2024/05/09

コールセンターは企業にとって取引先や顧客との最初の接点となります。お客様に好ましい第一印象を与えるためにも、オペレーターはビジネスシーンにふさわしい適切な対応を行わなければなりません。そこで重要となるのが、電話対応マニュアルを作成することです。

この記事では、電話対応マニュアルの作り方を解説します。マニュアルの重要性や記載すべき内容、作成手順などをご説明するため、ぜひマニュアル作成の参考にしてください。

目次

電話対応マニュアルの重要性

 ・電話対応マニュアルとは

 ・コールセンターにおけるマニュアルの重要性

電話対応マニュアルに記載すべき内容

 ・電話対応の心構え

 ・電話対応においての基本的なフレーズ

 ・商品・サービスの情報

 ・ビジネスマナー

 ・間違えやすい敬語

 ・電話対応でのNG行為

 ・システムの利用方法

 ・トークスクリプト

電話対応マニュアルを作成する手順

 ・STEP1:業務内容の整理

 ・STEP2:トークスクリプトの作成

 ・STEP3:マニュアルの運用と改善

電話対応マニュアルを作成するポイント

 ・現場での使いやすさを重視する

 ・イレギュラー対応に関しても触れる

電話対応マニュアルは対応力の向上と平準化に不可欠

電話対応マニュアルの重要性

コールセンターの電話対応マニュアルは、電話口で接客する際の基本的なルールを定めたものであり、オペレーターの対応の指針となります。サービス品質を安定させるためにも、まずは電話対応マニュアル基礎知識や重要性を確認しておきましょう。

電話対応マニュアルとは

コールセンターの電話対応マニュアルとは、オペレーターが身につけるべき基本的な電話応対のスキルをまとめたものです。電話対応では顧客から多種多様な問い合わせが寄せられ、なかにはクレームのように注意すべきケースも存在します。電話の緊急性や重要性に応じて、臨機応変に適切な対応を取らなければなりません。

このように状況に応じて適切に対応し、安定した品質のサービスを提供するためには、電話対応マニュアルが不可欠です。マニュアルに記載されている電話の受け方・取り次ぎ方・受け答えでの言葉遣い・話し方・心構えなどをスタッフ全員で共有し、応対方法を統一することで、担当者ごとのサービス品質に大きな差が生じにくくなります。また、マニュアルでは事前にトラブル時の対応方法を示すこともできるため、予期せぬ事態でもオペレーターの落ち着いた対応をフォローできます。

コールセンターにおけるマニュアルの重要性

サービス品質の高いコールセンターを構築するには、電話対応マニュアルを整備する必要があります。マニュアルの導入によりオペレーターの応対レベルが向上すると、顧客満足度の向上が期待できます。顧客からの信頼を得やすくなり、ビジネスチャンスを増やせるでしょう。

また、マニュアルにはオペレーターのスキルを平準化する役割もあります。社内でルールを統一しなければ、仕事の進め方が個人の判断に任されることになり、応対品質にばらつきが出るおそれがあるでしょう。こうしたばらつきによってクレームが発生し、トラブルに発展するリスクもあります。リスクマネジメントの観点からも、電話対応マニュアルを作成して、新人からベテランまでスタッフ全員のレベルを一定にすることが重要だと考えられています。

マニュアルの分かりやすさが新人の離職率や着台までの期間に影響する

電話対応マニュアルに記載すべき内容

実際に電話対応マニュアルを作成するときには、どんな内容を盛り込めばいいのでしょうか。電話対応マニュアルに掲載すべき内容について解説します。

電話対応の心構え

電話対応を担うオペレーターには、企業の代表者として顧客や取引先とコミュニケーションを取る重要な役割があります。自身の電話対応が企業イメージに大きな影響を与えることを意識しなければなりません。こうした電話対応業務の心構えを盛り込みます。

電話対応においての基本的なフレーズ

電話対応でよく使う頻出のフレーズをまとめて掲載します。

【よく使うフレーズの例】
・電話を受ける際の第一声
「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます」

