2026/10/30

SMS送信APIの選び方|国内キャリア接続・料金・開発前の確認10項目

事業部から「注文の確認をSMSで自動で送れるようにしてほしい」と頼まれ、SMS送信APIの比べ方を調べている情報システムの担当者に向けて書いています。SMS送信APIは、認証コードや注文・予約の確認のように、システムの動きに合わせて1通ずつ送る用件に向いています。決まった日に大勢へ送るお知らせなら管理画面からの一斉送信で足り、電話の問い合わせをきっかけに送るならIVR(自動音声応答)との連携が近道です。
本記事では、APIで送る用件の見分け方、事業者ごとに違いが出る7つの点、月の通数別の料金の出し方、開発で押さえる設計を順に解説します。見積もりと仕様書で確かめる10項目は、事業者へそのまま送れる質問の例文とあわせて記事の中ほどに表でまとめました。

目次

・SMS送信APIでできることは?自社のシステムから1通ずつ自動で送る仕組み

・API・管理画面・IVR連携のどれで送る?用件で分ける判断表

・SMS送信APIを選ぶときに見る7つの違い

・見積もり・仕様書で確かめる10項目

・SMS送信APIの料金はどう決まる?月の通数別に1通あたりを出す

・開発で押さえる5つの設計

・本番の前後で起きやすいつまずきと打ち手は?

・導入から本番まではどう進む?

・電話窓口とSMSをつなぐならどう設計する?

・よくある質問

・まとめ

SMS送信APIでできることは?自社のシステムから1通ずつ自動で送る仕組み

SMS送信APIは、自社のシステムからSMSの送信を指示し、送った結果を受け取るための窓口です。人が管理画面を開かなくても、注文が確定した、予約が入った、手続きが止まっているといったシステム上の出来事をきっかけに、決まった相手へ決まった文面を送れます。ここでは、送信の流れと、APIで送られている主な用件を確認します。

送信から結果が戻るまでの流れ

APIでSMSを送るときは、自社のシステムが宛先の電話番号と本文をSMSの配信事業者に渡し、配信事業者が携帯電話会社を通じて相手の携帯電話に届けます。届いたかどうかの結果は、同じ経路を逆にたどって自社のシステムへ戻ってきます。

自社のシステムからSMS配信事業者と携帯電話会社を経て相手の携帯電話へSMSが届き、送信結果が逆向きに自社のシステムへ戻る流れの図

開発の担当者が見るべきなのは、送る方向だけではありません。送った結果を自社のシステムに戻し、届かなかった相手を電話や郵送に切り替えるところまで作って、はじめて業務が回ります。送信の指示は1回の呼び出しで終わりますが、結果を受け取る仕組みは事業者ごとに作り方が違うため、選ぶ段階で確かめておく必要があります。

APIで送られている主な用件

APIで送られる用件には、送るきっかけがシステムの中にあり、宛先ごとに本文が変わるという共通点があります。急ぎ度によって、送信の遅れをどこまで許せるかも変わります。

用件 送るきっかけ 急ぎ度
認証コード ログインや会員登録、
決済の画面で番号を入力したとき
高い。
利用者が画面の前で
待っている
注文・予約の確認 注文や予約が確定したとき 中くらい。
数分以内に届けば足りる
手続きの案内 書類の不備や、
更新の期限が近づいたとき
低め。
送ってよい時間帯に
そろえて送る
通話後のアンケート オペレーターとの通話が
終わったとき
中くらい。
記憶が新しいうちに送る
未払いのお知らせ 支払期日を過ぎても
入金が確認できないとき
低め。
送る回数と時間帯の
決まりを先に作る

急ぎ度が高い用件ほど、送信の速さと、混み合ったときの処理順を事業者に確かめる必要があります。未払いのお知らせのように相手との関係に気を配る用件では、送る順番や回数の設計が先です。督促での使い分けは「督促業務を自動化するには?」で紹介しています。

