2026/07/31

コールセンターの稼働率とは?

コールセンターの運営において、オペレーターの配置や業務の効率性に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。とくに、適切な人員配置ができているかを客観的に判断する際に、稼働率という指標が大きな意味を持ちます。この記事では、コールセンターにおける稼働率の定義や、混同されやすい占有率との違いについて詳しく解説します。さらに、適正な数値の目安や、数値を改善するための具体的な方法もお伝えします。最後までお読みいただくと、自社のセンターを安定して運営するためのヒントが得られるはずです。

目次

コールセンターの稼働率とは?

 ・稼働率の定義と意味

 ・占有率との違いについて

 ・応答率との関係性

コールセンター稼働率の正しい計算方法

 ・稼働率を求める計算式

 ・計算時に間違えやすいポイント

コールセンター稼働率の適正な目安

 ・一般的な適正値は80~85%

 ・稼働率が高すぎる場合に起こる問題

 ・稼働率が低すぎる場合に起こる問題

コールセンターの稼働率を適正に保つための改善策

 ・シフトと人員配置の最適化

 ・業務効率化システムの活用

 ・オペレーターのスキル向上と教育

まとめ

コールセンターの稼働率とは?

稼働率と占有率の違い

コールセンターの稼働率とは、オペレーターが勤務している時間のうち、顧客対応に関連する業務に費やした時間の割合を示したものです。この指標を正しく把握することで、センター全体の効率や人員の配置が適切かどうかを判断できるようになります。日々の業務に追われていると、どうしても目の前の電話を取ることに集中してしまいがちです。しかし、長期的に安定した運営を目指すのであれば、稼働率のデータとしっかり向き合うことが重要と言えます。

指標名 概要 具体的な対象時間の例
稼働率 給与が発生している時間に対する顧客対応業務の割合 通話時間、後処理時間、待機時間、保留時間
占有率 実際にシステムにログインしている時間に対する実務の割合 通話時間、保留時間、後処理時間
応答率 顧客からの入電に対して実際にオペレーターが対応できた割合 着信数に対する応答数の比率

上記の表のように、コールセンターの運営においては複数の似たような指標が存在します。それぞれの指標が持つ意味合いを正確に理解しておくことが、現場の課題を見つける第一歩になるはずです。ここからは、稼働率の詳しい定義や他の指標との違いについて深掘りして解説していきます。

稼働率の定義と意味

稼働率は、オペレーターの労働時間の中で、どのくらいの時間が実際の業務に使われているかを示す大切な指標です。顧客対応には、直接お客様と話している時間だけでなく、電話が終わったあとのデータ入力や、次の電話を待っている待機時間も含まれます。
一方で、朝礼や研修、休憩時間などは顧客対応業務には含まれない仕組みになっています。これらの業務以外の時間を差し引いて、本来の役割を果たしている時間がどれくらいあるかを見るのが稼働率の役割と言えるでしょう。この数値を分析することで、無駄な時間が多すぎないか、逆にオペレーターに負担がかかりすぎていないかを客観的に確認できるはずです。

占有率との違いについて

稼働率とよく似た言葉に、占有率というものがあります。これら二つの指標は現場で混同されやすいですが、示している意味合いはまったく異なります。稼働率がシフトの労働時間全体に対する割合であるのに対し、占有率はシステムにログインして実際に電話を待てる状態になっている時間の中での割合を示します。
つまり、占有率の計算には電話を待っている待機時間は含まれません。お客様と会話している通話時間、保留時間、そして電話が終わったあとの後処理時間だけが計算の対象になります。そのため、占有率が高いということは、オペレーターが息をつく暇もなく次々と電話に対応している状態を意味するわけです。

応答率との関係性

稼働率は、顧客からの電話にどれだけ出られたかを示す応答率とも深い関わりを持っています。一般的に、稼働率が適切に保たれていると、電話を受けるための待機時間が確保されるため、応答率も高くなる傾向があります。もし稼働率が低すぎる場合は、電話がかかってこない時間が多いということであり、応答率自体は高くなりますがコストの無駄が発生している状態です。
反対に稼働率が高すぎる状態が続くと、電話を待つ時間がなくなり、お客様をお待たせしてしまうため応答率が下がってしまいます。このように、二つの指標は密接に連動しているため、バランスを見ながら管理していくことが大切です。

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コールセンター稼働率の正しい計算方法

コールセンター稼働率①

自社の数値を正確に把握するためには、正しい計算方法を知っておく必要があります。複雑な数式は必要ありませんが、どの時間を計算に含めるかを間違えると、まったく違う結果が出てしまうため注意が必要です。ここでは、具体的な計算式と、計算する際に気をつけるべきポイントについてお伝えします。

