2026/11/02

電話認証システム比較|発信型・着信型・SMS認証の違いと選び方、料金の内訳

「不正ログインが続いたので、IDとパスワードのほかにもう1段の確認を入れることになった」「電話認証とSMS認証のどちらにするか、費用も含めて来月までに社内で説明しなければならない」。こうした場面で比べることになる電話認証システムは、システムが会員に電話をかける発信型、会員が指定の番号へかける着信型、ショートメッセージでコードを送るSMS認証の3つに分かれます。どれを選ぶかは、会員がどんな電話を使っているかで決まり、多くの場合は主の方式を1つ決めたうえで、届かなかった人のための予備の方式を組み合わせるのが現実的です。本記事では、3方式の比較表、会員の特徴から方式を決める早見表、料金の内訳と計算例、提供元の3つの種類、見積もりのときにベンダーへ聞く6つの質問を順に紹介します。電話認証の仕組みそのものを先に知りたい方は「IVR認証とは?」をご覧ください。

目次

・電話認証システムは3つの方式に分かれる

・発信型・着信型・SMS認証の違いは?比較表で見る

・会員の電話環境から方式を決める早見表

・電話認証システムの費用はどこで決まる?料金の内訳

・電話認証システムを選ぶときに確かめる6つのこと

・電話認証はどこまで安全?破られる経路と業界の決まり

・認証に失敗した人は電話してくる。問い合わせの受け方まで決めておく

・発信型・着信型・SMSを1社でそろえる:弊社の電話認証

・よくある質問

・まとめ

電話認証システムは3つの方式に分かれる

電話認証システムは、会員が登録した電話番号を「本人だけが持っているもの」として使い、IDとパスワードに次ぐ2つ目の確認にする仕組みです。知識(パスワード)と所持(電話)を組み合わせるので、多要素認証の一つにあたります。番号をどう使うかによって、方式は次の3つに分かれます。

電話認証の3つの方式の流れ。発信型はシステムが会員の電話にかけて自動音声でコードを伝え、着信型は会員が登録した電話から指定の番号へかけて画面のコードを押し、SMS認証は携帯電話に届いたコードを画面に入力する

発信型:システムが会員の電話にかけてコードを伝える

発信型(アウトバウンド型)は、会員がログインや重要な操作をした瞬間に、システムが登録番号へ自動で電話をかける方式です。使い方は2通りあります。1つは自動音声がワンタイムパスワード(1回限りのコード)を読み上げ、会員がそれを画面に入力する形です。もう1つは、画面に表示されたコードを、かかってきた電話のプッシュボタンで入力する形で、どちらも、一定時間を過ぎたらコードを無効にする設定にしておくのが一般的です。

着信型:会員が登録した電話から指定の番号へかける

着信型(インバウンド型)は、会員のほうから指定の番号へ電話をかけてもらう方式です。会員は画面に表示された番号へ、登録した電話からかけ、自動音声の案内に従って画面のコードをプッシュボタンで入力します。システムは、かかってきた番号が登録番号と一致するかと、入力されたコードが正しいかを照らし合わせて、本人と判断します。

SMS認証:携帯電話にショートメッセージでコードを送る

SMS認証は、登録された携帯電話の番号へ、ショートメッセージでワンタイムパスワードを送る方式です。会員は届いたコードを画面に入力するだけなので、スマートフォンに慣れた人にとっては手間がいちばん少なく済みます。一方で、固定電話やSMSを受け取れない電話では使えません。3つの方式とも、各方式の仕組みをさらに詳しく知りたい場合は「IVR認証とは?」で手順ごとに解説しています。

発信型・着信型・SMS認証の違いは?比較表で見る

3方式の違いは、使える電話の種類と、届かないときの原因と、費用のかかり方の3点に表れます。ここでは、会員の操作から向いている場面まで、8つの項目を同じ物差しで並べました。

