2022/12/06

自社の顧客がコールセンターへ問い合わせる際、その理由や内容はさまざまです。こうした理由や内容は「コールリーズン」と呼ばれ、分析と活用によってコールセンター運営へ多くのメリットをもたらします。コールリーズンの分析へ取り組んではいかがでしょうか。

本記事では、コールリーズンの基礎知識から、分析の流れや活用法までお伝えします。また、コールリーズンの分析と併せて、業務改善に役立てられるサービスもご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

コールリーズンとは

 ・コールリーズンの意味

 ・コールリーズンを分析する重要性

コールリーズンを分析する流れ

 ・STEP1.コールリーズンを集計する

 ・STEP2.コールリーズンの集計結果をまとめる

分析したコールリーズンの活用法

 ・商品やサービスへの反映

 ・トークフローやトークスクリプトの改善

 ・セルフサービスの見直し

コールリーズンに応じたIVR導入で業務改善を実現しましょう

コールリーズンとは

初めに、コールリーズンの意味や、コールセンター運営における分析の重要性について解説します。コールセンター業務への活用へ向けて、まずは基礎知識を押さえておきましょう。

コールリーズンの意味

コールリーズンとは、顧客がインバウンドコールセンターへ電話をかけた理由や、問い合わせ内容のことです。コールセンターには多様な内容の電話が寄せられます。これらのコールリーズンは多岐にわたるため、大まかな理由ごとに分類する必要があります。たとえば、通販受注の電話代行サービスの場合、以下のようなコールリーズンが想定されるでしょう。

【コールリーズンの例】
・商品を注文したい
・注文を変更したい
・注文をキャンセルしたい
・商品の使い方を知りたい
・クレームを入れたい

コールリーズンのカテゴリーごとに問い合わせ件数に大きな差が出ることも少なくありません。こうして収集されたコールリーズンやそれぞれの件数などのデータは、コールセンターで分析に用いられます。

コールリーズンを分析する重要性

コールリーズンは、電話対応品質の改善や、顧客満足度向上などに活用できます。分析することで、自社の顧客がどのような理由で問い合わせをしてくるのか、どのような内容の問い合わせが多いかなどが明らかになるためです。コールリーズンの分析結果は、優先度の高いカテゴリーの顧客対応を強化するといった戦略立案にも使えます。また、オペレーターに特定の知識やスキルを重点的に身に付けさせることも可能です。コールセンターで取り扱う商品やサービス自体の課題が見つかる可能性もあるでしょう。

コールリーズンの分析はVOCを把握することにもつながります。VOC(Voice Of Customer)とは、顧客の声を意味するマーケティング用語です。顧客対応において改善のヒントになり得ます。コールリーズンは、コールセンターのサービス向上に必須のVOCとも関連性が高い情報です。

コールリーズンを分析する流れ

コールリーズンを分析する流れを、ステップごとに解説します。コールリーズンの分析手法であるパレート図についてもご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

STEP1.コールリーズンを集計する

コールリーズンは、CMSの機能を使って集計するのが一般的です。「CMS(Call Management System)」とは、コールセンター業務のデータ収集・分析に用いられる専用システムを指します。コールリーズンの分析では、CMSに搭載されている「CWC(Call Work Code)」という機能を用いることが多くなっています。CWCは、あらかじめ分類しておいたコールリーズンと電話機のボタンを対応させる仕組みです。通話終了後にボタンを押すことで入力し、通話内容の種類を集計できます。

また、CRMシステムを導入している場合も、CMSと同様にデータ集計が可能です。「CRM(Customer Relationship Management)」とは企業の顧客関係管理に用いられる専用システムを指します。分析で利用するなら、対応内容の登録を行う際にコールリーズンも記録しておくと良いでしょう。

STEP2.コールリーズンの集計結果をまとめる

コールリーズンの分析では、「パレート図」の分析手法を用いることが多くなっています。パレート図とは、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた図のことです。以下の図表では、具体例として健康食品通販のコールリーズンをパレート図に表しています。

コールリーズンの分析では、グラフの横軸に件数の多い順に並べたコールリーズンを、縦軸にコール件数を当てはめます。パレート図に表すことで、どの分類のコールリーズンが多く、どれくらいの割合を占めているのかが具体的にわかるようになるでしょう。例示した図表では、「注文」のカテゴリーの入電数がもっとも多く、かつ全体の半数以上を占めていることがわかります。また、これらに「定期購入の変更・休止」および「配送確認」のカテゴリーを合わせると、全体の9割近くになります。

パレート図を活用すると、改善を優先すべきコールリーズンが明らかになるのがポイントです。サービス改善を試みる場合は、棒グラフで左側に並んでいる項目から優先して改善策を講じると良いでしょう。

分析したコールリーズンの活用法

顧客体験(CX)の向上にもコールリーズン分析は重要

分析したコールリーズンは、自社の目的や課題に応じて適切にご活用ください。最後に、コールリーズンを業務改善へ活用する方法をお伝えします。

商品やサービスへの反映

コールリーズンは顧客満足度の向上に役立てられる重要な情報の一つです。自社のコールリーズンの傾向を基に、顧客が商品・サービスに感じている課題を明らかにしましょう。既存の商品やサービスを刷新して品質向上につなげるほか、新規商品やサービス開発の場においても貴重な意見として活用できます。

トークフローやトークスクリプトの改善

コールリーズンの優先順位を参考に、コールセンターマニュアルなどに載せるトークフローやトークスクリプトの見直しを行うと、人材育成の効率化が期待できます。新人オペレーターを育成する際は、重要性の高いコールリーズンに関する内容を充実させて、必要な知識やスキルを身に付けさせると効率的です。自社に適したスキルセットが明確になり、頻発する問い合わせ内容に対応しやすくなります。

セルフサービスの見直し

コールリーズンの中にはセルフサービス化が可能な内容もあります。電話対応におけるセルフサービスとは、顧客が持つ疑問点などが自己解決できる仕組みのことです。代表的なセルフサービスとして、FAQの最適化や、IVR(自動音声応答)やチャットボットの導入などが挙げられます。

さまざまなコールリーズンの中でもセルフサービス化しやすいのは、オペレーターが同様の回答で対処できる定型の質問です。こうしたコールリーズンをセルフサービスで解決できるようになれば、オペレーターの業務負担を減らせるほか、顧客対応の品質を均一化できるメリットもあります。


すでにセルフサービスを導入している場合は、コールリーズンの内容を踏まえた業務改善を行うと良いでしょう。たとえば、問い合わせ件数の多いものを既存のIVRの案内に加えるといった活用方法が有効です。

コールリーズンに応じたIVR導入で業務改善を実現しましょう

コールリーズンの基礎知識や、分析する流れ、コールセンターでの活用法について解説しました。コールリーズンは、カテゴリーごとに入電数や優先順位が異なります。現状のコールリーズンの傾向を分析し、コールセンター運営で活用しましょう。なかでもセルフサービス化が可能なコールリーズンは、IVR(自動音声応答)の導入により業務負担の削減が期待できます。コールセンターの人手不足解消にも有効です。

コールセンター専用のソリューションを提供する電話放送局では、低コストで導入していただける「自動受付IVR」のサービスをご用意しています。コールリーズンに応じて電話業務を最適化するほか、少人数やテレワーク体制での運用などコールセンターの働き方改革にもおすすめです。コールリーズンの分析と併せて、ぜひ導入をご検討ください。

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