クレーム対応が上手い人の特徴5選|そのまま使える例文とNGフレーズ7つ
2026/08/05
コールセンターにおける顧客対応の中でも、とりわけ難易度が高いのがクレーム対応です。クレーム電話へ適切に対処するには、オペレーターに一定の高いスキルが求められます。また、クレーム対応は一般的に担当者にストレスが蓄積しやすい業務です。こうした背景から、苦手意識を持つ方も少なくないでしょう。
その一方で、クレーム対応は自社の印象に大きな影響を与える重要な業務でもあります。接客スキルを向上させるためにも、改めて適切な対応方法のコツを確認して、対応力に磨きをかけましょう。こちらの記事では、クレーム対応が上手い人の特徴を参考にしながら、効果的な受け答えのポイントを解説します。
目次
クレーム対応が上手い人の特徴は?
クレーム対応が上手い人の接客態度には、具体的にどんな特徴があるのでしょうか。初めに、接客スキルが高いオペレーターの対応方法をご紹介します。
冷静な判断ができる
クレーム対応が上手い人は、たとえお客様が不満や不快感を強い言葉で表明したとしても、常に落ち着いて対応します。クレームを受け付ける立場にあるオペレーターが慌てたり感情的になったりすると、状況を悪化させかねません。問題の解決策を迅速に見つけるためには、冷静な判断力が不可欠です。
論理的な思考ができる
クレーム対応が上手い人には論理的思考力があります。クレームの要点を的確に把握するには、物事を筋道立てて考えられる能力が必要です。また、オペレーターが伝えたい内容をお客様へ正確に理解していただくためにも、理路整然とした話し方ができなければなりません。
真摯に対応できる
クレーム対応が上手い人はお客様に誠意をもって接し、一貫して真摯な姿勢で対応しています。相手の話を傾聴することで、「丁寧に話を聞いてもらえている」という安心感につながります。さらには、一生懸命に仕事へ取り組む真面目さが伝わり、お客様に納得していただきやすくなるでしょう。
人が怒るメカニズムを理解している
クレーム対応が上手い人は、書籍で学んだ情報や過去の経験などに基づいて、相手の怒りの原因を想定しています。一般的に、怒りは期待とのギャップにより発生する傾向にあります。こうした怒りの本質を見抜いているからこそ、的確なお詫びや提案ができるのです。
引き際を決めている
上手い人ほど粘り強く対応しているように見えて、実は終わらせる線を先に決めています。要望に応えられないと判断した時点で代替案を出し、それでも折り合わないなら上長へ引き継ぐ。この判断が早いため、一件あたりの消耗が小さく済みます。
逆に、なんとか自分で収めようとする人ほど通話が長引き、疲弊していきます。引き際は個人の粘りで決めるものではなく、あらかじめ組織で決めておく基準です。
クレーム対応が上手い人の答え方のポイント
クレーム対応が上手い人は、電話口でどのように受け答えしているのでしょうか。ここでは、クレーム対応におけるお客様への答え方の基本をご説明します。
お客様の話をさえぎらない
お客様が感情的になりやすいクレーム対応では、相手が話している最中に発言をさえぎらず、最後まで主張を聞くことが大切です。オペレーターが落ち着いて話を聞くと、お客様の気持ちが落ち着きやすくなります。相手が話し終えて、一呼吸置いてから話し始めるよう意識しましょう。
●お客様のペースに合わせて話を進める
クレーム対応では、あくまでもお客様のペースに合わせて話を進めます。相手の話す速度に合わせて相槌を打ち、常に相手の心情や理解度を確認することが大切です。その際、相手の了承を得る必要があるときは「恐れ入りますが」「誠に恐縮ですが」といったフレーズを挟むと丁寧な印象になります。
お客様の気持ちに共感する
クレーム対応でお客様の話を聞くときは、相槌によって相手への共感を示すと良いでしょう。お客様は自分の話を聞いてもらえている安心感を得られます。その際は、「はい」や「仰るとおりでございます」といった肯定を表す相槌を打つと効果的です。
お客様に感謝を伝える
顧客からのクレームには、現状を改善するヒントが含まれている可能性も。そのため、自社の落ち度を指摘した顧客に対して感謝することも大切です。「この度は貴重なご意見をありがとうございます」などと伝えると、業務改善に意欲的な企業と印象づけられるでしょう。
対応にかかる時間を伝える
クレームを受けたら、原則として即時対応する必要があります。万が一、対応までに多くの時間がかかりお客様をお待たせする可能性がある場合は、あらかじめ対応にかかる時間を明確に伝えておきましょう。説明なしに顧客を待たせると「対応せずに放置されている」と受け取られるおそれがあります。
話の内容をメモにとる
電話対応中に顧客が話した内容はメモを取り、事実を正確に記録に残しましょう。メモを取ると、重要な情報の抜け漏れを防ぎやすくなるほか、オペレーターが状況を整理する上でも役立ちます。社内で情報を共有したり、報告したりする際にも役立てられるでしょう。
復唱して内容を確認する
オペレーターが聞き取った内容を復唱すると、お客様は言いたいことが正確に伝わっている安心感を得られます。たとえば「商品Aを注文したのにBが届いた」とクレームを受けたら「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。ご注文された商品Aと誤って、商品Bが届いたということでございますね」と復唱します。
