電話注文を自動化するには?注文の種類別に自動で受けられる範囲と5社の事例
2026/10/29
「追加注文の電話だけで回線が埋まり、新しいお客様の電話を取りこぼしている」「夜間の注文も受けたいが、そのために人を置く余裕はない」。電話注文の受付を預かる責任者から、こうした相談をよく受けます。電話注文の自動化は、決まった商品をくり返し頼む注文から始めるのが確実です。追加注文や定期便の変更は自動受付で最後まで受けられる一方、商品の相談やギフトの手配のように会話しながら決める注文は、人に残したほうがお客様の満足を保てるでしょう。
本記事では、注文の種類別に自動で受けられる範囲を早見表で整理したうえで、受け方の3つの方法、お客様と商品の特定、支払いの受け方、人へのつなぎ方を解説します。宅配水の電話注文の自動化率を約40%から80%まで上げた例を含む5社の数字は、「電話注文を自動化した5社の事例」にまとめました。
目次
・お客様と商品をどう特定する?基幹システムを改修せずに始める方法
・まとめ
電話注文はどこまで自動にできる?注文の種類別の早見表
商品とお客様が決まっていて、毎回同じことを聞けば済む注文ほど自動で受けやすく、お客様と相談しながら中身を決める注文ほど人が向いています。注文の種類ごとに、自動で受けられる範囲と人に残す部分を並べると次のようになります。
| 注文の種類 | 自動で受けられる範囲 | 向く受け方 | 人に残す部分 |
|---|---|---|---|
| 追加注文・ リピート注文 (宅配水・消耗品など) |
受付から完了まで | ボタン入力 (お客様と商品を特定) |
欠品のとき、 ふだんと大きく違う数量 |
| 定期便の追加・ お届け日の変更・ スキップ |
受付から完了まで | ボタン入力と 基幹システムへの反映 |
契約内容の複雑な変更 (解約の受付は別に設計) |
| 新規のお客様の注文 | 氏名・住所・数量の 受付まで |
録音、または 音声認識とSMSでの確認 |
商品の相談、ギフト・のし、 複数のお届け先 |
| 夜間・休日の注文 | 受付、または 折り返しの予約まで |
自動受付、 または折り返し受付 |
翌営業日の確認と折り返し |
| 広告や放送の直後に 集中する注文 |
仮の注文や 折り返しの予約まで |
人が受けきれない電話を 自動で受ける |
本受付と在庫の確認 |
上の2行は、お客様も商品もすでに分かっている注文です。電話で聞くのは「何を」「いくつ」「いつ届けるか」だけなので、ボタン入力で最後まで受けられるのが特徴です。下に行くほど聞くことが増え、住所や氏名のように毎回違う内容を受け取る必要が出てきます。広告や放送の直後に集中する電話の受け方は、あふれ呼の対策として別に考えると整理しやすくなります。
自動で受けやすい注文の条件は?
