2026/10/07

IVR決済とは?電話注文のカード情報を自動音声で受け取る仕組みと、2つの導入方式

「電話注文のカード番号を、オペレーターに聞き取らせ続けて大丈夫だろうか」「非保持化と言われても、コールセンターで何を変えればいいのか分からない」。通販や会員サービスで電話注文を受けている企業から、こうした相談をよく受けます。IVR決済とは、電話注文のクレジットカード情報を、お客様に自動音声(IVR)の案内に沿ってプッシュ操作で入力してもらう決済方法です。オペレーターがカード番号を聞かず、自社のシステムにも通さないため、法律やガイドラインで求められるカード情報の保護に対応しやすくなります。本記事では、IVR決済の仕組みと必要とされる理由を整理したうえで、2つの導入方式の違い、メリットと注意点、入力ミスや途中の離脱を防ぐガイダンスの作り方、導入の手順までを解説します。

目次

・IVR決済とは?電話注文のカード情報を自動音声で受け取る仕組み

・なぜ電話注文のカード決済にIVRが使われるのか?

・IVR決済には2つの導入方式がある

・IVR決済を導入する4つのメリット

・IVR決済のデメリット・注意点

・入力ミス・途中の離脱を防ぐガイダンスの作り方

・IVR決済と3Dセキュアの関係は?

・IVR決済を導入する5つのステップ

・よくある質問

・まとめ

IVR決済とは?電話注文のカード情報を自動音声で受け取る仕組み

IVR決済とは、電話で受けた注文の支払いを、自動音声の案内とお客様のプッシュ操作で完了させる仕組みです。「カード決済IVR」「電話ガイダンス型クレジットカード決済」とも呼ばれ、いずれも同じ仕組みを指しています。ここでは、決済の流れと、オペレーターが番号を聞き取る方法との違いを整理します。

電話注文からIVRへの切り替え、お客様のカード情報入力、決済代行会社への連携、決済完了までの流れと、カード情報がオペレーターと自社システムを通らないことを示した図

IVR決済の流れ

お客様が電話で注文すると、支払いの場面で通話がIVR(自動音声応答)に切り替わります。お客様は「カード番号を入力し、最後にシャープを押してください」といった案内に沿って、電話のボタンでカード番号と有効期限を入力します。入力された情報はIVRから決済代行会社へ送られ、決済の結果が企業側に返ってくる流れです。

カード番号はIVRと決済代行会社のあいだだけでやり取りされ、オペレーターの耳にも、自社のパソコンや受注システムにも入りません。企業の手元に残るのは「決済が通ったかどうか」という結果だけです。

オペレーターが聞き取る方法とは何が違う?

最大の違いは、カード番号がだれの耳と、どの機器を通るかです。オペレーターが聞き取る方法では、番号が人の耳を通り、自社のパソコンや受注システムに入力されます。IVR決済では、お客様が自分で入力した番号が、自社を通らずに決済代行会社へ届きます。

比べる点 オペレーターが聞き取って
自社の端末に入力
IVR決済
カード番号を
聞く人
オペレーター だれも聞かない
(お客様がボタンで入力)
番号が通る
自社の機器
パソコン・受注システム・
社内ネットワーク
通らない
(IVRから決済代行会社へ)
お客様の負担 番号を声に出して伝える ボタンで入力する
在宅・外部委託
での運用
端末やルールの管理が
拠点ごとに必要
どの拠点からも
IVRに転送するだけ

一方で、IVR決済ではお客様に操作をお願いすることになります。ボタン操作に慣れていないお客様への配慮は、後ほど「入力ミス・途中の離脱を防ぐガイダンスの作り方」で詳しく扱います。

なぜ電話注文のカード決済にIVRが使われるのか?

