2026/09/17

自治体フロントヤード改革

「フロントヤード改革に取り組むよう言われたものの、来年度の実施計画に何を書けばよいか決まらない」「書かない窓口の事例は読んだが、うちの規模で最初に手を付けるところが分からない」という自治体のご担当者は少なくありません。自治体フロントヤード改革は、窓口の設備を新しくする取り組みではなく、住民との接点そのものを作り直す業務改革です。着手の順番は総務省が手順書として公開しており、そこに沿って現状分析と対象手続の選定から始めるのが最短の進め方になります。

本記事では、フロントヤード改革と窓口BPRの関係、総務省の手順書に沿った進め方、使える国の支援策を整理します。あわせて、窓口を変えたときに電話の問い合わせがどう動くかという、計画段階で抜けやすい論点も具体的に扱います。

目次

自治体フロントヤード改革とは?

 ・目指す姿は「書かせない」「待たせない」「迷わせない」「行かせない」

 ・フロントヤードとバックヤードは何が違う?

なぜ今取り組みが求められているのか?

 ・職員が減っても手続の種類は減らない

 ・住民の接点が窓口だけではなくなった

改革が進むと何が変わるのか

フロントヤード改革と窓口BPRはどう違う?

 ・デジタル化から入るとなぜ行き詰まるのか

総務省の手順書に沿った進め方

 ・手順1 全体方針に位置づけて体制を作る

 ・手順2 目指す姿を先に決める

 ・手順3 現状分析では接点別に数える

 ・手順4 着手する手続を絞る

 ・手順5 成果指標を決めてから着手する

窓口を変えると電話はどう動くか

 ・入電を3つに仕分ける

 ・一次受けを自動化する

 ・折り返しをSMSに寄せる

 ・住民は電話の自動化を受け入れるのか?

国の支援策は人的・財政的・環境の3つ

 ・人的支援は現状分析の段階で使う

 ・財政的支援は対象範囲を先に確認する

先行団体の取り組みにはどんな型があるか

 ・書かない窓口

 ・来庁予約とオンライン相談

 ・移動窓口と出張サービス

 ・窓口の集約とワンストップ化

つまずきやすい3つの課題

 ・住民の理解が追いつかない

 ・個人情報とセキュリティの整理

 ・予算と人員の確保

よくある質問

まとめ

自治体フロントヤード改革とは?

フロントヤード改革の全体像。住民との接点(窓口・電話・オンライン)とバックヤードの関係

自治体フロントヤード改革とは、自治体と住民との接点を多様にして、住民の利便性向上と職員の業務効率化を同時に進める取り組みです。総務省は自治体フロントヤード改革ポータルで、「マイナンバーカードを活用した自治体と住民との接点の多様化・充実化、窓口業務の改善などを通じて、住民の利便性向上と職員の業務効率化を図ります」と説明しています。

対象は窓口だけに限りません。住民から見た自治体の入口は、来庁だけでなく電話、オンライン申請、チャットなど複数あります。そのすべてが「フロントヤード」に含まれます。

目指す姿は「書かせない」「待たせない」「迷わせない」「行かせない」

改革が目指す状態は、住民から見た4つの言葉で表されます。総務省が令和7年5月に公開した「自治体フロントヤード改革推進手順書」でも、この4つの実現が目的として掲げられています。

目指す状態 住民から見た変化 自治体側で必要になること
書かせない 同じ住所や氏名を
何枚も書かなくてよい
職員の聞き取りと代筆
事前入力の仕組み
既存データの引き当て
待たせない 順番待ちの時間が読める 来庁予約の受付
混雑状況の共有
処理時間の実測
迷わせない どの窓口で何をするか
すぐ分かる
案内の一元化
手続の棚卸し
問い合わせ先の整理
行かせない 来庁しなくても
手続が終わる
オンライン申請の整備
郵送・電話での完結
本人確認の手段確保

4つのうち「行かせない」だけは、来庁を前提にしていません。来庁せずに済ませるということは、住民の用件がオンラインか電話のどちらかに移るということです。オンライン申請の整備だけを計画に書くと、移った先の片方が抜け落ちます。

フロントヤードとバックヤードは何が違う?