API・管理画面・IVR連携のどれで送る?用件で分ける判断表

決め手は、送るきっかけがどこで起きるかです。システムの中で起きるならAPI、担当者が日付と対象者を決めて送るなら管理画面、電話の着信で起きるならIVR連携が合います。SMSの送り方の種類そのものは「SMS送信サービス比較」で整理しているので、ここでは開発の手間まで含めて判断できるように表にしました。

見るところ API 管理画面
(CSVの一斉送信)
IVR連携
送るきっかけ システム上の出来事 担当者が決めた日時 電話の着信と、
音声ガイダンスでの選択
宛先の数 1通ずつ、毎日続く 一度に数百〜数万通 電話をかけてきた人
本文の差し込み 宛先ごとに
注文番号や日時を入れる
CSVの列から差し込む 用件ごとに
決めたURLを送る
開発の手間 自社のシステムの改修が要る ほぼ要らない 音声ガイダンスと
送る文面の設計が要る

1つの会社の中でも、用件によって答えは変わります。たとえば、認証コードはAPI、年に数回の料金改定のお知らせは管理画面、電話が混む時間帯のWeb案内はIVR連携、という分け方です。同じ事業者の同じ契約で3つの送り方を使い分けられると、送信元の番号や配信停止の受付をまとめて管理できます。

手で送って漏れていた用件をAPIに切り替えた例

通話のたびに担当者が手で送っている用件は、APIに切り替えると効果が出やすい用件です。ネスレ日本株式会社では、通話後のアンケートのSMSを、当初はオペレーターが通話終了後に手動で1件ずつ送っていました。送信率は90%程度で送信ミスも起き、1回の送信に2分程度の工数がかかっていたといいます。そこでAPI連携で送るように切り替えたところ、送信率は100%になり、オペレーターの後処理が不要になりました。10%の顧客がアンケートに回答しており、必要なサンプル数がそろったデータになっています(導入事例:ネスレ日本株式会社)。集まった声の活かし方は「VOC分析とは?」で紹介しています。

開発の予算をすぐに取りにくい場合は、まず管理画面から送り、月の通数と送信漏れの件数を記録しておきましょう。数字がそろうと、APIにする理由を社内で説明しやすくなります。

「APIで作る」と決める前に事業部へ確かめる4つのこと

開発に入ってから要件が変わると、手戻りが大きくなります。事業部に次の4つを先に確かめておくと、事業者に出す質問も具体的になります。

1つ目は、月に何通送るかと、いちばん多い月はどれくらいかです。料金のプランと、同時に送れる量の確認に使います。2つ目は、送ってよい時間帯です。夜中に届く確認のSMSは、相手にとって迷惑でしかありません。3つ目は、相手からの返信を受けるかどうかで、受けるなら返信用の番号と、返信を誰が読むかを決める必要があります。4つ目は、届かなかった相手をどうするかで、電話をかけ直すのか、郵送に切り替えるのかによって、送信結果をシステムに戻す作りが変わります。

SMS送信APIを選ぶときに見る7つの違い

SMS送信APIは、どの事業者でも「電話番号と本文を渡せば届く」という点は同じです。違いが出るのは、そこから先の届き方や結果の戻り方、社内の審査や開発の進めやすさです。ここでは、選ぶときに見る違いを7つに分けて紹介します。

① どの経路で携帯電話会社に届くか

SMSの配信事業者には、国内の携帯電話会社と直接つないで送る事業者と、海外の回線網を経由して送る事業者があります。経路によって、相手の画面に出る送信元の表示や、届かなかったときに理由まで分かるかどうかが変わることがあります。方式の名前だけで判断せず、「国内のどの携帯電話会社と直接つながっているか」を事業者に聞くのが確実です。

弊社のSMS送信Webは、国内の携帯4キャリアと直接送信契約を結んで直接接続しており、到達率は98%以上です(SMS送信Web)。到達率の数字を比べるときは、どこまで届いたことを「到達」と数えているかもあわせて確かめてください。

② 送信元の番号と表示

受け取った人は、送信元を見て開くかどうかを決めます。毎回違う番号から届くSMSは、本物の案内でも詐欺を疑われがちです。送信元の番号を固定できるか、事前の申請や登録が要るかを確かめましょう。