比べる点 発信型 着信型 SMS認証
会員の操作 かかってきた電話に出て、
コードを聞くか押す
指定の番号へかけて、
画面のコードを押す
届いたコードを
画面に入力する
固定電話 使える 使える 使えない
届かない・
終わらない主な原因
電話に出られない、
知らない番号を取らない
登録と違う電話からかける、
番号を押し間違える
SMSを受け取れない契約、
受信拒否の設定
高齢の会員の
つまずきやすさ
音声を聞いて入力するだけで済む。
ただし知らない番号には
出ないことがあるので、
発信番号を前もって知らせておく
画面と電話を
行き来する操作がある
SMSを開いて
数字を写す操作がある
海外在住の会員 海外の番号へ
発信できるかを確認
海外からかけられる
番号かを確認
海外の番号へ
送れるかを確認
コードを盗まれうる経路 偽サイトに入力させる、
電話番号の乗っ取り
偽サイトで表示したコードを
押させる、
電話番号の乗っ取り
偽サイトに入力させる、
電話番号の乗っ取り、
通信網の弱点を突く
1件あたりの費用の
決まり方
発信する通話料が
自社にかかる
通話料は番号の種類で
自社か会員が負担
1通ごとの送信料が
自社にかかる
向いている場面 固定電話や高齢の会員が多い、
重要な操作の確認
会員から能動的に
確認を取りたい操作
携帯電話が中心で、
件数が多いログイン

表の「コードを盗まれうる経路」は、どの方式が上か下かを決めるためのものではありません。電話やSMSでコードを伝える方式は、いずれも偽サイトにコードを入力させる手口と、電話番号の乗っ取りに対して弱さを持っています。多要素認証が破られる手口と事例は「多要素認証はなぜ突破される?」で詳しく紹介しています。なお、登録番号が古いままだと、どの方式でもコードは届きません。証券会社など、フィッシングに耐性のある認証を求められる業界では、電話認証はパスキー等を使えない会員の代わりの手段や、重要な操作の追加確認として位置づけます。

迷ったら「主の方式+予備の方式」で組む

1つの方式だけで全会員をカバーしようとすると、表の「届かない・終わらない主な原因」に当てはまる会員が取り残されます。たとえばSMS認証だけにすると、固定電話で登録した会員はログインできません。そこで、会員の大半に合う方式を主に決め、主の方式で終わらなかった会員だけが選べる予備の方式を1つ用意する組み方で、取りこぼしを減らせます。代表的な組み合わせは「SMS認証を主にして、届かない人には発信型」と「発信型を主にして、電話に出られない人にはSMS」の2つです。

会員の電話環境から方式を決める早見表

主の方式は、会員がどんな電話を、どんな場面で使っているかで決まります。自社の会員に当てはまる行を探し、主の方式と予備の方式を読み取ってください。

会員の特徴 主の方式 予備の方式 理由
携帯電話が中心で、
アプリやWebに慣れている
SMS認証 発信型 入力の手間が最も少なく、
件数が多くても1通ごとの費用で済むため
固定電話の番号で
登録した会員が多い
発信型 着信型 SMSが届かないため、
音声で伝える方式が欠かせないため
高齢の会員が多い 発信型 SMS認証 電話に出て音声を聞けば済み、
SMSを開く手間がないため。
発信番号は前もって知らせる
海外在住の会員がいる SMS認証か発信型
(対応する国を確認)
メールなど
電話以外の手段
国によって届くかどうかと
費用が変わるため
法人会員が
代表番号を登録している
担当者の携帯電話への
SMS認証(担当者の番号を
別に登録してもらう)
代表番号への発信型
(取り次ぎ後に担当者が
コードを入力)
代表番号は取り次ぎが入り
本人が出るとは限らないため、
担当者個人の番号を主にする
住所・口座・登録番号の
変更だけを確かめたい
発信型 有人窓口での確認 件数が少なく、
1件ごとの確実さが重要になるため