お客様・商品・支払いの3つが、電話を受ける前の時点ですでに決まっていることです。具体的には、次の3つの条件がそろっている注文を指します。
- お客様を、電話番号やお客様番号で特定できる
- 商品を、商品番号や「前回と同じ商品」で決められる
- 支払い方法が登録済みか、選択肢から選べる
3つのうち1つでも欠けると、その部分だけ人が聞き取るか、あとで確認する作業が残ります。例えば株式会社サイサンでは、受電の8割を定期配送のキャンセルと追加注文が占めていました(事例②)。定期便のお客様は登録があり、商品も決まっているため、3つの条件がそろいやすい注文です。
お客様が人と話したい注文もある
反対に、お客様の側が人との会話を求める注文もあります。弊社が50〜70代の男女241名に行った調査では、人のオペレーターに対応してほしい場面として「契約内容の複雑な変更があるとき」が49.4%、「判断に迷っていて相談したいとき」が36.1%、「商品の使い方を具体的に教えてほしいとき」が29.0%挙がりました(出典:株式会社電話放送局「コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査」)。どの商品にするか迷っているお客様の注文は、早見表の右端の列に入れておくのが安全です。
電話注文を自動で受ける3つの方法
電話注文を自動で受ける方法は、ボタン入力、録音、音声認識の3つです。多くの窓口では、1本の電話の中で項目ごとにこれらを使い分けています。電話の自動応答の全体像は「IVRとは?電話の自動音声応答の仕組みと機能一覧」で解説しています。
方法① ボタン入力で受ける(商品番号・数量・お届け日)
電話の番号ボタンを押してもらい、商品番号や数量、お届け日を受け取る方法です。例えば宅配水の追加注文なら、着信と同時に自動音声が応答し、登録の電話番号でお客様を特定したうえで「いつものお水を追加される方は1を押してください」「本数を押してください」と順に聞き、お届け日を案内して受付を終えます。オペレーターは一度も電話に出ません。
ボタン入力は聞き間違いが起きないため、電話番号やお客様番号のように正確さが求められる情報に向いています。日本予防医薬株式会社も、DHK CANVASを選んだ理由の1つに、電話番号や顧客番号など正確さが求められる情報はプッシュ入力で、自由な回答は音声で受け付けられる点を挙げています(出典:導入事例 日本予防医薬株式会社)。
気をつけたいのは、選択肢を増やしすぎないことです。先ほどの弊社調査では、コールセンターで経験した嫌な出来事として「自動音声のプッシュ番号操作が複雑で面倒だった」が17.0%挙がっています。1回の案内で選ばせる項目は少なく抑え、商品が多い場合は「前回と同じ商品」を先に聞くと迷いが減ります。
方法② 録音で受けて、あとから人が入力する(氏名・住所)
氏名や住所のように毎回違う内容を、お客様に話してもらって録音し、あとから人が聞いて受注システムに入力する方法です。弊社の自動受付IVRには、テレビショッピングの夜間・早朝の注文を受ける設定例があります。流れは次のとおりです(出典:自動受付IVR)。
- 電話番号の確認と補足の説明
- 名前、郵便番号、住所の録音
- 数量、配送の希望時間帯、決済手段の録音
- 録音した内容の復唱(違っていれば名前の録音に戻る)
- 終わりの案内と、携帯電話から注文を終えた方へのSMS送信
録音はWeb管理画面で聞けるため、オペレーターが出勤してから順に入力できます。人がいない時間でも注文を受け止められる一方、聞き取りと入力の後作業は人に残ります。
方法③ 音声認識で聞き取り、SMSで確認してもらう
お客様が話した内容を音声認識で文字にし、その内容をSMSで送って、お客様自身に確認してもらう方法です。会話で自由に話せるボイスボットで受け、文字で確定させる組み合わせになります。
株式会社ダスキンは、SMSでマイページのURLを送り、お客様に受付内容を確認・修正してもらう形を取っています。音声認識の精度が100%ではない前提で、この機能を導入の決め手にしました(出典:導入事例 株式会社ダスキン)。詳しくは事例④で紹介します。電話からSMSでWebに案内する方法は「IVR×SMSとは?」で詳しく紹介しています。
3つの方法の比べ方
3つの方法は、お客様の手間と、人に残る後作業のどちらを重く見るかで選び方が変わります。
| 比べる点 | ① ボタン入力 | ② 録音 | ③ 音声認識と SMSでの確認 |
|---|---|---|---|
| お客様の手間 | 押すだけ。 選択肢が多いと迷う |
話すだけ | 話したあと、 SMSで確認する |
| 住所・氏名の 正確さ |
受け取れない | 人が聞き取るので 確認できる |
お客様自身が 文字で確定する |
| 人の後作業 | ほとんど残らない | 聞き取りと入力が残る | 確定した情報を 受け取るだけ |
| 向く注文 | 追加注文、定期便の変更 | 夜間・早朝の注文、 まず小さく始めるとき |
新規のお客様の注文、 訪問の申し込み |
ボタン入力と音声のどちらが向く業務かは「ボイスボットと相性が良い業務は?」でも整理しています。
住所と氏名はどの方法で受けるのがよい?
