電話音声ガイダンスを活用して電話を自動化する方法とポイント
2024/03/26
電話音声ガイダンスの導入には多くのメリットがあり、職場の生産性向上などにつなげられます。電話対応に時間を取られてしまう場合には、社内の電話に音声ガイダンスのシステムを備えるのがおすすめです。本記事では電話音声ガイダンスの基本や役立つ場面、メリット・デメリットや注意点について解説します。
目次
・オペレーターを必要としない対応はIVRの音声ガイダンスにお任せ
・お待たせするお客様にはコールバック(折り返し電話)ができる
・まとめ
電話音声ガイダンス(自動音声案内)とは
電話音声ガイダンス(自動音声案内)を利用するには、その特徴と基本を理解することがポイントです。以下では、電話音声ガイダンスのシステムや種類などの基本を解説します。
音声ガイダンスとは?着信時の自動音声案内システム
電話の音声ガイダンスとは、事前に設定した音声を自動で流すシステムです。着信時に音声を流すことで、お客様の情報確認や必要な行動を促せるのが特徴です。IVR(Interactive Voice Response)というシステムが利用されるケースが多く、電話を自動受電してアナウンスからお客様に対するヒアリングが行えます。
例えば「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇でございます。〇〇の方は1番を、〇〇の方は2番を押してください」と音声を流し、用件ごとに電話を振り分けられます。
ビジネスフォンの音声ガイダンスは3種類
ビジネスフォン(オフィスなどで使用する業務用電話機)では、主に3種類の音声ガイダンスを利用できます。1つは先に紹介した「IVR」、2つ目は留守番電話の役割を担う「時間外アナウンス」、最後に話中に担当者につなぐための「お待たせ着信」の3つです。それぞれに用途があるため、自社が必要としている機能を明確にして、導入を検討することがポイントです。
電話音声ガイダンスを利用する場面
電話音声ガイダンスは、多くのシーンで役立ちます。以下では、電話の音声ガイダンスが利用できる具体的なシーンを紹介します。
問い合わせに対して人手が足りない時
人手不足で電話からの問い合わせに割ける人員が少ない場合には、電話音声ガイダンスが役立ちます。簡単に回答できる内容は電話音声ガイダンスに任せられるため、従業員の電話業務における負担が減ります。
電話を振り分けたい時
複数の部署・部門がある場合、電話音声ガイダンスでかかってきた電話を適切に担当者に振り分けられます。また、高度な知識が必要な問い合わせを、ベテランの従業員に回すといった使い方もできます。
複数番号を利用している企業
電話音声ガイダンスを使うことで、複数の番号を1つに集約できます。部署やチームごとに電話番号を持っている場合、管理が煩雑となって手間がかかります。電話音声ガイダンスで適宜振り分けられる制度を導入すれば、電話番号が1つでもスムーズに担当者に取り次ぎ可能です。
営業電話が多い時
別会社からの営業電話対策としても、電話音声ガイダンスが有効に使えます。音声ガイダンスが挟まると、スムーズに営業ができないため、効率を重視したい営業担当者は電話を控える可能性が高まります。
休日や営業時間外であることを案内したい時
電話音声ガイダンスがあると、休日や営業時間外にかかってきた電話にも最低限の対応が可能です。例えば予約のために電話したお客様に対して、電話以外の予約方法を伝える音声を流すことで、機会損失を防げます。
代表電話の取り次ぎなしで担当者につなげたい時
代表電話で着信を受けてから担当者につなぐ方法の場合、お客様が用件を伝えるまでに長い時間がかかります。万が一お待たせしたのに、「担当者が不在で対応できなかった」となると、お客様からの信頼を損なう可能性もあります。そこで電話音声ガイダンスを利用して、取り次ぎなしで直接担当者につなぐシステムの導入が考えられます。
電話音声ガイダンスでできること
電話音声ガイダンスの導入時には、まず「何ができるのか」を把握することがポイントです。以下では、「電話音声ガイダンスができること」について解説します。
お客様の用件に応じたオペレーターの振り分け