フロントヤードは住民と直接接する部分、バックヤードはその裏側で行われる審査・入力・庁内連携です。窓口で受け取った申請書を職員がシステムに入力し、別の課へ回して確認を取る流れは、すべてバックヤードにあたります。

この区別が重要なのは、フロントヤードだけを軽くしても総量が減らないからです。書かない窓口を導入して記入の手間をなくしても、職員の入力作業がそのまま残っていれば、削減されるのは住民の負担だけになります。手順書が「既存業務の見直し」をデジタル活用より前に置いているのは、この順番を崩さないためです。

なぜ今取り組みが求められているのか?

背景にあるのは、職員数と業務量の開きです。人口減少で職員の採用は絞られる一方、手続の種類は制度改正のたびに増えていきます。同じ人数で同じやり方を続ける前提が成り立たなくなってきました。

職員が減っても手続の種類は減らない

自治体の手続は、国の制度に紐づくものが多く、自治体の判断だけで廃止できません。件数の多い転入・転出や税の証明に加え、対象者の限られた手続も窓口には並びます。職員一人が覚える範囲が広がり、ベテランへの依存が強まる構造ができあがります。

業務量の圧縮は、自治体の業務効率化の文脈でも共通の課題です。フロントヤード改革は、その入口側から手を入れる取り組みと位置づけると全体像がつかみやすくなります。

住民の接点が窓口だけではなくなった

スマートフォンで完結する手続に慣れた住民にとって、平日の日中に窓口へ行く前提そのものが負担です。オンラインで調べ、分からなければ電話で聞き、必要なときだけ来庁するという行動が標準になりつつあります。

窓口の混雑だけを見て改善策を考えると、この変化を取りこぼします。接点ごとの件数を並べて初めて、どこに人手が吸われているかが見えてきます。

改革が進むと何が変わるのか

効果は住民側と自治体側の両方に出ますが、現れる時期がずれます。住民側の変化は着手した手続で早く出る一方、自治体側の効果はバックヤードの見直しが進んでから表れます。この時間差を知らずに初年度で成果を求めると、途中で止まる原因になります。

対象 変わること 測り方の例
住民 記入する書類が減る
待ち時間が読める
来庁せずに終わる手続が増える
手続1件あたりの記入枚数
窓口の平均待ち時間
オンライン申請の件数
窓口の職員 案内と説明の繰り返しが減る
転記と入力が減る
1件あたりの処理時間
手戻り・差し戻しの件数
電話を受ける職員 定型の問い合わせが自動で片づく
折り返しの往復が減る
入電件数と応答率
折り返し件数
組織全体 特定の職員への依存が下がる
繁忙期の残業が平準化する
手続別の担当者数
月別の時間外勤務

測り方の列を先に決めておくと、成果指標の設定がそのまま進みます。数えられない項目を目標に置くと、翌年度の予算要求で効果を説明できなくなります。

フロントヤード改革と窓口BPRはどう違う?

窓口BPRとフロントヤード改革の関係図。業務フローの見直しが土台にあり、その上に接点の多様化が乗る二層構造

窓口BPRは業務そのものを作り直すこと、フロントヤード改革は住民との接点を作り直すことを指します。両者は対立するものではなく、BPRはフロントヤード改革を成立させるための手段にあたります。

観点 窓口BPR フロントヤード改革
対象 業務フロー
庁内の分担
帳票と入力
住民との接点全体
窓口・電話・オンライン
目的 ムダな工程をなくす 住民の利便性と
職員の効率を同時に上げる
主な担い手 所管課と情報政策担当 全体方針に基づく
プロジェクトチーム
成果の見え方 処理時間・手戻りの削減 来庁回数・待ち時間・
問い合わせ件数の変化

デジタル化から入るとなぜ行き詰まるのか

いまのフローをそのままシステムに載せ替えると、紙で起きていた手戻りが画面上で再現されます。二重入力や部署間の確認待ちは、媒体が変わっても残ります。

手順書が「既存業務の見直し」を先に置いているのは、この順序を守らせるためです。先にムダな工程を落とし、残った工程だけをデジタルに移すほうが、導入するツールも小さく済みます。自治体システム標準化への対応と時期が重なる団体では、標準化の移行計画と合わせて業務の棚卸しを一度で済ませる進め方もあります。

総務省の手順書に沿った進め方

総務省の「自治体フロントヤード改革推進手順書」は、体制づくりから業務改善までを章立てで示しています。計画に落とすときは、この章立てをそのまま工程表の骨格に使えます。