弊社のSMS送信Webでは、送信元の番号を事前に申請・登録する仕組みにして、第三者によるなりすましを防いでおり、送信元を固定する機能もあります。本文の冒頭に社名を入れ、Webサイトに「SMSでご案内する番号」を載せておくと、受け取った人が本物かどうかを確かめられます。

③ 文字数と料金の数え方

日本語のSMSは1通70文字が基本で、それを超える長文に対応しているかどうかは携帯電話会社と事業者によって違います。弊社のSMS送信Webで送れる最大文字数は、相手の携帯電話会社によって70〜660文字です。

開発の担当者が気をつけたいのは、長文を送ったときに料金が1通分なのか、文字数に応じて数通分になるのかです。注文番号や氏名を差し込むと、宛先によって文字数が変わります。いちばん長くなる宛先で何文字になるかを計算し、料金の区切りをまたがないように文面を作ると、月の費用が読みやすくなります。長いURLを入れると文字数がふくらむため、短縮URLを使うかどうかも先に決めておきたいところです。弊社のSMS送信Webは、本文差し込み機能と短縮URLに対応しています。文面の作り方は「IVR×SMSとは?」の文面の例も参考になります。

④ 送信結果の受け取り方

送信結果の受け取り方は、システムの作りをいちばん大きく左右します。事業者によって、結果を自社のシステムへ知らせてくれる方式と、自社のシステムから問い合わせて取りに行く方式があります。

届いたかどうかの通知

事業者から結果を知らせてもらう方式(Webhook)なら、送信のたびに結果を取りに行く処理は要りません。その代わり、自社の側に通知を受ける窓口を用意し、窓口が止まっていた間の結果をどう取り直すかまで決めておく必要があります。問い合わせて取りに行く方式なら、何分おきに、いつまで問い合わせるかを決めておきましょう。弊社のSMS送信Webには送達確認の機能があります。

届かなかった理由

届かなかったときに、番号が使われていないのか、相手の電源が入っていないのか、SMSを受け取らない設定なのかが分かると、次の手を決めやすくなります。理由がどこまで細かく返ってくるかは事業者で違うため、仕様書で返ってくる値の一覧を見せてもらいましょう。

⑤ 返信を受けるか(双方向SMS)

予約の確認に「1」で承諾、「2」で変更と返してもらうような使い方をするなら、返信を受け取れる双方向SMSが要ります。返信を受けると、返信の内容を自社のシステムに取り込む処理と、想定外の返信に誰が答えるかの運用が増えます。返信を受けない場合は、本文に「このSMSには返信できません」と問い合わせ先を書いておくと、問い合わせが迷子になりません。

⑥ セキュリティ審査に出す材料

SMSを送るために、顧客の電話番号や氏名を配信事業者に渡すことになります。個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合、委託先に対して必要かつ適切な監督を行うことが求められています(個人情報の保護に関する法律 第25条)。社内のセキュリティ審査では、事業者の認証の取得状況、データの保存期間と消し方、管理画面やAPIへの接続を制限する方法、障害時の監視体制などを聞かれることが多くなります。

弊社は、ISMS(ISO27001)認証「IS 633167」とプライバシーマーク「第21000026号」を取得しています。SMS送信Webは、金融機関向けのFISC安全対策基準に準拠し、24時間365日の有人監視と有人サポートの受付を行う体制です。自治体で使う場合に向けて、LGWAN(総合行政ネットワーク)にも対応しています(SMS送信Web)。審査の様式が決まっている会社は、様式そのものを事業者に渡して埋めてもらうと、やり取りの回数が減ります。

⑦ 開発のしやすさとテスト環境

開発の期間を左右するのは、仕様書が読みやすいか、本番と同じ動きを試せる環境があるか、困ったときに日本語ですぐ聞けるかです。テスト用の環境でも実際にSMSが届くのか、テスト送信に料金がかかるのかは、開発の予算に直結します。サンプルコードが自社の開発言語に合っているかどうかも、最初の動作確認までの時間を左右する点です。

複数のチャネルをAPIでまとめて扱えるサービスは、CPaaS(シーパース)と呼ばれます。電話とSMSを1つの仕組みで扱いたい場合は「CPaaSとは?」もあわせて読むと、比べる範囲を決めやすくなります。