既存のお客様なら住所と氏名は聞かずに登録情報を使い、新規のお客様は録音か音声認識で受けて、確定する前に人かお客様自身が確認する形が確実です。氏名や地名の漢字は、音声だけでは表記を決めきれないことがあるためです。
お客様の不安もここに集まります。弊社調査では、ボイスボットを利用するときの最も大きな不安として「自分の話した内容を正しく聞き取ってもらえるか」が22.4%、「結局オペレーターにつながるなら二度手間ではないか」が22.0%挙がりました。一方で、コールセンターで最も大きいストレスは「電話がつながらない」の36.9%でした。聞き取った内容を文字で見せて直せるようにしておけば、待たせずに受けることと、正確に受けることを両立できます。
お客様と商品をどう特定する?基幹システムを改修せずに始める方法
お客様は発信者の電話番号やお客様番号で、商品は商品番号や「前回と同じ商品」で特定します。照合に使う顧客や商品のデータは、基幹システムを改修しなくても、IVR側へ定期的に渡す方法で始められます。
お客様を特定する3つの手がかり
追加注文や定期便の変更を自動で受けるには、電話をかけてきたのが誰かを、最初の数十秒で確かめる必要があります。株式会社サイサンも、IVRの中でお客様の本人確認まで行えることを、セキュリティ面の安心材料に挙げています。手がかりは主に次の3つです。
発信者の電話番号
着信した電話番号を顧客データと照らし合わせ、「お客様の電話番号は〇〇でよろしいですね」と確認する方法です。お客様は何も入力せずに済みます。ただし、登録と違う電話からかけてきた場合や、番号を通知しない設定の場合は特定できないため、次のお客様番号で受け直す道を用意しておきます。
お客様番号・契約番号
請求書や納品書、会員カードに載っている番号をボタンで入力してもらう方法です。家族で同じ電話を使っている場合でも、契約ごとに見分けられます。番号をすぐ取り出せないお客様もいるため、どの書類のどこに載っているかを案内の中で伝えると、途中で切れる電話が減ります。
郵便番号などでの本人確認
電話番号とお客様番号に加えて、登録の郵便番号などを入力してもらい、本人であることを確かめる方法です。電話での本人確認の方式は「IVR認証とは?」で紹介しています。
商品を特定する方法
商品の特定で迷いが少ないのは、「前回と同じ商品」を自動音声で読み上げて確かめる方法です。自動受付IVRでは、商品名のように毎回変わる言葉を音声合成で読み上げることも可能です。新しい商品を頼んでもらう場合は、カタログやチラシ、同梱の案内に商品番号を大きく載せておくと、ボタン入力で受けやすくなります。
在庫を案内したい場合は、在庫のデータも照合の対象に入れておきましょう。欠品していたらその場で人につなぐか、入荷後の連絡を約束するかを、事前に決めておいてください。
基幹システムとのつなぎ方は3段階
自動受付と基幹システムのつなぎ方は、次の3段階に分けて考えると進めやすくなります。弊社の自動受付IVRの機能に沿って整理しました(出典:自動受付IVR)。
| 段階 | データの流れ | 向く場面 |
|---|---|---|
| 1 受付データを 取り出す |
受付データを管理画面から CSVで取り出し、 人が受注システムに入力する |
まず一部の注文で 小さく始めるとき |
| 2 データを渡して 照合する |
顧客・商品・在庫のデータを 定期的にIVR側へアップロードし、 お客様の確認や在庫の確認に使う |
API連携ができない環境、 基幹システムの改修を 避けたいとき |
| 3 API連携で 自動で反映する |
基幹システムと直接つなぎ、 お客様の確認と 受付データの登録を自動で行う |
件数が多く、 手配のミスや入力の手間を なくしたいとき |
宅配水を販売する株式会社中京医薬品は、基幹システムの改修には工期がかかり、費用も大きくなることから、改修せずにIVRでお客様と商品を特定できる仕様で導入しました(出典:導入事例 株式会社中京医薬品)。株式会社サイサンは、IVRで受けた注文が基幹システムに自動で反映されるため、人による手配のミスと人件費が大きく減ったと話しています。
改修をしないで始めたいという声は、電話を受ける側にも多くあります。職場で電話対応に携わる20〜60代255名への弊社調査では、電話対応を自動化するときの条件として「大がかりなシステム改修なしで導入できる」が22.0%挙がりました(出典:株式会社電話放送局「電話対応業務の負担と自動化ニーズに関する実態調査」/発表)。1か2の段階で始め、件数が増えてから3に進む順番でも遅くはありません。
支払いはどう受ける?
