるケース
企業の代表番号への入電を、用件に応じて3つの部署に振り分けます。こちらのケースでは、よくある問い合わせを「商品・サービスに関する問い合わせ」「請求に関する問い合わせ」「故障やメンテナンスに関する問い合わせ」に分類しました。また、振り分け先には各分野の専門知識を持つ社員が在籍する「営業部」「経理部」「システムサポート部」をそれぞれ設定しています。音声ガイダンスを流し、顧客にプッシュボタンで1~3を押してもらう流れです。これにより、社内の各部署へ電話を取り次ぐコストを削減できます。
・事例2.ECサイトのコールセンターへの入電を振り分けるケース
ECサイトのコールセンターへの入電を、用件に応じて専任のオペレーターやIVRへ振り分けます。コール内容によっては、オペレーターを介さずに自動で手続きを完了できる可能性があります。そこで、こちらのケースでは「商品の注文」「配送状況の確認」「注文のキャンセル」の手続きを行う窓口と、「その他の問い合わせ」の窓口を設置しました。
番号1~3の手続きは、専任のオペレーターに担当させるほか、事前に準備したIVRで対応を完結することも可能です。IVRによる自動対応なら、営業時間外などでオペレーターが対応できない場合にも手続きを行えます。上記の手続き以外の、難度の高いイレギュラーな問い合わせには、オペレーターが対応する仕組みです。オペレーター対応と自動対応の棲み分けにより、効率化を実現できます。
適切なコールフローを作成するポイント
コールセンター業務を効率化し、顧客の利便性を高めるには、どのようにコールフローを作成するべきでしょうか。最後に、コールフロー作成のポイントを解説します。
選択肢や階層は最低限に抑える
コールフローの選択肢や階層を増やしすぎると、かえってコールセンターの利便性が損なわれるおそれがあります。顧客に多くの選択を強いることになる点に留意しましょう。選択肢や階層の多さが原因で、顧客がストレスを感じてオペレーターに繋がる前に切電に至るおそれがあります。また、顧客がプッシュ操作を誤ったり、電話をかけ直したりした際、多くの時間がかかってしまうのも難点です。
これらの理由から、コールフローの選択肢や階層は基本的に少ないほうが好ましいと考えられます。ただし、減らしすぎにより電話の振り分けが不十分となれば、コールフローを作成する効果が薄れてしまいます。運用後に改善を繰り返し、バランスを重視しながら調整すると良いでしょう。
端的でわかりやすい音声ガイダンスにする
IVRの音声ガイダンスはできるだけ短く、わかりやすい言葉で表現することが重要です。音声ガイダンスが長すぎると、顧客が説明を聞く時間が多くなり、利便性が損なわれてしまいます。また、案内がわかりづらいと、顧客を困惑させる事態にもつながりかねません。誤った窓口へ誘導して顧客がたらい回しになれば、不満を抱く一因となります。顧客目線でアナウンスの改善をはかりましょう。
自社のコールセンターに最適なコールフローを目指しましょう
電話対応業務に多くのメリットをもたらす、コールフローの作成について解説しました。コールフローを作成すると、業務効率化や顧客満足度の向上といった効果が期待できます。自社に必要な窓口を設置したうえで、適切な担当者を配置しましょう。その際は、バランスを見ながら選択肢や階層を調整し、顧客目線でわかりやすい音声ガイダンスを設定するのがポイントです。
社内でのコールフローの作成と運用改善には、ノーコードで簡単に運用できるIVRの「DHK CANVAS」がおすすめです。直感的に操作しやすいUIで、コールフローを自由自在に組み立てていただけます。運用後にコールフローを見直す場面でも、社内で設定作業をしていただけるのが魅力です。IVRの導入をご検討中の企業様は、IVR専業でサポート体制の充実した電話放送局へお問い合わせください。
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