弊社のSMSのサービスは、Web管理画面から都度送信・一斉送信ができるSMS送信Webと、APIで送るSMS送信APIの2つが同じシリーズです。顧客管理システムなどとAPIで連携すれば人を介さずに自動で送れ、送信の管理も貴社のシステムで行えます。仕様は用途に合わせてご提案する形のため、接続の方式やテストの進め方は、お問い合わせの際に確かめてください。

見積もり・仕様書で確かめる10項目

ここまでの違いを、事業者に確かめる10項目にまとめました。右の列は、そのまま問い合わせのメールに貼れる質問の例文です。複数の事業者に同じ質問を送り、答えを横に並べると比べやすくなります。

確かめる項目 なぜ必要か 質問の例文
1 届く経路 送信元の表示や、
届かなかった理由の分かり方に
関わるため
国内のどの携帯電話会社と、
どのような形で接続していますか。
2 送信元の番号 受け取った人が
本物と判断できるようにするため
送信元の番号は固定できますか。
事前の申請や登録は必要ですか。
3 文字数と料金の数え方 差し込みで文字数が増えると
料金が変わるため
1通の料金で送れる文字数と、
それを超えたときの数え方を
教えてください。
4 送信結果の受け取り方 届かなかった相手への
次の手をシステムで決めるため
送信結果は通知と問い合わせの
どちらで受け取れますか。
返ってくる値の一覧と、エラーのときに
返る値、再送してよい条件を
教えてください。
5 到達率の数え方 事業者ごとに
「到達」の意味が違うことがあるため
到達率は、どの時点の結果を
到達として数えていますか。
6 送れる量と速さ 認証コードと一斉のお知らせが
重なったときに遅れないようにするため
1秒あたり、1日あたりの
上限はありますか。混み合ったときは
どの順で送られますか。
7 テスト環境と費用 開発の期間と予算に
直結するため
テスト用の環境はありますか。
テスト送信に料金はかかりますか。
8 セキュリティの材料 社内の審査に出すため 取得している認証と、データの
保存期間、接続元を制限する方法を
教えてください。
9 障害時の体制 送れない時間に
業務を止めないため
監視の時間帯と、障害やメンテナンスの
連絡方法を教えてください。
10 APIの形式と認証 自社のシステムから呼び出せるか、
最初の動作確認までの時間に
関わるため
APIの呼び出し形式(HTTPS・データ形式)と
認証の方法、接続元IPアドレスの制限の可否、
対応しているサンプルコードの言語を
教えてください。

答えが文章だけで返ってきた場合は、仕様書の該当ページも添えてもらいましょう。6と9は、事業部が求める送信の速さと、止まってよい時間を先に決めておかないと、答えが十分かどうかを判断できません。用件によって管理画面やIVR連携でも送るなら、同じ契約でそれらの送り方も使えるかを、あわせて聞いておくと手間が省けます。

SMS送信APIの料金はどう決まる?月の通数別に1通あたりを出す

SMS送信APIの料金は、初期費用、月額の基本料、1通ごとの送信料でおおよそが決まり、そこに長文や双方向SMS、システム連携などのオプションが加わります。料金プランの選び方そのものは、前述の「SMS送信サービス比較」の費用の章が詳しいので、そちらをご覧ください。ここでは、月の通数で1通あたりの金額がどう変わるかと、送信料のほかに見込む費用を確認します。

公開料金で計算した月1,000通・1万通・10万通

月額に一定の通数が含まれるプランでは、通数が少ない月ほど1通あたりの金額が高くなり、通数が増えるほど1通ごとの送信料に近づきます。弊社のSMS送信Webのサービスページに載っている料金プラン(初期費用50,000円〜、月額20,000円〜で月1,000通までの送信を含み、1,001通目からは1通15円)で計算すると、次のようになります。

月の通数 月額の計算 1通あたり
1,000通 20,000円〜
(月額に含まれる通数の範囲)
20円〜
1万通 20,000円+9,000通×15円
=155,000円〜
15.5円〜
10万通 20,000円+99,000通×15円
=1,505,000円〜
15.05円〜
(ボリュームディスカウントの
別プランあり)