理由は、電話注文を受ける企業にも、カード情報を自社の機器で「保存・処理・通過」させない対応か、国際基準であるPCI DSSへの準拠が求められているためです。ここでは、その根拠となる法律とガイドラインを順に確認します。

割賦販売法でカード番号の適切な管理が義務づけられている

割賦販売法は、クレジットカードで商品やサービスを販売する事業者に対し、取り扱うカード番号の漏えいなどを防ぐために必要な措置を講じるよう義務づけています(出典:割賦販売法 第35条の16)。この義務は、2018年6月に施行された改正法で加盟店にも広げられました。

EV充電サービスを運営するジャパンチャージネットワーク株式会社でも、電話でカード情報を受け取っていたため、改正法の施行にあわせてカード情報の「非保存・非処理・非通過」への対応が必要になりました。同社はカード決済IVRを導入し、法律に沿ったうえで、それまでのサービスを続けられるようになっています(出典:ジャパンチャージネットワークの導入事例)。

電話注文には「非保持化」かPCI DSS準拠が求められる

法律の義務を実務に落とし込んだものが、クレジット取引セキュリティ対策協議会の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」です。電話・FAX・はがきで注文を受ける加盟店(MO・TO取引取扱加盟店)には、カード情報を保持しない「非保持化」か、保持する場合はPCI DSSへの準拠が求められています(出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】)。

非保持化とは

ガイドラインでいう非保持化とは、自社で保有する機器やネットワークで、カード情報を「保存」「処理」「通過」しないことです。保存していなくても、自社のパソコンを番号が通るだけで保持にあたる点に注意が必要です。考え方の全体像はクレジットカードの非保持化とは?で詳しく解説しています。

オペレーターが自社の端末に入力すると「通過」にあたる

電話で聞き取ったカード番号を、オペレーターが自社のパソコンや受注システムに入力すると、カード情報が自社の機器を通過します。ガイドラインでは、こうした加盟店について、カード情報を自社内に通過させない方式を導入することで非保持化を実現できると示しています。IVR決済は、お客様の入力を自社の外で受け取るため、この「通過させない」形を作りやすい方法です。

在宅・複数拠点・外部委託でも同じルールで運用できる

IVR決済には、受付の体制が変わってもカード情報の扱いが変わらないという利点もあります。オペレーターは支払いの場面で通話をIVRに転送するだけなので、在宅勤務でも、委託先のコールセンターでも、カード番号に触れない運用をそろえられます。

小林製薬株式会社の通販事業部では、複数拠点のコールセンターすべてに専用の端末を配るのは現実的ではないと判断し、IVRの番号を1つ用意して各拠点から転送する形を選びました(出典:小林製薬の導入事例)。

IVR決済には2つの導入方式がある

IVR決済の受け方は、オペレーターが注文を受けてから支払いの場面だけIVRに転送する方式と、注文から支払いまで最初からIVRで受ける方式の2つに分かれます。どちらが合うかは、注文の中身がどれだけ複雑か、お客様が人との会話を求めているかで決まります。

オペレーターが注文を受けてからIVRに転送する方式と、最初からIVRで注文と決済を受ける方式の流れを上下に比べた図

方式①:オペレーターが注文を受けてからIVRに転送する

商品の相談や注文内容の確認はオペレーターが行い、支払いの場面だけIVRに転送する方式です。会話の大部分はこれまでどおり人が担うため、お客様の体験を大きく変えずに、カード番号の聞き取りだけを外に出せます。

小林製薬では、オペレーターが注文を受け付けたあとにIVRへ外線転送し、お客様が自動音声の案内に沿ってカード情報を入力する形を取りました。導入後は、処理時間を当初の想定より75%、運用コストを想定より47%削減できたといいます。電話放送局のカード決済IVRでは、PBXで外線転送の設定をするだけで使い始められ、専用の端末や回線工事は必要ありません(出典:カード決済IVR)。

方式②:最初からIVRで注文と決済を受ける

着信の時点からIVRが応答し、注文の受付から支払いまでを自動音声で完結させる方式です。オペレーターを介さないため、夜間や休日でも受け付けられ、受付の人数を増やさずに対応件数を増やせます。

向いているのは、定期購入の継続や、利用料金の支払い、登録カードの変更のように、手続きの中身が決まっている用件です。電話放送局の自動受付IVRでは、オペレーターを介さずに、IVRだけでカード決済やカード番号の変更を行う使い方も想定しています。ジャパンチャージネットワークでも、利用パスワードの案内と支払い用のカード情報の取得を電話で自動化しています。

どちらの方式を選べばよい?