お客様の用件に合わせて、事前にオペレーターの振り分けが可能です。問い合わせ内容によっては、専門知識を持つ人材や担当部署の対応が必要になるケースがあります。取り次ぎにかかる時間と手間を削減し、お客様の抱える問題の早期解決を目指せます。
オペレーターを必要としない対応はIVRの音声ガイダンスにお任せ
問い合わせ内容次第では、人間の手が必要ないこともあります。例えば製品の資料請求などは、IVRの自動音声だけで簡単に対応できます。単純作業をすべて音声ガイダンスに任せることで、従業員を別の作業に集中させられます。
お待たせするお客様にはコールバック(折り返し電話)ができる
電話音声ガイダンスには、「コールバック(折り返し電話)」の機能があります。電話が混み合って長時間待たせる可能性がある場合に、後ほど折り返しすることを自動で伝えられます。長時間の待ち時間は不満の種になるため、コールバック機能で柔軟に対応できる環境整備が求められます。
お客様の問い合わせ内容を集計・分析
電話音声ガイダンスで受信した内容は、データとして集計し、分析が可能です。どのような問い合わせが多いのか確認することで、顧客ニーズの把握などに行かせます。IVRで用件のボタンを押してもらうだけで集計できるため、手間をかけずに情報を確保できます。
営業時間外もお客様対応ができる
営業時間外でも、電話音声ガイダンスはお客様に対応してくれます。お客様が必要な情報を提供したり、ホームページに誘導して問い合わせフォームの利用を促したりできます。営業時間外にかかってくる電話も、ビジネスチャンスとして利用できる可能性が高まります。
録音で問い合わせ内容を承る
問い合わせ内容を留守番電話の形で受け取ることで、受け答えの内容を録音できます。万が一対応できる担当者が不在の場合、折り返して対応するケースもあります。その際に録音内容を確認すれば、具体的にどのような問い合わせがあったのか、どんな会話をしたのかを把握したうえで折り返しが可能です。
SMS送信で問い合わせ内容に対応できる
電話音声ガイダンスは、電話をかけたお客様に対してSMSを発信する機能もあります。例えば予約をしたいお客様に対して、専用のフォームにつながるURLを添付したSMSを自動送信することで、お互いに手間をかけずに済みます。アンケートへの回答やお得なクーポンの送付などにも、SMSの送信機能が活用できます。
担当者名を発話指名して自動で取り次ぐ
担当者ごとに取り次ぎ先を設定することで、スムーズに電話対応が可能です。営業の現場などで担当者しか情報を持っていない場合には、電話音声ガイダンスであらかじめ担当者を指名してもらう方法もあります。
その際にはお客様の発話音声を認識して取り次ぎ先を選べる、「発話指名」ができるサービスの利用がおすすめです。
電話音声ガイダンスの導入メリット
電話音声ガイダンスの導入は、企業に多くのメリットを与えます。以下を参考に、電話音声ガイダンスの導入にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。
電話応対の業務効率化
電話音声ガイダンスは、電話の業務全般を効率化できるメリットがあります。自動音声に簡単な問い合わせ内容を任せられれば、その分従業員が対応する時間と手間が減ります。結果的にコア業務に集中する時間が増え、仕事をスムーズに進められる環境を構築できます。
電話応対の生産性向上
電話音声ガイダンスは、複数の方法で振り分けが可能です。従業員のレベルに応じて問い合わせを振り分けることで、生産向上を実現できます。先に解説したように、難しい問い合わせをベテラン従業員につなぐことで、取り次ぎの手間を省略できます。
休日・営業時間外も電話対応ができる
休日や営業が終了してからの問い合わせにも、電話対応が可能です。電話がつながらなかった場合、お客様は別のサービスに連絡する可能性があります。機会損失につながるため、自動音声で対応し、お客様に次の行動を提示できる点にメリットがあります。
新人オペレーターの離職を抑制
電話音声ガイダンスを使って、問い合わせ内容ごとに振り分けを行うことは、新人オペレーターの離職を防げるメリットもあります。難しい問い合わせばかり対応することになると、自信をなくして離職する可能性が高まります。まずは簡単な電話だけを対応できるように配慮することで、新人オペレーターの育成を兼ねた業務も行えます。