自社の会員がどの行に当たるかは、会員データに登録された電話番号の内訳を見ると分かります。携帯電話の番号(070・080・090で始まる番号)と固定電話の番号の割合、会員の年齢層、海外の番号の有無を集計すると、主の方式はほぼ1つに絞れます。高齢のお客様からの電話の受け方は「コールセンターは高齢者対応の強化が必要?」でも紹介しています。

判断の例① 定期通販で、お届け先の住所変更を確かめる

定期通販でマイページからお届け先を変えられる場合、なりすました第三者に住所を書き換えられると、商品が別の場所へ届き続けてしまいかねません。会員に固定電話で登録した人や高齢の人が多いなら、住所変更の操作をしたときだけ登録番号へ発信型で電話をかけ、コードを入力してもらう形が合います。ログインのたびに電話をかけるわけではないので、会員の手間と発信の件数を抑えながら、被害の大きい操作だけを守れます。

判断の例② カード会員の登録電話番号を変える

登録電話番号の変更は、電話認証の弱点になりやすい操作です。第三者が番号を自分の電話に書き換えると、それ以降のコードはすべて第三者に届いてしまいます。このため、番号を変える操作では、新しい番号ではなく変更前の番号へ発信型で確認の電話をかけ、確認が取れてから切り替えるのが基本です。変更前の番号が使えない会員は、自動の手続きではなく有人窓口や書面での確認に回し、変更が済んだことを変更前の番号にも知らせると、気づかないうちに書き換えられる被害を防げます。

電話認証システムの費用はどこで決まる?料金の内訳

電話認証システムの費用は、初期費用、毎月の固定費、件数に応じた従量課金の3つで決まり、さらに電話会社の通話料が別にかかります。1件あたりの費用は方式によってかかり方が違うため、見積もりを比べるときは、月の認証件数をそろえて合計額で比べてください。

初期費用・月額費用・従量課金の3つで見る

費目ごとの中身と、方式によって何が変わるかをまとめました。

費目 中身 方式による違い
初期費用 音声の案内や認証の流れの設定、
会員システムとの接続の準備、
電話番号の用意
音声の流れを作る発信型・着信型は、
送るだけのSMS認証より
設定の範囲が広い
月額費用 システムの利用料、回線、
保守とサポート
月額に一定の通数や
通話分を含むプランもある
従量課金 認証1件ごと、
SMS1通ごとにかかる料金
SMS認証は1通ごと、
発信型・着信型は通話の件数や
時間で決まることが多い
電話会社の費用 通話料、番号の月額使用料、
工事費
発信型は自社が発信の通話料を払う。
着信型は番号の種類で負担が変わる

月の総額は「初期費用÷使う月数+月額費用+従量課金×月の件数+電話会社の費用」で比べると、プランの形が違う見積もり同士でも並べられます。認証の件数は、月の平均だけでなく、キャンペーンや一斉ログインが重なる月の件数でも計算しておくと、予算の上振れを防げます。

見落としやすい費用は?

見落としやすいのは、システムの料金表に載らない電話会社の費用と、規模や要件が増えたときに追加される費用です。見積もりの段階で、次の3つが含まれているかを確かめてください。

通話料はどちらが払う?

発信型では、会員の電話へかける通話料が自社にかかります。着信型では、フリーダイヤルのような着信側が払う番号を使えば自社の負担になり、通常の番号なら会員がかける通話料は会員の負担です。会員に通話料を負担させる形は費用を抑えられる一方、認証のたびにお金がかかることへの不満につながりやすいため、どちらにするかは会員サービスの方針として決めておく必要があります。

番号の追加と同時に受けられる件数

業務ごとに別の番号から発信したい、別のサービス用に番号を分けたいといった場合は、番号を追加する費用がかかります。また、同時に何件の認証をさばけるかは回線の数で決まり、回線を増やすと月額が上がるのが一般的です。同時につながる回線の考え方は「あふれ呼とは?」で、件数から必要な回線数を出す方法として紹介しています。

専用環境と個別の開発

他社と共用の設備ではなく自社専用の環境が必要な場合や、閉じたネットワーク(VPN)で接続したい場合、自社の業務に合わせて流れを作り込む場合は、標準の料金とは別の見積もりになります。金融機関のように社内の情報管理の基準が厳しい会社ほど、ここで金額が大きく変わります。