この計算には初期費用と、携帯電話会社のサービスを使うことに伴う費用は入っていません。サービスページには、IVRなどほかの仕組みとの連携に別途費用がかかることと、通数が多い場合のボリュームディスカウントのプランがあることも書かれています。APIで送る場合の料金や連携の費用は、見積もりの際に月の通数とあわせて確認してください。

送信料のほかに見込む費用

稟議で見落とされやすいのは、送信料以外の費用です。1つ目は開発と保守の人件費で、送信の処理だけでなく、結果を受け取る処理、配信停止の管理、障害時の再送まで含めて工数を見積もります。2つ目はテスト送信の費用で、携帯電話会社ごとに届き方を確かめると、テストだけで相応の通数になります。3つ目は届かなかった分の扱いで、届かなかったSMSにも送信料がかかるのか、事業者に確認しておきましょう。

送信料の単価だけを比べると、開発と運用の手間の差が見えなくなります。「送信料+開発・保守の人件費+届かなかった相手へ電話や郵送で連絡し直す費用」を1年分で並べると、事業者ごとの差が見えやすくなります。

開発で押さえる5つの設計

SMSは、一度送ると取り消せません。メールと違って相手の携帯電話に直接届くため、二重に送ったり夜中に送ったりすると、そのまま苦情につながります。ここでは、開発の段階で決めておきたい設計を5つ紹介します。

二重送信を防ぐ

通信が途中で切れたときに送信をやり直すと、相手に同じSMSが2通届くことがあります。送信ごとに自社側で番号を振り、同じ番号の送信は1回しか受け付けない作りにしておくと防げます。事業者のAPIに、重複を防ぐための仕組みがあるかも確かめておきましょう。

送ってよい時間帯を決める

夜間に注文が入ったとき、確認のSMSをすぐ送るのか、朝まで待つのかを用件ごとに決めます。認証コードは時間帯を問わずすぐに送りますが、手続きの案内や未払いのお知らせは、送ってよい時間帯にそろえるのが基本です。弊社のSMS送信Webには、送る日時を指定できるタイマー機能があります。

電話番号の形をそろえる

顧客のデータには、ハイフンの有無や全角・半角の混在、固定電話の番号が混ざっていることがあります。送信の前に番号の形をそろえ、携帯電話の番号かどうかを判定してから送ると、届かない送信を減らせます。固定電話の番号しか分からない相手には、SMS以外の手段で連絡する流れを用意しておきましょう。弊社のSMS送信Webには、携帯キャリアの自動判定、番号ポータビリティ(MNP)への対応、携帯番号の履歴判定による誤送信の防止の機能があります。

送信を止める仕組みを持つ

「SMSを送らないでほしい」という連絡を受けたら、すべての送り方で確実に止まる必要があります。送信除外リストを、APIで送る処理と管理画面から送る処理の両方で参照する作りにしましょう。弊社のSMS送信Webには、送信除外リスト機能があります(SMS送信Web)。

広告や宣伝を目的とするSMSは、特定電子メール法の対象です。この法律では、あらかじめ同意した相手などにしか送れないこと(第3条第1項)、同意を得たことを示す記録を保存すること(第3条第2項)、送信をしないよう求められたら送らないこと(第3条第3項)、送信者の名称や受信を拒否する連絡先を表示すること(第4条)が定められています(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)。注文確認のSMSにキャンペーンの案内を足したくなったときは、この規定に当たらないかを社内の法務の担当者に確かめてから作りましょう。

届かなかったときの次の手を決める

送信結果を受け取っても、それを使う処理がなければ意味がありません。届かなかった相手を一覧にして担当者に渡すのか、自動で電話をかけるのか、郵送の対象に回すのかを決め、その分岐までシステムに入れておきます。電話の自動発信と組み合わせる方法は「オートコールとは?」で紹介しています。

本番の前後で起きやすいつまずきと打ち手は?

