2026/10/30

AI電話代行と人の電話代行、料金はどちらが安い?月の件数別の比較表と選び方

伝言や取次だけの電話なら、AI電話代行のほうが人の電話代行より月額は安くなりやすく、件数が増えるほど差が開きます。込みの件数を超えた1件あたりの料金が、人の電話代行のほうが高くなりやすいためです。一方で、社名を名乗って丁寧に受けたい電話や相談・クレームは人が向いています。注文や予約を電話の中で終わらせたいなら、受付まで終わらせるAIの仕組みを選びましょう。月100件〜3,000件の月額は、本文の比較表で計算しています。

目次

・AI電話代行と人の電話代行は、結局どちらが安い?

・人の電話代行とAI電話代行は何が違う?

・料金はどう決まる?人の電話代行とAIの料金の仕組み

・月の件数別に費用を計算すると?100件〜3,000件の比較表

・安さだけで選ぶと困る4つの場面

・人の電話代行とAIを組み合わせる3つの形

・人の電話代行からAIに切り替える5つの手順

・すでに電話代行やAIを使っていて困っているときは?

・自社に合うのはどれ?選ぶ前の8つの確認

・よくある質問

・まとめ

AI電話代行と人の電話代行は、結局どちらが安い?

同じ伝言・取次の電話なら、多くの場合はAI電話代行のほうが安くなります。ただし、どちらが合うかは料金だけでは決まらず、かかってくる電話の中身で変わります。まずは、電話の中身と月の件数から、向いている受け方を早見表にまとめました。

電話の中身 月100件前後 月300件前後 月1,000件以上
伝言・取次だけ AI電話代行か
人の電話代行
(社名で丁寧に受けたいなら人)
AI電話代行 AI電話代行か、
取次・振り分けのAI
(同時に鳴る本数も確認)
よくある質問への回答 回答の範囲を決めて
人の電話代行に任せるか、
自社で受ける
AIで回答まで終える AIで回答まで終える
注文・予約・解約
などの受付
自社の人が受けるか、
伝言を受けて折り返す
夜間やあふれた分を
AIで受付まで終える
AIで受付まで終える
仕組みを中心にする
相談・クレーム 人が受ける 人が受ける。
AIは用件の聞き取りと
人への引き継ぎまで
人が受ける。
AIは用件の聞き取りと
人への引き継ぎまで

表の読み方は、自社の電話でいちばん多い用件の行を探し、月の件数の列と交わるマスを見るだけです。伝言・取次が中心で件数が少ない会社なら、月額の安いAI電話代行か人の電話代行で足ります。注文や予約などの受付が多い会社、月1,000件を超える会社は、伝言で終わる仕組みではなく、受付まで終わらせる仕組みで比べると判断を誤りにくくなります。用件が複数の行にまたがる会社は、行ごとに受け方を分けて組み合わせるのも1つの選択肢です。

人の電話代行とAI電話代行は何が違う?

最大の違いは、電話の中で何まで終わらせられるかと、同時に何本受けられるかです。人の電話代行はオペレーターが社名を名乗って伝言を受け、AI電話代行は自動音声やAIが用件を聞き取って文字にし、担当者へ届けます。IVRやボイスボットで注文や予約の受付まで電話の中で終わらせる仕組みも、3つ目の選択肢です。ここでは3つの受け方の違いを表で比べてから、それぞれでできることを説明します。

比べる点 人の電話代行 AI電話代行
(伝言・取次型)
AIで受付まで
終わらせる仕組み
電話に出るのは 代行会社のオペレーター 自動音声・AI 自動音声・AI
(必要なときは人へ転送)
電話の中で
終わること
伝言を受ける、
担当者へつなぐ
用件を聞き取って文字にし、
担当者へ通知する、
担当者へつなぐ
注文・予約・住所変更などの
受付、よくある質問への回答
同時に受けられる本数 オペレーターの人数まで 契約した回線の数まで 契約した回線の数まで
受けられる時間帯 契約した時間帯。
夜間・休日は別料金のことがある
サービスによる。
24時間受けられるものもある
24時間受けられる
料金が増える条件 件数、時間帯、取次の転送 件数か通話時間 件数か通話時間
聞き取りの正確さ 人が聞き返せる 音声認識の精度に左右される 音声認識の精度に左右される。
プッシュ操作を併用できる
お客様の受け止め方 人が出るので違和感は少ない 自動音声に抵抗がある人もいる 自動音声に抵抗がある人もいる。
人に代われる道を用意できる