時間の分類 含まれる業務の例 稼働率の計算に含めるか
シフト時間(労働時間) オペレーターが勤務する全体の時間(休憩を除く) 分母として使用する
稼働時間 通話時間、後処理時間、待機時間、保留時間 分子として使用する
非稼働時間 離席時間、朝礼、研修、ミーティング、トイレ休憩など 含まない

計算を始める前に、まずは現場で発生している業務の時間をしっかりと分類しておくことが大切になります。表にあるように、稼働時間と非稼働時間の切り分けを明確にすることが、正確なデータを出すための前提条件と言えるでしょう。それでは、実際の計算手順を見ていきましょう。

稼働率を求める計算式

稼働率を算出するための計算式は、それほど複雑なものではありません。基本的には、顧客対応のために稼働した時間を、給与が発生している労働時間で割って、100をかけることでパーセンテージを出します。
たとえば、労働時間が8時間で、そのうち6時間を電話対応や待機に使っていたとしましょう。この場合、6を8で割って100をかけるため、稼働率は75%という結果になります。とてもシンプルな計算式ですが、分子となる稼働時間には、通話時間だけでなく保留時間や後処理時間、待機時間もすべて足し合わせる必要があります。これを日々計算し、週単位や月単位で平均を出していくことで、センター全体の傾向を把握できるはずです。

計算時に間違えやすいポイント

数値を計算する際に、よく間違えてしまうポイントがいくつかあります。その一つが、待機時間を稼働時間に含め忘れてしまうというミスです。待機時間も次の入電に備えている時間であるため、顧客対応業務の一部として扱います。
また、研修や社内ミーティングの時間をどう扱うかで迷う方も多いのではないでしょうか。これらは直接的な顧客対応ではないため、基本的には非稼働時間として扱い、分子の稼働時間からは除外して計算します。各業務の定義をセンター内で統一しておかないと、日によって数値がブレてしまう原因になるため、あらかじめ明確なルールを決めておくことが重要です。

コールセンター稼働率の適正な目安

コールセンター稼働率の目安と影響

稼働率の計算ができるようになったら、次はその数値が適正かどうかを判断する基準が必要になります。数値が高すぎても低すぎても現場に問題が発生するため、理想的な目安を知っておくことが大切です。自社の現状と照らし合わせながら、改善の方向性を探ってみてください。

稼働率の状況 センターに与える影響 オペレーターへの影響
適正(80〜85%が目安) コストと品質のバランスが良い 適度な緊張感と休息が保たれる
高すぎる(90%を超える状態) 応答率が下がりクレームが増える 疲労が蓄積し離職率が上がる
低すぎる(80%を大きく下回る状態) 人件費の無駄が発生する モチベーションが低下しやすい

表を見るとわかるように、稼働率は単なる数字ではなく、現場の健康状態を表すバロメーターとしての役割を持っています。ここからは、適正値の具体的な目安と、基準から外れてしまった場合に起こる問題について詳しく解説していきます。

一般的な適正値は80~85%

コールセンターにおける稼働率の一般的な目安は、およそ80~85%の範囲だと言われています。この数値は、オペレーターが適度に忙しく働きつつも、次のお客様の電話を受けるまでに少しの余裕がある状態を示しています。残りの15~20%は、朝礼やミーティング、小休憩や研修などに充てられる時間です。もちろん、取り扱っている商材の難易度や、センターの規模によって適正値は変わってきます。
たとえば、専門的な知識が必要で対応に時間がかかる窓口であれば、目安をもう少し低く設定してオペレーターの負担を減らす工夫が必要です。自社の業務内容に合わせて、無理のない範囲で独自の目安を設定していくのが良いでしょう。

稼働率が高すぎる場合に起こる問題

もし稼働率が90%を超えるような高い状態が続くと、さまざまな問題が発生しやすくなります。まず懸念されるのが、オペレーターの肉体的・精神的な疲労です。電話が終わって一息つく間もなく次の電話が鳴り続ける状態は、想像以上に大きなストレスを与えます。その結果として、対応時の言葉遣いが乱れたり、案内ミスが発生したりして、応対品質が下がってしまう可能性があります。
さらに、疲労が蓄積することで離職率が高まり、新たな人材を採用・育成するためのコストが余計にかかってしまうことも少なくありません。高い稼働率は一見すると無駄がないように見えますが、長期的な視点で見るとセンター運営を不安定にする要因になりかねません。

稼働率が低すぎる場合に起こる問題

反対に、稼働率が低すぎる場合にも別の問題が潜んでいます。目安を大きく下回っているということは、顧客からの電話に対してオペレーターの人数が多すぎる状態です。これは、電話を待っているだけの時間が増えてしまい、無駄な人件費が発生しやすい状態と言えます。経営的な視点から見ると、利益を圧迫する要因になりやすいため、早めの見直しが推奨されます。
また、仕事量が少なすぎると、時間が経つのが遅く感じられ、オペレーターの集中力やモチベーションが下がってしまうというデメリットもあります。コストと従業員のやりがいの両方を守るために、人員配置を見直して適正な数値に引き上げる取り組みが必要です。

