2024/02/01

コールセンターの仕事のなかでも、オペレーターから顧客へ電話をかける「アウトバウンド業務」。見込み客にアポイントを取る電話営業(テレアポ)のほかに、アンケート調査や督促業務、顧客のフォローなどの場面で用いられています。

そんなアウトバウンド業務では、人件費の無駄を減らそうと、効率化でお悩みの会社が少なくありません。また、高いコミュニケーションスキルが求められることから、オペレーターの対応力不足も懸念されています。業務効率を高め、課題の解消へ向けて「オートコール」の導入を検討してはいかがでしょうか。

オートコールとは、あらかじめ録音した音声や音声合成で作成したアナウンスを利用して、自動で電話発信(架電)するシステムです。事前に設定した電話番号リストに対して、一斉に発信できます。今回は、オートコールを導入するメリットや、コールセンターの導入事例について解説します。

目次

オートコールを導入するメリット

 ・短期間に多くの顧客へ発信できる

 ・顧客に素早いアクションを促せる

 ・常に一定の質を保った発信ができる

 ・顧客からのクレームが起こりにくい

オートコールを導入するデメリットと注意点

 ・デメリット

 ・注意点

オートコールの活用事例

 ・インフラ料金の未納者に対する入金督促コール

 ・休眠顧客を掘り起こす販促コール

 ・顧客満足度を調査するアンケートコール

具体的な導入事例

オートコールを導入してコールセンターの課題を解決しましょう

オートコールを導入するメリット

初めに、コールセンターにオートコールを導入するメリットをご紹介します。アウトバウンド業務で音声メッセージによる案内を採用して、カスタマーサポートの自動化や、品質向上を目指しましょう。

短期間に多くの顧客へ発信できる

オートコールを利用すれば、複数の顧客へ同時に自動発信が可能です。一方、オペレーターによる人力の対応では、大量の顧客へ発信するのは難しいといえます。1件あたりに多くの時間と労力がかかるだけでなく、大量のオペレーターを雇えばコストの増加を避けられません。システム化されたオートコールによって、顧客への発信業務をより効率的に実施できるのがメリットです。

顧客に素早いアクションを促せる

オートコールは、電話ならではの特長を生かした仕組みで、その場で素早く顧客からのアクションを引き出します。電話がかかってきたら、すぐに出るべきだと考える顧客もいます。それに対して、メールやSMS(ショートメッセージサービス)で送信した内容は、すぐに読んでもらえるとは限りません。自動音声で効率化しながらも、高い反応率が期待できるでしょう。

常に一定の質を保った発信ができる

オートコールで発信する内容は、あらかじめ設定しておくのが一般的です。誰に対しても同じ内容で電話をかけられるので、一定のサービス品質を保つ効果が期待できます。オペレーターのコミュニケーションスキルに依存せずに、安定したアウトバウンドのサービスを提供しやすいのがメリットです。

顧客からのクレームが起こりにくい

オートコールは自動音声のため、顧客が内容に興味を持たない場合、すぐに通話を切断できます。こうして通話の途中で離脱できると、相手からしつこい印象を持たれにくくなることも。実際の調査でも、「オートコールはオペレーター対応と比べてクレームが起こりにくかった」とする声があがっています。

オートコールを導入するデメリットと注意点

オートコールを導入すると多くのメリットが期待できますが、一方でデメリットや注意したいこともあります。自社に新たなシステムを取り入れるうえで、以下のポイントを押さえておきましょう。

デメリット

オートコールはあらかじめ用意した音声を自動で流す仕組みのため、臨機応変な対応が難しいといえます。オペレーターの対話と比較すると、顧客に配慮した柔軟で細やかな対応を苦手とするのがデメリットです。ただし、事前の設定で工夫すれば、より幅広い対応ができる可能性があります。必要に応じてオペレーターにつなぐ仕組みもあるため、自社で提供するサービス内容に応じて検討すると良いでしょう。

ロボット(オートコール)で対応できない分はオペレーターへ引き継ぐ

注意点

オートコールで成果をあげるには、顧客にすぐに通話を切られないよう、伝える内容を考慮する必要があります。発信する際は、情報をできるだけ短く簡潔にまとめたり、音声で聞いて理解しやすい簡単な言葉を使ったりしましょう。せっかく通話がつながっても、内容を聞いてもらえなければ成果につながらない点にご注意ください。

オートコールの活用事例

最後に、コールセンターにおけるオートコールの活用事例をご紹介します。オートコールは、幅広い業務で活用可能です。現状のアウトバウンド業務と比較して、具体的な導入のメリットを確認してみましょう。

インフラ料金の未納者に対する入金督促コール

月ごとの料金が未払いの顧客に対して、オートコールで入金を督促する活用方法です。従来の督促アウトバウンドでは、電話のつながりやすい時間帯にオペレーターがまとめて発信するのが困難でした。また、電話のかけ直しによる運用コストの無駄も課題です。そんなときオートコールを導入すれば、在宅率の高い時間帯の一斉発信が可能となり、顧客と連絡が取れない件数を減少させられます。

【参考】
コンタクトチャネル多様化と債権回収業務DX推進

休眠顧客を掘り起こす販促コール

オートコールで休眠顧客へアプローチする活用方法です。過去に取引の実績がある休眠顧客は、見込み客に変わる可能性があります。しかし、予算の問題から電話営業でのアプローチが難しいことも。そこで活躍するのが、自動化により費用を抑えられるオートコールです。ある企業は、数万件の休眠顧客に対してオートコールで発信し、商品へ興味を示した顧客にコールバックすることで、販促を成功させました。

顧客満足度を調査するアンケートコール

顧客へのアンケート調査をオートコールで実施する活用方法です。従来ははがきでのアンケート調査が主流でしたが、回収率の低さや、データ入力や集計の手間がかかりやすいのが難点といえます。一方で、オートコールは回答率が高く、自動でデータを集計できます。ある企業では、アンケートコールの導入後に回答率がはがきの約15倍に達し、さらにはデータ集計の効率化によって分析に注力しやすくなりました。

具体的な導入事例

オートコールを導入してコールセンターの課題を解決しましょう

ここまで、オートコールのメリットについてお伝えしました。従来のアウトバウンド業務をオートコールに切り替えると、業務効率化や顧客満足度の向上といった効果が期待できます。基本的に、オートコールは臨機応変な対応を苦手としていますが、必要に応じてオペレーターにつないで対応する運用も可能です。

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