同時に受けられる本数と時間帯の行は、料金の比較表には出てこない違いです。1日に数件しか鳴らない電話なら気にしなくて構いませんが、チラシやテレビ放送のあとに電話が集中する会社では、この2行が月額より大きな差になります。

①人の電話代行(電話受付代行・秘書代行)でできること

人の電話代行は、代行会社のオペレーターが貴社の社名で電話に出て、用件と相手の名前、折り返しの番号を聞き取り、メールやチャットで担当者に知らせるサービスです。電話受付代行、秘書代行とも呼ばれます。担当者に直接つなぐ取次や、決められた質問への回答まで引き受ける会社もあります。

強みは、聞き取れなかったときに人が聞き返せることと、初めて電話をかけたお客様にも違和感を与えないことです。一方で、同時に受けられる電話はその時間に貴社の電話を受けているオペレーターの数までで、夜間や休日、土日の受付は別の料金になることがある点に注意が必要です。注文の内容を確認して受付を終わらせるような業務は、電話代行ではなくコールセンターへの業務委託に近くなり、料金の考え方も変わります。業務委託の費用の比べ方は「コールセンターのアウトソーシングと内製・自動化を比較」で解説しています。

②AI電話代行(伝言・取次型)でできること

AI電話代行は、自動音声やAIが電話に出て、用件を聞き取り、内容を文字にしてチャットやメールで担当者に送るサービスです。「〇〇の件は1を、それ以外は2を」とプッシュ操作で用件を分けて担当者の電話へつなぐ形や、相手が話した担当者名を聞き取って、その人の携帯電話へ直接つなぐ形もあります。

伝言・取次型のAI電話代行は、人の電話代行と同じ仕事を、人の代わりに機械が受け持つものと考えると分かりやすいでしょう。用件を受け取ったあとの対応は、人の電話代行と同じく貴社の担当者が折り返して行います。自動で電話に応答する仕組みの全体像は「電話自動応答とは?音声ガイダンス・IVR・ボイスボットの違い」で、AIが電話に出る仕組みは「AI電話対応とは?」で詳しく紹介しています。

③AIで受付まで終わらせる仕組み(IVR・ボイスボット)でできること

3つ目は、IVR(自動音声応答)やボイスボットで、注文・予約・住所変更・解約などの受付を電話の中で終わらせる仕組みです。例えば通販の注文なら、自動音声が会員番号と商品番号、数量を聞き取り、受付の内容を読み上げて確認し、受付番号を伝えて電話を終えます。担当者が折り返す必要はありません。

伝言・取次型との違いは、電話を切ったあとに人の作業が残るかどうかです。伝言・取次型では、伝言1件ごとに担当者の折り返しが発生します。受付まで終わらせる仕組みでは、折り返しが要るのはAIで終わらなかった電話だけです。同時に受けられる本数は回線の数で決まり、例えば弊社の自動受付IVRは基本が300ch共用型で、600ch、1,200ch共用型も用意しています。

「AI電話代行」はどこまでしてくれる?

どこまでしてくれるかはサービスによって違い、伝言・取次だけのものも、受付まで終わらせるものもあります。どちらも同じ「AI電話代行」という名前で紹介されているため、名前だけでは見分けがつきません。料金を比べる前に、そのサービスが電話の中で何まで終わらせるのかを確かめてください。本記事では、伝言・取次までのものを「AI電話代行」、受付まで終わらせるものを「AIで受付まで終わらせる仕組み」と呼び分けます。

料金はどう決まる?人の電話代行とAIの料金の仕組み

人の電話代行もAI電話代行も、多くは「月額の基本料+込みの件数を超えた分の料金」で月額が決まります。違いが出るのは、込みの件数を超えたあとの1件あたりの単価と、時間帯で料金が変わるかどうかです。ここでは、それぞれの料金の仕組みと、月額のほかにかかる費用を整理します。

人の電話代行の料金の仕組み

人の電話代行の料金は、オペレーターが電話を受ける時間と件数に連動します。見積もりを読むときに見るのは、次の3つです。

月額の基本料と込みの件数

基本料には、決められた件数までの受電が含まれているのが一般的です。込みの件数が少ないプランほど基本料は安くなりますが、件数を超えた分の料金が月額を押し上げます。毎月の件数が込みの件数の近くにある会社は、上のプランに替えたほうが安くなる場合もあります。

