2022/01/11

コールセンターは会社にとって、取引先や顧客との最初の窓口です。何ごとも第一印象が大切だといわれますが、まさにコールセンターでの対応が会社への印象を左右することがあります。顧客に対して適切な対応を取る必要があるため、コールセンターにおける電話対応のマニュアルの作成は基本です。

この記事では電話対応マニュアルの作成の仕方について解説します。マニュアルに掲載すべき内容や作成の手順について説明しているので、電話対応マニュアルを作成する際の参考にしてください。

目次

電話対応マニュアルの重要性と掲載すべき内容

 ・電話対応マニュアルとは

 ・コールセンターにおけるマニュアルの重要性

 ・電話対応マニュアルに掲載すべき内容

電話対応マニュアルを作成する手順

 ・STEP1:業務内容の整理

 ・STEP2:トークスクリプトの作成

 ・STEP3:マニュアルの運用と改善

電話対応マニュアルを作成するポイント

 ・現場での使いやすさを重視する

 ・イレギュラー対応に関しても触れる

電話対応マニュアルは対応力の向上と平準化に不可欠

電話対応マニュアルの重要性と掲載すべき内容

コールセンターの電話対応マニュアルは、電話で接客業務にあたる際の決まり事を定めたものであり、オペレーターの対応の指針です。社内で安定した業務を行うためにも、まずは電話対応マニュアルの重要性と掲載すべき内容について確認しておきましょう。

電話対応マニュアルとは

コールセンターの電話対応マニュアルとは、オペレーターが身につけるべき基本的な電話応対をまとめたものになります。コールセンターの業務は顧客からかかってきた電話に対応するだけだといっても、顧客からの質問やクレームは人によって異なり、緊急性や重要性もさまざまです。いつも同じ答えの繰り返しというわけにはいかず、クレームや問い合わせの内容に合わせて適切な対応をとらなければいけません。

状況に応じた適切な対応や安定した品質のサービスを提供でするためには、電話応対マニュアルが重要になります。マニュアルに記載されている電話の受け方、取り次ぎ方、受け答えでの言葉遣い、話し方、心構えなどをスタッフ全員で共有し、オペレーターの電話対応を統一することで、担当者ごとのサービス品質に大きな差が生じにくくなるためです。トラブル時の対応をあらかじめ決めていることも多く、予期せぬ事態にも落ち着いて対応できるようにしてあります。

コールセンターにおけるマニュアルの重要性

質の高いコールセンターを構築するには、適切な電話応対のマニュアルの作成は欠かせません。マニュアルの導入によりオペレーターの対応の質が向上すると、顧客満足度の向上も期待できます。また、顧客からの信頼を得やすくなり、ビジネスチャンスも増えるでしょう。

マニュアルにはオペレーターのスキルの平準化という役割もあります。人はそれぞれ異なる性格や感受性、経験を持っているので、ルールが決められていなければ顧客対応にもばらつきが出てしまうでしょう。対応の質にばらつきがあると、クレームからトラブルに発展するリスクも高まります。トラブル予防やリスクマネジメントの観点からも、マニュアルを作成して新人からベテランまでスタッフ全員のレベルを一定にすることは重要です。

マニュアルの分かりやすさが新人の離職率や着台までの期間に影響する

電話対応マニュアルに掲載すべき内容

実際に電話対応マニュアルを作成するときには、どんな内容を盛り込めばいいのでしょうか。電話対応マニュアルに掲載すべき内容について解説します。

・商品・サービスの情報
自社が提供する商品やサービスの内容について正しい情報を記載します。商品の特長、保証の有無や保証期間の長さ、サービスサポートの有無や内容などを、顧客が理解しやすいように説明しましょう。

・ビジネスマナー
顧客に対応する際の言葉使いや口調などビジネスマナーも重要です。電話音声のみの対応となるため、言葉遣いには気をつけなければなりません。尊敬語や謙譲語など敬語の種類や使い方、本題に入る前に添えて思い遣りや気遣いを示すクッション言葉などコールセンターのオペレーターにふさわしい言葉遣いを盛り込むとよいでしょう。

・システムの利用方法
コールセンターのシステムには大きく分けて、自社のサーバーにソフトウエアをインストールして使用する「オンプレミス型」と、インターネット上のサーバーにあるソフトウエアを利用する「クラウド型」の2種類があります。使われているシステムの利用方法についてもしっかりと理解しておかなければ、操作ミスで顧客に不快な思いをさせてしまいます。

・トークスクリプト 
トークスクリプトは、電話対応時の受け答えをまとめた「台本」のようなものです。評価の高いオペレーターの応接などをロールモデルとして紹介することもあります。

電話対応マニュアルを作成する手順

使いやすい電話対応マニュアルを作成するには、正しい手順で進めていくことが必要です。適切なマニュアルを作成するための手順について解説します。


STEP1:業務内容の整理

いきなりマニュアルの作成にとりかかるのではなく、まずは業務内容を整理しましょう。コールセンター業務の全体像を把握し、マニュアルに記載すべき事項を整理していきます。

