2022/12/06

コンタクトセンターとコールセンターは、どちらも顧客や見込み客の重要な「顧客接点」ですがその役割は異なります。それぞれの部署が担う目標を達成するためには、現場の管理者やスタッフがしっかりと違いを理解して、正しい運営体制や必要なシステムなどの構築が欠かせません。

そこで今回は、コンタクトセンターとコールセンターの違いについて解説します。業務改善に欠かせない情報ばかりなので、ぜひ確認してみましょう。

目次

コンタクトセンターとは?

 ・複数のツールを駆使して顧客対応を行う部署

 ・コンタクトセンターとコールセンターの違い

コンタクトセンターの需要が高まっている理由

 ・顧客との連絡手段の多様化

 ・顧客体験の重要性が高まっている

コンタクトセンターの構築に必要なシステム

 ・CRM(Customer Relationship Management)

 ・PBX(Private Branch eXchange)

 ・CTI(Computer Telephony Integration)

 ・IVR(Interactive Voice Response)

 ・ACD(Automatic Call Distribution)

 ・通話録音システム

 ・チャットボット

 ・SMS送信サービス

自社の課題と環境に適したシステムを導入しましょう

コンタクトセンターとは?

コンタクトセンターとは、インターネットやスマートフォンの普及で変化した消費者行動や問い合わせ方法に対応した組織や部署のことです。その詳細と従来主流だったコールセンターとの違いについて解説します。

複数のツールを駆使して顧客対応を行う部署

コンタクトセンターは電話のほか、SNSやメール、チャットなど多様な手段で顧客をサポートするのが目的の部署です。このような複数のツールを使用することを「オムニチャネル」といいます。その代表的なツールを以下でいくつか挙げてみましょう。

・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
・電子メール
・ファクシミリ
・電話
・アプリケーション
・チャット

コンタクトセンターが担うのは、クレームや問い合わせ対応だけではありません。大きな目的は顧客満足度の向上や会社の付加価値の向上であり、購入履歴をもとにしたクロスセル・アップセルの提案や製品、サービスの品質向上につなげるためのマーケティング活動の一環の業務内容が含まれることもあるのです。顧客の意見や反応が集まるコンタクトセンターには、商品改善やサービス向上につながるヒントが隠されていることから、経営における多角的な視点でコンタクトセンターは重要な部署といえるでしょう。

また、コンタクトセンターはオムニチャネルで顧客対応を行う部署の名称の一種であり、企業によって以下のような呼び方をするケースもあります。

・オペレーションセンター
・サポートセンター
・カスタマーセンター
・お客様対応窓口

コンタクトセンターとコールセンターの違い

コンタクトセンターとコールセンターの違いは、主にオムニチャネルの対応の可否です。コールセンターは主に電話を使って顧客対応を行う一方、コンタクトセンターは多様なツールを駆使して包括的に対応するのが特徴です。しばしば後述するコールセンターと混同されるケースもあるので、コンタクトセンターを判断する場合は名称だけでなく、行われている業務内容や使用するツールを確認しましょう。

コンタクトセンターの需要が高まっている理由

コンタクトセンターを適切に運用するためには、電話が中心のコールセンターだけではなく、オムニチャネルを活用したコンタクトセンターの導入が活発化している要因と企業の狙いを把握する必要があるでしょう。その代表的な2つの理由を紹介します。

顧客との連絡手段の多様化

従来、BtoB、BtoCなどのビジネス形態を問わず、顧客や見込み顧客との連絡手段の中心は電話でした。しかし、総務省が発表した「令和3年度版情報通信白書」によると2020年時点の国内のインターネット普及率は83.4%で13~54歳までの利用状況は各階層で90%を超えています。また、端末別ではスマートフォンが68.3%、パソコンが50.4%になるなど、インターネットはデバイスとともに広く社会に浸透していることが明らかになっています。

インターネットやスマートフォンの普及にともない、メールやアプリ、SNSなどのインターネットを介した連絡手段も多様化しているため、顧客対応をより充足させるためにはコンタクトセンターを設けてオムニチャネル化を促進する必要性が高まっているというわけです。

※出典:「情報通信白書令和3年版 インターネットの利用状況」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd242120.html

顧客体験の重要性が高まっている

顧客の問い合わせ方法の多様化とともに高まっているのが、顧客体験の向上を図るための施策の必要性です。元々、コールセンターでは顧客や消費者への応対品質の平準化が課題とされることが少なくありませんでした。それがオムニチャネルの導入や連携させることで、顧客により良い体験を提供することが可能になったのです。

例えば、よくある質問をまとめたFAQサイトやチャットボットによって自己解決を図ることで、24時間365日、顧客が抱える質問が解消されやすい環境を構築することができるでしょう。さらにチャットボットによって質問の分類などを事前に行って、電話番号を入力してもらうように導線を設けることで、問い合わせの待ち時間や工数削減につながります。

SNSやポータルサイトの口コミによって、問い合わせ対応が企業イメージに直結しやすい環境になっている昨今、顧客対応においても満足度の向上を図る必要性が高まっているのです。

顧客体験によっては、否定的な口コミがSNSに投稿され企業イメージ悪化に

コンタクトセンターの構築に必要なシステム

オムニチャネル化した連絡手段を取り扱うコンタクトセンターには、業務を円滑に行う為の各種システムが必要です。

CRM(Customer Relationship Management)