込みの件数を超えた1件あたりの料金

人の電話代行では、超過1件あたりの料金がAI電話代行より高くなりやすくなります。1件ごとにオペレーターが電話に出て、伝言を書き、担当者へ送る作業時間がかかるためです。月の件数が増えるほど、この単価の差が月額の差になって表れます。

時間帯の加算と取次の転送

平日の日中だけでなく、夜間や休日、土日の電話も受けてもらう場合は、追加の料金がかかることがあります。担当者の電話へつなぐ取次は、転送の通話料が別にかかるのが一般的です。見積もりでは、受けてほしい時間帯をすべて含めた金額を出してもらいましょう。

AI電話代行・AIの受付の料金の仕組み

AIの料金は、月額の基本料に一定の件数が含まれ、超えた分を1件ごと、または通話の時間ごとに払う形が中心です。1件ごとの料金を件課金、通話時間に応じた料金を時間課金と呼びます。

件課金は1回の電話が長くなっても料金が変わらないため、注文や予約のように聞き取る項目が多い電話でも、月額を読みやすいのが利点です。時間課金は短い電話が多いと安くなりますが、高齢のお客様が多いなど、1件の通話が長くなりやすい窓口では月額が膨らみます。料金の型ごとの費用の目安は「ボイスボットの費用相場」で解説しています。

月額のほかに、どんな費用がかかる?

月額のほかに、初期費用、夜間・休日の加算、転送の通話料、電話番号や回線の費用、応答の流れの作り込み、社内の手間がかかります。月額の比較だけで決めると、契約後に「思ったより高い」と感じる原因になります。人の電話代行とAIで、月額のほかにかかる費用を並べました。

費目 人の電話代行 AI電話代行・AIの受付
初期費用 サービスによる サービスによる。
受付まで終わらせる仕組みは
応答の流れの設計費がかかりやすい
夜間・休日の受付 追加料金がかかることがある サービスによる。
時間帯で料金が変わらない
ものもある
取次の転送の通話料 かかることが多い かかることが多い
電話番号・回線の費用 今の番号から転送する
場合は転送の費用がかかる
フリーダイヤルなどの
工事費・月額・通話料が
別にかかる場合がある
応答の流れの作り込み 対応マニュアルの作成 案内の文言や分岐の設定。
カスタマイズは別見積もりが多い
社内の手間 伝言を読んで折り返す時間 伝言・取次型は折り返す時間。
受付型はAIで終わらなかった
電話の折り返しと、案内の見直し

最後の「社内の手間」は請求書に載りませんが、伝言を受け取った担当者が折り返す時間は、件数が増えるほど積み上がります。伝言で終わる受け方を選ぶ場合は、月額に加えて、折り返しにかかる社内の時間も見ておきましょう。

月の件数別に費用を計算すると?100件〜3,000件の比較表

ここでは、人の電話代行とAI電話代行の月額を、月100件・300件・1,000件・3,000件で計算します。この例の条件では、月100件でも人の電話代行のほうが1万6,000〜2万円高く、月3,000件では42万2,000〜45万5,000円の差になりました。件数で料金が決まるサービスなら、月額は次の式で出せます。時間課金のサービスは、超過分を「件数×平均通話分数×1分の料金」に置き換えて、自社の契約内容や見積もりの数字で計算してください。

月額 = 基本料 +(月の件数 − 込みの件数)× 超過1件あたりの料金 + 時間帯の加算 + 転送の通話料

月100件・300件・1,000件・3,000件のそれぞれで、例の条件で計算した人の電話代行と、件課金・時間課金のAI電話代行の月額を並べ、件数が増えるほど人の電話代行との差が開くことを示した図

計算に使う例の条件

料金はサービスごとに違うため、ここでは特定の会社の料金ではなく、例として置いた条件で計算します。AI電話代行は、1件ごとに払う件課金と、通話の分数で払う時間課金の両方で計算しました。どれも平日日中の伝言・取次を受ける前提で、夜間・休日の加算と転送の通話料は含めていません。金額はすべて税別です。

数字は、2026年10月に各社の公式サイトで確かめた料金をもとに置きました。人の電話代行には「月額12,000円、40件まで込み、41件目以降は1件300円(税別)」と公開している会社があり、下の表で計算する月100件以上では、例の条件はそれより人の電話代行が安くなる側に置いています。AI電話代行は月額数千円から始まるプランが公開されているため、件課金の例は基本料5,000円としました。込みの件数と超過単価はAI電話代行のサービスごとに幅があるので、検討中のサービスの料金表の数字で計算し直してください。