定期便や追加注文は登録済みの支払い方法をそのまま使い、新規の注文は支払い方法を選択肢から選んでもらうのが基本です。カード番号を電話で受ける場合だけは、カード情報の扱いに法律の決まりがあるため、別に設計します。
登録済みの支払い方法で受ける
定期便のお客様や、前回の注文で支払い方法が登録されているお客様なら、電話の中で支払いについて聞く必要はありません。注文内容を確認したあと「お支払いは前回と同じ方法です」と案内するだけで受付を終えられます。自動で受けやすい注文の3つの条件のうち、支払いの条件がそろっている状態です。
支払い方法を選んでもらう
新規のお客様には、代金引換や後払いなど、自社で扱う支払い方法を選択肢として読み上げ、ボタンで選んでもらう形です。テレビショッピングの夜間・早朝の受付例でも、決済手段の選択が受付の流れに入っています。カード番号を電話で受け取らない支払い方法なら、カード情報の決まりを気にせずに自動化を進められます。
カード番号を受けるときの決まり
クレジットカードで商品を販売する事業者には、割賦販売法第35条の16で、カード番号の漏えいなどを防ぐための措置が義務づけられています。電話で聞いたカード番号をオペレーターが自社のパソコンに入力すると、カード情報が自社の機器を通るため、非保持化の観点から見直しが必要になります。
対応のしかたは、オペレーターが注文を受けてから支払いの場面だけIVRに転送する方式と、注文から支払いまで最初からIVRで受ける方式の2つです。違いと選び方は「IVR決済とは?電話注文のカード情報を自動音声で受け取る仕組みと、2つの導入方式」で解説しています。
通販の小林製薬株式会社は、オペレーターが注文を受けたあとにIVRへ転送し、お客様にカード情報を入力してもらう形で非保持化を進めました。処理時間は当初の想定より75%、運用コストは想定より47%削減できています。同社は今後、音声認識を使ったIVRでの注文受付の自動化も検討していると話しています(出典:導入事例 小林製薬株式会社)。
人に残す注文と、人へのつなぎ方
自動受付で最後まで受けない注文を先に決めておくと、お客様が途中で切る電話が減ります。人に残す場面は5つ、つなぎ方は2つです。
人に残したほうがよい5つの場面
次の場面は、自動受付で無理に完結させず、人が受ける前提で設計します。
- 欠品していて、代わりの商品を提案したいとき
- ギフトやのし、複数のお届け先の指定があるとき
- どの商品にするか、お客様が相談したいとき
- 契約内容の複雑な変更があるとき
- 聞き取りや入力に何度か失敗したとき
最初の4つは、聞くことが毎回変わり、お客様の事情に合わせて判断が要る場面です。最後の1つは、どの注文でも起こり得ます。自動受付IVRには、IVRの操作に失敗したときにコールセンターへ転送する機能があり、失敗が続いたお客様を人へ渡せます。
健康食品を販売する万田発酵株式会社も、お客様の中に「オペレーターと会話しながら注文を決めたい」というニーズが根強くあることから、日中の注文受付は人の対応を中心にしています(出典:導入事例 万田発酵株式会社)。
人へつなぐ2つの方法