・電話をかける際の第一声
「お世話になっております。○○株式会社の△△でございます」

・相手の声が聞こえない場合のフレーズ
「おそれいります。少しお電話が遠いようですので、もう一度お願いいたします」

商品・サービスの情報

自社が提供する商品やサービスの内容について正しい情報を記載します。商品の特長、保証の有無や保証期間の長さ、サービスサポートの有無や内容などを、顧客が理解しやすいように説明しましょう。

ビジネスマナー

電話口では音声のみの対応となるため、言葉遣いに気をつけなければなりません。尊敬語や謙譲語など敬語の種類や使い方、本題に入る前に添えて思い遣りや気遣いを示すクッション言葉などコールセンターのオペレーターにふさわしい言葉遣いを盛り込みましょう。

間違えやすい敬語

一見すると敬語のように見えて、実は誤っている言葉遣いがあります。コールセンターでは以下の誤った敬語を使うのは避けて、正しい敬語で対応する必要があります。マニュアルでは間違えやすい言葉遣いを例示しておきましょう。

誤った敬語 正しい敬語
了解しました かしこまりました
すみません 申し訳ございません
こちらは〇〇になります こちらは〇〇です
〇〇の方はいかがでしょうか 〇〇はいかがでしょうか
こちらは〇〇になります こちらは〇〇です
こちらは〇〇になります こちらは〇〇です
こちらは〇〇になります こちらは〇〇です
こちらは〇〇になります こちらは〇〇です

電話対応でのNG行為

ビジネスシーンの電話対応で「もしもし」を使うのはNGとされています。また、電話を受ける際は顧客を3コール以上お待たせしないよう注意が必要です。このほかにも、顧客の話を遮らない、曖昧な返事をしないといったNG行為についてまとめておくと良いでしょう。

システムの利用方法

コールセンターのシステムは、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして利用する「オンプレミス型」と、インターネット経由でシステムを利用する「クラウド型」の2種類があります。オペレーターはシステムの利用方法を理解して、接客中の操作ミスがないようにしましょう。

トークスクリプト

トークスクリプトは、電話対応時の受け答えをまとめた台本のようなものです。評価が高いオペレーターの対応をロールモデルとして紹介することもあります。

電話対応マニュアルを作成する手順

電話対応マニュアルは、以下の手順で作成しましょう。マニュアルの作り方を3つのステップでご紹介します。

STEP1:業務内容の整理

まずは業務内容を整理しましょう。コールセンター業務の全体像を把握し、マニュアルに記載すべき事項を整理していきます。

その際は、業務の大まかな流れをフローチャートにしてまとめておくと、オペレーターが理解しやすくなるでしょう。フローチャートとは、業務の流れやシステムの操作方法など、一連の流れを図式化したものです。フローごとに内容を枠で囲み、順番に沿って矢印で繋げていきます。たとえば、問い合わせ対応のフローチャートは以下のようになります。

電話に出る→相手の名前を確認する→用件をヒアリングする→問題を把握する→問題へ対処する→問題解決→電話を切る

このようにフローチャートを活用して整理すると、オペレーターが電話を受けてから電話を切るまでのイメージを掴みやすくなるでしょう。

なお、問題へ対処する際は、顧客に「YES」か「NO」だけで回答できる質問を行うのが有効です。「変わった点はありませんか?」と聞くのではなく、「画面上にエラーメッセージが表示されていますか?」などと具体的な内容を提示して、はい・いいえで答えてもらうとスムーズです。

STEP2:トークスクリプトの作成

次にトークスクリプトを作成します。定型的な電話対応のやりとりをシーン別にマニュアルに記載しておくと、トークの流れを理解しやすくなります。特にインバウンドのコールセンターでは、顧客からの問い合わせや申し込みを承り、正確に対応しなければなりません。想定される質問のパターンを挙げて、パターンごとに回答例を決めておきましょう。

