2023/02/01

企業の経営では組織を適切に管理して経営の効果を高める「マネジメント」が重視されています。マネジメントはコールセンター運営においても非常に重要な業務です。コールセンターでは、主にオペレーターより上位の役職である「SV(スーパーバイザー)」がマネジメントを担います。コールセンターにおけるマネジメントはどういった理由から重視され、マネージャーであるSVはどのような役割を担っているのでしょうか。本記事では、コールセンターのマネジメントについて解説します。

目次

コールセンターのマネジメントの意味と重要性

 ・コールセンターのマネジメントとは

 ・コールセンターのマネジメントが重要な理由

コールセンターのマネジメントを担うSVの役割

 ・オペレーターの管理・育成

 ・オペレーターのモニタリング

 ・現状の把握

 ・目標の設定

コールセンターのマネジメントに必要なスキル

 ・コミュニケーション能力

 ・管理能力

 ・課題発見力

 ・判断力

コールセンターのマネジメント業務を円滑に行うためのポイント

 ・継続的な研修の実施

 ・運用システムの導入

 ・PDCAサイクルの継続

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コールセンターのマネジメントの意味と重要性

組織経営を最適化する「マネジメント」の手法は、コールセンター運営においても欠かせません。はじめに、コールセンターにおけるマネジメントの意味をお伝えするとともに、近年のコールセンター業界の背景にも触れながら、マネジメントの重要性を解説します。

コールセンターのマネジメントとは

コールセンターのマネジメントでは、あらゆるコールセンター業務の管理を行います。マネジメントを行う目的は、業務の効率化や企業利益の向上などです。コールセンター運営で生じる課題は、企業によって大きく異なります。オペレーターの人材不足に悩む企業もあれば、効率的な運用体制の構築に取り組んでいる企業もあるでしょう。マネジメントによって業務改善につなげ、自社の課題を解決へと導くことが大切です。なお、コールセンターのマネジメントの担当者は一般的に「SV(スーパーバイザー)」と呼ばれます。

コールセンターのマネジメントが重要な理由

・コールセンターの業務が複雑化している
近年のコールセンター業界では、顧客との接点が多様化しつつあります。従来の電話窓口のほかに、メールやチャットをはじめとした新たなコミュニケーション手段が登場し、消費者のニーズに応じて多チャンネル化(オムニチャネル化)している状況です。このような対応手段の複雑化によって、現場のオペレーターの負担が増しています。時代の流れに対応しながら円滑にコールセンターを運営していくためにも、マネジメントの重要性が高まっています。

・コールセンターの対応は企業の印象に影響する
コールセンターの対応品質は企業に対する印象を左右します。一人のオペレーターの対応が不適切であったために、顧客が企業そのものに嫌悪感を抱いてしまう事例も少なくありません。その反対に、オペレーターの丁寧な対応により企業イメージが向上するケースもあるでしょう。コールセンターのマネジメントには、オペレーターの管理も含まれます。マネジメントにより電話対応の品質を適切に管理することは、企業イメージの維持にも大きく関与しているのです。

コールセンターのマネジメントを担うSVの役割

SV(スーパーバイザー)はコールセンター運営に欠かせない役職であり、日々の業務でSVが担う役割は多岐にわたります。ここでは、SVが担当する具体的なマネジメントの内容をご紹介します。

オペレーターの管理・育成

コールセンターの管理者であるSVは、スタッフの勤怠管理やメンタルケアなどの役割を担います。また、新人研修や既存スタッフを対象としたスキルアップ研修など、人材育成もマネジメント業務の一つです。場合によっては、電話応対に精通したSV自身が研修内容を作成するケースもあります。

オペレーターのモニタリング

モニタリングとは、顧客との電話やメールなどのやり取りを記録に残して、オペレーターの対応をチェックすることです。SVはモニタリングの内容を元にオペレーターの指導にあたり、フィードバックによって改善を目指します。オペレーターの顧客対応をサポートして、コールセンターのサービス品質向上につなげる役割があります。

現状の把握

コールセンターのマネジメントを担うSVは、業界のトレンドや市場の最新情報を収集し、自社の現状を把握することが必須です。正確な現状把握ができて初めて、自社に適した目標設定が可能となります。また、コールセンター業務の全貌を理解して、顧客満足度の向上へ向けて業務改善を図ることも重要です。

目標の設定

SVはコールセンターの目標管理も担います。自社の現状や課題を受けて、達成可能な目標を設定し、スタッフに共有します。目標管理では評価指標を用いて、進捗を数字で管理するのが一般的です。コールセンターのKPIの代表例として、応答率・稼働率・平均処理時間(AHT)・平均後処理時間(ACW)などが挙げられます。

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コールセンターのマネジメントに必要なスキル

コールセンターのマネジメントを担うSV(スーパーバイザー)には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、マネージャーであるSVに必要なスキルや、オペレーターのスキルとの違いについて解説します。