  • 人の電話代行(例):基本料15,000円、50件まで込み、超過1件200円
  • AI電話代行・件課金(例):基本料5,000円、100件まで込み、超過1件50円
  • AI電話代行・時間課金(例):基本料3,000円、通話1分30円、1件の通話は平均2分

この条件で計算した月額が、下の表です。

月の件数 人の電話代行(例) AI電話代行
件課金(例)
AI電話代行
時間課金(例)
100件 25,000円
(1件あたり250円)
5,000円
(1件あたり50円)
9,000円
(1件あたり90円)
300件 65,000円
(1件あたり約217円)
15,000円
(1件あたり50円)
21,000円
(1件あたり70円)
1,000件 205,000円
(1件あたり205円)
50,000円
(1件あたり50円)
63,000円
(1件あたり63円)
3,000件 605,000円
(1件あたり約202円)
150,000円
(1件あたり50円)
183,000円
(1件あたり61円)

例えば月300件なら、人の電話代行は「15,000円+(300件−50件)×200円」で65,000円です。AI電話代行は、件課金なら「5,000円+(300件−100件)×50円」で15,000円、時間課金なら「3,000円+300件×2分×30円」で21,000円になります。

表から分かる4つのこと

数字そのものは例の条件によって変わりますが、どの条件で計算しても変わりにくい傾向が4つあります。

件数が増えるほど、超過1件の単価で差が決まる

人の電話代行と件課金の例を比べると、月100件では差額2万円のうち半分が基本料の差ですが、月1,000件を超えると、ほとんどが超過1件あたりの料金の差です。見積もりを比べるときは、基本料より先に超過1件の単価を見てください。

込みの件数の境目で、1件あたりの金額が大きく動く

込みの件数を下回る月は、使っていない件数の分まで基本料を払っています。毎月の件数の波が大きい会社は、少ない月と多い月の両方で計算すると、どのプランが年間で安いかが分かります。

時間課金のAIは、1件の通話が長いほど高くなる

時間課金のAI電話代行は、1件の通話時間で月額が変わります。表と同じ条件で平均通話が4分になると、月3,000件の月額は「3,000円+3,000件×4分×30円」で363,000円になり、件課金の例の2倍を超えます。高齢のお客様が多い、聞き取る項目が多いなど通話が長くなりやすい窓口は、今の平均通話時間を調べてから時間課金のサービスを比べてください。

夜間・休日の加算があると、人の電話代行はさらに高くなる

表は平日日中だけの計算です。夜間・休日も人の電話代行に受けてもらう場合は、表の金額に時間帯の加算が乗ります。時間帯で料金が変わらないAI電話代行を選べば、夜間・休日の電話が多い会社ほど差が開きます。

受付まで終わらせる仕組みは月いくら?

弊社の公開料金では、月1,000件のときの月額は、取次・振り分けのとりつぎ君で50,000円、受付まで終わらせる自動受付IVRとDHK CANVASで150,000円〜です。伝言・取次型のAI電話代行とは月額の水準が違うため、弊社のサービスページに載せている公開料金で、月1,000件と月3,000件の月額を出しました。

サービス
(向いている電話)
公開料金 月1,000件のとき 月3,000件のとき
とりつぎ君
(代表電話の取次・
用件の振り分け)
初期100,000円
月額50,000円
1,000件含む
50,000円 50,000円+超過分
(超過は従量課金。
単価はお問い合わせ)
あふれ呼IVR
(つながらない電話の
折り返し受付)
初期50,000円〜
月額50,000円〜
1,000件含む
超過1件25円
50,000円〜 100,000円〜
自動受付IVR
(注文・予約などの受付)
初期300,000円〜
月額150,000円〜
4,000件含む
超過1件25円
150,000円〜 150,000円〜
DHK CANVAS
(AIが用件を聞き取り、
受付・回答・転送まで)
月額150,000円〜
1,000件分を含む
(1件あたり150円の計算)
150,000円〜 件数と業務内容で変動
(お見積もり)

出典は、とりつぎ君、あふれ呼IVR、自動受付IVR、DHK CANVASの各サービスページです。とりつぎ君は取次先への転送の通信料が別にかかり、あふれ呼IVRと自動受付IVRは電話会社のサービスの工事費・月額使用料・通話料などが別にかかります。カスタマイズが必要な場合は、別のお見積もりです。金額は各サービスページの表示どおりで、税込・税別の記載はないため、お見積もりの際にご確認ください。

