2022/12/06

コールセンター業務で最終的な目標を達成するには、そのプロセスでどのような数値を指標とするべきでしょうか。ここでは、コールセンターにおいて重要な13のKPIを、ジャンルごとに一覧形式でお伝えします。自社のデータをチェックして、現状を分析してみましょう。また、最後にはこれらのKPIの改善に役立つサービスもご紹介します。コールセンター運営のご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

KPIとは

コールセンターの応対品質に関するKPI一覧

 ・応答率

 ・放棄率(放棄呼率)

 ・サービスレベル(SL)

 ・平均応答速度(ASA)

コールセンターの顧客満足度に関するKPI一覧

 ・顧客満足度(CS)

 ・顧客推奨度(NPS®※)

コールセンターの効率性に関するKPI一覧

 ・稼働率

 ・平均処理時間(AHT)

 ・平均通話時間(ATT)

 ・平均後処理時間(ACW)

 ・コスト・パー・コール(CPC)

コールセンターのマネジメントに関するKPI一覧

 ・欠勤率

 ・離職率

コールセンターの改善施策には「あふれ呼IVR」がおすすめ

KPIとは

そもそも、ビジネス用語の「KPI」にはどのような意味があるのでしょうか。また、ビジネスシーンでどのように役立てられるのでしょうか。初めに、KPIの基礎知識を解説します。

KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉です。日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれています。ビジネスで最終目標(KGI)を達成するには、その過程で目標達成の度合いを評価したり、方向性を確認したりする必要があります。そのために用いられるのがKPIと呼ばれる指標です。KPIを設定すると、最終目標までの進捗状況が可視化され、改善へ向けて取り組みやすくなります。

KPIの目標設定では、「SMART」を意識するのがポイントです。Sは「Specific」の略で、具体的であること。Mは「Measurable」の略で、測定可能であること。測定した結果は定期的に分析し、改善へ取り組みましょう。Aは「Achievable」の略で、達成可能であること。達成の見込みがあり、かつ現状よりもチャレンジできる目標が理想的です。Rは「Related」の略で、最終目標と関連があること。最後のTは「Time-bounded」で、期限を定めること。上記を参考にKPIを設定しましょう。

コールセンターの応対品質に関するKPI一覧

コールセンターのKPIのなかでも、応対品質に関する指標をご紹介します。サービス品質の向上へ向けて、以下のKPIをチェックしてみてください。

管理者の主観による評価ではオペレータの納得度が低い

社内評価より顧客評価を重視

応答率

応答率とは、着信に対してオペレーターが対応した割合のことです。「対応件数÷着信件数 」の計算式で求められます。着信件数が1,000件、対応件数が750件であれば、応答率は75%です。応答率の低さは、着信件数に対してオペレーターの人数が足りていない状況を意味します。ただし、一時的に着信件数が増えたり、スタッフ1人あたりの対応件数が減ったりした場合も、応答率が下がります。

●放棄率(放棄呼率)

放棄呼とは、オペレーターが対応する前に切れたコールを指し、「アバンダンコール」とも呼ばれます。放棄呼率は、着信に対する放棄呼の割合のことです。「放棄呼数÷着信件数」の計算式で求められます。着信件数が1,000件、放棄呼数が80件の場合、放棄呼率は8%です。

サービスレベル(SL)

コールセンター業界におけるサービスレベル(SL)とは、設定時間内にオペレーターが対応した割合のことです。「設定時間内の対応件数÷着信件数」の計算式で求められます。着信件数が1,000件、設定時間が20秒、設定時間内の対応件数が800件の場合、着信から20秒以内のSLは80%です。

平均応答速度(ASA)

平均応答速度(ASA)は、着信から応答までにかかる時間の平均です。ASAが短いほど、顧客を待たせる時間が少ないといえます。「応答までの時間の合計÷着信件数」の計算式で求められます。着信件数が1,000件、応答までの時間の合計が20,000秒の場合、ASAは20秒です。

コールセンターの顧客満足度に関するKPI一覧

コールセンターを利用する顧客は、自社のサービスにどの程度満足しているのでしょうか。ここでは、顧客満足度の指標となるKPIをご紹介します。

コールセンターの応対品質は企業イメージを左右する

顧客満足度(CS)

顧客満足度(CS)とは、企業が提供する商品やサービスに対して、顧客がどのくらい満足を感じているかを表す指標です。「Customer Satisfaction」の頭文字を取って「CS」と呼ぶこともあります。顧客満足度を算出するには、顧客へアンケート調査を実施して計測するのが一般的です。顧客満足度が高いサービスほど、リピーターを獲得しやすくなります。

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顧客推奨度(NPS®※)

顧客推奨度(NPS®)は、顧客ロイヤルティを測る指標です。「Net Promoter Score」の頭文字を取って「NPS®」と呼ぶこともあります。顧客ロイヤルティとは、企業やブランドに対する顧客の信頼度や愛着度です。算出するには、顧客へアンケート調査を実施する必要があります。その際は、0~10の数値で回答してもらい、顧客を「推奨者(9、10)」「中立者(7、8)」「批判者(0~6)」に分類します。全体における推奨者  の割合から批判者の割合を差し引いた数値が顧客推奨度です。

