2026/10/07

IVR×SMSとは?電話からWebへ誘導する仕組みと、送信率を上げるガイダンス・文面

「電話が混む時間帯だけでも、Webで済む用件はWebに流せないだろうか」「SMSでURLを送る仕組みを入れたいけれど、本当にお客様が使ってくれるのか分からない」。コールセンターや通販の受付を任されている方から、こうした相談をよく受けます。IVR×SMSとは、電話の自動音声(IVR)でお客様の希望を聞き、Webの案内URLをSMSで届ける仕組みのことです。成果を分けるのは、SMSを希望してもらう割合と、届いたURLから手続きを終えてもらう割合の2つで、どちらもガイダンスの言い方とSMSの文面で大きく変わります。本記事では、IVR×SMSの仕組みと向いている用件を整理したうえで、送信率・完了率の見方、ガイダンスと文面の作り方、守るべき法律のルール、導入の手順までを解説します。

目次

・IVR×SMSとは?電話の途中でWebの案内を届ける仕組み

・IVR×SMSが向いている用件・向いていない用件は?

・IVR×SMSを導入する4つのメリット

・IVR×SMSのデメリットと注意点

・電話からSMS、Webへの歩留まりはどこで落ちる?

・SMSを希望してもらうガイダンスの作り方

・開いてもらえるSMS文面の作り方

・SMS送信で守るべき法律のルールは?

・IVR×SMSを導入する5つのステップ

・よくある質問

・まとめ

IVR×SMSとは?電話の途中でWebの案内を届ける仕組み

IVR×SMSとは、お客様からの着信を自動音声で受け、希望した方の携帯電話にWebページのURLをSMSで送る仕組みです。「SMS送信IVR」「IVR連携SMS」と呼ばれることもあり、オペレーターが話さなくても、電話をきっかけにWebでの手続きへ案内できます。ここでは、基本の流れと、似た仕組みとの違いを整理します。

着信から自動音声の案内、ボタン操作、SMSでのURL受信、スマートフォンでのWeb手続き完了までの流れを示した図

IVR×SMSの基本の流れ

流れは5段階です。お客様が電話をかけると、まずIVR(自動音声応答)が応答します。ガイダンスで「Webでもお手続きいただけます。URLをショートメッセージでお送りしてよろしければ1を押してください」と案内し、お客様が1を押すと、着信した携帯電話の番号あてにSMSが自動で送られる仕組みです。お客様は届いたURLを開き、スマートフォンで注文や予約を終えます。

送り先の電話番号は、着信時に通知された番号をそのまま使います。お客様に番号を入力してもらう必要がないため、お客様の操作は「ボタンを1回押す」だけです。この手軽さが、Webサイトの案内を音声で読み上げるだけの方法との大きな違いです。

どんな場面で使われている?

使われる場面は、大きく3つに分かれます。1つ目はオペレーターが取りきれないあふれ呼の受け皿、2つ目は夜間や休日など営業時間外の受付、3つ目は「注文」「資料請求」のようにWebで完結できる用件を最初からWebに案内する使い方です。

通販では、テレビ番組や広告の直後に電話が集中し、取りこぼした分がそのまま売上の損失になります。こうした時間帯だけIVR×SMSに回し、Webで注文できる方にはWebへ移ってもらうと、オペレーターは電話でしか対応できないお客様に集中できます。

SMS送信サービス・ビジュアルIVRとは何が違う?

いちばんの違いは、SMSを送る「きっかけ」です。IVR×SMSはお客様からの電話をきっかけに、本人が希望したときだけ送ります。一方、SMS送信サービスは企業側が送りたいタイミングで一斉に配信する使い方が中心で、ビジュアルIVRは電話の選択肢そのものを画面で見せる仕組みです。

仕組み 送るきっかけ お客様が
受け取るもの
向いている使い方
IVR×SMS お客様からの電話。
ガイダンスで希望した人だけ
用件に合ったWebページの
URLを1通
混雑時・時間外の受付、
Webで完結する用件の誘導
SMS送信サービス
(一斉配信)
企業側の都合。
リストに対して一斉に
お知らせ・督促・
手続きの案内
更新案内、支払いの督促、
予約の前日通知
ビジュアルIVR Webサイトや
電話の案内から
電話の選択肢を
画面で見せるメニュー
選択肢が多く、
音声だけでは迷う窓口

3つは競合する仕組みではなく、組み合わせて使えます。たとえば、電話をきっかけにSMSでビジュアルIVRのメニューを送り、画面で用件を選んでもらう運用も可能です。自社の窓口で「電話をきっかけにWebへ移したい」のか、「こちらから知らせたい」のかを先に決めると、選ぶべき仕組みが絞れます。

IVR×SMSが向いている用件・向いていない用件は?