月100件や300件の伝言・取次なら、弊社のサービスは例の条件のAI電話代行より高くなります。件数の少ない会社が伝言を受けるだけなら、月額の安いAI電話代行や人の電話代行で十分です。一方、自動受付IVRは月4,000件までが月額150,000円〜に含まれるため、件数の多い会社では1件あたりの月額が下がります(初期費用300,000円〜と、電話会社の工事費・通話料などは別)。

自社の数字で計算する表

自社の数字を入れて計算できるよう、空欄の表を用意しました。今の請求書と、検討しているサービスの料金表を手元に置いて埋めてください。

項目 今の電話代行 検討中のサービスA 検討中のサービスB
①基本料 円 円 円
②込みの件数 件 件 件
③超過1件の料金 円 円 円
④月の件数 件 件 件
⑤超過分
(④−②)×③
円 円 円
⑥夜間・休日の加算、
転送の通話料
円 円 円
⑦月額
①+⑤+⑥
円 円 円
⑧1件あたり
⑦÷④
円 円 円

④が込みの件数より少ない場合は、⑤を0円にしてください。⑧の1件あたりの金額がそろうと、サービスごとの料金の型が違っても同じ物差しで比べられます。コールセンター全体の運営費まで含めて計算したい場合は、「コールセンターの費用の内訳と計算方法」の計算表が使えます。

安さだけで選ぶと困る4つの場面

月額が安いサービスを選んでも、電話の受け方が合っていないと、取りこぼしや聞き直しで別の費用がかかります。ここでは、料金表には出てこない4つの場面と、場面ごとの備え方を紹介します。

一度にたくさんの電話が鳴るとき

チラシやテレビの放送のあと、連休明けの朝などは、短い時間に電話が集中します。人の電話代行で同時に受けられるのは、その時間に貴社の電話を受けているオペレーターの数までで、それを超えた電話はつながりません。つながらなかった電話の件数の調べ方と、必要な回線数の計算は「あふれ呼とは?」で紹介しています。

AIで受ける場合も、同時に受けられる本数は契約した回線の数で決まります。月の件数だけでなく、いちばん混む時間に何本の電話が同時に鳴るかを見積もりの条件に入れましょう。

AIから人に代わるときに、用件を聞き直すとき

AIで受けた電話を人に代わる場面では、用件の引き継ぎが課題になります。株式会社電話放送局が職場で電話対応に携わる20〜60代255名に行った調査では、自動音声から人に代わる電話の経験者203名の79.3%が、切り替えのときに困った経験があると答えました。上位は「要件を把握できていない状態で、電話に出る必要があった」34.5%と、「自動音声で伝えたはずの要件を、もう一度説明する必要があった」33.0%です(出典:電話対応業務の負担と自動化ニーズに関する実態調査、ニュースリリース)。

お客様にとっては、AIに話した内容を人にもう一度話すのは二度手間です。AIを選ぶときは、人に代わるときに、聞き取った用件・名前・折り返しの番号が担当者の画面やメールに届くかを確かめてください。

高齢のお客様が多いとき

お客様の年齢層によって、自動音声の受け止め方は変わります。株式会社電話放送局が全国の50〜70代の男女241名に行った調査では、ボイスボットの利用に前向きな人が31.6%、消極的な人が39.0%でした。一方で70.5%が「人より話しやすいシーンがある」と答え、上位は「解約・退会の手続き」35.3%、「深夜・早朝など時間帯を気にしたくないとき」24.9%、「クレーム・苦情を伝えるとき」18.7%でした(出典:コールセンター利用とAI自動応答(ボイスボット)に関する意識調査)。

高齢のお客様が多い会社は、すべての電話をAIにするより、深夜・早朝や解約の受付など、AIのほうが話しやすい場面から使い始めると受け入れられやすくなります。聞き取れなかったときにプッシュ操作に切り替える、人に代われる道を残すといった設計も有効です。高齢のお客様への電話対応の工夫は「コールセンターは高齢者対応の強化が必要?」も参考になります。

カード番号などの個人情報を受けるとき

電話でクレジットカード番号や口座の情報を受ける業務は、誰が聞き、どこに記録が残るかの管理が必要です。人の電話代行に任せる場合は、代行会社のオペレーターがカード番号を聞き取ることになるため、委託先の管理体制まで確認しなければなりません。

自動音声でカード番号を受け取り、決済代行会社へ直接渡す仕組みにすると、人がカード番号を聞かずに済みます。仕組みと導入方式は「IVR決済とは?」で、カード情報を自社で持たないための考え方は「クレジットカードの非保持化とは?」で解説しています。

