2024/03/06

現状、地方自治体で情報システムの統一化が図られてこなかったために、全国的な連携が難しい状況に陥っています。こうしたシステムの課題を解決することで、全国規模のデジタル化の基盤が構築され、オンライン申請の普及をはじめとした住民サービスの向上が期待されています。総務省・デジタル庁が自治体システム標準化を推進し、システムの円滑な移行が目指されている状況です。

この記事では、今後自治体が取り組むべき「自治体システム標準化」について解説します。デジタル技術を活用した業務効率化へ向けて、ぜひ参考にお読みください。

目次

自治体システム標準化とは?

 ・自治体システム標準化の概要

 ・自治体システム標準化の目的

 ・自治体システム標準化の対象となる業務

自治体システム標準化が求められる背景

自治体システム標準化の移行の流れ

 ・フェーズ1計画立案

 ・フェーズ2システム選定

 ・フェーズ3移行

 ・フェーズ4運用

自治体の業務効率化へ向けてシステム活用を検討しましょう!

自治体システム標準化とは?

初めに、自治体システム標準化に関する基礎知識をお伝えします。基幹システムを移行する目的や、対象となる業務をお伝えするため、改めて確認してみましょう。

自治体システム標準化の概要

自治体システム標準化とは、自治体ごとに異なっている現状の情報システムを全国で統一および標準化する施策のことです。情報システムの標準化が完了した後は、標準仕様に基づいたシステムで政府共通のクラウド(=ガバメントクラウド)を活用した住民サービスの提供が目指されています。2026年3月末を目標に、国が自治体を支援しシステムの標準化を推進している状況です。

自治体システム標準化の目的

自治体システム標準化の目的は、自治体ごとの事務処理の内容を共通化し、行政運営を効率化させることです。これにより自治体職員の業務負担が軽減されてコア業務に注力でき、さらにはオンライン申請が全国に普及するなど、住民の利便性を向上させる効果が期待されています。また、システムの標準化によって各自治体の財政的な負担を軽減するのも目的の一つです。

自治体システム標準化の対象となる業務

自治体システム標準化で対象となるのは、20つの基幹業務(住民基本台帳、選挙人名簿管理、固定資産税、個人住民税、法人住民税、軽自動車税、国民健康保険、国民年金、障害者福祉、後期高齢者医療、介護保険、児童手当、児童扶養手当、子ども・子育て支援、健康管理、就学、生活保護、印鑑登録、戸籍、戸籍の附票)です。ここでは、各業務で用いられている基幹システムの概要をご紹介します。

業務 概要
住民基本台帳 自治体の事務処理の基礎となる住民票に関わるシステム
選挙人名簿管理 選挙権を持つ住民を管理する選挙人名簿に関わるシステム
固定資産税 建物や土地などに課される固定資産税に関わるシステム
個人住民税 住民が負担する個人住民税に関わるシステム
法人住民税 法人が負担する法人住民税に関わるシステム
軽自動車税 軽自動車などに課される軽自動車税に関わるシステム
国民健康保険 医療保険制度の国民健康保険に関わるシステム
国民年金 公的年金の国民年金に関わるシステム
障害者福祉 公的な障害福祉サービスに関わるシステム
後期高齢者医療 後期高齢者医療制度に関わるシステム
介護保険 社会保険制度の介護保険に関わるシステム
児童手当 児童手当制度に関わるシステム
児童扶養手当 児童扶養手当制度に関わるシステム
子ども・子育て支援 子ども・子育て支援制度に関わるシステム
健康管理 成人検診・母子保健・予防接種などの健康管理に関わるシステム
就学 学齢児童・学齢生徒の情報を管理する学齢簿に関わるシステム
生活保護 公的扶助制度の生活保護に関わるシステム
印鑑登録 法的な手続きで使用する実印の登録に関わるシステム
戸籍 出生から志望までの身分関係を証明する戸籍に関わるシステム
戸籍の附票 戸籍が作られて以降の住所の記録に関わるシステム

自治体システム標準化が求められる背景

自治体システム標準化が推進される背景として、各自治体で運用されている基幹システムがそれぞれ独自に開発およびカスタマイズされている課題が挙げられます。自治体ごとに情報システムがカスタマイズされ、システムの維持管理や制度改正にともなう改修で個別の費用負担が発生しています。また、この状態ではガバメントクラウドの普及に支障をきたし、住民サービス向上の取り組みを全国的に進めることができません。自治体システム標準化が実現されれば、標準準拠の新機能開発が可能となり、自治体のコスト削減につながるのが大きなメリットです。

【参考】地方公共団体情報システム標準化基本方針(デジタル庁)

自治体システム標準化の移行の流れ

自治体システム標準化の施策では、フェーズごとの段階的な移行が目指されています。国の支援を受けながら、自治体自ら標準化を実施する必要があるため、移行の流れを押さえておきましょう。

参照:総務省「自治体情報システムの標準化・共通化参考事例集【第1.0版】

フェーズ1計画立案

初めに組織体制の整備に取り組みます。その際、既存のDX推進体制を事務局として活用するのも一つの手です。続いて、対象となる現行システムの調査を実施し、データ連携の仕組みなどを明確にして基幹システムの全体像を把握します。また、現行の業務フローを洗い出し、非効率的な部分は改善策を検討しましょう。これらの準備が整い次第、システム移行計画を作成します。

フェーズ2システム選定

システムの選定のために、ベンダーによる説明会を開催します。場合によっては、近隣地域と合同で説明会を実施して、自治体同士でシステム選定に関する情報共有をしても良いでしょう。現状同じベンダーのシステムを利用している近隣の市区町村でチームを発足し、課題の共有や検討ができる体制を整えた自治体の事例もあります。

フェーズ3移行

関連する部署と連携しながらシステムの移行作業に取り組みます。組織によっては、システムの操作に慣れていない部署や、少人数でリソースが不足している部署もあるでしょう。そのため、事務局では移行作業の前に標準化の目的や具体的な作業手順の説明を行い、各部署からの理解を得ることが大切です。DX推進アドバイザーやデジタル人材など外部の専門家から移行支援を受けた自治体の事例もあります。

フェーズ4運用

システム移行計画のスケジュールに合わせてシステムの移行を進め、運用をスタートします。移行過渡期は特に現場の負担が大きくなります。運用開始後も事務局が各部署へ課題のヒアリングを実施し、引き続き運用と改善のフォローを行いましょう。

自治体の業務効率化へ向けてシステム活用を検討しましょう!

ここまで、自治体システム標準化について解説しました。総務省・デジタル庁が主導し、自治体の基幹システムを標準化する動きが始まっています。それだけでなく、近年は自治体の業務効率化へ関心が高まり、システム活用による業務の自動化が注目されている状況です。例えば、従来の電話業務にシステムを導入すると、業務効率が高まり住民の利便性を向上させられる可能性があります。公的な電話窓口の業務効率化は、ぜひ電話放送局にお任せください。

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