CRMは「顧客管理システム」のことで、既存顧客の情報の一元管理を行うためのITシステムです。コンタクトセンターにおいても、電話やメールなどオムニチャネルの顧客の問い合わせ内容などを履歴として残せます。さらに回答テンプレートやトークスクリプトなどをメールや電話応対時に表示する機能を有しているCRMもあり、改善点の抽出だけでなく危機管理対応能力の強化やオペレーターの早期戦力化など、応対品質の向上や業務効率化を図るうえで重要なツールといえるでしょう。

PBX(Private Branch eXchange)

PBXは「電話交換機」もしくは「電話交換システム」と称されます。内線や外線通話の転送が必要なコンタクトセンター・コールセンターには必要不可欠なシステムであり、グルーピングや通話管理機能を搭載している専用のPBXの導入が一般的です。オムニチャネルと連携することも可能で、その際は後述する「CTI」や「IVR」の機能を搭載したPBXが活用されています。

CTI(Computer Telephony Integration)

CTIとは、電話回線とコンピューターのネットワークを統合するシステムのことです。CTIを導入することで、電話やファクシミリでのやりとりなどの情報をコンピューター(サーバー)に記録できるようになります。「音声通話のデジタル化」のためのシステムと理解してください。CTIはポップアップで顧客の情報を表示できるため、個々の応対の品質の向上が図れるほか、PBXと連携することで複数の窓口のやりとりも記録可能になります。さらに顧客管理システムとも連携可能であり、さらに詳しい情報を確認しながら応対することもできます。

IVR(Interactive Voice Response)

IVRは「自動音声システム」という意味で、あらかじめ入力された設定に則って入電を振り分けることで適切な窓口(オペレーター)につなぐ機能を有しています。コールセンターにおいても1990年代から普及しており、近年ではスマートフォンと連携することで音声に代わって画面上でタッチパネルを操作できる「ビジュアルIVR」が登場するなど、端末をまたいだ技術革新が進んでいます。

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電話するだけで、SMSが届き、目的のサイトへ誘導することも

ACD(Automatic Call Distribution)

ACDは「着信呼自動分配装置」といい、顧客からの入電を特定のルールに則ってオペレーターやコミュニケーターに分配するシステムです。顧客満足に影響を与える「AHT(平均処理時間)」の短縮、「たらい回し」の防止のほか、入電の振り分けの最適化を図るために導入されることが多いです。IVRで分類した入電をACDによって、熟練度などを考慮してより適した担当者につなぐことも可能です。

通話録音システム

オペレーターと顧客の会話を記録するためのシステムです。顧客に対するサービス改善やトラブルの防止や早期解決、聞き逃しの防止、クレーマー対策、コンプライアンス管理、人材育成といった多様な目的でデータを用いるために、近年はコールセンターやコンタクトセンターでの導入が一般的になっています。通話録音方法にはモノラルとステレオの2種類があります。

チャットボット

チャットボットは、オペレーターに代わって顧客からの問い合わせに対応するシステムのことです。FAQサイトやサポートページに設けることが一般的で、事前に設定したシナリオに則って顧客と会話しながら自動で適切な回答を提示します。問い合わせ対応の自動化が図れるため、業務効率化やオペレーターの負担軽減の実現につながるほか、24時間365日対応が可能なので顧客満足度の向上にもつながります。

また、最近ではAI(人工知能)を搭載したAIチャットボットも提供されています。AIチャットボットは、顧客とのやりとりを学習して回答することができるのでより自由度の高いやりとりが可能というメリットがあります。

SMS送信サービス

オムニチャネルに対応する際に重要なシステムが、ショートメールを活用する「SMS送信サービス」です。SMS(ショートメッセージサービス)とは、電話番号を宛先にしてiPhoneとAndroidの標準アプリ「メッセージ」から短い文章を送受信できるサービスのことです。普及率が高い携帯電話でやりとりできるため、幅広いユーザーに対応できるのが大きなメリットであり、さらに顧客は自分に都合の良い時間にメッセージを確認して連絡できるので利便性が高いのが特長といえるでしょう。

IVRとSMSと連携させることで、振り分けたURLや電話番号をタップするだけで自動的に適切なオペレーターとつなぐことが可能。さらにリマインドメッセージを送ることでクレームや認識の齟齬の防止にもつながります。また、応対後まもなくオペレーターの満足度調査などを送って回答をCRMで管理することでマーケティングにも活かすことができます。このようにコンタクトセンターが担う幅広い役割に役立つシステムとしてSMS送信サービス が活用されています。

長い自動音声を聞かなくても、目的に応じた内容をタップするだけで、適切な部署へ接続

自社の課題と環境に適したシステムを導入しましょう

コンタクトセンターとコールセンターの違いと用いるシステムについて解説しました。企業の事業内容などによってコンタクトセンターの目的や環境、連絡ツールなどが異なるため、円滑な運用を見据えたシステムの導入は必要不可欠です。アウトバウンド業務の自動化が図れる「オートコールIVR」など、様々なサービスが提供されているので自社の課題とツールの機能が適切にマッチするシステムの導入を検討してください。

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