人の電話代行とAIを組み合わせる3つの形

人の電話代行かAIかを、どちらか一方に決める必要はありません。時間帯や用件で受け方を分けると、人が受けたい電話は人に残したまま、件数の多い電話だけ料金を下げられます。ここでは、自社で電話を受けている会社がAIを組み合わせた弊社の導入事例をもとに、電話代行に頼んでいる会社にも当てはまる形を3つ紹介します。

夜間・休日だけAIで受ける、あふれた電話だけAIで受ける、決まった用件だけAIで受けて人の対応を減らす、の3つの組み合わせ方を示した図

組み合わせ方① 夜間・休日だけAIで受ける

日中は人が受け、夜間・休日の電話だけをAIで受ける形です。健康食品の製造・販売を行う万田発酵株式会社では、日中の注文受付は人の対応を中心にしたまま、深夜帯の電話をDHK CANVASのボイスボットで受けています。ボイスボットが「お問い合わせ内容・お名前・折り返し電話番号」を聞き取り、翌営業日に人が折り返す運用です。

時間外の入電の半数以上をDHK CANVASで一次受けできるようになり、事前に用件が振り分けられているため、折り返しの際に一から内容を聞く必要がなくなりました。平均応対時間の短縮にもつながっています(出典:万田発酵株式会社の導入事例)。夜間・休日の電話を人の電話代行に頼んでいる会社でも、同じ分け方ができます。その場合は時間帯の加算がかからなくなる分、料金の差も出やすくなります。

組み合わせ方② あふれた電話だけAIで受ける

人がすぐに出られない電話だけを、自動音声で受ける形です。株式会社ダスキンでは、毎年4〜6月にエアコンクリーニングのお問い合わせが集中し、お客様を長く待たせることが課題でした。そこで、自動音声で住所や名前などを受け付ける専用の番号を用意し、コンタクトセンターが混み合ったときや営業時間外には、希望するお客様を自動音声の受付へ案内しています。

コンタクトセンターで受けたエアコンクリーニングの注文件数の約10%を、自動音声の受付でカバーできるようになりました。2020年と2025年度の比較では、30秒以内に応答できた割合(サービスレベル)が22.4%、応答率が7%向上しています(出典:株式会社ダスキンの導入事例)。繁忙期だけ電話代行の契約を増やしている会社でも、あふれた分をAIで受ける同じ分け方ができます。

組み合わせ方③ 決まった用件だけAIで受け、人の対応を減らす

聞き取る項目が決まっている用件だけをAIで受け、人の手を空ける形です。ネスレ日本株式会社では、解約の一次受付を自動受付IVRで行い、登録している電話番号と解約の理由をお客様に話していただいて、解約希望者のリストを自動で作っています。そのリストをもとに人が電話をかけ、受電が少ない時間にその業務を回すことで人の配置を平準化し、対象業務のコストを45%削減しました(出典:ネスレ日本株式会社の導入事例)。解約の受付はAIで受け、人の対応は電話が少ない時間に回した例です。

代表電話の取次も、用件で分けやすい電話です。弊社自身も、代表電話にとりつぎ君を使い、相手が担当者名を伝えるとその担当者の携帯電話に直接つながるようにしています。会社の電話機で鳴るのは総務部と代表電話宛ての用件だけになり、月間の対応工数を約17%削減しました(出典:弊社の導入事例)。代表電話の取次を減らす手順は「電話の取り次ぎを減らすには?」で紹介しています。

電話代行に頼んでいる会社でも、伝言や取次、決まった手続きの受付だけをAIに移せば、代行に回る件数を減らせます。相談やクレームのように、話を聞きながら判断が要る電話は、これまでどおり人が受けるのが基本です。

人の電話代行の代わりにAIで受けるときのDHK CANVAS

人の電話代行や受電の委託に頼っていた電話を、時間帯や用件ごとにAIへ移すなら、弊社のDHK CANVASが候補になります。24時間365日、AIが電話に出て用件を聞き取り、よくある質問への回答や受付まで電話の中で終わらせます。AIで終わらない用件は、聞き取った内容を添えて担当者へ転送するため、人が電話に出たときに用件を聞き直す手間がありません。