解決策や代替案を提示する
お客様の話を聞き、事実確認を終えた後は、速やかに解決策や代替案を提示して問題の解決を目指します。その際は、「〇〇様の〇〇という事情に合わせて、〇〇の対応をさせていただきます」といった形で、顧客の立場に寄り添いながら解決策や代替案を伝えるのがポイントです。
そのまま使えるクレーム対応の例文
対応の巧拙は、心構えよりも実際に口から出る言葉に表れます。場面ごとに言い回しを決めておくと、緊張していても対応の質が落ちません。
| 場面 | そのまま使える例文 | 意図 |
|---|---|---|
| 第一声 | ご不便をおかけし申し訳ございません。差し支えなければ、詳しくお聞かせいただけますでしょうか | 謝罪より先に 話す場を渡す |
| 事実が まだ不明 | ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。事実関係を確認させてください | 全面的な非を 認めずに謝る |
| 自社に非が あると判明 | ◯◯の件、こちらの確認不足でご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません | 何に対する謝罪か を明示する |
| 要望に 応えられない | ご希望に添えず恐れ入ります。△△であれば本日中に対応できますが、いかがでしょうか | 断りと代替案を ひと続きで出す |
| 話が 繰り返される | ここまでのお話を確認させてください。◯◯と△△の2点でお間違いないでしょうか | 復唱で論点を 区切る |
| 終話 | 本日はお時間をいただきありがとうございました。いただいたご意見は社内で共有いたします | 感謝で終え 再発防止に触れる |
要点は謝罪の使い分けです。事実確認が済んでいない段階で「私どもの不手際でした」と言い切ると、後から事実が違った場合に収拾がつかなくなります。まだ分からない段階では、不快な思いをさせたことに対して謝る形にとどめてください。
代替案は、断りとひと続きで出すと角が立ちません。「できません」で文を切ってから代替案を出すと、その間に沈黙が生まれ、そこで反発を招きます。
復唱は、内容の確認だけが目的ではありません。同じ話が繰り返されているときに論点を区切る役割も果たします。「◯◯と△△の2点でお間違いないでしょうか」と挟むことで、話が前へ進みます。
言ってはいけないNGフレーズと言い換え
クレームが長引く原因の多くは、内容ではなく最初の一言にあります。悪気なく使っている定型句が、相手の受け取り方を変えてしまいます。
| NGフレーズ | なぜ火に油を注ぐのか | 言い換え |
|---|---|---|
| そんなはずは ございません | 相手の体験そのものを否定する言葉になる | 確認が行き届いておりませんでした。もう一度確認いたします |
| 規則ですので | 理由の説明を放棄したと受け取られる | 恐れ入りますが◯◯という取り決めがございます。代わりに△△をご案内できます |
| できません | できることまで無いように聞こえる | ◯◯は承れないのですが、△△であればご対応できます |
| お客様の 勘違いでは | 非を相手に押し付ける形になる | 行き違いがあったようです。状況をもう一度お聞かせいただけますか |
| たぶん/一応 〜と思います | 曖昧な返答が不信を生み、話が蒸し返される | 確認のうえ、本日中に折り返しご連絡いたします |
| でも/ですが (文頭に置く) | 受け止める前の反論と受け取られ、聞く姿勢が伝わらない | おっしゃるとおりです。そのうえで一点ご確認させてください |
| 担当者が不在で 分かりません | たらい回しの予感を与え、怒りが増幅する | 私が承ります。確認して本日中にご連絡いたします |
とくに注意したいのが「でも」「ですが」から入る癖です。内容が正しくても、受け止める前に反論されたと感じさせます。相手の言い分を一度受け取り、それから確認に入る順序を守るだけで、会話の温度は変わります。
曖昧な返答も避けてください。「たぶん」「一応」で答えるとその場は収まっても、後から食い違いが発覚して二度目のクレームになります。分からないことは調べて折り返すと伝えるほうが、結果的に早く終わります。
クレーム対応が上手くなる方法
最後に、クレーム対応スキルを向上させる方法を解説します。会社全体のクレーム対応品質を高めるために、ぜひ参考にしてみてください。
クレーム対応が上手い人の真似をする
社内にクレーム対応が上手いスタッフがいる場合、対応方法を真似してノウハウを得るのも有効です。クレーム対応が上手い人は、話し方や表現方法、話すタイミング、相槌などの細部にまで注意を払っています。実際にクレーム対応を行う現場を見て学ぶ機会を設けても良いでしょう。
クレーム対応の後に振り返りを行う
現状のクレーム対応を改善するには、実際に対応を行った後で振り返りを行うのが望ましいでしょう。その際、上司やクレーム対応が上手い人に会話の内容を聞いてもらって、アドバイスを受けるのもおすすめです。第三者からの意見をヒントに、改善点が見つかりやすくなります。
理不尽なクレームはどこで線を引く?