料金の実例:弊社「電話認証」の公開価格

ここでは実額の目安として、弊社の電話認証のサービスページに載っている料金を紹介します(2026年10月29日時点の記載)。いずれも目安で、要件に応じて見積もりをお出ししています。

プラン 初期費用 月額費用
インバウンド
(着信型)
500,000円〜 150,000円〜
アウトバウンド
(発信型)
500,000円〜 100,000円〜
SMS 50,000円〜 20,000円〜
(月1,000通までの送信を含む。
1,001通目からは1通15円)

キャリアサービスの使用に伴う工事費・月額使用料・通話料は、上の料金とは別にかかります。認証の件数が多い場合は、ボリュームディスカウントを適用した別のプランも用意しています。

件数が少ない会社にはどの方式が合う?

会員の大半が携帯電話を使い、月の認証が数千件までなら、SMS認証のほうが総額を抑えられます。弊社の公開価格で計算すると、SMSで月5,000通送る場合は、月額20,000円+(5,000−1,000)通×15円=80,000円です。発信型は月額だけで100,000円〜で、これに発信の通話料が加わり、初期費用もSMSの50,000円〜に対して500,000円〜かかります。同じ計算で、SMSの月の費用が発信型の月額100,000円に並ぶのは、月およそ6,300通のときです。

それでも電話を使う方式を選ぶ理由になるのは、固定電話で登録した会員がいてSMSでは取りこぼす場合と、住所や登録番号の変更のように1件ごとの確実さを優先したい場合です。認証に失敗した会員の電話まで同じ仕組みで受けたいときも、電話の方式の固定費に見合います。SMSの配信サービスそのものの選び方は「SMS送信サービス比較」で解説しています。

提供元は3種類:従量制のAPI型・認証専用のクラウド型・IVRやコールセンターと一体の型

電話認証システムの候補は、提供元の種類で3つに分けて集めると比べやすくなります。種類によって、料金のかかり方、向く件数、自社で開発する範囲、認証に失敗した会員の電話をどこで受けるかが変わります。

比べる点 従量制のAPI型 認証専用のクラウド型 IVRやコールセンターと
一体の型
料金のかかり方 SMS1通や通話1件ごとの
従量が中心
月額の利用料に、
件数に応じた料金が加わる
初期費用と月額の固定費に、
通話料が加わる
向く件数と場面 件数が少ない〜多いまで。
携帯電話が中心の会員
認証の画面や管理画面まで
まとめて任せたいサービス
固定電話や高齢の会員がいる、
重要な操作を確かめたい
自社の開発 送信・照合・再送の流れまで
自社で作る
用意された画面や部品を
組み込む範囲が中心
認証の依頼と結果の受け取りを
APIでつなぐ
失敗した会員の電話 自社の窓口で受ける 自社の窓口で受ける 同じ自動音声の仕組みで
受けられる

開発の担当者がいて、まずはSMSで小さく始めたいならAPI型、認証の画面ごと任せたいならクラウド型、電話の方式を主にする場合や、認証の後ろにある問い合わせまでまとめたい場合は一体の型が候補になります。どの種類から集めた候補も、次の6つの観点で同じように確かめれば、見積もりを並べて比べられます。

電話認証システムを選ぶときに確かめる6つのこと

方式と予算の見当がついたら、候補に挙げた提供元ごとの違いを6つの観点で確かめます。各項目に、見積もりのときにそのまま使える質問文を添えました。

① 既存の会員システムとAPIでつなげるか

電話認証は、会員システムが「この会員にこの番号で認証してほしい」と依頼し、結果を受け取って次の画面へ進める、という形で動くのが一般的です。このため、認証を依頼する仕組みと、結果を受け取る仕組みの両方がAPI(システム同士をつなぐ窓口)で用意されているかが、開発の手間を左右します。どこまでをベンダーが作り、どこからを自社で開発するのかの線引きも、ここで決まります。

