RPAとは?コールセンターにおける必要性と導入のメリット・注意点
2022/02/04
人手不足が課題となることが多いコールセンターは、業務の効率化の必要性が高いとされています。業務効率化の実現につながる多様なシステムやツールが提供されていますが、そのなかでも特に注目を集めているのが「RPA」です。
そこで今回は、RPAの概要とコールセンターにおける役割とメリットについて解説します。RPAを活用すれば業務改善だけでなく、教育や応対品質の向上にもつながるのでぜひ確認してください。
目次
RPAとは
RPAの基本とコールセンターにおける役割について解説します。RPAの適切な導入や正しい活用には、欠かせない知識なので理解を深めてください。
定型業務を自動化できるシステム
RPAは「Robotic Process Automation」の略語であり、日本語では「ロボットによる業務の自動化」と訳されます。この場合のロボットは、パソコンなどにインストールして利用するソフトウェアのことを指し、人間に代わる新たな労働力「デジタルトレイバー」とも称されています。RPAはパソコンを使用して行うルーティンワークや手順が決まっている単純作業の自動化が得意領域であり、請求処理やデータ収集・分析などの工程の一部、もしくは全部を効率化することが可能です。
また、しばしばAI(人工知能)と混同されがちですが、RPAが行う業務プロセスなどは人が設定しなければなりません。RPAも設定された以上の業務は実施できないため、学習機能を有するAIとは導入する目的や使用方法が異なることも覚えておきましょう。
コールセンターにおけるRPAの役割
RPAは、経理や総務、営業事務など様々な部署のバックオフィスで導入されています。コールセンターもRPAが活躍できる業務が多い部署の1つであり、以下のような業務が自動化の対象となります。
・架電、問い合わせ内容の転記
・顧客情報の作成
・顧客データ収集
・労務管理の一部作業(勤怠・残業管理の突合作業)
・通話ログやコール履歴の取得や転記
・新入社員やスタッフのアカウント登録、発行
業務内容やプロセスは現場によって異なるものの、いずれもコールセンターでは欠かせない業務ばかりなので、RPAによって自動化できる機会は少なくないといえるでしょう。
コールセンターでRPAの必要性が高まる背景
なぜ、コールセンターにRPAの導入を検討する企業が増えているのでしょうか。代表的な3つの理由を解説します。
コールセンターの人手不足が課題になっている
慢性的な人手不足・人材不足の課題を抱えているコールセンターは少なくありません。クレーム対応をはじめとするストレスフルな業務があるほか、非正規雇用が多いなど要因は様々です。人手不足の課題を解決するには、少ない人数で対応できる体制を構築して組織全体の安定化が欠かせません。そういった課題の解決手段の1つとして、ロボットに作業を代替させるRPAが注目されています。
コールセンターに求められている業務が多様化している
近年、コールセンターに求められる役割が多様化しており、従来の顧客対応に加えて商品 やサービス改善につなげるため、顧客情報の収集業務やインサイドセールスなども必要とされるケースが増えています。
ただ、コールセンターのオペレーターやスタッフの業務負担を増加させることは、人材の確保や定着率向上のためにも避けなければなりません。そのため、既存の業務や追加する収集業務をRPAで自動化させることで、負担を軽減させながら効率的にコールセンターの機能の強化が図れる企業が増えているのです。
働き方改革への対応の必要性が高まっている
政府が長らく推進している「働き方改革」による職場の労働環境改善を促す法令などの対応も、コールセンターの運営においては重要な課題となっています。すでに一部の業種や職種を除いて適用されている「時間外労働の上限規制」など、働き方改革関連には罰則が課される制度も設けられているので、業務内容を見直してなるべく残業をさせない職場環境の改善が求められています。
また、働き方改革を推進している企業は求職者に好印象を与えやすいため、従業員が集まりやすくなるといったメリットも期待できます。RPAを導入して自動化できる業務が増えれば、オペレーターや従業員の業務量の軽減に直結するため、職場環境改善を目的としたRPAの活用を試みる企業もあるのです。
コールセンターにRPAを導入するメリットと注意点
コールセンターにRPAを導入することで、どのようなメリットが得られて課題解決につながるのでしょうか。また、導入する際はどのような注意点に気を付ける必要があるのでしょうか。それぞれの代表的なポイントを紹介します。
RPAを導入するメリット
RPAをコールセンターに導入することで、「生産性の向上」、「応対品質の向上」、「コスト削減」、「顧客満足度の向上」を実現することができます。それぞれの詳細を確認してみましょう。
・生産性を向上できる
業務の自動化により、少ない人数で効率的に作業を行えるようになることで生産性向上につながります。また、基本的に顧客対応はRPAでは行えませんが、顧客情報の照会などをRPAで自動化することでオペレーション業務の効率化も実現可能です。コールセンターをより少ない人数で運営できるようになれば、利益を 直接生み出すコア業務に余剰となった人員や資金を割り振ることができます。事業全体の生産性向上も図れるでしょう。
・業務の質が安定する
RPAを導入することで、自動化した作業のヒューマンエラーを防止することが可能です。入力スピードなどの事務処理能力に左右されずに作業を行えるため、業務の質の向上と安定化が図れることは大きなメリットといえるでしょう。さらに顧客対応時も、顧客情報の照会なども自動で行えるため、オペレーターの習熟度による対応の品質の差を小さくすることも期待でき、顧客満足度の向上につながります。
・コストを抑えられる
RPAを導入して業務効率化できれば、従来よりも少ない人数で同じ作業を完遂可能になります。人材の流動性が高いコールセンターでは、新しい人材を確保して育成するために採用費や教育費、人件費などが多大なコストが発生するケースは珍しくありません。RPAを導入すれば、このようなコストを削減することが可能です。
・時間を問わず対応できる
RPAはロボットなので稼働時間の制約がありません。そのため、処理に時間がかかる作業などは夜間に実施して、従業員が出社したタイミングで円滑に次の工程に取り掛かれる効率的なスケージューリングも可能になります。業務スピードの向上はもちろん、従業員の労働環境やモチベーションの改善にもつながるでしょう。
RPAを導入する際の注意点
RPAの効果を最大限に活用するためには、事前にRPAの得意・不得意な領域の作業を把握して適切に導入しなければなりません。また、RPAならではのリスク対策も実施する必要があるでしょう。
・単純化できない業務の処理が難しい
RPAは定型作業(ルーティンワーク)の自動化が得意である一方、個別の対応やイレギュラー対応、頻繁に手順が変更される作業には適していません。そのため、RPAで自動化できる業務をあらかじめ見極める必要があるのです。
・トラブル発生が原因で業務が停止するリスクがある
RPAを導入する際に注意しなければならないリスクの代表格が「システムトラブル」
です。システム障害や業務の手順を設定するシナリオ設計のミスによって、作業を行えなくなる可能性があります。そのため、システムが復旧するまでの作業マニュアルの作成や安全に稼働できる環境の構築などの対策が必要不可欠です。
RPAの導入はシステム選定と事前の計画が重要
RPAの基本的な情報とコールセンターに導入する際のポイントについて解説しました。RPAを活用すれば、コールセンターの様々な業務の効率化が期待できる一方、適切なシステムと自動化する業務の選定は欠かせません。また、電話放送局が提供している「ロボット自動受付」や「自動受付IVR」のような、オペレーションを自動化できるシステムなどコールセンターには業務効率化できる方法はたくさんあります。多角的な視点でコールセンターの業務を見直し、適切にシステムを導入しましょう。
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