段階 手順書の該当項目 主なアウトプット
1
位置づけ
全体方針への明記
推進体制の整備
プロジェクトチームの設置
DX推進計画への記載
構成課とリーダーの決定
2
目標設定
目指す姿の設定 住民から見た到達状態を
文章と数値で記述
3
現状分析
現状分析 手続別の件数・所要時間
接点別の問い合わせ件数
4
対象選定
取組・手続の選定
成果指標の設定
着手する手続の一覧
KPIと測定方法
5
改善実行
既存業務の見直し
デジタルを活用した業務改善
一体的に検討すべき取組
見直し後のフロー
導入するツールの範囲

手順1 全体方針に位置づけて体制を作る

最初にやることは、DX推進計画や総合計画といった全体方針にフロントヤード改革を明記することです。所管課の単独事業にしてしまうと、庁内の他課に協力を求める根拠がなくなります。

プロジェクトチームには、窓口を持つ所管課、情報政策担当、財政担当を入れておくと、後段の予算確保と調整が速くなります。

手順2 目指す姿を先に決める

目指す姿は「デジタル化を進める」ではなく、住民から見た状態で書きます。「転入手続で記入する書類を1枚にする」「証明書の取得で来庁しなくてよい状態にする」といった形です。

この記述が曖昧なままだと、後で出てくる手段の選定基準がなくなります。ベンダーからの提案を比べるときにも、この文章が判断の物差しとして働きます。

手順3 現状分析では接点別に数える

現状分析でよくあるのが、窓口の待ち時間だけを測って終えてしまう進め方です。住民の用件は窓口・電話・オンラインに分かれて入ってくるため、3つを並べて初めて全体像になります。

最低限、手続別の窓口来庁件数、月間の入電件数、電話がつながらなかった件数、オンライン申請の件数を同じ期間で並べます。電話については、何の用件でかかってきたかを分類するコールリーズン分析の考え方が使えます。

手順4 着手する手続を絞る

すべての手続を同時に扱うことはできません。件数が多く、処理が定型で、住民の負担が大きいものから選ぶのが基本です。

手順書には人口規模等に応じた取組例が付録として用意されています。小規模団体が大都市の事例をそのまま引き写すと体制面で無理が出るため、規模の近い例から選ぶほうが現実的です。

手順5 成果指標を決めてから着手する

成果指標は、着手前に決めて測り始めることが条件になります。導入後にしか数字がないと、効果を説明できません。

窓口側は待ち時間と処理時間、電話側は応答率とつながらなかった件数、オンライン側は申請件数と離脱率が基本の組み合わせです。

窓口を変えると電話はどう動くか

入電を「案内で終わる」「本人確認が要る」「職員の判断が要る」の3つに仕分け、それぞれの受け先を示すフロー図

窓口の改革を進めると、電話の入電は減るとは限りません。むしろ一時的に増える局面があります。手順書が「窓口の改革と一体的に検討すべき取組」という項目を置いているのは、窓口だけを切り離して設計できないためです。

窓口で起きた変化 電話側で起きること 打ち手
来庁予約制を
導入した
予約方法と空き状況を
尋ねる電話が増える
予約受付を音声自動応答へ
空き状況の案内を自動化
オンライン申請を
始めた
操作方法と
申請状況の確認が増える
操作案内をチャットに寄せる
進捗照会を自動応答で返す
窓口を
集約・統合した
担当課が分からず
代表番号に集中する
用件別の振り分けを整理
転送回数を測って見直す
受付時間を
短縮した
時間外の着信が
翌朝に積み上がる
時間外の一次受けを自動化
折り返し予約を受ける
証明書のコンビニ
交付を広げた
操作と手数料の
問い合わせが増える
よくある質問を音声とSMSで
案内し、窓口に戻さない

計画段階でこの表の右側まで決めておくと、窓口の改善が電話の負担増に振り替わる事態を避けられます。

入電を3つに仕分ける

電話の扱いを決めるときは、用件を3つに分けると判断が速くなります。第一が案内だけで終わるもの、第二が本人確認を挟むもの、第三が職員の判断が必要なものです。

案内だけで終わる用件は、受付時間や必要な持ち物の確認、手続の場所の問い合わせが該当します。この層が入電全体のかなりの割合を占める団体は多く、ここを自動化できるかどうかで職員の負担が大きく変わります。