人へのつなぎ方は、その場で担当者に転送する道と、折り返しの予約を受ける道の2つです。営業時間内で担当者が空いていれば転送し、時間外や混み合っているときは、用件と名前、折り返しの電話番号を受けて翌営業日にかけ直します。折り返しの受け方は「電話のコールバックとは?」で詳しく解説しています。
どちらの道も、案内の最初で「担当者と話したい方は0を押してください」のように伝えておくと、自動受付を使いたくないお客様が途中で切らずに済みます。
聞いた内容を引き継いでからつなぐ
人へつなぐときは、自動受付で聞いた内容を担当者に渡してからつなぎます。職場で電話対応に携わる255名への弊社調査では、自動音声から人に代わる電話を経験した人の79.3%が困った経験を挙げました。上位は「要件を把握できていない状態で、電話に出る必要があった」34.5%、「自動音声で伝えたはずの要件を、もう一度説明する必要があった」33.0%です。導入の条件では、1位の「利用者が操作に迷わない」23.1%に続いて、「必要なときに確実に人に代われる」22.7%、「人に代わるときに用件が引き継がれる」22.4%が2位と3位でした(出典:株式会社電話放送局「電話対応業務の負担と自動化ニーズに関する実態調査」)。
電話注文を自動化した5社の事例
ここからは、電話注文を自動で受けている5社の事例を紹介します。数字はいずれも各社の導入事例ページに載っているものです。
事例① 宅配水の追加注文を自動にし、自動化率を約40%から80%へ(株式会社中京医薬品)
宅配水を販売する株式会社中京医薬品では、お客様が増えるにつれてコールセンターへの電話も年々増えていました。受付の席数を増やさずに、追加注文や問い合わせの電話を取りこぼさない体制が急務だったといいます。
導入したのは自動受付IVRです。フリーダイヤルの用件振り分けで追加注文の電話だけをIVRへ回し、宅配水や紙コップなど付属品の追加注文を自動で受け付けました。注文以外の問い合わせは、これまでどおりコールセンターの人が受けています。
導入当初は、水の注文を受けて営業カレンダーと連携し、配送日を案内する方式で、自動化率は40%程度でした。その後、抗菌カートリッジの交換案内と、交換期日が来たことを営業スタッフに知らせる仕組みを組み込み、紙コップなどの消耗品も同時に注文できるようにしたことで、電話注文の80%を自動化できています。増員はゼロのまま、正社員の比率を6分の1にしてパート中心の体制に切り替え、固定費を下げました。
高齢のお客様が多いためIVRへの移行は難しいと考えていたものの、その心配は杞憂に終わったと担当者は話しています。台風やコロナ禍で受付スタッフが出勤できないときも、受付を続けられました(出典:導入事例 株式会社中京医薬品)。
事例② 受電の8割を占めた定期配送のキャンセルと追加注文を自動に(株式会社サイサン)
ミネラルウォーターを定期配送している株式会社サイサンでは、定期配送のキャンセルと追加注文が受電の8割を占め、夏場の需要期には電話が殺到していました。導入前の平均応答数は月16,000本、応答率は70%です。