向いているのは、Webで手続きが完結し、お客様が急いでいない用件です。逆に、話を聞かないと進まない用件や、携帯電話を使わないお客様が多い窓口では効果が出にくくなります。導入を決める前に、自社の入電がどちらに多いかを見極めておきましょう。

向いている用件

Webに受け皿がある用件は、IVR×SMSと相性が良いといえます。代表的なのは、通販の注文、カタログや資料の請求、来店や作業の予約、住所や支払い方法の変更、会員登録の案内です。いずれも、URLを開けばお客様が自分で入力を終えられます。

よくある質問のページやFAQチャットボットへの誘導も、この仕組みでよく使われます。電話で聞かれることの多い質問の答えがWebにまとまっていれば、SMSでそのページを送るだけで解決する問い合わせは少なくありません。

向いていない用件

クレームや込み入った相談のように、お客様が「人と話したい」と思って電話している用件には向きません。ここでWebに案内すると、かえって不満を大きくするおそれがあります。本人確認に複数の書類が要る手続きや、判断に説明が欠かせない契約内容の変更も、電話で受けたほうが早く終わります。

お客様の年齢層にも注意が必要です。固定電話からの入電が多い窓口や、スマートフォンの操作に慣れていないお客様が中心の窓口では、SMSを送っても開かれない、送れないということが起こります。こうした窓口では、IVR×SMSは一部の着信に限って使い、残りは従来の受付を続けるのが現実的です。

IVR×SMSを導入する4つのメリット

IVR×SMSのメリットは、人を増やさずに受けられる件数を増やせることに集約されます。ここからは、電話放送局の導入事例で実際に出ている数字とともに、4つのメリットを紹介します。

メリット①:つながらなかった電話を受注に変えられる

混雑や時間外で取れなかった電話を、その場でWebの注文につなげられます。テレビ通販を手がける株式会社ABCファンライフでは、特別放送回で反響の電話が増え、折り返しに時間がかかるうちにお客様の購入意欲が下がることが課題でした。あふれた電話に「Webでも購入できます。URLを希望しますか?」と案内したところ、SMSを送った方のうち24.7%がWebで購入しています(出典:ABCファンライフの導入事例)。

深夜帯の取りこぼしに悩んでいた株式会社関西テレビハッズでは、24時間IVRで受け、希望者にWeb購入画面のURLをSMSで送る運用に変えました。同社は投資効果を400%と評価しています(出典:関西テレビハッズの導入事例)。

メリット②:オペレーターを増やさずに対応件数を増やせる

Webで手続きを終えたお客様の分だけ、オペレーターが受ける電話が減ります。ABCファンライフの事例では、席を増やすとコストがかさんで利益が残らないという判断から、人件費を増やさずにWeb誘導を始めました。

あふれ呼IVR SMSのサービスページでは、対象の電話約1,000件のうち700件がWebでの手続きを希望し、210件がWebで手続きを終えた例を紹介しています。人で対応した場合と比べ、対応コストを5分の1に抑えられたという結果です。

メリット③:電話回線に頼らない受付体制を作れる

SMSで受け付けた用件はWebやチャットで処理するため、オペレーターが電話の前にいなくても対応できます。ネスレ日本株式会社のコンシューマーリレーションズ部では、在宅勤務を進めるにあたり「電話回線がなくても業務ができる環境」を目指して、携帯電話からの着信の一部をIVRで受け、チャットに案内するSMSを送る仕組みを入れました(出典:ネスレ日本の導入事例)。

災害や感染症でオペレーターが出勤できないときも、自動音声とSMSの受付は止まりません。コールセンターのBCP対策として、この仕組みを位置づける企業もあります。

メリット④:音声では伝わりにくい情報を文字で残せる

URLや申込番号、手続きの手順は、音声で読み上げてもお客様が覚えきれません。SMSなら文字で手元に残るため、電話を切ったあとでも落ち着いて手続きを進めてもらえます。

聞き間違いによる問い合わせのやり直しが減るのも利点です。たとえば「ホームページの〇〇のページから」と音声で案内すると、お客様が目的のページにたどり着けず、もう一度電話をかけてくることがあります。URLを直接送れば、このかけ直しをなくせます。

IVR×SMSのデメリットと注意点

注意したいのは、SMSを送れない着信があることと、Webで解決できない方が結局電話に戻ってくることです。費用やなりすましへの配慮も含め、導入前に確認しておきたい点を4つ挙げます。

固定電話や非通知の着信にも送れる?