迷ったら、まず方式①から始めるのが確実です。今の受付の流れを大きく変えずに、カード番号の聞き取りだけをなくせるからです。そのうえで、手続きの中身が決まっている用件から方式②に移していくと、お客様にもセンターにも無理のない形で自動化を広げられます。

判断のポイント 方式①
オペレーターから転送
方式②
最初から自動で受ける
注文の中身 商品の相談や組み合わせがあり、
毎回内容が違う
定期購入の継続、料金の支払い、
カードの変更など決まった手続き
お客様が
求めるもの
人と話して決めたい 早く手続きを終えたい
受付の時間 オペレーターがいる時間 夜間・休日も含めて24時間
センター側の効果 カード番号の聞き取りと
入力の手間がなくなる
受付そのものの
人手が要らなくなる

IVR決済を導入する4つのメリット

IVR決済のメリットは、カード情報のリスクを減らせることに加えて、処理時間や周辺業務まで軽くできることです。ここからは、導入事例に出ている数字とともに4つのメリットを紹介します。

メリット①:オペレーターと会社をカード情報のリスクから守れる

カード番号を聞き取らなくなると、聞き間違いによる誤入力や、メモの置き忘れ、オペレーターによる不正利用といった心配そのものがなくなります。どれだけ研修を重ねても、人が番号を扱う以上、こうしたリスクを完全になくすことはできません。

電話放送局のカード決済IVRのサービスページでも、導入後の変化として「オペレーターがカード情報に触れることがなくなった」ことを挙げています。万一の事故から会社を守るだけでなく、カード情報を扱う緊張からオペレーターを解放することにもつながります。

メリット②:処理時間と運用コストを減らせる

カード番号の読み上げ、復唱、入力、確認という一連の作業がなくなるため、1件あたりの処理時間が短くなります。前述のとおり、小林製薬では決済の処理時間を当初の想定より75%、運用コストを47%削減しました。

処理時間が短くなれば、同じ人数で受けられる注文の件数が増えます。平均処理時間(AHT)を追っているセンターでは、IVR決済の導入前後で数字を比べると効果を説明しやすくなります。

メリット③:カード情報の更新業務も自動化できる

IVR決済は注文時の支払いだけでなく、登録カードの更新にも使えます。小林製薬株式会社では、カードの有効期限が切れる前のお客様に、返信用封筒で通知と返送の依頼を月に500件ほど行っていました。IVRの導入後は、この業務が一切なくなったといいます。(出典:小林製薬の導入事例)

定期購入や継続課金のサービスでは、有効期限切れによる決済エラーが毎月一定数発生するものです。カード情報の変更を電話の自動音声で受け付けられるようにすると、郵送や折り返しの電話にかかっていた手間をまとめて減らせます。

メリット④:お客様が電話口で番号を話さずに済む

お客様にとっても、カード番号を声に出さずに済むのは安心材料です。周りに人がいる場所で番号を読み上げることに抵抗を感じる方は少なくありません。同じサービスページでは、電話口で情報を話す必要がなくなったことで、お客様に安心感が生まれ好評だったという変化も紹介しています。

IVR決済のデメリット・注意点

注意したいのは、お客様に入力の手間をかけることと、決済代行会社との連携が前提になることです。費用や不正利用対策も含めて、導入前に確認しておきたい点を4つ挙げます。

入力に慣れていないお客様がつまずく

ボタン操作でカード番号を入力するのは、お客様にとって慣れない作業です。15〜16桁の番号を入れる途中で分からなくなったり、有効期限の月と年を逆に入れたりと、つまずく場面はいくつもあります。年齢層の高いお客様が多い通販では、とくに配慮が必要です。

つまずきの多くは、ガイダンスの作り方で減らせます。具体的な対策は、次の「入力ミス・途中の離脱を防ぐガイダンスの作り方」で紹介します。

どの決済代行会社とも連携できる?