顧客満足度の向上
電話音声ガイダンスによる業務の効率化は、顧客満足度の向上にもつながります。電話での問い合わせにかかる時間を削減し、スムーズに用件を伝えられる環境を構築することで、お客様は自社に対して良い印象を持ちやすくなります。電話対応が忙しいことを理由にオペレーターの対応が雑になることもないため、適切かつ丁寧な電話受付でお客様をサポートできます。
無人対応による人件費削減
電話音声ガイダンスの自動対応で多くの問い合わせを処理できれば、人件費を削減できます。電話対応のみを仕事とする部署や人材の確保が必要なくなり、その分のリソースを別のことに回せます。
マーケティングへの応用
電話音声ガイダンスで収集したお客様の情報や問い合わせ内容は、マーケティング活動に応用できます。電話がかかっているタイミングや問い合わせ件数などを分析することで、お客様の行動・ニーズを理解したうえでマーケティング施策を考案可能です。
電話音声ガイダンスの導入デメリット
電話音声ガイダンスの導入には、メリットだけでなくデメリットもあります。以下では、電話音声ガイダンスの利用時に考えられる主なデメリットを紹介します。
導入コストがかかる
電話音声ガイダンスを導入する際には、ある程度のコストがかかります。事前に見積もりを行い、コストがかからないサービスを活用することがポイントです。
初期設定のハードルが高い
電話音声ガイダンスを導入する際には、さまざまな初期設定が必要です。「自動音声で流すガイダンスの内容」「振り分ける部署や担当者の選別」など、考えるべきことは多数あります。設定した内容が適切か確認するために、複数回の試験を実施する手間もかかります。
定期的に運用方法やガイダンスを見直す必要がある
電話音声ガイダンスにおける運用方法やガイダンスの内容は、定期的な見直しが必要です。お客様のニーズに合わせて担当する部署を変更したり、問い合わせが増えた用件に対応するガイダンスを導入したりと、対応方法を洗練させていく工程が求められます。
お客様は音声ガイダンスを待たないといけない
電話音声ガイダンスは、まずお客様に内容を聞いてもらう必要があります。ガイダンスの時間が長く、待ち時間が延びると、途中で電話を切られてしまうリスクもあるでしょう。ガイダンスが流れている最中でもボタンを押せるようにしたり、ホームページに対応できる部署の番号をあらかじめ表記したりして、時間短縮を狙うのがポイントです。
お客様がどのメニューを選べば良いかわからないことがある
お客様の問い合わせ内容次第では、指定されたどの番号を選ぶべきかわからないケースもあります。お客様が迷う可能性を考慮して、問い合わせ全般に対応できるオペレーターへの番号を準備するのも重要です。
機械に慣れていないお客様には操作が難しい
電話での問い合わせに慣れていないお客様の場合、音声ガイダンスの使い方に困ることも考えられます。機械による自動音声を苦手とするお客様は、途中で離脱する可能性もあります。可能な限り早くオペレーターと接触できる流れを構築して、お客様をつなぎ止める工夫も求められます。
電話音声ガイダンス作成のポイントと注意点
電話音声ガイダンスで利用するシステムの作成時には、事前にいくつかのポイントと注意点を踏まえておくことが重要です。以下では、電話音声ガイダンスの作成におけるポイント・注意点を紹介します。
音声ガイダンスの時間は最小限にする
着信時に流す音声ガイダンスは、最小限の時間に抑えるのがポイントです。長々と説明が挟まると、お客様が離脱する可能性が高まります。簡潔に内容をまとめて、必要な情報を的確に伝えられるように備えましょう。
用件の案内は簡潔にわかりやすくする
電話音声ガイダンスでお客様に押してもらう番号の説明案内は、簡潔でわかりやすい言葉にします。専門用語などが含まれていると、お客様はどの番号を押すべきか迷います。誰でもわかる言葉に落とし込むことが、電話音声ガイダンスを利用するコツです。
メニュー数は覚えられる数までにする
取り次ぎ先のメニューが多すぎると、混乱の要因になります。お客様に提示する番号は3〜4つ程度に抑えて、「番号の内容を覚えられない」といった事態を防止しましょう。
「オペレーターにつなぐ」メニューは必ず用意する