SMSは携帯電話の番号あてにしか送れません。固定電話からの着信や、番号を通知していない着信には送れないため、IVR×SMSの対象は携帯電話からの着信に限られます。

ネスレ日本とABCファンライフの事例では、どちらも携帯電話からの着信だけをSMSの案内に回し、固定電話からの着信は従来どおりの受付を続けています。ABCファンライフの数字を見ると、対象の着信全体を母数にしたSMSの送信率は8%でしたが、携帯電話からの着信に限ると31%でした。どの着信を対象にするかで、数字の見え方は大きく変わります。

Webで解決できない人は電話に戻ってくる

SMSを受け取ったものの、Webで手続きが終わらずに電話をかけ直す方は必ず出てきます。誘導先のページがスマートフォンで見づらい、入力項目が多い、知りたい答えが載っていない、といった場合です。

こうしたかけ直しを減らすには、誘導先のWebページを先に整えることが欠かせません。SMSを送る仕組みだけ入れても、受け皿のページが使いにくければ、電話の件数は思ったほど減りません。

送信件数に応じて費用がかかる

IVR×SMSの費用は、初期費用と月額費用に加えて、着信件数やSMSの送信通数に応じた従量課金で決まるのが一般的です。電話が多い月ほど費用も増えるため、どの着信をどれだけSMSに回すかを決めてから見積もりを取ると、費用の見通しが立ちます。

費用と比べるべきなのは、取りこぼしていた電話の金額です。たとえば、あふれた電話がWebで何件の注文になったか、オペレーター何人分の対応が減ったかを月ごとに並べると、費用に見合っているかを判断できます。

なりすましSMSと見分けがつくようにする

企業や宅配業者を装った詐欺のSMSが増えており、知らない番号から届いたURL付きのSMSを開かないお客様も少なくありません。IVR×SMSでは、お客様が自分で希望した直後に届くため受け取られやすいものの、送信者がだれかを文面の最初で分かるようにしておくことが大切です。

ガイダンスで「〇〇株式会社から、ショートメッセージをお送りします」と予告しておく方法も効果的です。SMSの文面には、パスワードやカード番号を入力させる内容を入れず、URLの先の画面で手続きを完結させます。

電話からSMS、Webへの歩留まりはどこで落ちる?

IVR×SMSの成果は「SMSを希望した割合」「URLを開いた割合」「手続きを終えた割合」の3段階で決まり、どの段階で落ちているかによって直す場所が変わります。全体の結果だけを見ていると、ガイダンスを直すべきなのか、Webページを直すべきなのかが分かりません。ここでは、段階ごとの見方と、事例に出ている実際の数字を紹介します。

対象の着信からSMSの希望、URLを開く、手続き完了までの3段階で件数が減っていく様子と、段階ごとに直す場所を示した図

3つの段階と、落ちたときの打ち手

下の表は、どの段階で数字が落ちているかと、そのとき起きていること、まず打つ手をまとめたものです。自社の数字がどの行に当てはまるかを確認してから手を打つと、直すべき箇所を取り違えずに済みます。

落ちている段階 起きていること まず打つ手
SMSを希望する人が少ない
(送信率が低い)
ガイダンスが長く、何ができるのか
伝わる前に切られている
「Webで何ができるか」を最初に言い、
押す番号を1つにする
SMSは送れているが
開かれない
送信者が分からず、
詐欺のSMSと区別されていない
文面の最初で名乗り、
ガイダンスで送信を予告する
URLは開かれるが
手続きが終わらない
誘導先のページが用件と合っていない、
入力項目が多い
用件ごとに専用のページを用意し、
スマートフォンで入力を短くする
手続き後に
電話のかけ直しが多い
Webで答えが見つからない、
完了したか不安になっている
完了画面と確認のSMSで
手続きの完了を伝える

送信率は電話の側で、開封と完了はWebの側で決まります。担当部署が分かれている会社では、コールセンターがガイダンスを、Web担当が誘導先のページを持ち、同じ表を見ながら直していくと改善が早く進みます。