本人確認を挟む用件は、申請状況の照会や住所変更の相談などです。自動音声で本人確認まで行い、確認が取れた場合だけ内容を案内する組み方ができます。職員の判断が必要な用件は、最初から職員につなぐ設計にします。

一次受けを自動化する

一次受けの自動化には、プッシュ操作で用件を振り分けるIVRと、住民の話し言葉を認識して処理まで進めるボイスボットがあります。用件の種類が少なく選択肢で表せるならIVR、用件が多岐にわたり選択肢が長くなるならボイスボットが向いています。

導入の具体的な範囲や費用感は、自治体の電話対応を自動化する手順で業務別に整理しています。窓口の改革と同時に検討する場合は、対象となる手続を窓口側と揃えておくと、住民から見た案内の食い違いが起きません。

折り返しをSMSに寄せる

自動応答で受け切れなかった用件は、折り返しの連絡になります。ここで電話をかけ直すと不在が重なり、往復の回数が増えます。

用件の確認や書類の不備連絡は、SMSで文字として送るほうが確実です。納税の催告や健診の受診勧奨など、送る相手が確定している連絡も同様です。使い分けの考え方は自治体のSMS活用にまとめています。操作方法の説明が中心になる問い合わせであれば、自治体のAIチャットボット導入のほうが適する場面もあります。

住民は電話の自動化を受け入れるのか?

自動化の話になると、住民から苦情が来ないかという懸念が必ず出ます。弊社が50〜70代の男女241名に実施した調査では、ボイスボット全般への受容度は31.6%にとどまった一方、「再配達の受付」のように用途を特定したシーン別の質問では70.5%が肯定的でした(出典:コールセンター利用とAI自動応答に関する意識調査)。

つまり、受け止めを分けているのは自動化そのものではなく、何を任せるかという設計です。用件が定型で、住民が急いでいる場面ほど自動応答は受け入れられます。逆に、事情の説明が必要な相談を自動化すると不満が出やすくなります。最初に自動化する範囲を、案内で終わる用件に絞る根拠はここにあります。

国の支援策は人的・財政的・環境の3つ

フロントヤード改革には、人的・財政的・環境の3種類の支援が用意されています。自治体の持ち出しだけで進める前提を置く必要はありません。

区分 主な制度 使いどころ
人的支援 窓口BPRアドバイザー派遣事業
窓口BPRアドバイザー育成事業
地域情報化アドバイザー派遣制度
現状分析と業務の
見直しを進める段階
財政的支援 地域未来交付金
デジタル活用推進事業債
デジタル人材確保に係る
地方財政措置
書かない窓口や
オンライン申請の導入
人材の確保
環境支援 自治体窓口DXSaaS
デジタルマーケットプレイス
デジタル改革共創プラットフォーム
サービスの選定
他団体の進め方の把握

制度の詳細と最新の一覧は総務省の支援策一覧で公開されています。申請の時期が年度単位で区切られるものが多いため、実施計画を立てる段階で確認しておくほうが安全です。

人的支援は現状分析の段階で使う

アドバイザー派遣は、ツールを選ぶ段階よりも、現状分析と業務の見直しの段階で効果が出ます。庁内だけで議論すると、いまのやり方を前提にした改善案に寄りやすいためです。

財政的支援は対象範囲を先に確認する

交付金や地方債は、対象となる経費の範囲が制度ごとに決まっています。窓口システムは対象でも、電話の設備更改は別の枠になる場合があります。導入したい範囲を先に固め、どの制度に載せられるかを財政担当と一緒に確認する順番が確実です。

先行団体の取り組みにはどんな型があるか

総務省のポータルでは、モデルプロジェクトの採択団体をはじめとする事例が公開されています。個別の団体名や数値はポータルの事例から確認できますが、取り組みの型としては次の4つに整理できます。

書かない窓口

職員が聞き取って代筆する、あるいは事前に入力された情報を引き当てて申請書を出力する方式です。住民の記入負担が下がるほか、書き間違いによる手戻りも減ります。

来庁予約とオンライン相談

予約制にすると、来庁する住民の待ち時間が読めるようになります。相談系の手続をオンラインに寄せると、移動の負担が大きい地域ほど効果が出ます。予約と相談の受付が電話に集中しないよう、受付手段を複数用意しておくことが前提になります。