どの決済代行会社とも連携できるわけではありません。IVR決済は、IVRから決済代行会社にカード情報を送って決済する仕組みのため、自社が契約している決済代行会社と、検討しているIVRが連携できるかどうかを最初に確認する必要があります。電話放送局のカード決済IVRは、連携できる決済代行会社であれば、複数社への対応が可能です。

受注システムや顧客管理システムと決済結果を自動でつなぎたい場合は、API連携の開発が必要になることもあります。連携せずに管理画面で決済を実行する方法もあるため、自社の受注の流れに合わせて選びましょう。

費用はどのように決まる?

IVR決済の費用は、初期費用と月額費用に、着信件数に応じた従量課金を加えて決まるのが一般的です。決済代行会社の決済手数料や、通信キャリアの通話料は別にかかります。電話放送局のカード決済IVRは席数に関係なく月額費用が固定のため、席数を増やしたり減らしたりしても追加の費用は発生しません。

オペレーターからIVRに転送する方式では、外線転送の通話料がかかる場合があります。転送元の回線とIVRの回線が同じ通信キャリアであれば、転送時の通話料がかからないキャリアもあるため、見積もりの段階で確認しておきましょう。

不正利用への対策は別に考える

IVR決済で守れるのは、カード情報の漏えいです。盗まれたカード番号で注文される不正利用は、別の対策で防ぐ必要があります。ガイドラインでは、電話注文の加盟店に対し、カード会社の承認を得るオーソリゼーション処理の体制を整え、リスクや被害の状況に応じた不正利用対策を導入するよう求めています。

転売されやすい商品を扱う場合や、同じ住所への大量注文が続く場合は、決済代行会社が提供する不正検知の仕組みもあわせて検討しましょう。電話での本人確認には、IVR認証を組み合わせる方法もあります。

入力ミス・途中の離脱を防ぐガイダンスの作り方

IVR決済でお客様がつまずかないためには、「何を何桁入れるか」を先に伝え、入力した内容を読み上げて確認し、困ったときに人へ戻れる道を用意することが大切です。ここでは、つまずきやすい場面と対策を整理したうえで、ガイダンスの例文を紹介します。

何を何桁入れるかを先に伝える、入力した番号を読み上げて確認する、間違えたらやり直せる・オペレーターに戻れる、の3つの工夫を示した図

つまずく場面と対策

下の表は、お客様がつまずきやすい場面と、そのとき起きていること、ガイダンスでできる対策をまとめたものです。導入後に途中で切れる電話が多い場合は、どの場面で切れているかを確認し、該当する行の対策から試してください。

つまずく場面 起きていること ガイダンスでの対策
転送された直後に
切れる
自動音声に変わった理由が分からず、
電話が切れたと思っている
転送の前にオペレーターが
「この後、自動音声で番号を伺います」と伝える
カード番号の
入力中に止まる
何桁入れるのか、
最後に何を押すのか分からない
「ハイフンを除いて入れ、
最後にシャープを押す」と先に伝える
有効期限で
エラーになる
月と年の順番や、
桁数を取り違えている
「月を2桁、年を2桁。
例えば3月なら0、3」と例を添える
決済エラーの後に
切れる
何が悪かったのか分からず、
やり直し方も分からない
エラーの種類を伝え、再入力か
オペレーターへの切り替えを選べるようにする

