2023/03/07

生命保険や損害保険に代表されるように、人生で起こる可能性のあるアクシデントに備えた商品を取り扱っている保険業界。社会で多くの人たちが安心して暮らすために欠かせない事業ですが、今後の保険業界には少子高齢化の進行など、業界全体を取り巻く大きな課題が存在します。本記事では、そんな保険業界の課題や、デジタル技術で課題を解決へと導くDX(デジタルトランスフォーメーション)について解説します。DXに取り組む企業の成功事例もご紹介するため、ぜひ参考にお読みください。

目次

保険のDXと課題

 ・保険のDX

 ・保険業の課題

保険業界の仕事に取り入れられるDX

 ・顧客データの活用

 ・保険査定の自動化

 ・インターネットを用いての利便性向上

保険業にDXを導入して成果を上げている事例

 ・SBIインシュアランスグループ株式会社

 ・東京海上ホールディングス株式会社

DX推進で自社の保険業務の変革を目指しましょう

保険のDXと課題

保険業界の企業は、少子高齢化の進行や異業種からの保健事業への新規参入などを背景に、さまざまな課題を抱えています。こうした課題を解決へと導くとして、最先端のテクノロジーを活用したDXが注目されている状況です。初めに、保険業界とDXについて解説します。

保険のDX

DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語です。企業がデジタル技術により既存のサービスや業務プロセスを改善し、業務に変革をもたらすことを意味します。最先端のテクノロジーを活用することで、新しい商品やサービスを開発したり、業務を効率化したりできる可能性があります。こうしてDXを推し進めることで、企業はビジネスの成長や競争力強化などを実現できるのです。保険の分野では近年、データ利活用によって顧客ニーズに合わせて最適化された保険商品を提案するサービスが始まっています。このようにDXは保険業界のサービスに新たな価値をもたらすと期待されています。

保険業の課題

・顧客との接点の少なさ
保険業のビジネスにおける顧客との接点は、保険の契約時以外では主に保険事故が発生したタイミングに限られており、非常に少ない傾向にあります。多くの顧客は、保険の契約後に加入した保険の見直しを行わないためです。こうした状況から、多くの保険会社が顧客のニーズを十分に把握できていない状況にあります。顧客との接点の不足という課題に対して、DXによるデータ活用が顧客体験の向上に寄与すると考えられています。

・競争の激化
近年では、IT業界などの異業種から保険業界へ参入する企業が登場し、話題となりました。特に、ITサービスの提供により保険業を支援したノウハウを有する企業にとっては、異業種から参入するハードルが低いといえるでしょう。また、インターネットが普及した昨今では、顧客が自ら情報収集を行いやすくなっています。顧客自身が保険商品の相場を把握しており、複数社のサービスを比較検討することも少なくありません。さまざまな背景から同業他社との競争が激化している状況です。その中で、より良いサービスを創出してビジネスの優位性を確保するには、DXへの取り組みが欠かせません。

・保険契約者の高齢化
保険業界は、少子高齢化による影響を受けやすいビジネスであることから、人口減少は業界全体で大きな課題となっています。契約者が高齢化し、若年層が減少している現状に加えて、資産形成の手段として保険が選ばれなくなっているという環境変化も見逃せません。しだいに市場が縮小する中で、これまでとは異なる新たな経営戦略が求められているのです。たとえば、従来の保険営業のほかにも、多様なチャネルで保険商品を販売する仕組みがなくてはなりません。DXによるビジネスの変革は、保険業界において急務だといえるでしょう。

保険業界の仕事に取り入れられるDX

保険業界の業務では、具体的にどのようにDXが取り入れられているのでしょうか。今後はデジタル化やデータ活用がさらに進み、従来とは異なる保険サービスが登場する可能性も考えられます。すでに保険業界で導入されているDXの現状やトレンドを理解しておきましょう。

顧客データの活用

DXによるデータ活用が進めば、顧客へ保険商品を提案する際に、一人ひとりに適切な保険サービスを提供できるようになると期待されています。たとえば、個人の日常生活のログデータが蓄積されれば、将来的にはライフスタイルから将来の健康状態を予測できるようになる可能性があります。そこで保険業界では、データ分析の結果に基づき、顧客ごとにパーソナライズされた保険商品を提供できるようになるのです。現状ではまだ、個人情報の商業利用に関して制度が整備されつつある段階にあります。しかし、もし実現すれば、顧客側も健康増進にともなう保険料の低下など、多くのメリットを得られるようになるでしょう。

保険査定の自動化

DXで保険査定にAIを導入すると、多くの業務が自動化され、企業側と顧客側の双方にメリットがもたらされます。これまでの保険査定の方法では、顧客が保険に加入する際の審査やリスクの分析、保険金の算出などの業務が不可欠でした。AIを活用すれば、担当者による調査が不要となり、蓄積されたデータに基づいて精度の高い審査ができるようになるのです。審査業務が自動化されれば、業務負担の大幅な削減につながります。人手不足の対策として有効で、繁忙期でもスムーズな審査が可能となります。より多くの契約へスムーズに対応できることから、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