移動窓口と出張サービス

庁舎から遠い地区や、来庁が難しい住民に向けて、職員が出向いて手続を受ける方式です。設備を増やさずに「行かせない」を実現できる点が特徴です。

窓口の集約とワンストップ化

複数の課にまたがる手続を1か所で受ける方式です。住民の移動は減りますが、受け手側の職員が扱う範囲が広がるため、案内の整理と職員の習熟が同時に必要になります。代表電話への集中が起きやすい型でもあるため、電話の振り分けをあわせて設計します。

つまずきやすい3つの課題

進め方が分かっていても、実際には途中で止まる要因がいくつかあります。よく挙がる3つを先に想定しておくと、計画の段階で手が打てます。

住民の理解が追いつかない

やり方を変えると、これまでの方法に慣れた住民から戸惑いの声が出ます。特に来庁を前提にしてきた層では、予約制やオンライン化が負担に感じられる場合があります。

従来の手段を残したまま新しい手段を足す進め方が無難です。窓口での受付を続けながらオンラインを選べるようにし、移行の期限を切らない形にすると摩擦が小さくなります。

個人情報とセキュリティの整理

住民の情報を扱う以上、外部サービスを使う際の取り扱いは事前に整理が必要です。どのデータがどこに保存され、誰がアクセスできるかを、契約と運用の両面で確認します。

電話の自動応答を使う場合も同様で、通話の録音データや音声認識の結果をどう保管するかを決めておきます。庁内のネットワーク構成によって取り得る方式が変わるため、情報政策担当を早い段階から入れておくほうが手戻りがありません。

予算と人員の確保

単年度で全部を変えようとすると、予算も人員も足りなくなります。件数の多い手続から着手し、成果指標で効果を示してから範囲を広げる進め方が現実的です。

職員の負担についても、改革の期間中は一時的に業務が増える前提で計画を組みます。窓口業務の負担は職員の定着にも影響するため、窓口業務のストレスの観点も計画に含めておくと説明がしやすくなります。

よくある質問

Q. フロントヤード改革は何から始めればよいですか?

全体方針への位置づけと推進体制の整備から始めます。所管課だけの取り組みにすると庁内の調整が進まないため、DX推進計画などに明記し、窓口を持つ課・情報政策担当・財政担当でチームを作ります。その後に現状分析へ進みます。


Q. 窓口BPRとフロントヤード改革は同じものですか?

同じものではありません。窓口BPRは業務フローそのものを作り直す取り組みで、フロントヤード改革は住民との接点全体を作り直す取り組みです。BPRを先に行い、残った工程をデジタルに移す順番が基本になります。


Q. 小規模な自治体でも取り組めますか?

取り組めます。総務省の手順書には人口規模等に応じた取組例が付録として用意されています。職員数が限られる団体ほど、件数の多い手続を1つ選んで着手し、効果を確認してから広げる進め方が向いています。


Q. 窓口を改善すれば電話は減りますか?

必ず減るとは限りません。予約制やオンライン申請を始めた直後は、方法や進捗を尋ねる電話が増える傾向があります。窓口の変更と同時に、電話の受け方をどう変えるかを決めておくことが必要です。


Q. 電話の自動応答に住民の抵抗はありませんか?

用途によって受け止めが変わります。弊社が50〜70代の男女241名に実施した調査では、全般的な受容度は31.6%でしたが、用途を特定したシーン別では70.5%が肯定的でした。案内で完結する定型の用件から始めると受け入れられやすくなります。


Q. 費用はどの制度で確保できますか?

地域未来交付金やデジタル活用推進事業債などの財政的支援があります。制度ごとに対象経費の範囲が決まっており、窓口システムと電話設備で扱いが分かれる場合があるため、導入範囲を固めてから財政担当と確認してください。

まとめ

自治体フロントヤード改革の成否は、住民との接点をどこまで数えたかで決まります。窓口の待ち時間だけを見るのではなく、電話とオンラインを同じ期間で並べ、件数の多い手続から順に業務を作り直す進め方が、総務省の手順書に沿った形になります。

窓口を変えれば、住民の用件は必ず別の入口へ移ります。移った先が電話であれば、案内で終わる用件を一次受けで引き受け、確認が必要な連絡は文字で送るという設計が要ります。電話放送局は、創業から40年以上にわたって自治体や企業の電話窓口の設計と運用に携わってきました。入電の仕分けから自動応答のシナリオ設計、運用開始後の調整まで対応していますので、導入事例もあわせてご覧ください。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延

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