コミュニケーション能力

コールセンターの仕事は多くの顧客と接するサービス業であるため、基本的にコミュニケーション能力が欠かせません。さらにSVになると、顧客だけでなくコールセンターに所属する多くのオペレーターとも接することになります。一人ひとりのオペレーターとの信頼関係を築くとともに、オペレーター同士の人間関係を良好に保つことで、マネージャーとしての統率力を発揮できると理想的です。また、SVはオペレーターに代わり顧客のクレーム対応を行うこともあるため、顧客に対する高度なコミュニケーション能力も求められます。

管理能力

SVはオペレーターの勤怠管理やシフト管理などの業務をこなすために、人材管理能力が必要です。また、コールセンターを分析する際は、自社の現状を数値で的確に把握する力も求められます。数字から課題や適切な目標値などを読み解ける力があると、コールセンターの目標管理で活躍できるでしょう。ほかにも、コールセンター運営で発生し得るリスクを知り、可能な限り低減させるリスク管理能力があることも大切です。

課題発見力

SVには、現状のコールセンターの課題を速やかに発見して、原因を見極める課題発見力が必要とされます。課題を発見するためにオペレーターへのヒアリングを行ったり、顧客へのアンケートを実施したりして、冷静に分析できる人が適しています。また、その後は早めに改善を図り、対策を講じることも重要です。このようにSVがコールセンターの課題を早期に発見して対処できると、顧客からのクレームの予防にもつながります。

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判断力

SVは顧客対応中のオペレーターに素早く指示出しをするために、判断力の高さが求められます。マネージャーとして、クレーム対応などの重要な場面でオペレーターに指示を出すケースも少なくありません。コールセンターのマニュアルには記載されていない事態に陥った際も、臨機応変に対応できる能力が必要です。場合によっては、SVが状況を判断し、オペレーターに代わって最前線で顧客に対応することもあります。

コールセンターのマネジメント業務を円滑に行うためのポイント

SV(スーパーバイザー)のマネジメント業務ではやるべきことが多いため、業務効率を高めて担当者の負担を軽減すると良いでしょう。マネジメント業務を円滑に行うために、以下の3つのポイントを参考にしてみてください。

継続的な研修の実施

コールセンターで定期的に研修を実施すると、オペレーターが最新の知識を身に付けることができ、電話応対のスキル向上につながります。サービス品質を管理するマネージャーの負担を軽減しやすくなるでしょう。その際は、スタッフの能力に応じた研修を行うことが大切です。新人オペレーターに限らず、ベテランであるSV自身にもハイレベルな研修の機会を提供することで、コールセンターのパフォーマンスをさらに向上できます。

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運用システムの導入

コールセンター業務を支援するITシステムを活用すると、業務効率が高まりSVの負担を軽減できます。また、システム上で通話時間をはじめとする自社の顧客対応のデータを分析できるようになれば、業務改善に役立てられるでしょう。コールセンター向けのITシステムの例として、「コールセンターシステム(CTI)」や「顧客管理システム(CRM)」などが挙げられます。導入の際は、さまざまなツールの機能を比較しながら、自社のコールセンターに適した商品を選定しましょう。

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PDCAサイクルの継続

コールセンターの顧客満足度を向上させるために、社内ではPDCAサイクルを回して、改善を繰り返す仕組みを取り入れましょう。業務改善へ向けた取り組みでは、現状の顧客満足度を数値化するサービスを導入するのがおすすめです。数値で定量的に分析することで、マネージャーが施策の効果を測定しやすくなります。

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たとえば電話放送局(DHK)のサービス「CR調査IVR」を活用すれば、IVR(自動音声応答システム)が自動で顧客へのアンケート調査を実施します。オペレーターを介さずに、顧客満足度を定量的に把握できるようになるのが魅力です。調査はオペレーターによる電話対応の直後に実施され、顧客にプッシュボタンを押してもらうだけで完了します。機械による調査のためユーザーが本音で回答しやすく、鮮度の高いフィードバックを得られます。コールセンターのマネジメントに役立つサービスをお探しの責任者様は、ぜひお問い合わせください。

便利なコールセンター専用サービスでマネジメント業務をサポートしよう

コールセンターのマネジメント業務の重要性や、マネージャーであるSV(スーパーバイザー)の役割とスキル、マネジメント業務を円滑に行うポイントまでお伝えしました。SVの役割は多岐にわたります。SV自身に研修の機会を提供したり、業務を支援するITシステムやコールセンター専用サービスを導入したりすることもご検討ください。DHKの「CR調査IVR」を活用すれば、コールセンターのマネジメントに役立つ顧客満足度調査を自動で実施できます。サービス品質向上のために、ぜひマネジメント業務でお役立てください。

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