質問文:認証の依頼と結果の取得は、それぞれどのような方式のAPIで連携できますか。自社で開発が必要になる範囲はどこまでですか。

② 同時に何件の認証をさばけるか

ログインが集中する時間帯や、メールマガジンを配った直後、キャンペーンの初日には、認証の依頼が一度に押し寄せます。同時に受けられる件数を超えると、電話がかからない、SMSが遅れるといった形で会員を待たせてしまいます。平常時ではなく、最も混む時間帯の件数を伝えて、余裕があるかを確かめてください。

質問文:同時に処理できる認証の件数は何件ですか。混む時間帯に足りなくなった場合、どのように増やせて、費用はどう変わりますか。

③ 届かなかった人・失敗した人の逃げ道があるか

どの方式にも、届かない、聞き逃した、時間切れになったという会員が一定数出るものです。そのときに、コードの再送、別の方式への切り替え、有人窓口への案内のどれを用意できるかで、会員の不満と問い合わせの件数は大きく違ってきます。予備の方式を同じベンダーで持てるかどうかも、ここで確かめておくと設計が楽になります。

質問文:コードの再送や、発信型とSMSの切り替えはできますか。認証に失敗した会員を、どのように案内できますか。

④ 認証の記録が残るか

不正の疑いがあったときや、会員から「認証した覚えがない」と問い合わせがあったときには、いつ、どの番号で、どの操作に対して認証が行われたかを確かめる必要があります。記録をどこに、どのくらいの期間残すかは、自社の情報管理の規程とも合わせて決めることになります。

質問文:認証の日時・番号・結果の記録は、どの形式で取得できますか。ベンダー側の保存期間はどのくらいですか。

⑤ 情報の管理体制は十分か

電話認証では、会員の電話番号という個人情報をベンダーに預けます。情報セキュリティの国際規格であるISMS(ISO27001)や、個人情報の取り扱いを評価するプライバシーマークの認証を持っているかは、社内の審査で必ず確かめられる項目です。カード情報など重要な情報と一緒に扱う場合は、その取り扱いの基準も確かめておきます。

質問文:ISMSやプライバシーマークの認証は取得していますか。預けた電話番号はどこに保存され、契約終了後はどう扱われますか。

⑥ 認証以外の電話業務とまとめられるか

認証を入れると、認証できなかった会員からの問い合わせや、不正が疑われる会員への確認の電話など、周りの電話業務が増えます。これらを別々の会社に頼むと、窓口や契約が分かれ、会員の状況を追いにくくなるのが難点です。IVR(自動音声応答)やオートコールと同じ会社でまとめられるかによって、導入後の運用の手間が変わります。

質問文:認証に関する問い合わせの自動応答や、会員への確認の発信も、同じ契約の中で使えますか。

見積もりのときに聞く6つの質問

ここまでの質問文を一覧にまとめました。社内の検討資料や見積もりの依頼文にそのまま使えます。

確かめること ベンダーへの質問 答えで分かること
① API連携 認証の依頼と結果の取得は、どのAPIで連携できますか。自社で開発する範囲はどこまでですか。 開発の工数と、
社内で用意する人員
② 同時に処理できる件数 同時に処理できる認証は何件ですか。足りないときの増やし方と費用は。 混む時間帯に
会員を待たせないか
③ 失敗した人の逃げ道 コードの再送や方式の切り替えはできますか。失敗した会員をどう案内できますか。 問い合わせの件数と、
取り残される会員の数
④ 認証の記録 日時・番号・結果の記録はどの形式で取れますか。保存期間はどのくらいですか。 不正の調査や
会員の問い合わせに答えられるか
⑤ 情報の管理体制 ISMSやプライバシーマークの認証はありますか。電話番号の保存場所と契約終了後の扱いは。 社内の審査を
通せるか
⑥ ほかの電話業務 問い合わせの自動応答や会員への確認の発信も、同じ契約で使えますか。 窓口と契約を
1つにまとめられるか