※「NPS®」は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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コールセンターの効率性に関するKPI一覧

コールセンター業務が効率的に行われているか、以下の指標で確認してみましょう。分析によって業務効率化の効果を把握できるKPIをご紹介します。

稼働率

稼働率は、オペレーターの労働時間のうち、顧客の対応にかけた時間の割合を示す指標です。「(応対時間 +保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間」の計算式で求められます。離席時間は労働時間から除いて計算しましょう。たとえば、応対時間50時間、保留時間10時間、後処理時間20時間、待機時間10時間、労働時間125時間、離席時間5時間の場合、稼働率は75%です。稼働率が高いほど、オペレーターは効率的に対応しています。ただし、稼働率が100%に近くなるほど、オペレーターが休む暇なく電話対応を行っていると考えられるため、業務負担に注意が必要です。

平均処理時間(AHT)

平均処理時間(AHT)は、通話や後処理など、顧客の対応にかけた時間の平均です。「平均通話時間(ATT)+平均処理時間(ACW)」の計算式で求められます。ATTが5分、ACWが5分の場合、AHTは10分です。ATTとACWについて、詳しくは後述いたします。

平均通話時間(ATT)

平均通話時間(ATT)は、顧客との通話にかけた時間の平均です。「通話時間の合計÷総コール数(対応件数) 」の計算式で求められます。総コール数が1,000件、通話時間の合計が300,000秒の場合、ATTは300秒(5分)です。案件の内容や顧客ごとに差が出やすい部分といえます。

平均後処理時間(ACW)

平均後処理時間(ACW)は、顧客との通話後の後処理にかけた時間の平均です。「後処理時間の合計÷対応件数 」の計算式で求められます。対応件数が1,000件、後処理時間の合計が300,000秒の場合、ACWは300秒(5分)です。業務効率化によって削減が期待できる部分です。

コスト・パー・コール(CPC)

コスト・パー・コール(CPC)は、1件あたりの電話対応にかかるコストです。「コールセンターの総コスト÷処理件数(対応件数) 」の計算式で求められます。総コストには、オペレーターの人件費や設備費などが含まれます。処理件数が1,000件、コールセンターの総コストが1,500,000円の場合、CPCは1,500円です。

コールセンターのマネジメントに関するKPI一覧

コールセンターの機能を維持するには、働き手であるオペレーターにとって快適な職場であることが大切です。最後に、マネジメント分野で課題となりやすいKPIをご紹介します。

欠勤率

欠勤率は、オペレーターの予定勤務日数に対して、欠勤した日数の割合を指します。「欠勤日数÷予定勤務日数」の計算式で求められます。予定勤務日数が20日、欠勤日数が2日の場合、欠勤率は10%です。欠勤率が悪化する原因には、身体的・心理的な要因があると考えられます。身体的要因の例として挙げられるのは、職場環境の悪さや、長時間労働の蔓延などです。心理的要因としては、人間関係や業務に対するストレスが挙げられます。欠勤率が高いとほかのオペレーターの業務負担が増加し、離職率の増加につながるおそれがあるため、注意したい数値です。

離職率

離職率は、一定期間内に離職したオペレーターの割合を指します。「離職者数÷労働者数」の計算式で求められます。労働者数は、離職率を測定する期間に応じて調整しましょう。たとえば、月ごとの離職率を調べるのであれば、月初の労働者数で計算します。前月1日時点の労働者数が100人、離職者数が5人の場合、その月の離職率は5%です。コールセンター業界は人手不足の傾向にあり、多くの企業が人材の確保に課題を抱えています。オペレーターが定着しやすく、離職率の低い職場環境を実現できると理想的です。

コールセンターの改善施策には「あふれ呼IVR」がおすすめ

ここまで、コールセンター業務の改善に役立つKPIをご紹介しました。コールセンターのサービス品質を高めるには、「応答率」や「放棄呼率」などの指標に着目することが大切です。顧客満足度にも影響を与える数値であり、業務効率化によって改善できる可能性があります。

コールセンター業界では、オペレーターが対応できなかったコールが「あふれ呼」と呼ばれ、多くの企業で課題となっています。あふれ呼の主な原因は、オペレーターの人数不足や、回線数不足などです。電話がつながらないとサービス品質の低下を招き、さらには機会損失が発生してしまいます。お客様のストレス軽減を実現するために、コールセンターのリソースを有効活用し、対策へ取り組みましょう。

人手不足の傾向にあるコールセンター業界において、人員補充による業務改善はハードルが高いといえます。そこで注目されているのが、自動音声応答サービスです。電話放送局の「あふれ呼IVR」は、オーバーフローした入電を自動転送し、コールバック情報をオペレーターに報告します。その後は、ユーザーの受付データを元にオペレーターがコールバック。大切なコールの取りこぼしを防ぎます。

電話放送局の「あふれ呼IVR」は、応答率や放棄呼率といったKPIの改善に役立つサービスです。瞬間的に発生する大量のコールを自動的に受付し、オペレーターの業務負担を均等にします。コールセンターの業務改善方法をお探しのご担当者様は、ぜひ「あふれ呼IVR」をご検討ください。

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