すべてのクレームに誠実に向き合うべき、という前提だけで運用すると現場が壊れます。改善につながる申し出と、対応する側を攻撃する行為は分けて扱う必要があります。
厚生労働省は、職場におけるカスタマーハラスメントを「①顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の事業主の行う事業に関係を有する者が行う」「②社会通念上許容される範囲を超えた言動により」「③労働者の就業環境が害されるもの」の3つの要素をすべて満たすものと定義しています。②の「社会通念上許容される範囲を超えた言動」とは、言動が契約内容からして相当性を欠くもの、または手段や態様が相当でないものを指します。
要求の内容と、要求を通すための手段のどちらか一方だけが範囲を超えている場合でも該当し得るとされている点は、実務上重要です。要望そのものは正当でも、伝え方が度を越していれば線を引いてよいという判断ができます。
そして、この防止措置を講じることは事業主の義務となり、施行日は令和8年10月1日です。対面だけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含まれると明記されています。電話窓口を持つ企業にとっては、対応マニュアルの整備が努力目標ではなく義務になるということです。
現場で使える線引きとして、次のいずれかに当てはまったら、対応の継続ではなく引き継ぎへ切り替えてください。
・人格を否定する言葉や暴言が繰り返される
・実現できないと説明済みの要求が、同じ内容で繰り返される
・対応時間が、あらかじめ決めた上限を超えている
重要なのは、この判断をオペレーター個人に委ねないことです。「切ってよい」と会社が決めていない職場では、担当者は終わりの見えない対応を耐えることになります。打ち切りの条件、打ち切る際の文言、引き継ぎ先の3つを文書化してください。
文言の一例です。「恐れ入りますが、同じご説明の繰り返しとなってしまいます。改めて責任者よりご連絡させていただきます」。担当者個人の判断ではなく社の手順として案内する形にすると、本人への攻撃を受けにくくなります。
株式会社電話放送局では自社のコールセンターで一次受付を自動化し、TELハラ・カスハラ対策を兼ねながら対応工数時間を17%削減しました。人が出る前にワンクッションを置くことは、応対技術とは別の層で現場を守る手段になります。
クレーム対応品質を向上するには企業側の体制にも見直しを!
ここまで、クレーム対応が上手い人の特徴から、効果的な受け答えのポイントまでお伝えしました。クレーム対応ではオペレーターのスキルだけでなく、代表電話の受付体制にも改善すべき点があるかもしれません。電話がなかなかつながらなかったり、コールセンターの営業時間が短かったりして、顧客の利便性を損ねていないでしょうか。不便な受付体制が顧客の怒りを増幅させるケースも少なくありません。電話がつながりやすい環境を提供したり、一次対応で苦情を受け付けたりすることで、顧客の心情が落ち着く可能性が考えられます。
コールセンターや、代表電話の受付体制を見直す際は、AI+ボイスボットで取り次ぎを完全自動化する「とりつぎ君」がおすすめです。電話がいつでもつながる体制によって、顧客からの印象の悪化を最小限に防ぎます。発話内容に応じて適切な窓口へスムーズに取り次げるので、クレームの一次対応に適しています。顧客対応の品質向上を目指すなら、システム導入も視野に入れましょう。
とりつぎ君
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監修者情報
メーカーのコールセンター運営管理に従事し、自らIVRを導入。
不要な入電を抑制しつつ売上向上を実現するなど、現場視点で成果を創出。電話放送局では営業マネージャーとして10年以上従事し、クラウド型IVRの業界シェア1位獲得に貢献。
コロナ禍におけるユーザーのデジタル行動変容を受け、マーケティング部門を立ち上げ、責任者に就任。インサイドセールスを統括し、営業部門との連携を強化。自動音声応答の導入、運用、集客、営業の幅広い経験を有する。
IVRおよびコールセンター市場における20年以上の知見を活かし、ユーザーの検索行動やニーズを深く理解したマーケティング戦略を展開。
検索連動広告の運用経験を基に、現場で役立つ実践的な情報を発信し、読者のビジネス成功を力強くサポートします。
マーケティング責任者 営業部営業推進課 課長 前田泰延
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