電話認証はどこまで安全?破られる経路と業界の決まり

電話認証は、IDとパスワードだけの状態より確認を一段増やせますが、電話やSMSでコードを伝える方式には破られる経路があります。導入の目的を社内で説明するときは、何を防げて何を防ぎにくいのかを分けて伝えると、過度な期待を持たれずに済みます。

コードが盗まれる3つの経路

米国の政府機関CISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁)は、多要素認証の強さを比べた資料の中で、SMSや音声でコードを送る方式を、フィッシング、通信網の弱点を突く手口、SIMスワップに弱いものとして挙げています(出典:CISA「Implementing Phishing-Resistant MFA」)。1つ目のフィッシングは、本物そっくりの偽サイトに会員を誘い、届いたコードをその場で入力させて、攻撃者が本物のサイトに使う手口です。2つ目は電話会社の間の通信の仕組みの弱点を突き、SMSや音声のコードを横取りする手口で、3つ目のSIMスワップは、電話会社をだまして会員の電話番号を攻撃者のSIMカードに移し、番号ごと乗っ取る手口です。

着信型も、電話番号を乗っ取られれば攻撃者が本人の番号から電話をかけられるため、同じ弱さを持ちます。また、システムからの電話をまねた詐欺の電話で会員にコードを聞き出す手口もあり、発信型では、どの番号からどんな名乗りで電話をかけるかを会員にあらかじめ知らせておくことが対策になります。電話を使った詐欺の手口は「ボイスフィッシング(ビッシング)とは?」で解説しています。

証券会社のログインには、フィッシングに強い認証が求められている

日本証券業協会は2025年10月15日に「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」を改正し(同日施行)、ログイン時、出金時、出金先銀行口座の変更時などの重要な操作では、フィッシングに耐性のある多要素認証を実装し、必須にするよう求めています。例として挙げられているのは、パスキーによる認証と、PKI(公開鍵基盤)をベースとした認証です(出典:日本証券業協会のガイドライン)。

同じガイドラインでは、スマートフォンなどの機器を持っていないといった理由でやむを得ずこの認証を解除する顧客には、代わりの多要素認証を提供することも求めています。電話認証は、パスキーを使えない会員の受け皿として、また住所や連絡先の変更といった重要な操作の追加の確認として使うと、役割がはっきりします。証券会社以外でも、自社の業界に同じような決まりがないかを、導入の前に確かめておいてください。

電話認証で確かめられるのは何か?

電話認証が確かめているのは、操作している人が登録された電話番号を持っているかどうかです。氏名や住所、生年月日がその人のものかという身元の確認とは別のものなので、口座開設や会員登録のときに身分証で本人を確かめる手続きの代わりにはなりません。身元の確認は登録時に、電話認証はその後のログインや重要な操作のたびに、と役割を分けて設計します。

認証に失敗した人は電話してくる。問い合わせの受け方まで決めておく

電話認証を入れると、認証できなかった会員がコールセンターに電話をかけてきます。導入の準備では方式と料金に目が行きがちですが、失敗した会員をどこへ案内するかを決めておかないと、問い合わせの電話が増え、窓口の負担が先に重くなります。会員の困りごとごとに、起きていることと、用意しておく対策を整理しました。

会員の困りごと 起きていること 用意しておく対策
SMSが届かない SMSを受け取れない契約や
受信拒否の設定、
固定電話の番号で登録している
画面に「電話で受け取る」
ボタンを置き、発信型に切り替える
コードを聞き逃した 音声が速い、
メモを取る前に読み上げが終わった
コードを2回読み上げ、
「もう一度聞く」の番号を案内する
入力が間に合わない 有効時間が短い、
画面と電話の行き来に時間がかかる
再送のボタンを置き、
有効時間を利用者に合わせて見直す
電話番号を変えた 登録が古い番号のままで、
コードが届かない
自動では通さず、
有人窓口か書面での確認に回す
何度も失敗して
止められた
入力の誤りが続き、
不正の疑いとして受付が止まった
止めた理由と解除の窓口を
自動音声と画面で案内する