インターネットを用いての利便性向上

DXでサービスのオンライン化を推進すれば、インターネット上で保険サービスを完結できるようになります。従来は顧客が保険代理店へ足を運び、店頭で行う必要があった手続きを、スマートフォンのアプリから済ませられるようになります。保険の加入や管理のほか、保険金の受け取りまでオンラインで可能となるのです。また、顧客が保険代理店を利用する場合も、オンラインの予約システムを導入することで、業務効率化をはかれます。たとえば、対面での相談を希望する顧客が、最寄りの保険代理店をオンラインで予約するといった仕組みです。DXにより従来のサービスの利便性をさらに高められます。

保険業にDXを導入して成果を上げている事例

国内におけるDX推進の取り組みは、保険業界に限らず、幅広い業界で拡大しています。このように企業にDXが浸透する背景として、経済産業省の施策が挙げられます。

経済産業省では、産業界のDX推進を目的として、企業のレベルに応じたDXの施策を実施しています。たとえば、今後DXに着手する企業へ向けて診断を提供する「DX推進指標」や、DXへ取り組む環境を整備した企業を認定する「DX認定」などです。なかでも、DXの取り組みで特に優良なモデルケースを認定する「DX銘柄」では、先進企業の成功事例を参考にできます。

ここでは、2022年における経済産業省の「DX銘柄」から、保険業にDXを導入して成果を上げている事例をご紹介します。

【出典】「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022」(経済産業省)

SBIインシュアランスグループ株式会社

SBIインシュアランスグループ株式会社のDX施策では、保険業界の課題解決へ向けて、データ利活用とAIの全社的導入が推し進められました。同社はFinTechやAIなどの先進技術を駆使したビジネスモデルの変革を目指しています。たとえば、投資先企業と共同でAIを活用したプロジェクトを立ち上げ、事業化を推進しています。具体的には、AIによる保険金の不正請求検知、コールセンターの受電予測などです。こうしたAI導入に関して、技術提携先と共同でOJTを実施するなど、社内のIT人材育成に注力する取り組みにも注目です。また、同社はパートナー企業とのシステム連携やペーパーレス化などにも取り組み、業務効率化をサポートすることで、企業間のエンゲージメント構築も実現しています。

東京海上ホールディングス株式会社

東京海上ホールディングス株式会社は、時代により変化する社会課題を解決し、持続的な成長を実現するために、DXによる新たなビジネスモデルを創出しました。同社は、従来の保健事業を「社会課題解決事業」へと変革すべく、データ活用やAIの導入による新たな価値の提供を実施しています。そこで展開するのは、テクノロジーの活用により事故や疾病を防ぐ「早期検知・予防」、早期の復旧や再発防止につなげる「軽減・再発防止」などの領域です。たとえば、新たに発足した「防災コンソーシアム(CORE)」では、災害の事前予測やリアルタイムハザードマップなどのテーマで、デジタル技術による防災・減災事業の構築が推し進められています。

DX推進で自社の保険業務の変革を目指しましょう

ここまで保険業界のDX推進について解説しました。DXとはデジタル技術を用いて業務を変革し、ビジネスの成長や競争力強化につなげることを指します。国内の少子高齢化の進行は、保険業界に大きな影響を与える課題として捉えられており、DX推進による対策が重要視されています。本記事では、すでに保険業界で取り入れられている施策として、顧客データの活用・保険査定の自動化・オンライン化などをご紹介しました。今後、DX推進へ取り組む際は、経済産業省が公表する企業の成功事例を基に、ポイントを参考にしてみましょう。

電話放送局(DHK)では、保険業界のDX施策の一環としてお役立ていただける、電話業務を効率化するソリューションをご用意しております。保険業におすすめなのは、自動音声応答(IVR)でアウトバウンド業務を自動化する「オートコールIVR」です。こちらのソリューションでは、大量回線を用いた一斉架電が可能で、保険商品の販促や営業後のフォローなどに活用していただけます。また、書類の返送依頼や住所確認などにも適しているため、保険の契約手続きの効率化にも有効です。

保険サービスのオンライン化が進む近年では、インターネット上で保険の加入や管理などの手続きを行うケースも少なくありません。「オートコールIVR」を活用すれば、オンラインの手続きで生じる定型の電話対応を機械に任せて、社内の限りあるリソースを有効活用しやすくなります。IVR専業のDHKは保険業界の企業様での導入実績もございます。電話業務のDXについて、どうぞお気軽にお問い合わせください。

オートコールIVR

お役立ち資料 無料ダウンロード

本資料では、IVR(自動音声応答)を活用した電話業務を自動化する手法や、IVRサービス提供会社を選ぶポイントを知ることができます。

【本資料は、下記の関心をお持ちの方におすすめです】
・コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい
・自動化に適したコール内容を知りたい
・IVRやボイスボット導入により、自動化に成功した事例を知りたい

関連コラム

おすすめコラム

簡単・便利なIVRを体験

IVRで電話業務を自動化する手法や、IVRサービス提供会社を選ぶポイントを知ることができる資料を無料提供

下記の関心をお持ちの方におすすめです!

  • コールセンターの電話業務をどこまで自動化できるのか知りたい

  • 自動化に適したコール内容を知りたい

  • IVRやボイスボット導入により、自動化に成功した事例を知りたい

IVRを活用してコールセンターを自動化する手法と成功事例

IVRで課題解決

こんな課題ありませんか?

  • 電話対応を自動化したい
  • あふれ呼や営業時間外の機会損失を減らしたい
  • 災害時のBCP(事業継続計画)やテレワークに活用したい

お問い合わせ・資料請求はこちら

お電話からのお問い合わせ