自動受付IVRで定期配送のキャンセルと追加注文を受けるようにしたところ、人が受ける電話は月平均8,500本に減り、応答率は93%に上がりました。IVRでは月平均7,000件を受け付けています。人件費は40%削減、受注数は20%増えました。IVRで受けた注文は基幹システムに自動で反映され、メンテナンスの時間を除いて24時間365日受け付けています(出典:導入事例 株式会社サイサン)。
事例③ 新規注文と定期注文をボイスボットで受け、注文受付のコストを25%削減(日本予防医薬株式会社)
疲労回復ドリンクを販売する日本予防医薬株式会社は、夏に広告の出稿が集中し、繁忙期と閑散期でコール数に10倍近い差がありました。新規のお客様向けと既存のお客様向けで別々のIVRを使っていたことも、管理の手間になっていました。
現在はDHK CANVASを、新規注文、定期注文、解約受付の3つの業務に使っています。注文の受付では、オペレーターが対応した場合とほぼ同じ水準の定期購入への引き上げ率を保ったまま、コストを25%削減しました。注文も解約も24時間受け付けており、同社はDHK CANVASを業務に欠かせない仕組みと位置づけています(出典:導入事例 日本予防医薬株式会社)。
事例④ 繁忙期の注文の約10%を自動音声受付で受注(株式会社ダスキン)
株式会社ダスキンのエアコンクリーニングは、毎年4〜6月に問い合わせが集中します。電話がなかなかつながらず途中であきらめるお客様もいたうえ、人手不足でオペレーターを新たに確保するのも難しくなっていました。
DHK CANVASで自動音声受付専用の電話番号を設け、住所や名前などを自動で受け取り、SMSで案内したマイページでお客様に内容を確認してもらう形にしました。コンタクトセンターが混み合ったときや営業時間外には、希望するお客様を自動音声受付へ転送しています。現在は、コンタクトセンターで受けるエアコンクリーニングの注文の約10%を自動音声受付からの受注でまかなえています。2020年と2025年度の比較では、応答率が7%、30秒以内に応答できた割合が22.4%向上しました(出典:導入事例 株式会社ダスキン)。
事例⑤ 日中の注文は人に戻し、時間外の一次受けに絞った(万田発酵株式会社)
健康食品を販売する万田発酵株式会社は、お客様の多くがご高齢の方で、電話が大切な窓口です。新聞広告や折込チラシを出したときの電話の波が大きく、取りきれない電話が機会損失になっていました。
DHK CANVASはあふれ呼の対策から始め、繁忙期には電話注文の自動化も一時期だけ行い、ピーク時の電話を吸収しました。あふれ呼が落ち着いた現在は、日中の注文は人の対応を中心に戻し、深夜帯の受付に使い方を絞っています。深夜の電話では、ボイスボットが問い合わせ内容、名前、折り返しの電話番号を聞き、翌営業日に人が折り返します。用件が先に分かっているため、折り返しのときに一から聞き直す必要がなく、平均応対時間の短縮にもつながりました。時間外の電話の半数以上をDHK CANVASで一次受けできています(出典:導入事例 万田発酵株式会社)。自動化の範囲は、一度決めたら終わりではなく、お客様の求めに合わせて広げたり戻したりできることが分かる事例です。
5社に共通していることは?