認証に失敗した会員の案内の流れ。SMSが届かない・コードを聞き逃した・電話番号を変えた会員を、まず画面と自動音声で再送や方式の切り替えに案内し、それでも本人と確かめられない会員だけを有人窓口へつなぐ2段の図

自動音声で再送と方式の切り替えを案内する

認証に失敗した会員からの電話には、コードの再送か、別の方式への切り替えで済むものが含まれます。問い合わせの番号に自動音声を置き、「SMSが届かない方は1番、コードをもう一度聞きたい方は2番」のように案内すれば、再送と切り替えで済む問い合わせを、オペレーターに回さずに終えられます。有人の窓口に回すのは、電話番号を変えた会員と、何度も失敗して止められた会員だけです。こうしておけば、オペレーターは本当に確認が必要な人に時間を使えます。

本人と確かめられない人だけを有人窓口へ回す

有人窓口に回すときは、オペレーターがどうやって本人と判断するかを決めておく必要があります。電話番号の変更のように、電話認証そのものが使えない場面では、登録情報との照合や書面での手続きなど、電話以外の確かめ方を用意しておくことが欠かせません。ここが決まっていないと、オペレーターの判断がばらつき、なりすましに窓口を突破される入り口になってしまいます。

事例:SMSで返事がない会員に、オートコールで本人確認をした例

ログインの認証ではありませんが、本人の確認を電話で自動化した例として、弊社がオートコールIVRを提供しているポケットカード株式会社の事例を紹介します。同社はクレジットカードの不正利用を検知したとき、電話とSMSで会員に本人の利用かどうかを確かめていました。しかし、SMSはフィッシング詐欺への警戒から開封されないことが多く、SMSで返事が得られない会員やSMSを送れない会員には、すべてオペレーターが電話をかけていました(出典:ポケットカード株式会社の導入事例)。

オートコールで確認する流れに変えてからは、本人の利用と確認できた会員は自動音声で案内を終え、心当たりがない会員だけをオペレーターにつないでいます。1日50〜100件ほどの架電をオートコールで行い、それでも確認が取れない会員には有人で電話をかける運用で、未対応残数は0件になりました。ガイダンスの冒頭でカード会社からの連絡であることを名乗り、公式サイトで発信番号を案内している点は、発信型の電話認証で会員に安心して電話に出てもらうための工夫としても参考になります。

発信型・着信型・SMSを1社でそろえる:弊社の電話認証

株式会社電話放送局の電話認証は、発信型(アウトバウンド)と着信型(インバウンド)の両方に対応し、SMSで送るプランも用意しています。主の方式と予備の方式を1社でそろえられるため、届かなかった会員の切り替えまで同じ仕組みの中で設計できます。サービスページに載っている内容は、次のとおりです。

  • 音声でワンタイムパスワードを伝えてWebへ入力してもらう形と、メールなどで送ったワンタイムパスワードをIVRへ入力してもらう形のどちらも、一定時間で無効にする設定が可能
  • HTTPS通信のデータ連携の仕組みを提供し、認証データ登録APIと認証結果取得APIを利用可能
  • 基本は300chの共用型で、要望に応じて600ch、1,200chの共用型も提供。業務量に応じた専用環境やVPNでの接続にも対応
  • 業務ごとに通知する番号を分ける番号の追加と、リストごとに違う案内を流す音声合成のオプション
  • 情報管理の体制として、ISMS(ISO27001)認証「IS 633167」とプライバシーマーク認証「第21000026号」を取得

導入の例として、ある個人向けインターネットサービスでは、カード情報など重要な情報を登録している会員に対し、メールによる本人認証に代えて、発信型の電話認証を入れています。同じメールアドレスとパスワードを複数のサービスで使い回している会員ほどリスト型アカウントハッキングのリスクが高く、メールとパスワードによる確認だけではなりすましを防げないと判断したことがきっかけでした。電話でカード決済を受ける窓口のセキュリティには、オペレーターにカード番号を聞かせずに決済できるカード決済IVRもあわせて使えます。