事例で見る歩留まりの数字

実際の事例を3つ並べると、段階ごとの数字の出方が分かります。あふれ呼IVR SMSのサービスページで紹介している例では、対象の電話約1,000件のうち70%がWebでの手続きを希望し、全体の21%がWebで手続きを終えました(出典:あふれ呼IVR SMS)。

ABCファンライフでは、Web誘導の目標3%に対し、SMSの送信率は8%でした。SMSを送った方のうち24.7%がWebで購入しています。ネスレ日本では、導入当初20%だったSMSの送信率が、ガイダンスの文言を変えたあとに51%まで上がりました。チャットでのやり取りを求めた割合(チャット対話要求率)は85%です。

同じ仕組みでも、送信率は8%から70%まで開きがあります。用件や対象の着信、ガイダンスの言い方によって数字が大きく変わるため、他社の数字を目標にするのではなく、自社の初月の数字を基準に改善していくのが確実です。

母数のとり方をそろえる

歩留まりを比べるときは、何を母数にした数字なのかを必ずそろえます。ABCファンライフの送信率は、対象の着信全体を母数にすると8%、携帯電話からの着信だけを母数にすると31%でした。

完了率も、着信全体を母数にするのか、SMSを送った件数を母数にするのかで変わります。社内の報告では「着信→送信」「送信→完了」の2つに分けて数字を出すと、どこを直したかの効果が見えやすくなります。

SMSを希望してもらうガイダンスの作り方

送信率を上げるポイントは、ガイダンスを短くし、お客様にとっての得を最初に伝えることです。ネスレ日本では、ガイダンスを簡潔にしてコールフローを見直したことで、送信率が20%から51%に上がりました。ここでは、ガイダンスを作るときの考え方と、用件別の例文を紹介します。

「何ができるか」を最初に言う

お客様が知りたいのは、SMSを受け取ると何ができるかです。「混み合っております」から始めるより、「Webでもご注文いただけます」と得を先に伝えたほうが、続きを聞いてもらえます。ABCファンライフの「Webでも購入できます。URLを希望しますか?」は、20字あまりで用件と選択肢を伝えている良い例です。

待ち時間の目安を添えるのも有効です。「ただいまお待ちいただく時間が長くなっております」より、「お電話では〇分ほどお待ちいただきます」と具体的に伝えるほうが、お客様はWebを選ぶかどうかを判断しやすくなります。待ち時間を自動で読み上げられるかどうかは、使うシステムによって異なります。

押す番号は1つにする

SMSの案内で選択肢を増やすと、お客様は迷い、途中で切ってしまうことが少なくありません。「Webでの手続きを希望する方は1を、オペレーターとの会話を希望する方はそのままお待ちください」のように、押す操作は1つにして、何もしなければ電話がつながる形にしておくと安心してもらえます。

ガイダンスの作り方の基本と同じく、1回の案内に入れる情報は1つに絞ります。SMSの案内の前に長いメニューがあると、そこで離脱が起きるため、SMSを案内する着信ではメニューの階層を浅くしておきましょう。

用件別のガイダンス例文

ここからは、よく使われる3つの場面ごとに、ガイダンスの例文を紹介します。実際の文言は、自社の用件と誘導先のページに合わせて調整してください。

通販の注文(混雑時)

「お電話ありがとうございます。ただいま大変混み合っております。ご注文はWebでもお手続きが可能です。ご注文ページのURLを、この携帯電話にショートメッセージでお送りしてよろしければ、1を押してください。オペレーターにおつなぎする場合は、そのままお待ちください。」

資料・カタログの請求

「資料のご請求は、Webで1分ほどでお手続きいただけます。お申し込みページのURLをショートメッセージでお送りしますので、ご希望の方は1を押してください。」

営業時間外の受付

「本日の受付は終了いたしました。Webでは24時間、ご注文とお問い合わせを受け付けております。URLをショートメッセージでお送りしてよろしければ、1を押してください。」

開いてもらえるSMS文面の作り方

SMSの文面で大切なのは、だれから届いたのか、URLの先で何ができるのかを、URLより前に書くことです。SMSは1通に書ける文字数が限られるため、伝えることを絞り込んで書きます。

1行目で名乗る

文面の最初に、会社名やサービス名を入れます。お客様は電話を切った直後にSMSを受け取るため、「さっき電話したところから届いた」と分かれば、安心してURLを開いてもらえるでしょう。社名が長い場合は、お客様が知っているブランド名やショップ名を使うほうが伝わります。

URLの前に「何の画面か」を書く

URLだけが並んだSMSは、詐欺と見分けがつきません。「ご注文ページはこちらです」「資料のお申し込みはこちらから」のように、URLの直前に開いた先で何ができるかを書いておきます。URLには、誘導先のページを用件ごとに分け、どのガイダンスから送ったSMSかが分かるようにしておくと、あとで歩留まりを測るときに役立ちます。

SMSは何文字まで書ける?