すべての注文を一度に自動にせず、件数の多い定型の注文や、混み合う時期・時間外に絞って始めていることです。5社の事例を、自動にした注文と受け方で並べると次のようになります。
| 会社 | 自動にした注文 | 受け方 | 主な結果 |
|---|---|---|---|
| 中京医薬品 | 宅配水と付属品の 追加注文 |
自動受付IVR (基幹システムは改修せず) |
自動化率40%程度から80%、 増員ゼロ |
| サイサン | 定期配送のキャンセルと 追加注文 |
自動受付IVR (基幹システムに自動反映) |
応答率70%から93%、 人件費40%削減 |
| 日本予防医薬 | 新規注文と定期注文 | DHK CANVAS | 注文受付のコスト25%削減 |
| ダスキン | エアコンクリーニングの 注文 |
DHK CANVAS (音声で受けてSMSで確認) |
注文の約10%を自動で受注、 30秒以内の応答22.4%向上 |
| 万田発酵 | 繁忙期の注文、 深夜の一次受け |
DHK CANVAS | 時間外の電話の 半数以上を一次受け |
中京医薬品とサイサンは件数がいちばん多い定型の注文から始め、ダスキンと万田発酵は混み合う時期や時間外に絞って使っています。
電話注文の自動化を始める5つのステップ
最初の1か月でやるのはステップ1〜3、稼働後に続けるのがステップ4〜5です。
ステップ1 1か月分の注文の電話を種類別に数える
直近1か月の注文の電話を、早見表の5つの行に分けて数えます。追加注文、定期便の変更、新規の注文、夜間・休日の注文、広告直後の注文がそれぞれ何件あるかが分かれば、どこから自動にすると効果が大きいかが見えてきます。注文以外の問い合わせが同じ番号に混ざっている場合は、その件数も分けておいてください。
ステップ2 いちばん多い定型の注文から始める
数えた結果、追加注文や定期便の変更が多ければ、その注文だけで始めます。中京医薬品は、用件の振り分けで追加注文の電話だけをIVRに回し、それ以外は人が受ける形で始めました。対象を絞ると、案内文の作り込みと試験に時間をかけられます。
ステップ3 お客様の特定方法とデータの受け渡し方を決める
電話番号で特定するか、お客様番号を入力してもらうかを決め、照合に使うデータの渡し方を3段階のどこから始めるかを決めます。在庫を案内するか、欠品のときにどこへつなぐかも、この段階で決めておきます。
ステップ4 案内文を作り、社内で電話をかけて試す
案内文は、聞く順番と、聞いた内容を復唱して確かめる場面を中心に組み立てます。具体的には、「商品〇〇を2本、〇月〇日にお届けします。よろしければ1を、やり直す場合は2を押してください」のように、確定の前に必ず復唱を入れてください。作った流れは社内の人に実際に電話をかけてもらい、迷った場所を直します。案内の書き方は「電話音声ガイダンス(IVR)の作り方」、流れの組み方は「コールフローとは?」が参考になります。
ステップ5 途中で切れた場所を見て、機能を足す
稼働したら毎月、受付まで自動で終わった割合と、途中で切れた場所を確かめます。自動受付IVRなら、日別・時間帯別のレポートと、どこで電話が切れたかを示す「切断箇所」レポートの2つが手がかりです。切れる場所が分かれば、案内文の直し方や、足すべき機能が決まります。中京医薬品が自動化率を40%程度から80%に上げたのも、カートリッジ交換の案内や消耗品の同時注文を後から足した結果です。
自動化率が伸びないときはどこを見る?
自動化率が伸びないときは、電話が切れた場所か、人につながった場所を見ると原因が絞れます。よくある症状と打ち手は次のとおりです。
| 起きていること | 考えられる原因 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 商品を選ぶ場面で 切れる |
選択肢が多い、 商品番号が手元にない |
「前回と同じ商品」を先に聞く、 同梱物に商品番号を載せる |
| お客様の特定で 人に回る |
登録と違う電話から かけている |
お客様番号でも 特定できるようにする |
| 住所や氏名の確認に 人手がかかる |
録音を人が聞いて 入力している |
音声認識とSMSでの確認に 切り替える |
| 最初に0を押して 人を呼ぶ人が多い |
注文以外の用件が 同じ番号に混ざっている |
最初に用件を振り分け、 注文だけを自動受付へ回す |
| 確認の場面で やり直しが多い |
復唱が長い、 一度に聞く項目が多い |
項目ごとに短く復唱し、 やり直す場所を限る |
よくある質問
Q. 高齢のお客様でも自動の注文受付を使えますか?
ボタン入力で聞く項目を少なくし、いつでも人に代われる道を用意すれば使っていただけます。高齢のお客様が多い宅配水の株式会社中京医薬品も、IVRへの移行の心配は杞憂に終わったと話しています(詳しくは事例①)。待たせずに受けられることも、電話がつながらないことに悩むお客様にとっての利点になります。