電話放送局は1978年創業で、IVR(自動音声応答)のクラウドサービスを提供している会社です。導入実績は1,500社以上です(2026年10月時点の公式サイトの記載)。現在はAIが会話で受け答えするボイスボットも提供しており、認証の後ろにある問い合わせの自動応答や、会員への確認の発信まで、同じ会社でご相談いただけます。操作の感覚はデモ体験で確かめられます。

よくある質問

Q. SMS認証だけでは不十分ですか?

会員の大半が携帯電話を使っているなら、SMS認証を主にする選択は十分にあり得ます。ただし、固定電話で登録した会員やSMSを受け取れない会員は認証できないため、発信型などの予備の方式を用意しておくと安心です。フィッシングやSIMスワップへの弱さは電話を使う方式に共通する点なので、重要な操作では通知や操作の上限など、ほかの対策と組み合わせて考えます。


Q. 固定電話しか持っていない会員も認証できますか?

発信型と着信型であれば、固定電話でも認証できます。発信型なら、かかってきた電話に出て自動音声のコードを聞き、画面に入力するだけで済みます。SMS認証は固定電話では使えないため、固定電話の会員がいる場合は発信型を予備に置くのが基本です。


Q. 月に数百件しか認証しない小さな会社でも導入できますか?

件数が少なく会員の多くが携帯電話なら、SMS認証のほうが安く済むことが多くなります。固定電話の会員がいる場合や、重要な操作を確かめたい場合は、件数が少なくても電話の方式を検討してください。


Q. 既存の会員サイトに組み込むのに開発は必要ですか?

会員サイトから認証を依頼し、結果を受け取って次の画面に進める部分は、会員サイト側での開発が必要になるのが一般的です。弊社の電話認証では、認証データ登録APIと認証結果取得APIを提供しています。どこまでを自社で作り、どこからをベンダーに任せるかは、見積もりの段階で確かめてください。


Q. 着信型と発信型は、どちらが安全ですか?

一概にどちらが安全とはいえません。どちらも電話番号を乗っ取られた場合には破られる可能性があり、偽サイトを使ってコードを入力させる手口にも注意が必要です。安全性は方式の違いより、登録番号の変更を厳しく確かめる、認証の失敗が続いたら止めるといった周りの設計で大きく変わります。


Q. 認証した記録は残せますか?

弊社の電話認証では、認証結果取得APIで認証の結果を会員システム側に取り込めます。取り込んだ記録を自社のシステムに保存すれば、不正の調査や会員からの問い合わせに使えます。ベンダー側での保存期間や取得できる項目は、契約の前に確かめておくと安心です。

最後に、電話認証システムの導入を検討する方からよく寄せられる質問に回答します。

まとめ

電話認証システムは、発信型・着信型・SMS認証のどれを主にするかを、会員が使っている電話の種類で決めるのが出発点です。携帯電話が中心ならSMS認証、固定電話や高齢の会員が多いなら発信型を主にし、主の方式で終わらなかった会員のための予備を1つ組み合わせると、取りこぼしを減らせます。費用は初期・月額・従量の3つに電話会社の通話料を加えて、月の件数をそろえて比べてください。

最初の一歩として、会員データに登録された電話番号のうち、携帯電話と固定電話の割合を集計してみてください。そのうえで、見積もりのときに聞く6つの質問を使ってベンダーに問い合わせれば、社内で説明できる比較の材料がそろいます。電話放送局では、発信型・着信型・SMSの組み合わせ方から、認証に失敗した会員の問い合わせの受け方まで、ご相談をお受けしています。具体的な使われ方は導入事例もあわせてご覧ください。

DHK クラウドサービス概要資料 ダウンロード

【本資料の概要】
電話放送局のサービス全般をご紹介
AIボイスボットの特徴をご紹介

監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) 営業部 営業企画・推進チーム シニアリーダー 前田泰延

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