SMSは、全角70字までなら1通で届きます。70字を超える長文に対応したサービスもありますが、文字数が増えるほど通数分の料金がかかる場合や、受け取る端末によって表示が分かれる場合があります。まずは70字以内に収められないかを考え、収まらない説明はURLの先のページに書きましょう。

SMS文面の例

場面ごとの文面例を表にまとめました。〇〇の部分は自社の名称や用件に置き換えてください。

場面 文面の例 書き方のポイント
通販の注文 【〇〇ショップ】お電話ありがとうございます。
ご注文はこちらのページから承ります。
(URL)
ブランド名で名乗り、
電話の続きだと分かるようにする
資料の請求 【〇〇株式会社】資料のお申し込みページです。
1分ほどで入力が終わります。
(URL)
かかる時間を書き、
開く手間を小さく見せる
よくある質問への案内 【〇〇サポート】お問い合わせの多いご質問を
まとめたページです。
(URL)
解決しなかった場合の
連絡先をページ側に載せる

どの文面にも、パスワードや暗証番号の入力を求める言葉は入れません。お客様に「この会社のSMSは、URLの先で手続きするだけ」と覚えてもらうことが、なりすましとの区別にもつながります。

SMS送信で守るべき法律のルールは?

SMSも、広告や宣伝を送る場合は「特定電子メール法」の対象になり、事前の同意と、送信者の表示が必要です。電話番号を使って携帯電話に送るメッセージは、同法でいう「電子メール」に含まれると総務省令で定められています(出典:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第二条第一号の通信方式を定める省令)。

広告を送るなら同意と表示が必要

総務省の資料によると、特定電子メール法では、広告や宣伝のメールはあらかじめ送信に同意した相手にだけ送れます(オプトイン方式)。送る際には、送信者の氏名または名称と、受信を拒否するための連絡先を表示する義務があります(出典:総務省「特定電子メール法の改正等について」)。

一方で、取引の条件や手続きを知らせるだけのメッセージは、広告や宣伝が目的ではないため、同法の規制の対象外と整理されています。お客様が電話で依頼した注文ページのURLを送るのは手続きの案内にあたりますが、同じSMSにセールやキャンペーンの案内を書き加えると、広告の扱いになる可能性があります。

IVR×SMSで気をつけたいこと

IVR×SMSは、お客様がボタンを押して送信を希望した場合にだけ送るため、本人の意思を確認したうえで届けられます。ただし、このとき取得した電話番号を、後日のキャンペーン案内などに使い回すことは避けてください。別の目的で送るなら、改めて同意を得る必要があります。

どこまでが手続きの案内で、どこからが広告にあたるかは、文面によって判断が分かれます。SMSに宣伝の要素を入れる場合や、取得した番号を別の用途に使う場合は、社内の法務担当や専門家に確認してから運用を始めましょう。

IVR×SMSを導入する5つのステップ

導入は「対象を決める→受け皿を整える→ガイダンスと文面を作る→小さく試す→数字を見て直す」の順に進めます。いきなりすべての着信をSMSに回すのではなく、効果を確かめながら対象を広げていくのが失敗しない進め方です。

対象の用件と着信を決める、誘導先のWebページを整える、ガイダンスとSMS文面を作る、一部の着信で試す、歩留まりを見て直す、の5つのステップを示した図

ステップ1:対象の用件と着信を決める

最初に、どの用件の、どの着信をSMSに回すかを決めます。コールリーズン(電話の理由)を集計し、Webで完結する用件の割合を確かめておくと、効果の見込みが立てやすくなるでしょう。あわせて、混雑時だけにするのか、時間外も含めるのか、携帯電話からの着信だけにするのかも決めておきます。

ステップ2:誘導先のWebページを整える

SMSで送るURLの先を、用件ごとに用意します。トップページに案内すると、お客様が目的のページを探して迷ってしまうため、注文なら注文ページ、資料請求なら申込フォームへ直接案内します。スマートフォンで入力項目が多すぎないか、完了画面で手続きが終わったことが分かるかも、この段階で確認しておきましょう。