料金は通話時間ではなく1件ごとの課金で、1件の電話が長くなっても金額は変わりません。月額150,000円〜に1,000件分の通話が含まれ、応答の流れの設計支援、自社の回線・通信インフラ、運用後の改善の伴走までがこの金額に含まれます(業務内容・件数により変動)。夜間・休日だけ、特定の用件だけといった段階的な導入もでき、最短2週間で使い始められます。株式会社電話放送局の導入実績は1,500社以上です。

人の電話代行からAIに切り替える5つの手順

切り替えは、今かかってきている電話を数えるところから始めます。いきなりすべての電話をAIに替えるのではなく、手順を追って範囲を決めると、お客様の戸惑いと社内の混乱を抑えられます。

手順1 1週間、かかってくる電話を記録する

まず1週間、電話の時間帯、用件、件数、同じ時間に何本鳴ったかを記録します。人の電話代行を使っている場合は、代行会社から届く伝言の一覧がそのまま記録になります。用件の分け方に迷ったら「コールリーズンとは?」の分類表が参考になります。

手順2 用件を3つに分ける

記録した用件を「伝言で済む」「電話の中で終わらせたい」「人が受けるべき」の3つに分けます。電話の中で終わらせたい用件は、注文、予約、資料請求、住所変更など、聞き取る項目が決まっているものです。人が受けるべき用件は、相談、クレーム、契約内容の複雑な変更などです。

手順3 AIに任せる範囲を決める

時間帯と件数を見て、AIに任せる範囲を決めます。夜間・休日の電話が多いなら夜間だけ、特定の時間に集中するならあふれた分だけ、定型の用件が多いならその用件だけ、という決め方です。最初は範囲を狭くし、うまくいったら広げると、お客様の反応を見ながら進められます。

手順4 人に代わるときに渡す情報を決める

AIから人に代わるとき、または翌営業日に折り返すときに、担当者へ何を渡すかを決めます。最低限そろえたいのは、用件、名前、折り返しの番号の3つです。注文や予約なら、会員番号や希望日時も加えます。

手順5 今の番号のまま試せるかを確かめる

最後に、今の電話番号を変えずに切り替えられるか、試験期間を設けられるかを確かめます。弊社のとりつぎ君は、今公開している番号を変えずに、転送するだけで導入できます。DHK CANVASは、今お使いの0120・0800・0570番号からの転送着信に対応しており、新しい番号の発行も相談が可能です。AIの声や受け答えを事前に確かめたい場合は、AIとの通話を無料で体験できるデモを用意しています。

すでに電話代行やAIを使っていて困っているときは?

困りごとの多くは、込みの件数を超えた分の単価、聞き取る項目の決め方、同時に受けられる本数のどれかが原因です。よくある困りごとと原因、打ち手を表にしたので、自社に当てはまる行を探してください。

起きていること 考えられる原因 打ち手
毎月の請求が
見積もりより高い
込みの件数を超えた分の単価、
夜間・休日の加算
1週間の電話を記録して件数と時間帯を数え直し、
超過単価の低いプランかAIと比べる
伝言を読んでも
用件が分からず、
折り返しで聞き直す
聞き取る項目が決まっていない 用件・名前・折り返しの番号・
急ぎかどうかを必ず聞く項目に決める
放送やチラシのあとに
電話がつながらない
同時に受けられる本数の上限 あふれた電話だけを自動音声で受け、
折り返しの予約を取る
夜間の伝言が翌朝に
まとめて届き、
午前中が折り返しで埋まる
夜間は伝言しか受けていない 夜間の定型の受付は
AIで受付まで終わらせる
AIに替えたら
「機械は嫌だ」と言われた
人の担当者に代われない、
案内が長い
人に代わる選択肢を最初の案内に入れ、
案内を短くする
AIが聞き取れず、
お客様が何度も言い直す
自由に話してもらう項目が多い 番号などはプッシュ操作で受け、
聞き取った内容を読み上げて確認する

自社に合うのはどれ?選ぶ前の8つの確認

迷う場合は下の8つの質問に答えてください。「はい」になった行の対応が、貴社に合う受け方の目安です。

確認すること 「はい」なら 「いいえ」なら
①月の件数は
1,000件を超える?
超過単価の差が大きくなる。
AIか受付まで終わらせる仕組み
月額の安い
AI電話代行か人の電話代行
②夜間・休日の電話が
多い?
夜間・休日だけAIで受ける 日中の受け方だけで比べる
③同じ時間に何本も
鳴ることがある?
同時に受けられる本数で選ぶ。
あふれた分をAIで受ける
件数と料金で比べる
④電話の中で
終わらせたい受付がある?
受付まで終わらせる仕組み 伝言・取次型で足りる
⑤高齢のお客様が多い? 人に代われる道と、
プッシュ操作を残す
AIに任せる範囲を広げやすい
⑥カード番号などの
個人情報を受ける?
人が聞かずに済む
自動音声での受付を検討する
通常の受け方で比べる
⑦今の電話番号を
変えたくない?
転送で使えるかを
契約前に確かめる
新しい番号の発行も選べる
⑧案内の文言を
社内で変えたい?
管理画面で案内を
変えられるサービスを選ぶ
変更を依頼する形でもよい