文字化けやURLの切れ、携帯電話会社ごとの届き方の違いは、自社の端末で数通試しただけでは見落としやすいつまずきです。起きることから原因と打ち手をたどれるように表にしたので、テストの観点を洗い出すときにも使えます。

起きること 考えられる原因 打ち手
文字化けする 絵文字や機種依存文字など、
SMSで送れない文字が
本文や差し込む項目に入っていた
送れる文字の範囲を事業者に確かめ、
送る前に置き換える処理を入れる
URLが途中で切れる・
開けない
URLの直後に文字が続いた、
長いURLが途中で改行された
URLの前後に改行を入れ、
短縮URLを使う
長文が数通分で
請求された
差し込みで文字数が増え、
料金の区切りをまたいだ
いちばん長くなる宛先で数え、
区切りを超える送信は
送る前に止める
特定の携帯電話会社だけ
届かない
携帯電話会社によって送れる文字数が違う、
受け取る人が迷惑メッセージの
拒否を設定している
携帯電話会社ごとの端末で確かめ、
届かなかった理由を送信結果で見る
テストでは届くのに
本番で届かない
送信元の申請・登録が
済む前に本番で送った
申請・登録の完了を確かめてから
本番に切り替える

導入から本番まではどう進む?

申し込みから本番までは、大きく5つの段階に分かれます。情報システムの担当者がやることと、事業部に決めてもらうことを分けて書いておくと、待ち時間が減ります。

段階 情報システムの担当者がやること 事業部に決めてもらうこと
1 見積もりと
事業者の選定
10項目の質問を送り、
セキュリティの審査を進める
用件、月の通数、
送ってよい時間帯
2 申し込みと
送信元の申請
契約の手続きと、
送信元の番号の申請
送信元として載せる社名や
窓口の名前
3 開発 送信、結果の受け取り、
除外リスト、再送の処理を作る
文面と差し込む項目、
届かなかった相手への対応
4 テスト送信 携帯電話会社ごとに、
届き方と表示を確かめる
テストに使う端末と、
文面の最終確認
5 本番と
その後の見直し
送信結果と届かなかった件数を
毎月集計する
返信や問い合わせの内容を見て、
文面と送る時間を直す

送信元の申請やセキュリティの審査は、開発と並行して進められます。審査の結果を待ってから開発を始めると全体が延びるため、1の段階で審査の様式を事業者に渡しておくと効率的です。

4のテスト送信では、主な携帯電話会社の端末それぞれで、届くか、文字化けしないか、URLが正しく開くかを確かめます。テストに使う端末と番号は、事業部とあらかじめ打ち合わせておくと準備が早く進みます。

電話窓口とSMSをつなぐならどう設計する?

電話の着信をきっかけにSMSを送るなら、自社でAPIを組むより、IVRとSMSが一体になったサービスを使うほうが開発は少なく済みます。着信した電話番号にそのままSMSを送れるため、番号を入力してもらう手間もかかりません。ここでは、電話窓口とSMSを組み合わせた事例を、送り方ごとに紹介します。

電話を受けたらSMSでWebの手続きへ案内する

電話が混み合う時間帯や営業時間外に、IVRで用件を聞き、Webで手続きできる用件ならその場でSMSでURLを送る使い方です。弊社のあふれ呼IVR SMSでは、オプションで、IVRで選んだ用件ごとに送るURLを変えたり、Webで済まない用件を折り返し電話の予約で受けたりできます(あふれ呼IVR SMS)。

電話の着信をIVRが受けて用件を選んでもらい、Webで手続きできる用件はSMSでURLを送り、それ以外は折り返しの予約で受ける流れの図

ペット&ファミリー損害保険株式会社では、書面で送っていたマイページ会員登録と更新手続きの案内を、あふれ呼IVR SMSとSMS送信WebでSMSに切り替え、会員登録率の向上と郵送コストの削減につなげています(導入事例:ペット&ファミリー損害保険株式会社)。仕組みと文面の作り方は「IVR×SMSとは?」、混み合う電話の受け方は「あふれ呼とは?」で詳しく紹介しています。