入力の前に「何を何桁入れるか」を伝える

お客様がカードを手元に用意していないまま入力が始まると、途中で止まってしまうことが少なくありません。最初に「お手元にクレジットカードをご用意ください」と伝え、準備ができたらボタンを押してもらう形にすると、慌てずに入力を始められます。

入力を求めるときは、何を、何桁、最後に何を押すのかを1回の案内で伝えます。「カード番号を入力してください」だけでは、ハイフンを入れるのか、何で終わるのかが分かりません。ガイダンスの作り方の基本と同じく、1回の案内で求める操作は1つに絞ります。

入力した番号を読み上げて確認する

入力が終わったら、カード番号の下4桁などを読み上げて、正しければ1、やり直す場合は2を押してもらいます。全桁を読み上げると時間がかかるうえ、周りの人に聞かれる心配もあるため、下4桁に絞るのが一般的です。確認の手順があると、お客様は自分の入力を見直す機会を持てます。

困ったときにオペレーターへ戻れる道を用意する

何度か入力に失敗したお客様を、自動音声だけで引き止め続けるのは避けましょう。決まった回数を間違えたら、オペレーターにつなぎ直すか、折り返しの案内に切り替える流れを用意しておくと、お客様が電話を切らずに済みます。オペレーターに戻す機能があるかどうかは、IVRを選ぶときに必ず確認したい点の1つです。

ガイダンスの例文

ここからは、入力の始めから確認までのガイダンス例を紹介します。実際の文言は、自社の決済代行会社の仕様や、受け付けるカードの種類に合わせて調整してください。

入力の開始

「ここからは自動音声で、クレジットカードの情報を伺います。入力された番号は、オペレーターには伝わりません。お手元にカードをご用意のうえ、準備ができましたら1を押してください。」

カード番号と有効期限の入力

「カード番号を、ハイフンを除いて入力し、最後にシャープを押してください。」「続いて、有効期限を月、年の順に、それぞれ2桁で入力してください。例えば2028年3月なら、0、3、2、8です。」

入力内容の確認

「下4桁が〇〇〇〇のカードでよろしければ1を、入力し直す場合は2を押してください。オペレーターにおつなぎする場合は0を押してください。」

IVR決済と3Dセキュアの関係は?

EMV 3-Dセキュアは、主にネットショップでのカード決済を対象にした本人認証の仕組みで、電話注文のIVR決済とは対象が別です。クレジットカード・セキュリティガイドラインでも、EMV 3-Dセキュアの導入はEC加盟店の不正利用対策として位置づけられています。

一方で、電話をきっかけにSMSで決済用のURLを送り、Webの画面で支払ってもらう運用では、支払いの場面がネットでの決済になります。この場合にどの対策が必要になるかは、決済代行会社やカード会社の方針によって異なるため、導入前に確認しておきましょう。3Dセキュアの仕組みそのものは、3Dセキュアとは?で解説しています。

IVR決済を導入する5つのステップ

導入は「今のカード情報の流れを洗い出す→決済代行会社との連携を確かめる→方式を決める→ガイダンスを作って試す→数字を見て直す」の順に進めます。カード情報の扱いを変える取り組みなので、コールセンターだけでなく、情報システムや経理の担当者も早い段階で巻き込んでおくと、手戻りを防げます。

ステップ1:今のカード情報の流れを洗い出す

まず、電話で受けたカード番号が、今どこを通っているかを書き出します。オペレーターのメモ、受注システムへの入力、通話の録音、FAXや申込書など、番号が触れる場所をすべて洗い出すと、IVR決済で何がなくなり、何が残るのかが見えてきます。

ステップ2:決済代行会社との連携を確かめる

次に、契約している決済代行会社と、検討しているIVRが連携できるかを確かめます。連携できない場合は、決済代行会社の変更も含めて検討が必要です。受注システムと決済結果をつなぐAPI連携が必要かどうかも、この段階で決めておきます。