お客様がどのボタンを押すべきか迷うことを考慮して、どのような用件にも対応できる「オペレーターにつなぐ」のメニューを設置しましょう。どの番号にも該当しない場合、お客様は問い合わせを諦めてしまう可能性があります。「オペレーターにつなぐ」ボタンの設置によって、「とりあえずここに連絡すればいい」という状況を作り、離脱を防止できます。
電話音声ガイダンスやIVRの比較ポイント
導入する電話音声ガイダンスやIVRのサービスを選ぶ際には、いくつかのポイントを比較することが重要です。以下では、導入するサービスの比較ポイントを解説します。
利用目的に合った機能の有無
自社の利用目的に合った機能を持つかどうかが、基本的な採用基準となります。まずは何のために電話音声ガイダンスを導入するのか、どんな効果を引き出したいのかを明確にして、サービスを比較してみましょう。
ガイダンス音声の収録・作成サポートの有無
電話音声ガイダンスのサービスによっては、音声の収録や作成がサポートされないケースがあります。自社独自のガイダンスを作成することは、利用のしやすさに影響するため、サポートが受けられるサービスを選ぶのがおすすめです。
分析機能の充実度
電話音声ガイダンスを提供するサービスによって、分析機能の充実度は変わります。どのような情報を収集できるのか、どのような形で分析に利用できるのかを、事前に確認しておきましょう。
同時通話数
同時通話数も、電話音声ガイダンスを比較するうえで欠かせないポイントです。同時通話数が多すぎると、無駄なコストがかかって負担が大きくなります。逆に同時通話数が少ないと、電話を取りこぼして機会損失の可能性が高まります。自社にかかってくる電話の数を把握したうえで、最適な同時通話数を選ぶのが重要です。
専用装置型かクラウド型か
電話音声ガイダンスは、大きく「専用装置型」と「クラウド型」に分けられます。「専用装置型」は自社にサーバーを設置するため、顧客情報を蓄積しやすいです。一方で初期コストが高く、数千万円規模になるケースもあります。「クラウド型」がクラウドサーバーを利用してサービスを導入するため、初期費用が安く導入までの時間も短いです。
手軽にシステムを導入するのなら、クラウド型の利用がおすすめです。
お試しキャンペーンの有無
電話音声ガイダンスは実際に使ってみることで、自社との相性がわかるケースも多いです。そのため無料で使えるお試しキャンペーンがあるサービスをチェックし、電話音声ガイダンスの機能を体験したうえで導入を検討できるのが理想です。
発話操作とプッシュ操作両方に対応した機能の有無
電話音声ガイダンスは、お客様の言葉で操作できる「発話操作」と、電話のボタンを押す「プッシュ操作」の両方に対応したものがおすすめです。従来のプッシュ操作だけでなく、お客様の言葉に反応して最適な取り次ぎ先を選べるシステムであれば、スムーズかつスピーディに問題を解決できます。
用件だけでなく、担当者名でも振り分けれるか機能有無
用件以外にも、担当者名で各担当者の電話番号に振り分けられる機能の有無も重要です。担当者名で電話を振り分けられれば、お客様への対応だけでなく、企業間の連絡もスムーズに行えます。特定の案件を担当している従業員の名前を設定し、外部からの連絡を簡単に取り次げる体制を構築できるサービスの利用には、多くのメリットがあります。
まとめ
電話音声ガイダンスは、お客様からの問い合わせに自動対応し、適切に処理してくれる便利なサービスです。従業員の負担軽減や生産性向上にもつながるため、現場が抱えている課題を解決するきっかけになる可能性もあります。この機会に電話音声ガイダンスの特徴やメリットを確認し、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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そのほか、管理画面の音声合成機能を使えば、いつでも簡単にガイダンスの内容を編集できます。急遽メッセージを変更したい場合にも、スムーズに対応できる点がメリットです。まずは「とりつぎ君」の無料デモを実際に操作し、独自の利便性をぜひご体験ください。
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