急な一斉連絡は管理画面から送る

台風による欠航のように、対象者が急に決まり、一度に大勢へ知らせる連絡は、APIより管理画面からの一斉送信が向いています。株式会社商船三井さんふらわあでは、欠航の案内と欠航情報ページのURLをSMS送信Webで一斉に送り、オペレーターが受電の対応に専念できるようにしました。受電の窓口を縮小せずに運用できており、現在はアンケートの取得など他の業務にも使っています(導入事例:株式会社商船三井さんふらわあ)。

このように、電話を受けてから送るのか、担当者が決めて送るのかで、合う送り方は分かれます。電話とSMSを同じ事業者でそろえると、送信元の番号や送信結果を1か所で管理できます。

よくある質問

Q. 開発せずに、まず試す方法はありますか?

管理画面から少量を送って試し、文面や届き方、月の通数を確かめてからAPIに移る進め方がおすすめです。弊社のSMS送信Webは、Web管理画面から1通ずつの送信も一斉送信もできるため、開発の前に文面や送る時間帯を固められます。そこで決めた文面と差し込む項目が、そのままAPIの開発の要件になります。


Q. 海外のクラウドサービスのSMS機能と、国内の事業者のSMS送信APIは何が違いますか?

違いが出やすいのは、①国内の携帯電話会社と直接つながっているか、②送信元の番号を日本の番号として固定・登録できるか、③契約・請求・問い合わせが日本語・円建てで、障害の連絡が日本の営業時間外にも来るか、④社内審査に出せる国内の認証や基準(ISMS・プライバシーマーク・FISC安全対策基準など)に対応しているか、の4点です。弊社のSMS送信Webは国内携帯4キャリアに直接接続し、送信元番号は事前の申請・登録制です。


Q. 認証コードの送信に使うとき、気をつけることは何ですか?

認証コードは遅れると手続きが止まるため、送信の速さと、一斉送信と重なったときの処理順を確かめておきます。コードの有効期限や再送の回数の上限も、自社のシステム側で決めておく必要があります。SMS以外の本人確認の方法は「IVR認証とは?」で紹介しています。


Q. 携帯電話の番号を変えた人に、間違って届くことはありませんか?

顧客のデータに古い番号が残っていると、その番号を新しく使い始めた別の人に届くおそれがあります。弊社のSMS送信Webには、携帯番号の履歴判定によってSMSの誤送信を防ぐ機能があります。あわせて、顧客が番号を変えたときに登録を直してもらう案内を、会員ページや手続きの書類に入れておくと安心です。


Q. 海外の携帯電話番号にもAPIで送れますか?

海外の番号に送れるかどうかは事業者によって違い、送れる場合も国内向けとは料金や届き方が変わることがあります。弊社のSMS送信Webは、国内の全携帯キャリアに対応したサービスです。海外の番号に送る予定がある場合は、対象の国と月の通数を伝えて見積もりで確かめてください。


Q. 送信結果や送った記録は、どれくらいの期間残せばよいですか?

社内の規程や、送る用件の性質に合わせて決めます。事業者の側に残る記録の保存期間は事業者によって違うため、必要な期間の記録は自社のシステムにも残す設計にしておくと安心です。広告や宣伝のSMSを送る場合は、特定電子メール法により、受信の同意を得たことを示す記録の保存が求められます。

まとめ

SMS送信APIを選ぶときは、まず用件ごとに送るきっかけを書き出し、APIで送るもの、管理画面で送るもの、電話の自動応答とつなぐものに分けることが出発点です。そのうえで、見積もり・仕様書で確かめる10項目を複数の事業者に送り、届き方、送信結果の戻り方、1通あたりの料金を同じ物差しで比べると、自社のシステムに合う事業者を絞り込めます。

株式会社電話放送局は、電話の自動応答とSMSを組み合わせたサービスを提供しており、電話自動化サービスの導入実績は1,500社以上です。APIで送る用件と、電話をきっかけに送る用件をまとめて設計したい場合は、SMS送信Webのページから仕様や料金をご相談ください。具体的な使われ方は導入事例もあわせてご覧ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) 営業部 営業企画・推進チーム シニアリーダー 前田泰延

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