①と④が「いいえ」で、②③もあてはまらない会社は、伝言・取次型のAI電話代行か人の電話代行の中から、月額と超過単価で選べば十分です。①か④が「はい」の会社は、受付まで終わらせる仕組みも比べる候補に入れてください。

よくある質問

Q. AI電話代行は人の電話代行より必ず安くなりますか?

必ず安くなるとは限りません。伝言・取次だけの電話なら、件数が増えるほどAI電話代行のほうが安くなりやすい一方、受付まで終わらせる仕組みは設計の費用がかかるため、件数が少ないと人の電話代行より高くなることがあります。今の請求書の件数と超過単価を使って、両方の月額を同じ式で計算して比べてください。


Q. 人の電話代行からAIに替えても、今の電話番号は使えますか?

多くの場合、今の番号からAIのサービスへ電話を転送する形で使えます。弊社のとりつぎ君は今の番号を変えずに転送するだけで導入でき、DHK CANVASは今お使いの0120・0800・0570番号からの転送着信に対応しています。転送の通話料がかかる場合があるため、契約前に費用の扱いを確認してください。


Q. AIが聞き取れなかった電話はどうなりますか?

サービスや設定によって、言い直しをお願いする、プッシュ操作に切り替える、人に転送する、録音を残して折り返す、といった動きになります。DHK CANVASは、聞き取れない場合に言い直しや要約での確認を挟み、必要なら担当者へ転送します。導入前に、聞き取れなかったときの流れを設計しておくことが大切です。


Q. 夜間や休日だけAIにすることはできますか?

できます。日中は人の電話代行や自社の社員が受け、夜間・休日の電話だけをAIで受ける形は、切り替えの最初の一歩として選びやすい形です。夜間・休日の受付に人の電話代行の加算料金を払っている会社では、料金の差も出やすくなります。


Q. 月に何件くらいからAIに替えたほうが得になりますか?

本記事の例の条件では月100件でもAIのほうが安くなりましたが、今の契約の込みの件数と超過単価で変わります。空欄の計算表で確かめてください。


Q. AI電話代行は無料で試せますか?

無料のお試し期間やデモを用意しているサービスがあります。弊社でも、DHK CANVASのAIと実際に通話して、声や受け答えを確かめられる無料のデモを用意しています。他社のサービスのお試しの条件は、各社の公式サイトで確認してください。


Q. 代表電話の取次だけをAIにしたい場合は、どうすればよいですか?

担当者名や用件を聞き取って担当者の電話へつなぐ、取次専用のサービスを選びます。弊社のとりつぎ君は月額50,000円で1,000件まで含まれ、転送先の数が増えても追加の費用はかかりません。取次を減らす進め方は「電話の取り次ぎを減らすには?」で紹介しています。

まとめ

AI電話代行と人の電話代行のどちらが安いかは、月の件数と、込みの件数を超えた1件あたりの料金で決まります。伝言・取次だけなら件数が増えるほどAIのほうが安くなりやすく、夜間・休日の電話が多い会社ほど差が開く点も見逃せません。一方で、社名を名乗って丁寧に受けたい電話や相談・クレームは人が向き、注文や予約を電話の中で終わらせたい電話は、伝言を残すだけのAIではなく受付まで終わらせる仕組みで比べる必要があります。

最初の一歩として、直近1か月の請求書から件数と超過単価を拾い、空欄の計算表で今の月額と1件あたりの金額を出してください。そのうえで、夜間・休日だけ、あふれた電話だけ、定型の受付だけと、範囲を絞ってAIに移すと、お客様の反応を見ながら料金を下げられます。株式会社電話放送局では、どの電話をAIに任せるかの切り分けから、応答の流れの設計、導入後の見直しまでご相談いただけます。具体的な使われ方は導入事例もあわせてご覧ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) 営業部 営業企画・推進チーム シニアリーダー 前田泰延

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