ステップ3:方式を決める

オペレーターから転送する方式か、最初から自動で受ける方式かを決めます。迷う場合は、転送する方式から始め、手続きの中身が決まっている用件から自動で受ける方式に広げていくのが無理のない進め方です。

ステップ4:ガイダンスを作り、社内で試す

ガイダンスを作ったら、社内の何人かに実際に電話をかけてもらい、テスト用のカードで入力から確認までを通して試します。オペレーターが転送の前にかける一言も、この段階で決めておきましょう。

ステップ5:切り替え後の数字を見て直す

切り替えたあとは、IVRに転送した件数、決済が完了した件数、途中で切れた件数、オペレーターに戻った件数を週ごとに確認します。途中で切れる電話が多ければ、前の章の表に沿ったガイダンスの見直しが必要です。処理時間の変化もあわせて記録しておくと、社内への報告に使えます。

よくある質問

Q. IVR決済の費用はどのように決まりますか?

初期費用と月額費用に、着信件数に応じた従量課金を加えて決まるのが一般的です。これとは別に、決済代行会社の決済手数料と通信キャリアの通話料がかかります。月の注文件数と、そのうちどれだけをIVRで受けるかを出しておくと、見積もりを比べやすくなります。


Q. 通話の録音にカード番号が残っていても問題ありませんか?

クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】は、電話の通話記録(音声データ)でカード情報を保存しても「保持」にはあたらないと明記しています。ただし、それ以外の部分で非保持化ができていることが前提です。録音の管理の手間を減らすためにも、カード番号はIVRで入力してもらい、オペレーターとの会話に番号が出ない形にしておくと安心です。


Q. 高齢のお客様でも入力できますか?

ガイダンスを工夫すれば、多くのお客様に入力していただけます。何を何桁入れるかを先に伝え、入力した番号を読み上げて確認し、困ったときはオペレーターに戻れるようにしておくことが大切です。転送の前にオペレーターが「この後は自動音声で番号を伺います」と一言添えるだけでも、途中で切れる電話は減ります。


Q. 定期購入のカード変更にも使えますか?

使えます。有効期限が切れたお客様や、カードを変更したいお客様に電話をかけてもらい、自動音声で新しいカード情報を入力してもらう使い方です。郵送や折り返しの電話で行っていた更新の手続きを、オペレーターを介さずに受け付けられます。


Q. 導入に専用の設備は必要ですか?

クラウド型のIVR決済であれば、大きな設備投資は必要ありません。電話放送局のカード決済IVRでは、今お使いのPBXで外線転送の設定をするだけで運用を始められ、専用の端末や回線工事は不要です。0120や0570の番号で受け付けることもできます。


Q. 外部委託先や在宅のオペレーターでも使えますか?

使えます。オペレーターは支払いの場面で通話をIVRに転送するだけなので、どの拠点からでも同じ手順での運用が可能です。電話放送局のカード決済IVRでは、受付の拠点が複数ある場合や外部に委託している場合も、1つの契約で対応できます。

まとめ

IVR決済を選ぶかどうかの分かれ目は、電話で受けたカード番号が、今どこを通っているかです。オペレーターが聞き取って自社の端末に入力しているなら、その流れを変えない限り、ガイドラインが求める非保持化にはなりません。IVR決済は、受付の流れを大きく変えずに、カード番号だけを自社の外で受け取れる方法です。

最初の一歩として、電話で受けたカード番号が触れている場所を、メモ・システム・録音まで含めて書き出してみてください。そのうえで、支払いの場面だけIVRに転送する方式から始めれば、お客様とオペレーターの負担を抑えながら切り替えられます。株式会社電話放送局では、PCI DSSに準拠したカード決済IVRを通じて、方式の選定からガイダンスの設計、運用後の改善まで伴走しています。通販やカード会社での使われ方は、導入事例もあわせてご覧ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延

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