ステップ3:ガイダンスとSMS文面を作る

ガイダンスは「何ができるか」を先に言い、押す番号を1つにします。SMSの文面は1行目で名乗り、URLの前に何の画面かを書きます。どちらも完成したら、社内の何人かに実際に電話をかけてもらい、聞き取りやすさと、SMSが届くまでの流れを確かめてください。

ステップ4:一部の着信で試す

最初から全件に適用せず、一部の着信で試します。ネスレ日本でも、携帯電話からの着信の一定比率だけをIVRに回すところからの開始でした。試す期間は、少なくとも曜日や時間帯の偏りが見える2〜4週間を確保すると、判断を誤りにくくなります。

ステップ5:歩留まりを見て直す

試した期間の数字を、送信率、URLを開いた割合、手続きの完了率に分けて見ます。どの段階で落ちているかが分かれば、前の章の表を使えば、直す場所を決めるのは難しくありません。あわせて、応答率やオペレーターの対応件数がどう変わったかも並べて見ると、センター全体への効果を社内に説明しやすくなります。

数字を見ながらガイダンスを直すには、どの選択肢で何件の電話が切れたかを確認できるレポートがあると便利です。あふれ呼IVR SMSでは、日別・時間帯別の件数に加えて、どこで電話が切れたかを確認できるレポート機能を備えています。

よくある質問

Q. IVR×SMSの費用はどのように決まりますか?

初期費用と月額費用に、着信件数やSMSの送信通数に応じた従量課金を加えて決まるのが一般的です。月の着信件数と、そのうちどれだけをSMSに回すかで総額が変わります。見積もりを取る前に、対象にする着信の件数を月ごとに出しておくと比較しやすくなります。


Q. 固定電話からかけてきたお客様にはどう対応しますか?

固定電話にはSMSを送れないため、従来どおりオペレーターにつなぐか、折り返しの受付に回します。携帯電話からの着信だけをSMSの案内に回し、固定電話からの着信は通常の受付を続ける運用が多く見られます。着信した番号の種類によって流れを分けられるかは、導入前に確認しておきましょう。


Q. SMSが届かないことはありますか?

あります。番号を通知していない着信には送れないほか、お客様の端末で迷惑メッセージを拒否する設定をしている場合も届かないため、注意が必要です。送信の結果を確認できるサービスを選べば、届かなかった件数を把握して、ほかの案内方法を検討できます。


Q. ビジュアルIVRとどちらを選べばよいですか?

電話をきっかけにWebの手続きへ移ってもらいたいなら、IVR×SMSが向いています。電話の選択肢が多く、お客様が音声のメニューで迷っている窓口なら、選択肢を画面で見せられるビジュアルIVRが合うでしょう。両方を組み合わせ、SMSでビジュアルIVRのメニューを送る使い方もあります。


Q. 送ったURLが開かれたかどうかは分かりますか?

誘導先のWebページにアクセス解析を入れておけば、SMS経由で何件開かれたかを確認することが可能です。用件ごとにURLを分けたり、URLに識別用の文字列を付けたりすると、どのガイダンスから送ったSMSが開かれたかまで分かります。開かれた件数と手続きの完了件数を並べると、Webページの改善点が見えてきます。


Q. SMSで個人情報を送っても問題ありませんか?

SMSの本文には、氏名や住所、会員番号などの個人情報を書かないのが安全です。SMSは端末の画面に通知として表示されるため、本人以外の目に触れるおそれがあります。本人確認が必要な手続きは、URLの先のログイン画面などで行ってもらいましょう。

まとめ

IVR×SMSで成果が出るかどうかは、仕組みを入れたことではなく、「SMSを希望してもらえるか」「届いたURLで手続きを終えてもらえるか」の2つで決まります。送信率はガイダンスの言い方で、完了率は誘導先のWebページで変わるため、段階ごとに数字を分けて見ることが改善の近道です。

最初の一歩として、直近1か月の入電を用件別に分け、Webで完結できる用件がどれだけあるかを確かめてみてください。そのうえで、混雑する時間帯や時間外の携帯電話からの着信に絞って試せば、少ない負担で効果を確かめられます。株式会社電話放送局では、あふれ呼IVR SMSを通じて、ガイダンスやSMS文面の設計から運用後の改善まで伴走しています。通販やコールセンターでの使われ方は、導入事例もあわせてご覧ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延

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