Q. 初めてのお客様の注文も自動で受けられますか?
氏名・住所・数量などの受付までなら自動で受けられます。録音で受けて人が入力するか、音声認識で受けてSMSでお客様に内容を確認してもらう形が確実です。商品の相談やギフト・のしの指定がある注文は、人が受ける道を残してください。
Q. 基幹システムを改修しないと始められませんか?
改修しなくても始めることは可能です。受付データを管理画面からCSVで取り出す方法や、顧客・商品のデータを定期的にIVR側へ渡して照合する方法を選べば、改修は要りません。株式会社中京医薬品も、基幹システムを改修せずにお客様と商品を特定できる仕様で導入しています。詳しくは事例①で紹介しています。
Q. 夜間や休日だけ自動にすることはできますか?
できます。時間帯で着信の流れを切り替え、営業時間内は人が受け、時間外だけ自動受付や折り返しの受付にする使い方です。日中は人が受けて深夜だけボイスボットで一次受けする万田発酵株式会社の例は、事例⑤で紹介しています。
Q. テレビや新聞広告の直後に電話が集中するときはどうすればよいですか?
人が受けきれない電話だけを自動受付に回し、仮の注文や折り返しの予約を受ける方法が有効です。通販の株式会社ABCファンライフは、特別番組で人気商品を発売する日の仮注文受付など、場面ごとの受付の流れを自分たちで作って試せる点を評価して、DHK CANVASを選んでいます。電話が集中したときの対策は、あふれ呼の考え方で整理すると進めやすくなります。
Q. カード払いの注文も自動で受けられますか?
受けられます。カード番号は自動音声の案内に沿ってお客様にボタンで入力してもらい、オペレーターが聞き取らない形にします。カード番号の扱いには割賦販売法の義務があるため、方式の選び方は「IVR決済とは?」で確認してください。
Q. 費用はどのように決まりますか?
弊社のサービスでは、主に月に受ける電話の件数で決まります。自動受付IVRは初期費用300,000円〜、月額150,000円〜で月4,000件までの着信を含み、4,001件目からは1件25円の従量課金です(通話料などは別途)。DHK CANVASは月額15万円〜で、1,000件分のコールが含まれます。自社の件数での計算方法は、「コールセンターの費用の内訳と計算方法」で紹介しています。
Q. 法人のお客様からの定番品の再注文にも使えますか?
お客様と商品が決まっている再注文であれば、同じ考え方で自動の受付を設計できます。お客様番号と商品番号をボタンで受け、数量とお届け日を確かめる流れです。品目が多く、毎回の確認や見積もりが必要な注文は、人が受けるほうが向いています。
まとめ
電話注文の自動化は、お客様と商品が決まっていて、毎回同じことを聞けば済む注文から始めるのが確実です。追加注文や定期便の変更は受付から完了まで自動で受けられ、新規のお客様の注文は氏名や住所を受けるところまで、相談しながら決める注文は人に残します。お客様と商品の特定は電話番号やお客様番号、商品番号で行い、基幹システムを改修しない形からでも始められます。
最初の一歩として、直近1か月の注文の電話を早見表の5つの行に分けて数えてください。いちばん多い定型の注文が、最初に自動にする対象です。
株式会社電話放送局は、自動受付IVRとDHK CANVASを通じて、通販・宅配・定期配送の電話注文の自動化を支えてきました。電話自動化サービスの導入実績は1,500社以上です。どの注文を自動にし、どの注文を人に残すかの切り分けから、ご相談いただけます。ボタン入力を中心にした受付は自動受付IVR、音声での受付やSMSでの確認まで含めた受付はDHK CANVASをご覧ください。各社の使われ方は導入事例でも紹介しています。
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監修者情報
メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。
営業部 営業企画・推進チーム シニアリーダー 前田泰延
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