マニュアルに記載する際には文章だけでなく、業務の大まかな流れをフローチャートにしてまとめておくとオペレーターが見やすいでしょう。

フローチャートとは、業務やシステムの操作の手順など一連の流れを図式化したものです。通常は業務や操作の内容を枠で囲み、順番に矢印でつなげていきます。オペレーターが、電話を受けてから終えるまでのイメージをつかむのに役立ちます。

たとえば、問い合わせ対応でのフローチャートの例は次の通りです。

電話に出る→相手の名前を確認する→用件をヒアリングする→問題を把握する→問題へ対処する→問題の解決→電話を切る

問題に対処する際は、顧客にYESかNOだけで回答できる質問を行うのが有効です。「変わった点はありませんか」と聞くのではなく、「画面上にエラーメッセージが表示されていますか?」 などと具体的な内容を提示し、YESかNOのいずれかだけを答えてもらう手法です。

STEP2:トークスクリプトの作成

業務内容を整理できたら、次にトークスクリプトを作成します。シーン別に定型的な電話対応のやりとりをマニュアルに記載すれば、適切なトークの流れを理解しやすくなります。

インバウンドのコールセンターでは、顧客からの問い合わせや申し込みに対して正確に対応しなければなりません。それには考えられるパターンを選び出し、対応内容を決めておくようにします。

トークスクリプトの作成方法は以下の通りです。

1.想定される質問と回答例を作成する
顧客が電話で質問してくる内容を想定し、その質問に対して的確な回答の例を用意します。何パターンかに分けて作成するとよいでしょう。

2.顧客の状況別にスクリプトを作成する
顧客の状況で考えられるパターンに対する対応の内容をトークスクリプトとして作成します。

3. 運用中もアップデートを欠かさない
今までのスクリプトにはない対応の仕方が判明した場合は随時更新していきます。


STEP3:マニュアルの運用と改善

業務内容とトークスクリプトを盛り込めば、マニュアルは完成しますが、それで終わりではありません。マニュアルの運用方法と、その改善も重要です。

マニュアルを運用するのに大切なポイントは以下の3つです。

1.    使用者にヒアリングをする
2.    管理担当者を決める
3.    定期的にメンテナンスを実施する

複数の使用者にヒアリングをすると、マニュアルの不備な点が明らかになります。実際に使用する人の意見を取り入れて役に立つマニュアルに仕上げます。担当者を決めることにより、マニュアルの「放置化」を防ぐことが可能です。マニュアルに記載されている業務についてスキルが高い人に任せましょう。

マニュアルのメンテナンスを定期的に行うのも必要です。実施するタイミングを一定化しておきます。変更があるたびに行うより効率が良く管理ができます。

なお、運用については、マニュアルを忠実に守るだけでなく、臨機応変にアレンジすることも大切です。

電話対応マニュアルを作成するポイント

電話対応マニュアルは、オペレーターが現場で使いやすい仕様でなければ意味がありません。使いやすい電話対応マニュアルにするためのポイントについて解説します。

マニュアルの使い勝手が良ければ教育する期間を短くできる

現場での使いやすさを重視する

マニュアルを作成する本来の目的は、オペレーターがスムーズに業務を行えるようにすることです。そのためには、使いやすさや見やすさも重要で、文章が多すぎると、見たいところをすぐに見つけられず理解するのに時間がかかります。

フローチャートなどの図を増やし、一目で確認しやすいレイアウトやデザインにすると、利用するオペレーターの負担になりません。重要な部分は強調する、スペースに余裕をもたせて文章や図を配置するなどの工夫をこらしましょう。

オペレーターが必要な情報をすぐに確認できるよう、文章部分は必要最低限の内容を簡潔に記載することも大切です。項目ごとに適切な見出しをつけ、必要な部分をすぐに見つけられるようにするとよいでしょう。使う人の側に立って作成することがポイントです。

イレギュラー対応に関しても触れる

コールセンターに寄せられる電話の内容はクレームや得意先からの問いあわせなどさまざまです。ときには、感情的になっている顧客や無理な要求をしてくる顧客もいるので、決められたマニュアル通りに対応できるとは限りません。

通常のマニュアル対応では対処できない場面もあることをオペレーターには周知しておくことが大切です。イレギュラーなケースでは、オペレーターの対応力が求められます。

対応策としては、実例をもとにイレギュラーなケースもマニュアルに反映させることも考えられます。しかし、同じ場面に遭遇することはあまりないため、事例を積み重ねて、常に最善の対応方法を探っていく努力が大切です。

マニュアルだけに頼らず、イレギュラーな場面を想定した実習を含めてトレーニングを行うことも必要でしょう。

電話対応マニュアルは対応力の向上と平準化に不可欠

コールセンターにおける電話対応マニュアルは、オペレーターの顧客への対応力を上げるために欠かせない大切なツールです。マニュアルを用意することで、オペレーターのスキルの平準化も図れます。したがって、マニュアルは顧客に最善の対応ができるよう、適切な内容を盛り込む必要があります。

業務のマニュアル化には、業務内容をシンプルに整理することも大切です。電話放送局が提供するサービス「自動受付IVR」を使えば、定型化された業務をIVRで自動処理することができるようになり、業務の整理に役立ちます。また、定型化が難しい非定型の業務に人員を割けるようにもなります。低コストで導入可能な自動音声応答サービス「自動受付IVR」を活用して、コールセンターの対応力向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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