コールセンターの稼働率を適正に保つための改善策

稼働率を適正に保つための改善策

では、実際の現場で稼働率を適正な数値に近づけるためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。原因がわかっても、具体的な行動に移さなければ状況は変わりません。ここでは、現場ですぐに取り組める効果的な方法をいくつか紹介します。

改善策の方向性 具体的な方法の例 期待できる効果
人員配置の見直し 過去のデータを基にしたシフト作成 人員過不足の解消、人件費の適正化
業務の効率化 ボイスボット・IVRによる一次対応の自動化 定型的な入電数の削減、オペレーター負荷の軽減
スキルアップ ロープレや定期的なフィードバックの実施 対応時間の短縮、オペレーターの自信向上

これらの改善策は、どれか一つだけを実施するよりも、組み合わせて行うことでより大きな効果を発揮します。自社のセンターで一番課題となっている部分はどこかを考えながら、読み進めてみてください。

シフトと人員配置の最適化

稼働率をコントロールする上で、非常に重要となるのがシフト管理の最適化です。過去の入電データをしっかりと分析し、曜日や時間帯ごとの電話の波を予測することから始めましょう。電話が集中する時間帯には人員を手厚く配置し、少ない時間帯には別業務を割り振るなどの工夫が効果的です。また、パートやアルバイトの勤務時間を細かく調整できるフレックスタイム制を導入するのも一つの手だと言えます。
このように、需要に合わせた柔軟な人員配置を行うことで、稼働率のブレを最小限に抑えることが可能になります。定期的に予測と実際の結果を照らし合わせて、シフトの精度を上げていく習慣をつけることが大切です。

業務効率化システムの活用

システムの力を借りて業務全体を効率化することも、稼働率の改善に大きく貢献します。なかでも効果が大きいのは、AIによる音声自動応答を行うボイスボットや、あらかじめ設定した分岐で用件を振り分けるIVR(自動音声応答システム)の導入です。住所変更や営業時間の案内、料金確認といった定型的な問い合わせを自動化できれば、オペレーターが対応すべき入電数そのものを抑えられ、稼働率の高止まりを根本から防ぎやすくなります。
また、営業時間外や休日の一次受付をボイスボットに任せることで、オペレーターの負荷を分散させながら応答率を維持することも可能です。あわせて、電話対応後の入力作業を支援する後処理支援システムを組み合わせれば、後処理時間の短縮にもつながります。初期投資は必要になりますが、長期的に見れば稼働率を安定させ、センター全体の生産性を高めるための有効な手段となります。

オペレーターのスキル向上と教育

稼働率を適正に保つためには、オペレーター個人のスキルアップも重要です。対応に時間がかかってしまうスタッフが多いと、全体の稼働率が高止まりしてしまう原因になります。定期的な研修やロールプレイングを実施して、スムーズな会話の進め方や保留を減らすコツを共有していくことが求められます。とくに、キーボードの入力スピードやシステムの操作手順など、基礎的なスキルを上げるだけでも後処理の時間は大きく短縮されるはずです。
また、優秀なオペレーターの対応音声を共有し、良いところを真似してもらうという方法も効果的でしょう。スタッフの成長をサポートする体制を整えることで、センター全体の対応力が底上げされ、結果として稼働率の安定に繋がります。

まとめ

この記事で解説した、コールセンターの稼働率に関する重要なポイントをまとめます。

•    稼働率は労働時間に対する顧客対応業務の割合を示す指標である
•    占有率は待機時間を含まず、システムログイン時間に対する実務の割合を示す
•    稼働率の適正値は80~85%の範囲が一般的な目安となる
•    数値が高すぎると離職を招き、低すぎるとコストの無駄が発生する
•    適正化にはシフト管理の徹底とシステム活用による業務効率化が有効である

稼働率を正しく管理することで、オペレーターの働きやすさを守りながら、お客様へ提供するサービスの質を高めていきましょう。

稼働率の高止まりを防ぐなら電話業務の自動化「DHK CANVAS」

本記事で述べたとおり、稼働率が高すぎればオペレーターが疲弊して離職を招き、低すぎれば人件費の無駄が発生します。この振れ幅を抑えるうえで効果が大きいのが、改善策でも触れた「ボイスボット・IVRによる一次対応の自動化」です。定型的な入電そのものを減らせれば、稼働率の高止まりを根本から防ぎやすくなります。

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監修者情報

メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。

監修者 前田泰延(株式会社電話放送局) マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延

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