トークスクリプトの作成方法は以下の通りです。

1.想定される質問と回答例を作成する
顧客が電話で質問してくる内容を想定し、その質問に対して的確な回答の例を用意します。何パターンかに分けて作成するとよいでしょう。

2.顧客の状況別にスクリプトを作成する
顧客の状況に応じてトークスクリプトを作成します。たとえば「商品に初期不良があるケース」「商品が顧客の過失により故障したケース」といった形で、状況別の対応を検討しましょう。

3.運用中もアップデートを欠かさない
トークスクリプトを運用している最中も、定期的に見直しを行いましょう。新たに必要な情報があれば、随時追加してマニュアルを更新します。

STEP3:マニュアルの運用と改善

業務内容とトークスクリプトを盛り込んでマニュアルを完成させます。ただし、その後もマニュアルの運用と改善が不可欠です。

マニュアルの運用で大切なポイントは以下の3つです。

①オペレーターにヒアリングを行う
②マニュアルの管理担当者を決める
③定期的にメンテナンスを実施する

複数人のオペレーターにヒアリングを実施すると、マニュアルに不足している情報が明確になります。実際の使用者の意見を取り入れましょう。また、マニュアルの管理担当者を決めておくことで、作成後のマニュアルが放置されてしまう事態を防げます。業務スキルの高い担当者を任命すると良いでしょう。さらには、定期的にマニュアルのメンテナンスを行うことが大切です。一定のタイミングで見直しを行うことで、効率的な管理を実現できます。

現場でマニュアルを活用する際は、マニュアルの内容を忠実に守ることにこだわり過ぎず、状況に応じて臨機応変に対応できると理想的です。

電話対応マニュアルを作成するポイント

電話対応マニュアルは、オペレーターが現場で使いやすい仕様でなければ意味がありません。最後に、使いやすい電話対応マニュアルを作成するポイントについて解説します。

マニュアルの使い勝手が良ければ教育する期間を短くできる

現場での使いやすさを重視する

電話対応マニュアルを作成する目的は、オペレーターがスムーズに業務を遂行できる状態を整えることです。そのためには、書面の見やすさや使いやすさが重要となります。

たとえば、本文の文章量が多すぎると、仕事中に必要な情報を見つける手間がかかったり、内容を理解するのに時間がかかったりするおそれがあります。そのため、フローチャートなどの図を増やして、一目で視認しやすいレイアウトやデザインを採用するのがおすすめです。スペースに余裕を持たせて、文章や図が読みやすい配置となるよう工夫すると良いでしょう。

また、オペレーターが情報を速やかに探せるよう、必要最低限の情報を文章にまとめて、簡潔に記載することも大切です。項目ごとに適切な見出しをつけて、情報を効率的に見つけられるようにしましょう。マニュアルを使用するオペレーターの目線に立って作成するのがポイントです。

イレギュラー対応に関しても触れる

コールセンターには、クレームや特殊な用件などのさまざまな電話が寄せられ、場合によってはオペレーターに高度な対応力が求められます。時には顧客が感情的になったり、無理な要求をされたりするケースもあるでしょう。こうしたイレギュラーな状況下では、必ずしもマニュアル通りに対応できるとは限りません。そのため、マニュアルで学べるのはあくまでも電話対応の基礎であり、例外的な場面が存在することをオペレーターに周知しておきましょう。

イレギュラー対応に関して説明するために、過去の実例に基づいてマニュアルに情報を反映させることも可能です。ただし、実際のイレギュラー対応ではまったく同様の場面に遭遇するケースは考えにくいため、オペレーターは多数の事例の経験を積み重ねながら、最善の対応方法を検討することになります。マニュアルのみに頼らず、イレギュラーな場面を想定した実習などのトレーニングを実施するのもおすすめです。

電話対応マニュアルは対応力の向上と平準化に不可欠

コールセンターにおける電話対応マニュアルは、オペレーターの対応力を向上させるために欠かせない大切な資料です。マニュアルを整備することでオペレーターのスキルの平準化を図れます。顧客へ最善の対応ができるように、必要な内容を網羅したマニュアルを作成しましょう。

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